2007年09月13日
ある意味「劇的」なスイス戦を終えて、年内は後10月の対エジプト戦を残すのみです。
これまで選ばれてきた選手を列挙したりして、その「現実」からオシム監督が目指す方向性が見えればいいと思ってやってきました。
実はスイス戦があんなに乱打戦(といってもセットプレィが殆どでしたが)になるとは思っていませんでした。オシム監督はどう考えていたのでしょうか?
(それでスイス戦を改めて見直してから、記事を書いています)
それでは、一つ一つおさらいをしつつ、総括していこうと思います。
■選手は何度か呼んで見てみる
(1)で示したように一度しか招集されていない選手は少数です。多くは二度、三度と招集して、実際に試合で使わなくても一緒に戦術練習をしたりしているようです。
また逆に言えば、初めて招集した選手がそのまま起用(それもスタメンで起用)されるケイスも少ないのです。欧州クラブ所属の選手なんかは事情で仕方無い部分もあるでしょうが、今回も松井はオーストリア戦では途中出場でした。
こういった事から、カメルーン戦のような一度に多くの選手を入れ替える(ここで言う多くとは3人以上を指す)事は珍しいという事です。実際に前線3枚を全くの新しい組み合わせにしたカメルーン戦で日本が披露したサッカーは、それまでアジアカップなどで見せていたサッカーとは異なりました(でも、個人的にはスイス戦への大きな布石にはなっているような気がします)。
■今後加わるのは、若い世代と、前線の選手
(2)ではポジション別にどういった選手が選ばれてきたのか見てみました。
どのポジションでもそれなりに選手を呼んでいるし、「是非代表で見てみたい」といった選手も多くは呼ばれ、試されています(何人かは呼ばれていませんけれども)。
けれど、そうやって試された中で徐々に絞られていったのも事実だと思います。特に守備的な選手に関しては、現在のところこれ以上のプラスアルファは見込めないような気がします。特に色々と言われているSBに関しては、加地、駒野の他に新戦力を発掘する可能性は薄いかも知れません。これはU-22の選手待ちなのかも知れませんね。
その代わりに「大久保」を呼んだりしたように、前線については多少の選手の入れ替えがあるかも知れません。
今回のオーストリア遠征では特に「松井」に関してテストされていたように思いますが、スイス戦で途中交代という事を考えると、「良いオプション」にはなったけれど、「スタメン定着」とまではいかない、というところなのかと思いました。
■徐々に、徐々に
(3)では選手がどういう風に入れ替わってきたかを見てきました。
大きく分けると、
「AC予選突破まで」
「アジアカップ本戦」
この2区分あると思います。予選突破までは中村俊輔や高原は呼ばず、どちらかといえば「三都主」を活かしながら、その後の為に守備的な部分の整備をしてきたように思います。
予選を突破した後は、本格的なティーム作りです。中村俊輔、高原を軸に考え、そこに合う選手を探していったのではないでしょうか。
ACの時には3月のペルー戦で試されたスタメンとほぼ変わらないメンバがスタメンとなって戦っています。こういうところから、「長期的な視野」で選手を試していることも窺えます。
■選手個人には頼らない、安定した力を求めて
(4)ではスタメンのみの変遷を見てきました。
これを見ると当初からあまり多くの選手を変えて試合に臨むということが無かったことが分かります。特にAC以降はDF+MFはほぼ固定といって差し支えないと思います。前線については今回のオーストリア遠征で高原がいなかったので、よく分からない部分も多いですが、それでも2トップか、1トップ+松井や山岸のようなサイドを主戦場とする選手の起用、というのが、今のところの基本プランのようです。
今後もこれは大きく変わらないと思います。それよりは、組み合わせや戦術的な修正で攻撃について考えてゆくのではないでしょうか?
■守備から組織を創り上げてきた?
今回色々と調べてみて、一つ思ったのは「まず守備から考えているのではないか?」ということです。
例えば、あなたがどこかのリーグで下位に沈むティームの監督に抜擢されたとします。そのクラブティームは多くの補強の為の金を出してくれる訳でもなく、現有戦力でティームを立て直さなければいけない。そういう時に、まずどこから手を付けるでしょう?
勿論、何が原因で下位に沈んでいるのか、得点力不足なのか、失点が多いのか、選手と監督の不和が原因か……色々とあると思います。けれど、多くは「まず守備面の建て直し」を考えるのではないでしょうか?
トルシエ時代は「フラット3」という言葉で印象づけられた「守備戦術」が基本でした。攻撃面には問題を抱えていたと思いますが、組み合わせにも恵まれてワールドカップは決勝トーナメントに進出出来ました。
ジーコ時代は逆に守備面に関して問題を抱えていたと思います。攻撃の為に三都主を左SB(WB)として使う為、そのカヴァをどうするか。結局選手同士の話し合いで解決するしかなかったのだと思うのですが、最終的には選手の「個」の力で守備を構築するしかなかったのが、ジーコ時代のように思いました。
そしてオシム監督です。「走る」「選手とボールが流動的に」「ポリバレント」「水を運ぶ」など、色々なキィワードが出てきますが、色々なキィワードの先に「数的優位」というものが見えてくると思います。勿論、ピッチ上には退場でもしていなければ同じだけの敵がいるのですから、数的には同数です。けれど、局面を限ってみると、そこには様々な不均衡が見られます。圧倒的な個人技を持った選手がいれば、それだけで不均衡が出来上がります(一番良い例はロナウジーニョやクリスティアーノ・ロナウド)。
ただ日本にはこの「圧倒的な個」というのが居ない。その為、数的に優位にするのが現状では近道ということです。そして、局面における数的優位を作り出す為には、「動き」またはそれに繋がる「判断」というものが非常に重要になってくると思います。そこでオシム監督は「考えて走る」などといった言葉を用いるのでしょう。
そこで「数的優位」です。
これはついつい攻撃の局面を考えてしまいがちですが、守備においても重要な話だと思います(個人的には守備の局面においての方が重要だと思っています)。
日本人が世界に比べて身体能力、技術で劣るという認識があるのなら、出来るだけ多くの局面で「数的優位」を作ることが重要になってくるのは当然です。基本は「1対1」かも知れないけれど、その「1対1」で勝てないなら「2対1」「3対1」にするしかない。
なら、その「数的優位」をどうやって作るか。
ピッチ上で局面は様々に変わります。それをいちいちシュミレイションすることは出来ません。なら、何を練習すればいいか。一番良いのは選手間の「コンビネイション」を磨くことでしょう。
つまり「選手を固定すること」です。
実際に、守備陣はほぼ固定されてきました。
■そして、中村俊輔と遠藤保仁
パサー&パサー(もしくはバランサー)の組み合わせ。どちらもパスの出し手であり、ゆえに2列目から飛び出してゆく選手がいなくなる……。
この2人の共存につきまとう問題だと思います。でも、そんなことはオシム監督も当然分かっていると思います。そして、いくら「走れ」といってみたところで、どれほど改善されるものか。「パスの受け手になれ」といったところで、10回のチャンスの内、何回「そちら側」になれるか。
確かに二人が居ることでボールポゼッション率は高くなります。実際にアジアカップでは60%を超えていました。今回のオーストリア相手にも60%でした(スイス相手では55%)。
相手よりもポゼッション率を高めることには、どんな意味があるでしょうか?
