2007年08月27日

「プロを目指すことを諦めるための目安と基準!?」 

kai madreさんからご意見箱に以下のようなご質問が届きましたので、ご返答させていただきます。kai madreさん、ご質問いただきありがとうございます。

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【あきらめる目安とか基準】 by kai madreさん

>尚登コーチはどう思いますか。
>「天才」だった子が、結局プロ契約されず、今更他に目標もない。
>憧れのプロだった人が、4,5年で戦力外で行くところがない、など。
>しかも、一部の選手以外は、給料もびっくりするほど安いです。
>プロって、日本では「憧れ」切れない気がします。
>サッカーは特に、団体競技だし、個人の力がデータや数字にしにくいですよね。
>監督によって評価も違うし、自分の能力についてどの辺で「見切り」をつければいいのか
>例えば早めにわかれば、他の目標も見つけやすいかも。趣味で楽しく続けていけば、
>それもいいと思います。ジュニアやユースで引っ張るだけ引っ張って、突然首って、
>バルサも同じですか・・・?
>あきらめる目安とか、基準って、ないですよね・・・?

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いくつかポイントに分けてご返答させていただきます。

【バルサのカンテラの各チームでは毎シーズン数名がクビ】
バルサの育成部(カンテラ)には、基本的には各年齢ごとに1チームあります。例えば、U-15、U-14、U-13といった具合です。そして、各チームは20人ほどで構成されており、毎シーズンが終了するごとに各チームの数名がクビになり、そして数名が新たに獲得されます。1人の場合もありますし、10人の場合もあります。現行戦力を上回る選手が新たに多く見つかれば、それだけクビと新規獲得の人数は増えていきますが、通常は各チームとも3~5名ほどが毎シーズンごとに入れ替わっています。
そして、このような厳しい競争を勝ち抜いてたとえバルサの下部組織に所属し続けたとしても、決してプロになれる保証などはなく、各学年から1人プロが出ればいい方です。厳しい世界です。

【日本よりもスペインの方が文武両道が進んでいる?】
スペインではフットボールの99%をクラブチームが担っています。そのため、必然的にフットボールと学業が完全に別枠で評価されています。それはどういうことかと言うと、高校や大学へのスポーツ推薦が存在しないということです。また、日本でよくありがちな「スポーツに力を入れている高校や大学のサッカー部で好成績を収めていれば、学業を疎かにしていてもあまり文句を言われない。単位が取りやすくなる。しかも、スポーツ推薦による進学まで面倒見てくれる」ということもスペインには存在しません。
そのため、スペインでは親も子供もフットボールだけに力を入れることはできません。何故ならば、例えバルサでレギュラーでプレーしていようとも、それが学校の先生の評価の対象になることは全くないからです。ですから、スペインでは小学校でも中学校でも高校でも大学でも、しっかり卒業し、しっかり進学したいのであれば、学校でしっかりと勉強しなければいけません。
つまり、スペインでは、学業の重要性をしっかりと認識している家庭の子供は、フットボールが上手くても下手でも学業を疎かにしていないということです。

【現役のバルサの選手が大学を卒業】
バルサの現第2ゴールキーパーのジョルケラがバルサでプロ選手としてプレーしつつ大学に通い、そして卒業したことは有名な話です。彼の実家は宝石商らしく、プロを引退した後に家業を継ぐために宝石デザイン(!?)の学部を卒業したのだそうです。
バルサで高給を既に獲得している彼の人生設計をkai madreはどう思われますか?

【学業の大切さを強調するバルサの指導者達】
バルサの下部組織の指導者は選手達に常に「プロになることは不可能に近い。だからこそ、それを目指すことに価値がある。そして、プロになることが不可能に近いからこそ、絶対に学業を疎かにしてはいけない」と言い続けています。つまり、希望を与えつつも、最初っから見切りをつけているようなものです。選手の視点に立った表現にしてみると、「見切りをつけられることと、夢を追い続けることが共存している」ということだと思います。



といった感じで、取り留めなく色々と書いてきましたが、ご返答になっているでしょうか?
僕個人としては、十分解答になっていると思うのですが、、、、。

で、ここで kai madre さんにいくつかご質問があります。


・「夢を諦める」のは誰でしょうか?本人ですか? それとも「周囲の人が夢を諦めさせてあげる」ことが必要なのでしょうか?

・「見切り」をつけるのは誰でしょうか? 指導者ですか? それとも本人ですか?

・「見切り」をつけるべき時期はいつでしょうか? 10代ですか? 20代ですか? それとも30代ですか? それとも80歳ですか?

・「他の目標も見つけやすい」とありますが、目標を同時に複数持ってはいけないのでしょうか? ジョルケラの目標はチャンピオンズリーグであり、大学卒業であり、そして家業を継ぐことなのではないでしょうか? 一度っきりの人生で色々と欲張ったりしたら誰かに怒られたりするのでしょうか?

・僕の友人で「プロのデザイナー」と常に名乗っている奴がいます。しかし、実は彼は生活費をほぼ常に別の仕事で稼いでいます。しかし、彼はプライドを持って「プロのデザイナー」と名乗り、そしてデザイナーとしての仕事に人生を賭けています。何故ならば、彼の「プロ」の定義は「真剣に取り組んでいるかどうか」だからです。kai madreさんにとっての「プロ」の定義は何ですか?