当然ボールを支配していれば、攻撃で先手を取ることが出来ます。精神的に優位に立つことも出来るでしょう。何より「安心」です(ちゃんとしたボール回しが出来れば)。
ボールを持っていることから、ついつい攻撃のことを考えてしまいがちですが、これは守備の為なのかも知れない、と今回色々調べたことで思いました。
ボールを保持していれば、失点の可能性は限り無く低い。
中村俊輔も遠藤も、それなりにボールをキープ出来ます(中村俊輔は中途半端な位置で失うこともありますが)。現在の日本選手の中ではある程度信頼がおけるキープ力だとは思います。また、二人ともボールを落ち着かせることが出来る選手です(リズムが停滞してしまうというデメリットもありますが)。
そういう意味で、純粋な守備力という面では期待出来ないけれども、ボールキープ、ボールポゼッションという面で、この二人が選ばれているのかも知れません。
■では、攻撃は?
という疑問が湧いて当然ですが……以上のことから見てきたように、守備面から考えているのであれば、「まだまだ攻撃面はこれから」といったところなのではないでしょうか?
ただ、今回のオーストリア遠征で、「守備面がある程度整っていれば、それなりに戦える」ということが示せたと思います。スイス戦に関しても、前線に松井が入っていたことで守備時のバランスが多少崩れたことも前半の苦戦の原因だと思います。たとえ選手交代が無かったとしても、それはハーフタイムで修正出来る程度のものだったと、個人的には思いました。失点に関しても全てセットプレィです(勿論、それに至る経緯でのミスはありましたが)。流れの中で大きく崩されて……というのが何度あったでしょう?
たった1年程度で、これだけの守備は手に入れることが出来ました。
勿論、まだまだ守備面の修正点もあるでしょうが、それでもある程度安定した力を発揮出来る土壌は作れたのではないでしょうか?
■今後の方向性
今の段階で守備面がある程度出来た、とすると、残りの課題の多くは攻撃面となります。攻撃面に関してはどういったことを考えているのか、まだまだ不透明な部分が多いと思いますが、それでも今後重要になってくるのが「カウンタ」でしょう。
ACの時に言われた「引かれた相手に対して」という課題は、個人的にはセットプレィで解決するのがいい方法と思います。今の日本に崩し切って得点する、というのは期待出来ないように思いますので。
就任当初から呼ばれている「佐藤寿人」。残念ながら出場機会はあまりないですが、それでも選ばれ続けている。彼の特徴は何でしょうか? やはり裏への抜け出しと、ゴール前のポイントで合わせる力でしょう。カウンタこそ、彼が活きると思います。でも、アジア相手では引いた相手ばかりで、彼の良さが活かされるような場面は少なかったと思います。けれど、スイス戦は見たように、裏側に大きなスペイスがありました。今回は松井が居たので、そこでロングボールで裏を狙うことが出来ましたが、こういった高いラインを敷いてくる相手の方が、世界に出た時は多いでしょう。特に日本相手ならば。そういった時、いかに効果的なカウンタが出来るかどうか。これは日本の得点力を考えた時、とても重要な要素になってくるように思います。
■最後に
これまで見てきたこと、書いてきたことは、個人的な見解ですが、オシム監督がある程度、一貫した方向を見つめながらティーム作りをしているのは確かなようです。そして今回検証した総括としては、
「オシム監督は守備から構築してきた」
という結論を出したいと思います。
攻撃に関してもどかしかった部分が、ひょっとしたら今後、一つずつ解消されてゆくかも知れません。勿論、それは守備面が整ってきたからで、その守備も「攻撃の為の守備」であるからです。攻撃力が高いブラジルなんかはつい見落としがちですが、個人の守備能力が高い。しっかりとした守備があるから、土台があるから、あれだけ攻撃出来るのでしょう。
今後はどんなスパイスが加えられ、どんな緩やかな変化があるのか。
それを楽しみにしながら、今回は筆を置きたいと思います。
posted by なぎすけ |23:19 |
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2007年09月11日
今回とあと1回でひとまずの総括とします。
それで、今までは招集された選手からオシム監督の選手選考について考えてみました。
今回は実際に試合で起用された選手から、その選手選考の方向性を探ってみたいと思います。
まずはそれぞれの試合、スタメンの選手のみ、示します。
●昨年8月8日 親善試合 対トリニダードトバゴ戦(日本)
GK:川口
DF:田中隼、坪井、闘莉王、駒野
MF:山瀬、長谷部、鈴木、三都主
FW:我那覇、田中達
●昨年8月13日 AC予選 対イエメン戦(日本)
GK:川口
DF:加地、坪井、闘莉王、駒野
MF:遠藤、阿部、鈴木、三都主
FW:巻、田中達
●昨年9月3日 AC予選 対サウジアラビア戦(サウジアラビア)
GK:川口
DF:加地、坪井、闘莉王、駒野
MF:遠藤、阿部、鈴木、三都主
FW:巻、田中達
●昨年9月6日 AC予選 対イエメン戦(イエメン)
GK:川口
DF:坪井、阿部、闘莉王
MF:加地、遠藤、羽生、鈴木、三都主
FW:巻、田中達
●昨年10月4日 親善試合 対ガーナ戦(日本)
GK:川口
DF:水本、阿部、今野
MF:駒野、遠藤、鈴木、三都主
FW:山岸、巻、佐藤寿
●昨年10月11日 AC予選 対インド戦(インド)
GK:川口
DF:水本、阿部、今野
MF:駒野、中村憲、鈴木、三都主
FW:山岸、巻、播戸
●昨年11月15日 AC予選 対サウジアラビア戦(日本)
GK:川口
DF:今野、阿部、闘莉王
MF:加地、中村憲、鈴木、駒野、三都主
FW:巻、我那覇
●3月24日 親善試合 対ペルー戦(日本) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、闘莉王、駒野
MF:中村俊、阿部、鈴木、遠藤
FW:巻、高原
●6月1日 キリンカップ2007 対モンテネグロ戦(日本) ★欧州組
GK:楢崎
DF:駒野、坪井、中澤、阿部
MF:遠藤、中村憲、鈴木、山岸
FW:高原、矢野
●6月5日 キリンカップ2007 対コロンビア戦(日本) ★欧州組
GK:川口
DF:駒野、中澤、阿部、中田浩
MF:中村俊、中村憲、鈴木、遠藤、稲本
FW:高原
●7月9日 AC 対カタール戦(ベトナム) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、阿部、今野
MF:中村俊、中村憲、鈴木、遠藤、山岸
FW:高原
●7月13日 AC 対UAE戦(ベトナム) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、阿部、駒野
MF:中村俊、中村憲、鈴木、遠藤
FW:巻、高原
●7月16日 AC 対ベトナム戦(ベトナム) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、阿部、駒野
MF:中村俊、中村憲、鈴木、遠藤
FW:巻、高原
●7月21日 AC 対オーストラリア戦(ベトナム) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、阿部、駒野
MF:中村俊、中村憲、鈴木、遠藤
FW:巻、高原
●7月25日 AC 対サウジアラビア戦(ベトナム) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、阿部、駒野
MF:中村俊、中村憲、鈴木、遠藤
FW:巻、高原
●7月29日 AC 対韓国戦(シンガポール) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、阿部、駒野
MF:中村俊、中村憲、鈴木、遠藤、山岸
FW:高原
●8月22日 親善試合 対カメルーン戦(日本)
GK:川口
DF:加地、中澤、闘莉王、駒野
MF:遠藤、阿部、鈴木
FW:田中達、前田、大久保
●9月7日 オーストリア遠征 対オーストリア(オーストリア) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、闘莉王、駒野
MF:中村俊、稲本、鈴木、遠藤
FW:田中達、矢野
●9月11日 オーストリア遠征 対スイス(オーストリア) ★欧州組
GK:川口
DF:加地、中澤、闘莉王、駒野
MF:中村俊、稲本、鈴木、遠藤、松井
FW:巻
(※敗戦は青字で示した
※前の試合と変わっている選手を赤字で示した)
オシム監督が就任してからA代表の試合は18。スイス戦で19試合目となります。
今度は以下に、18試合中、それぞれどれくらいスタメンで出場したのか。それを示したいと思います。
(スタメン回数/招集試合数/全試合数)
GK:(2名)
川口(18/19/19)
楢崎(1/9/19)
DF:(10名)
駒野(17/19/19)
阿部(16/17/19)
加地(14/14/19)
中澤(12/12/19)
闘莉王(9/9/19)
坪井(5/14/19)
今野(4/16/19)
水本(2/5/19)
中田浩(1/1/19)
田中隼(1/7/19)
MF:(11名)
鈴木(19/19/19)
遠藤(16/17/19)
中村憲(11/15/19)
中村俊(10/10/19)
三都主(7/7/19)
山岸(5/13/19)
稲本(3/4/19)
松井(1/2/19)
羽生(1/17/19)
山瀬(1/7/19)
長谷部(1/7/19)
FW:(9名)
巻(12/17/19)
高原(9/9/19)
田中達(6/7/19)
我那覇(2/7/19)
矢野(2/11/19)
佐藤寿(1/19/19)
播戸(1/4/19)
前田(1/2/19)
大久保(1/1/19)
(※半分の9試合以上使われている選手は太字
※招集時、必ず使われている選手は青字)
■三都主以前、三都主以後
昨年は7試合行われ、そのどれもに三都主は出場しています。しかし、今年に入ってからは招集すらされていません。これは一体どういうことなのでしょうか?
状況だけから考えると、AC予選を突破するまでの「現実的な選択」だったのかも知れません。DFラインのシステムも固定することなく、4バックだったり、3バックだったり。また昨年は中村俊や高原といったACで主力だった欧州組のメンバは呼ばれませんでした。
三都主の起用法も、ジーコ時代のような左SBとしての起用ではありませんでした。勿論、三都主に守備は期待出来ません。三都主の良さは自分で仕掛けていくところです。でも、それはAC以後、多くの人が声に出していることではないでしょうか? 「個の仕掛け」という部分。
確かに一人選手が入るだけで劇的に変化する訳ではありませんが、仮に今、三都主が入れば、見ていて「もっと仕掛けろよ」的な場面は少なくて済むでしょう。駒野より、加地よりもずっと、ドリブルで突っかけ、クロスを上げてくれるでしょう。
では、何故招集しなくなったのか?
そこに、今後オシム監督が目指してゆく方向が隠されているような気がします。
■重要なのは鈴木?