お時間のあるときにご返答いただけますと幸いです。

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posted by naoto |21:16 | ひとりごと | コメント(8) | トラックバック(0)
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Re:「プロを目指すことを諦める目安と基準!?」 

コメント投稿者ID :

第三者で、申し訳ありませんが、とても考えさせられました。いい文章を読んだな、と感じたので、書かせていただきました。「未来は一寸先でも正確には把握できない」ということと、「可能性・選択肢は、(自分で限定しなければ、潜在的にであれ)ひとつではない」という点に関して、人生とサッカーは、確かに似ているような気がします。それでは、遠くから応援しております。

posted by tz | 2007-08-27 22:46

Re:「プロを目指すことを諦める目安と基準!?」 

コメント投稿者ID :

サッカーだけで食べていけるのは本当にごくわずかですから、選択肢は複数あった方がいいですよね。

そして気になったのが『プロの定義』です。村松さんのご友人さんには大変申し訳ないのですが(そして第三者の自分がこういうことを書くのもおかしいでしょうが)、個人的にその分野で生活費をほとんど稼げていないのに、真剣に取り組んでいるからという理由で『プロ』と呼べるのでしょうか? 真剣に取り組むのはアマチュアも同じですし。アマチュアとプロの違いは、生活できるほどのお金を稼げるかどうか、と自分は考えています。プロの定義ってなんでしょうね…。辞書では「ある物事を職業として行い、それで生計を立てている人」とありますが。

posted by たまたま | 2007-08-28 01:14

Re:「プロを目指すことを諦める目安と基準!?」 

コメント投稿者ID :

 目安も基準もありません。
プロになろうとなるまいと、年をとろうととるまいと、
反対されようとされまいと、認められようとられまいと、
 自分がやりたいと思う限りやり続けなければ後悔するのは
自分です。なんでもできるなんてのは大嘘で、自分はこれができると思えるものを見つけることができた人は、自分が自分には無理だと思うまで決して止めてはいけない。やりきれるだけやったなら次の道はそこから見えてきます。
 人に言われてその気になったり、人に言われて止めたりしては、絶対にいけない。自分を生かすチャンスなど滅多なことでやってはきません。

posted by Z | 2007-08-28 02:08

Re:「プロを目指すことを諦めるための目安と基準!?」 

コメント投稿者ID :

辞書で引くとプロの定義には以下のようなものもあります。村松さんのお友達の定義に近いですね。

・ある分野について、専門的知識・技術を有していること、あるいは専門家のこと

・そのことに対して厳しい姿勢で臨み、かつ、第3者がそれを認める行為を実行している人

私はと言えば、「人生のプロになりたい」と常々思っていますが、まだまだアマチュアのレベルです、、、。

posted by とらら | 2007-08-28 16:57

Re:「プロを目指すことを諦めるための目安と基準!?」 

コメント投稿者ID :

いろいろ考えて遅くなりました。
次の話題の、日本の指導者の力不足についても合わせて考えると、
選ばれなくても悲観することない気がします。
バルサのフッボールは大好きですが、Jは、はっきり言ってつまらないです。各年代の代表のサッカーも同じです。
自分の目標がなくなった、と感じたのは、いいと思い込んでいたものが「大したことなかった」のを認めるのが怖かったのかもしれません。
日本のサッカー界に今目標とするものも、憧れるものも、何もないです。
「目標がチャンピオンズリーグ」
それは本当に素晴らしいですね、そういえば、昨日、トウーレヤヤが、カムノウに立っていることが「幸せ」と話していた。真っ赤なロッカールームに自分のブース。素直に憧れます。
やってみなきゃわからないかもしれませんね!?

posted by kai madre | 2007-09-03 11:48

Re:「プロを目指すことを諦めるための目安と基準!?」 

コメント投稿者ID :

忘れ物です。
プロの定義ですが、「プロ」だけで定義してもここでは話がそれる気がしますので、「プロサッカー選手」と考えると、やはり、出る出ない関係なく、「プロ契約を結んでどこかのチームに所属している」ことだと思います。
 「プロになることは不可能に近い。だからこそ・・・」というコーチの言葉、とても響きました。大切にしていきます。ありがとうございました。

posted by kai madre | 2007-09-03 11:57

コメントありがとうございます

コメント投稿者ID :

【tzさんへ】
コメントありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

【たまたまさんへ】
コメントありがとうございます。僕の友人の「プロ」の定義は、まさしくとららさんがご指摘されている「そのことに対して厳しい姿勢で臨み、かつ、第3者がそれを認める行為を実行している人」というものなのだと思います。

【Zさんへ】
コメントありがとうございます。そういう強い気持ちを持って生きたいものですが、なかなか上手く行かないですよね、、、。僕なんて、精神が弱過ぎて挫折ばかりです。

【とららさんへ】
コメントありがとうございます。僕の友人の定義はまさしく「そのことに対して厳しい姿勢で臨み、かつ、第3者がそれを認める行為を実行している人」ということなのだと思います。事実、彼は第3者からしっかりとデザイナーとして認められています。(ただ、安定した収入を得られるには至っていないだけです)

posted by 村松尚登 | 2007-09-04 02:38

kai madreさんへ

コメント投稿者ID :

コメントありがとうございます。

JリーグやJリーガーを侮ってはいけませんよ。
僕は大学時代にJリーガーの卵たちと一緒に練習をさせてもらう機会が何度かありましたが、彼らは化け物でした。次元が違うというのはああいうことを言うのでしょうね。彼らのプレースピードと思考スピードに僕は全くついて行けず、仕舞いには体が悲鳴を上げて、ひとりで勝手に腱鞘炎などの怪我をしていました。

Jリーグが観戦の対象として面白いかどうかは人それぞれでしょうが、あそこでプレーするJリーガーたちが誰よりも努力し誰よりも上手い選手達であることは間違いありません。
少なくとも僕にとっては、Jリーガーは「大したことない」選手ではなく、尊敬に値する偉大な選手たちです。

最終的には世界を目指すにせよ、まずはJリーガーになることを目指すのが先決だと思いますよ。だって、日本で通用しない選手が海外で通用するわけはないですからね。

posted by 村松尚登 | 2007-09-04 02:49

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