何人か、ずっと使い続けられている選手がいますが、その中でも代表的なのは全試合スタメンの「鈴木啓太」でしょう。また「阿部」もDFラインに入ったり、ボランチをしたりとポジションこそ異なりますが、重要視されているように思います。おそらく闘莉王が怪我をしていなければ、ACは親善試合のペルー戦でやった時のスタメン(ACの時の阿部→闘莉王/ACの時の中村憲→阿部)というもので戦ったのではないでしょうか?
またSBに関しては、特に他に選手が選ばれていないので、加地、駒野が使われています(加地に怪我が無ければ、ひょっとするとずっと加地&駒野だったかも知れませんね)。
MFの中では鈴木に次いで多いのが遠藤です。「走るサッカー」というイメイジからはほど遠い選手だと思います。でも、就任2試合目から使われています。また中村俊輔が初めて呼ばれて出場した試合でも共にスタメンで出場していますし、その後も同時に使われるケイスが多いです。
ここでは全試合スタメンの「鈴木」に注目してみたいと思います。
鈴木の特徴といえば「守備」にあります。逆に攻撃面に関して多大な期待をすることは出来ません。では、何故「鈴木」なのでしょうか? それは「守備がとても重要だ」と考えているからではないでしょうか?
確かに攻撃と守備ははっきりと分けて考えることが出来る代物ではありません。FWだって守備をするし、DFだって攻撃参加する。でも、監督によってやはり守備からティームを構築する人間と、攻撃からティームを構築する人間と、その傾向があると思います。
でも、かつてのジェフのサッカーに対しては個人的には「攻撃的」なイメイジしかありませんでした。多くの選手が飛び出してきて、攻撃参加する。時には最後尾のストヤノフがドリブルで持ち上がり、得点につなげたり。
個人的には代表の目指すサッカーは、かつてのジェフのようなサッカーとは別物になるだろうと思っています。それは今回、選んでいる選手、起用している選手を調べてみて、余計にそう感じました。全試合スタメンの「鈴木」が代表するように、まず「守備から」作っているのではないでしょうか?
それは言い換えれば、日本が強豪国と戦う場合、最初に重要になるのが「守備」だとオシム監督が考えているのではないでしょうか、という事です。
■FWに関して
現状ではACで結果を出した「高原」がFWの軸なのでしょうが、それ以外の選手は誰も決定打が無い状態なのかも知れません。確かに現在のところ「巻」が一番起用された回数が多いですけれど、それにしたって、全試合出場の「鈴木」からすれば6割程度です。FW選びに関しては、色々と迷いがあるのかも知れません。戦術を浸透させることを考えれば、ある程度固定して同じ選手を使い続けた方がコンビネイションも高まるし、結果に繋がりやすいとは思います。でも、そうはしてこなかった。
■中村俊、遠藤、共存問題
問題という呼び方はあまりよくはありませんけれど、あえてこういう言い方をしました。
どちらもパサータイプで、人を使う方です。ボールの供給源がいくつかあるというのは、戦略的によいことだと思いますが、受け手が少ないと、ACで見たような「パスは回るが……」というような展開を招いてしまいます。おそらく、それはいくら選手に命令したところで、傾向としては防ぎようがないと思います。
では、何故、オシム監督は同時起用をするのか?
最後の(5)では、そこら辺を踏まえて総括してみようと思います。
(果たしてスイス戦のスタメンはどうなるのでしょう? 松井にどれほどの機会が与えられるのでしょう? 前線の構成は?)
<(5)へ続く>
(※要望があったので、スタメン回数のところに招集された回数(試合数)も追加)
(※スイス戦のDATAも追加)
posted by なぎすけ |02:23 |
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2007年09月09日
オーストリア戦については、また別の記事で書くとして、今回はもう一つ気になっていた方向から、オシム監督の選手選考について探っていきたいと思います。
まずはドイツワールドカップの23名です。
GK:(3名)
川口、楢崎、土肥
DF:(8名)
宮本、中澤、坪井、茂庭、加地、駒野、中田浩、三都主
MF:(7名)
中田英、中村俊、小野、小笠原、遠藤、稲本、福西
FW:(5名)
高原、柳沢、玉田、大黒、巻
では、次からはどういう風に選手が入れ替えられていったのか。そこに注目して見てみたいと思います(※トレーニングキャンプは省く。また、欧州リーグ所属選手は他の欧州リーグ所属選手が招集されている時を前試合として考える)。
●昨年8月8日 親善試合 対トリニダードトバゴ戦(日本) ※国内組のみ
合計(15/19)
GK:(1/2)
川口、山岸
DF:(3/6)
坪井、三都主、駒野、闘莉王、栗原、青山直
MF:(7/7)
中村直、鈴木、山瀬、田中隼、今野、小林大、長谷部
FW:(4/4)
我那覇、佐藤寿、田中達、坂田
●昨年8月13日 AC予選 対イエメン戦(日本) ※国内組のみ
合計(5/22)
GK:(0/2)
川口、山岸
DF:(1/5)
坪井、三都主、駒野、闘莉王、加地
MF:(3/10)
中村直、鈴木、山瀬、田中隼、今野、小林大、長谷部、阿部、羽生、遠藤
FW:(1/5)
我那覇、佐藤寿、田中達、坂田、巻
●昨年9月3日、6日 AC予選 対サウジ、対イエメン戦(サウジ、イエメン) ※国内組のみ
合計(5/24)
GK:(1/3)
川口、山岸、西川
DF:(0/5)
坪井、三都主、駒野、闘莉王、加地
MF:(4/12)
中村直、鈴木、山瀬、田中隼、小林大、長谷部、阿部、羽生、遠藤、二川、伊野波、梅崎
FW:(0/4)
我那覇、佐藤寿、田中達、巻
●昨年10月4日 親善試合 対ガーナ戦(日本) ※国内組のみ
合計(6/23)
GK:(0/3)
川口、山岸、西川
DF:(2/5)
三都主、駒野、青山、水本、山口
MF:(3/11)
鈴木、田中隼、長谷部、阿部、羽生、遠藤、二川、今野、中村憲、佐藤勇、山岸
FW:(1/4)
我那覇、佐藤寿、巻、播戸
●昨年10月11日 AC予選 対インド戦(インド) ※国内組のみ
※ガーナ戦と同じメンバ
●昨年11月15日 AC予選 対サウジ(日本) ※国内組のみ
合計(4/24)
GK:(0/3)
川口、山岸、西川
DF:(0/6)
三都主、駒野、青山直、闘莉王、加地、伊野波
MF:(2/10)
鈴木、田中隼、長谷部、阿部、羽生、今野、中村憲、山岸、野沢、本田圭
FW:(2/5)
我那覇、佐藤寿、巻、高松、前田
●3月24日 親善試合 対ペルー戦(日本) ★欧州組
合計(10/24)
GK:(1/3)
川口、西川、川島
DF:(1/5)
駒野、闘莉王、加地、水本、中澤 (※坪井は負傷 →水本)
MF:(5/11)
鈴木、阿部、羽生、中村憲、本田圭、二川、遠藤、橋本、藤本淳、水野、家長
★中村俊
FW:(3/5)
佐藤寿、巻、矢野、松橋章
★高原
●6月1日、5日 キリンカップ2007 対モンテネグロ、対コロンビア戦(日本) ★欧州組
合計(3/29)
GK:(1/3)
川口、川島、楢崎
DF:(1/7)
駒野、水本、中澤、坪井、青山直、水本
★中田浩
MF:(1/14)
鈴木、阿部、羽生、中村憲、本田圭、遠藤、橋本、藤本淳、水野、家長、山岸、今野
★中村俊、★稲本
FW:(0/5)
佐藤寿、巻、矢野、播戸
★高原
●7月7日~29日 アジアカップ(ベトナム、シンガポール) ★欧州組
合計(1/23)
GK:(0/3)
川口、川島、楢崎
DF:(0/5)
駒野、中澤、坪井、加地、伊野波
MF:(1/11)
鈴木、阿部、羽生、中村憲、遠藤、橋本、水野、山岸、今野、太田吉
★中村俊
FW:(0/4)
佐藤寿、巻、矢野 (※播戸は負傷 →伊野波)
★高原
●8月22日 親善試合 対カメルーン戦(日本) ※国内組のみ
合計(1/18)
GK:(0/2)
川口、楢崎
DF:(0/4)
駒野、中澤、加地、闘莉王
MF:(1/8)
鈴木、阿部、中村憲、遠藤、橋本、今野、山瀬、大久保
FW:(0/4)
佐藤寿、田中達、高松、前田
●9月7日、11日 オーストリア遠征(オーストリア) ★欧州組
合計(1/24)
GK:(0/3)
川口、楢崎、川島
DF:(0/5)
駒野、中澤、加地、闘莉王、坪井
MF:(1/12)
鈴木、阿部、中村憲、遠藤、橋本、今野、山瀬、羽生、山岸
★中村俊、★稲本、★松井
FW:(0/4)
佐藤寿、田中達、巻、矢野
(※太字は前の試合で選ばれている選手
※赤字は初選出
※青字は復帰
※下線は選ばれ続けている選手)
それでは上記の資料を元に、オシム監督の選手選考の傾向を見てみましょう。
■選ばれ続けている選手
どの代表監督でも、負傷などが無い限りずっと呼び続ける頼りにしている選手がいると思います。一応ずっと途切れることなく招集され続けている選手には下線を付けましたが、その選手たちだけでなく、他にも何人か招集の基本となっている選手がいます。まずはその選手たちを列挙してみます。
GK:
川口
DF:
駒野、中澤、加地、闘莉王、坪井、(水本、青山直)
MF:
鈴木、阿部、中村憲、羽生、遠藤、今野、橋本
FW:
佐藤寿、巻
中でも就任当初からずっと絶えず呼び続けられているのは「川口」「駒野」「鈴木」「佐藤寿」の4人(「阿部」も2試合目からずっと呼び続けられているし、カメルーン戦は呼ばれなかった「巻」も阿部に次いで多く呼ばれています)。「中澤」は当初は代表を引退していた為呼ばれていませんが、その後はずっと呼び続けられています。
資料を見てみると、あまり守備の選手で新しい選手を加えていないのが分かると思います。特にGK川口と今や不動とも言える「加地、中澤、闘莉王、駒野」のDFラインに関しては、負傷などの事情が無い限り必ず呼ばれています(そこに更に「鈴木」を加えて考えてもよいかも知れません)。守備に関しては同じ選手を使う事でコンビネーションの熟成を考えているのかも知れません。
■大量に新しい選手を加える事は、もう無い?
就任最初の試合では、大きくメンバを変えた為、またトレーニングキャンプで新しい選手を色々呼んだりしていたので、個人的な印象として「選手を色々と試す監督だな」というイメイジがそのまま残っていたのですが、こうやってまとめてみると、徐々に「新しい選手」はあまり選ばれないようになっているのが分かると思います。それは言い方を変えれば「一気にメンバを入れ替える事は無い」ということです。もっと言えば「大きな変化は期待出来ない」ということでもあります。
こういうことから考えると、新しい選手を加える際は、慎重に最低限に、少しずつ、という意図が見えてくるのではないでしょうか?
また逆に、選手を大幅に変えないことでコンビネーションの熟成や、戦術的な理解度を深めるといったことも考えているのでしょう。
■就任当初から既に考えていた?
色々と批判の的になったりしているSBですが、こうして見てみると、SBも含めたDFラインの4人というのは、就任当初からこの4人と決めていたような感じがします(中澤が引退宣言していなければ最初から選んでいたでしょう)。個人的には中央の2人に関しては、結果も伴っていて、現在のベストと呼べる2人だと思います。
ジーコ監督時代は宮本、中澤で2CBを組むとどうしても「高さ」の部分で宮本が弱く、セットプレィにしても、それ以外の時でも「高さが日本の弱点」となる場面が結構あったように思います。その点、闘莉王、中澤だと「高さ」の面に関しては日本のDFの中でも屈指の2人ですから、そこがあからさまな弱点となることはありません。
世界で戦うことを考えると、やはり「高さ」という面は必要不可欠なポイントだと思います。
またSBに関しては(2)で運動量が第一と考えました。では、次のポイントは何でしょう? これは2CBとのコンビネーションなのではないでしょうか?(勿論、他にも色々と考えられますけれども)中央の2人を中澤、闘莉王と考えた場合、その2人と相性がいい選手を選んだ結果、現在の「加地」「駒野」になったのでは……というのが、個人的な見解です。(田中隼磨に関しては最初の試合以来使われていないので、何か不満な点があったのかも知れません)。
■既にある程度、選手選考は終わっている?
北京五輪が終われば、水本、青山直、本田圭、家長、水野といった選手は確実に加わるものだと思います。そうでなくとも、バックアッパとしての目途は立っているものと思われます。そうなると、残された枠はそう多くない。特にワールドカップ予選と、予選突破後を考えると、予選前の選考という事では、今選ばれているメンバに上乗せ分は少ないでしょう(怪我で長期離脱など無いとすると)。
■今後は?
守備陣に関しては、これ以上のてこ入れは無いものと予測されます。
また決定力のあるFWが居ない為、攻撃陣には多少新しい血が入れられるかも知れませんが、基本的には現状のままで、徐々にコンビネーションを磨くなり、個人個人の意識を変えてゆくなりして、攻撃面の改善をしてゆくのではないでしょうか?
<(4)へ続く>
(文字色訂正 黄字 → 青字)
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2007年09月06日
まず、今回、このような記事を書こうと思った一つの要因として「せっかくのオーストリア遠征なのに、三都主、宮本、中田浩二は何故呼ばれなかったのか?」という疑問がありました。特に当初は呼ばれていた三都主については、初招集になる宮本よりは呼び易いし、中田浩二についてはこの機会にもう一度呼ぶだろうと思っていたので、余計に疑問になったのですね。
さて、今回は(1)で調べた選手のDATAを元にして、(2)では「どういうタイプの選手」を選んでいるのかを、少し考えてみたいと思います。
まずは今回の24名に選ばれていない、今までに招集された選手を大まかにポジション別(※基本的に所属クラブでのポジションを参考)に列挙してみます。
合計:(41名)
GK:(4名)
山岸、西川、林彰洋、西部
CB:(6名)
栗原、山口、青山直、水本、近藤直(柏)、中田浩
SB:(7名)
三都主、田中隼、相馬、森、村井、内田篤、小宮山
DH:(3名)
長谷部、佐藤勇、伊野波
OH(SH):(12名)
中村直、小林大、梅崎、二川、野沢、藤本淳、太田吉、柏木、水野、本田圭、家長、大久保
FW:(10名)
坂田、我那覇、播戸、高松、前田、松橋章、杉本、黒津、近藤祐(神戸)、高原
(※U-22代表、ないし代表候補は太字
※今年呼ばれている選手は青
※アジアカップ選出メンバは赤
※怪我でアジアカップに出られなかった選手は下線)
次に今回の24名を上記と同様に大まかにポジション別に。
合計:(24名)
GK:(3名)
川口、楢崎、川島
CB:(3名)
中澤、闘莉王、坪井
SB:(2名)
加地、駒野
DH:(6名)
鈴木、阿部、中村憲、今野、橋本、稲本
(※阿部は腰痛で離脱)
OH(SH):(6名)
中村俊、遠藤、羽生、山岸、松井、山瀬
FW:(4名)
佐藤寿、巻、矢野、田中達
(※アジアカップ選出メンバは赤
※怪我でアジアカップに出られなかった選手は下線)
更に「代表に呼んでもいいんじゃない?」という声がある選手(但し、これは個人個人思う選手がいると思うので、あくまで参考程度に)
CB:
岩政、古賀正(柏)、松田、宮本
SB:
新井場、徳永、坂本、市川、服部公
DH:
明神
OH(SH):
小野伸、小笠原、平川
FW:
大島、茂原
■今回の24名
では、上記3つのリストの内、まずは今回の24名の選手の事を考えてみます。
基本的に今回オーストリア遠征で選ばれたのは「アジアカップ(構想)メンバ(闘莉王含める)」+「松井」「稲本」「山瀬」「田中達」という事です。
オシム監督のコメントに関しては色々と惑わされる部分も多いと思うので、ここでは参考にしないという前提にします。
ここから言えるのは「アジアカップに関しては結果は別として内容的には大きく選手変更をしなければいけないほど悪いものでは無かった」という事です。特に守備ブロックに関してはアジアカップのメンバに闘莉王を加えた選手たちで現在のところは充分という事なのでしょう。
特に色々と言われているSBに関しては、カメルーン戦の時点でも既にそうでしたが、今のところは右加地、左駒野で良いという事でしょう(中田浩二も呼ばれなかった事ですし)。
また、いつものように発表が遅らされた前線の選手に関しても、負傷だった高原は別として、アジアカップのメンバに田中達也一人が加わったのみでした。
次に人数的な部分について、ですが、CB+SBで5名(確かに阿部や今野がCBやSBもやれるのですが)というのは、他国の代表に比べて少ない方です(大抵はDF、MF、FWがそれぞれ人数的にバランスよく選ばれている事が多い)。その代わりMF登録の選手が大幅に多い。これはオシム監督の特徴かも知れません。
MFが多いというのは、その事実だけから考えるなら「中盤に人数を割きたい」という事です。また逆にDF、FWの人数が少ないというのは「それだけ厳選されている」か「決め手のある選手が少ない」という事かも知れません。
■選外の41名
それでは、次は「今までに選ばれた事があるけれど、今回は選外になった選手達」について、考えてみます。
選外になった事情は色々あると思います。具体的には、
(A)現在負傷中、もしくは負傷明け
(B)調子を落としている(所属クラブでスタメンで無い等)
(C)U-22に招集中
(D)その他
(A)(C)の事情は別として、その他に関しては監督の考えにもよるので、よく分かりません。ただ、視察の回数の多さとか、一度のみの招集の少なさとかを考え合わせると、オシム監督は「何度か見てじっくりと選手選考をしてきた」という事だと思います。その上で、今回のオーストリア遠征の24名が選ばれているのでしょう。
個人的にはアジアは世界とはまた別の厳しさなり恐さがあると思っています。けれど、アジアカップで選んだ選手と、今回欧州でも実力のあるオーストリア、スイス代表との対戦に選んだ選手に、そう大差はありません。まだ今回は誰が試されて、どういう試合内容を目指しているのかは分かりませんが、ひょっとすると、対戦相手に関係無く、一つ一つ、何かを組み上げるように、選手を足していっているのかも知れません。
また人数的なものについて見てみると、GK(4名)、DF(13名)、MF(15名)、FW(10名)と、どのポジションに関してもそれなりの人数を呼んで試していた事が分かります。おそらく北京五輪が終われば、現在のU-22世代から何人か合流してくるのかも知れません。ただ、その場合、今選ばれている選手の中から数名、弾き出されると思います。ワールドカップの事を考えるなら、最終的には23名(GKを3名とするなら20名)に選手を絞らなければならないのですから。
■タイプ別に分けて、考えてみる
さて、ようやく(2)の回の本題です。今回の遠征の24名を、実際に今まで代表での使われ方を踏まえて、タイプ別に分けてみたいと思います。
●GK
これに関しては、現在は「川口」が一番手、そのバックアップとして「楢崎」「川島」がいる状態です。
●対人に優れたCB
メインの2人(中澤、闘莉王)を考えてみると、空中戦に強く、また対人でも能力を発揮出来るタイプです。DFラインの統率やカバーリングが得意な宮本のようなタイプは選ばないようです。坪井に関しては中澤、闘莉王に比べるとスピードがより武器になりますが、基本的にこのタイプだと思います。また青山直(清水)や水本などに関してもこのタイプですね。
●運動量ありきのSB
現在、世界的に見ても有能なSBは希少です。求められる能力が多岐に渡り、それらを全て兼ね備える選手は殆どいないに等しいからです。
そこで加地、駒野。
何人か試された中で、現在はこの二人が選ばれています。また就任最初の試合(トリニダードトバゴ戦)では田中隼、駒野の二人を使っています。色々と長所は考えられるのですが、駒野の代わりに今野などが使われている事も考え合わせると、どうもこのポジションにはまず「運動量」を求めているのではないか?と思わせられるのです。
●守備の穴を埋められるDH
カメルーン戦ではアジアカップで鈴木がよくやっていた「中盤での守備のカバーリング」を阿部がこなしていました。またCBと協力して相手のFWを封じるということも、ここの選手の役割になるようです。その点では中村憲剛などはより攻撃の比重が高く、オプションとして考えられているのかも知れません。
●守備的ポリバレント
あまり使いたくない言葉ですが「ポリバレント」です。
選べる人数が限られ、また対戦相手によりシステムを変えたりという事も考えると、複数のポジションに適応出来る選手が何人か必要だと思います。
ここの第一人者は「阿部」でしょう。アジアカップではCBとして、カメルーン戦ではボランチとして出場しています。また「今野」もSB、ボランチとしてある程度計算出来る選手です。「橋本」もここに分類されるかも知れません。またU-22の伊野波もここでしょうか。
●試合を作る、パサータイプ
走るばかりではどうにもなりません。やはりボールを供給する選手が必要です。ここの第一人者は中村俊輔です。また遠藤もそうでしょう。中村憲剛もどちらかといえばここでしょうか。他にも藤本淳吾などもそうですね。
●突破型
アジアカップで特に必要性が叫ばれた部分ではないでしょうか。カメルーン戦で呼ばれた大久保なんかはFWとしてより、こちらで呼ばれたと考えるのが自然でしょう。ドリブルで仕掛けていける水野や田中達也、松井もここでしょうね。他には家長なんかもここでしょうか。
●スペイスを埋める(飛び出す)タイプ
おそらくここの第一人者が今のところ羽生なのでしょうか。山岸もサイドで自分から仕掛けるというよりは、スペイスにうまく飛び出していく方でしょうね。田中達也も飛び出しに関しては優れていると思いますが、やはりFWとしてのもので、ここに分類するのは違うと思います。後はジュビロの太田が辛うじてここでしょうか。またアジアカップでは中村憲剛がパサー的役割以上に、こういった飛び出す役割を担っていました。
●第一のFW、運動量があり体格が良いタイプ
言うまでもなく巻であり、矢野です。通常長身で体格のよい選手というとポスト役であったり、空中戦要員だったりしますが、二人ともポストプレィの巧い選手ではないし、その部分はあまり求められていないように思います。守備の第一歩としての運動量や、空中戦の強さの方がより求められているのではないでしょうか。
●第二のFW、スピード勝負の小兵
佐藤寿人はここですね。別に背が低くある必要はありませんが、純粋なスピードと一瞬の瞬発的な能力に優れているFWです。田中達也はここにも分類したいところです。他の候補としては坂田、播戸辺りでしょうか。
●そしてストライカ高原
上記二つのFWのタイプには少し分類し辛いのが高原です。そこそこスピードもあり、そこそこ運動量もあり、空中戦もいける。でも光っているのはその「決定力」なのです。今まで選ばれた中では我那覇が多少近いでしょうか。高松も代表の中ではどちらかといえば第一のFWタイプですし。
ただ、何度か選ばれている前田に関してはまた更に別のタイプです。
勿論、選手個人個人、タイプにはまりきらない特徴があって、完全に分類することは出来ないし、出来るとも思っていませんが、一応分類してみることで何か見えてくるものがあるのではないかと思って、分類してみました。
以上の事なども踏まえて、最後に(3)で、オシム監督がどういう選手を選んできたか(選ぼうとしてきたか)、そして今後はどういう方向性なのだろうか、を考えてみたいと思います。
<(3)へ続く>
posted by なぎすけ |19:20 |
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2007年09月05日
今回も2段階発表でしたが、全24名が発表され(阿部は腰痛の為、離脱し結果23名に)、その選ばれた選手たちを見て、何故? と疑問に持たれた方や、カメルーン戦に比べて落胆された方も、多かったようです。
今回は個人的にも「?」と思った部分があったので、今までの選手選考について調べてみようと思います。
そこで、まずは今回のオーストリア遠征の全24(23)名を。
GK:(3名)
川口、楢崎、川島
DF:(5名)
中澤、闘莉王、加地、駒野、坪井
MF:(11名)
中村俊、遠藤、鈴木、中村憲、羽生、山岸、今野、橋本、松井、稲本、山瀬
(※阿部は腰痛で離脱)
FW:(4名)
佐藤、巻、矢野、田中
(※アジアカップ選出メンバは赤色
※ドイツワールドカップ選出メンバは太字)
さて、これに関しての意見はまた後ほど述べるとして、これからはカメルーン戦から徐々に遡って、どういう選手が選ばれてきたかを、見ていこうと思います。
けれど、普通に並べても人数が多くてただ見辛いだけになるので、今回の24名に選出されていないメンバのみ、書き記してみたいと思います。
■8月22日 親善試合 対カメルーン戦(日本)
大久保、高松、前田
■7月9日~29日 アジアカップ(ベトナム、インドネシア)
高原、太田、水野、播戸(伊野波)
※負傷の為、播戸の代わりに伊野波が選出
■上記アジアカップの候補メンバ30名の中で
GK:西部
DF:水本
MF:本田、家長
FW:前田
■6月1日、5日 キリンカップ2007(日本)
DF:中田浩、水本、青山
MF:藤本淳、本田、家長
FW:高原、播戸
■5月14~16日 トレーニングキャンプ(日本)
GK:西部
DF:村井、森、近藤直(柏)、小宮山
MF:太田、藤本淳
FW:播戸、杉本、黒津
■4月16~18日 トレーニングキャンプ(日本)
GK:西部、林彰洋
DF:内田篤人
MF:森、太田、藤本淳、柏木
FW:播戸、近藤祐(神戸)
■3月24日 親善試合 対ペルー戦(日本)
GK:西川
DF:水本
MF:二川、藤本淳、水野、家長、本田
FW:高原、松橋章
■2月15日 トレーニングキャンプ(日本)
GK:山岸、林彰洋
MF:野沢、相馬、佐藤勇、田中隼、藤本淳
FW:播戸、我那覇、高松
■昨年11月15日 アジアカップ予選 対サウジアラビア戦(日本)
GK:山岸、西川
DF:三都主、伊野波、青山
MF:野沢、田中隼、長谷部、本田
FW:我那覇、高松、前田
■昨年10月4日(親善試合)、11日(アジアカップ予選)対ガーナ戦(日本)対インド戦(インド)
GK:山岸、西川
DF:三都主、山口、水本、青山
MF:二川、佐藤勇、田中隼、長谷部
FW:播戸、我那覇
■昨年9月3日、6日 アジアカップ予選 対サウジ、イエメン戦(サウジ、イエメン)
GK:山岸、西川
DF:三都主
MF:中村直、二川、田中隼、小林大、長谷部、伊野波、梅崎
FW:我那覇
■昨年8月16日 アジアカップ予選 対イエメン戦(日本)
GK:山岸
DF:三都主
MF:中村直、佐藤勇、田中隼、小林大、長谷部
FW:我那覇、坂田
■昨年8月9日 親善試合 対トリニダードトバゴ戦(日本)
GK:山岸
DF:三都主、栗原、青山
MF:中村直、田中隼、小林大、長谷部
FW:我那覇、坂田
(※2回以上選ばれている選手は青色
※但し、キャンプに呼ばれている場合はカウントしない
※U-22代表に選ばれている選手は太字)
そして、上記のリストに更に「2006独ワールドカップ」のメンバの中で、オシム監督になって以降、一度も招集されていない選手を以下に。
GK:土肥
DF:茂庭、宮本
MF:小笠原、福西、小野(中田英は引退したので除外)
FW:柳沢、大黒、玉田
様々な要因があるので、一概に選ばれたから、選ばれなかったから、どうこうは言えないでしょうけれど、こうして見てみると、1回しか呼ばれていない選手は少数です。オシム監督は選手には何度かチャンスを与えているようです。
また今回の24名には選ばれませんでしたが、高原については現在のところほぼ確定している選手だと思うので(仮に高原が選ばれていた場合は、FW4名の内、誰かが選外になっていたでしょう)、高原については考えないことにします。
それから、ジーコ前代表監督が選んだ日本代表からは23名中13名は試した、或いは現在も選んでいます。その中でも三都主は当初は選ばれていましたが、ザルツブルグに移籍して以降、選ばれていません。この三都主と中田浩二、高原以外の10名は実は今回のオーストリア遠征には選ばれています(ちなみに、ワールドカップ後、最初の試合のトリニダードトバゴ戦では、川口、三都主、坪井、駒野の4名のみでした。※中澤については当時代表引退を表明していた。また欧州組は呼ばれていません)。
おそらくオシム監督は、基本的には所属ティームでスタメンを確保していない選手は選ばないのではないでしょうか。ただ、中田浩二についてはよく分かりません。何も情報が無いので、所属のバーゼルが拒否したとか、招集する予定だったとか、そういうことも不明なので、今回の遠征については構想外なのかも知れません。
ただ、今回の遠征について構想外だという事は、今後招集される可能性は期待薄かも知れません。今回はワールドカップ予選前に欧州組も含めて試合出来る最後の試合になるかも知れないからです(来年2月から2010年ワールドカップのアジア地区予選が始まりますので)。
こういう事情なども踏まえて、オシム監督の選手選考について探ってみたいと思います。
<(2)へ続く>
posted by なぎすけ |23:55 |
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