長田渚左の「考え中」

言わずにいられない

カズオ・イシグロの言葉に共感して

 今年のノーベル文学賞に日系の英国人作家カズオ・イシグロ氏が決定したと聞いて、心から嬉しかった。  思いも掛けない伏兵の名前に、発表会場では報道陣から驚きの声が上がったそうだ。  スウェーデン・アカデミーのサラ・デニウス事務局長は彼についてこう語った。「ジェーン・オースティンとフランツ・カフカを混ぜると、カズオ・イシグロになる。そこにマルセル・プルーストを少し加えなければいけない」(10月6日付朝日......続きを読む»

最年少プロ棋士 藤井四段に嫉妬する

 大相撲名古屋場所4日目、将棋の最年少プロ、藤井聡太四段が観戦に訪れた。館内は大騒ぎになったらしい。カメラやスマホを持った人が次々と彼のもとにやってきて、相撲を見るのは二の次になったようで、「土俵の中を誰も見ていない感じの中で(自分は)相撲を取りました」と苦笑した力士もいた。  時の人……藤井プロだけが静かで、将棋をしているときの、モノに動じない雰囲気はそのままだったという。  確かにインタビューへ......続きを読む»

村田諒太の敗戦で見えたボクシングの危機

 多少の相性はあるが、どんなスポーツにも特有の面白さがあり、その魅力に引き込まれる。  その中でも最も好きなのがボクシングだ。たった2つの拳の戦いなのに、狭いリングの中に決意、勇気、知性といった人間の持つあらゆる要素がむき出しになり、そのたった1試合がボクサーの人生さえも変えてしまうからだ。  5月20日、東京・有明コロシアムで観戦した、12年ロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太(帝拳)が、初の......続きを読む»

ニッポン柔道に新しい風

 4月29日、今年も日本武道館で柔道全日本選手権を取材した。私にとって『初夏の風物詩』のようなもので、もう30年以上、ほぼ毎年観戦を続けている。  体重無差別で日本一を争う大会とあって、毎回、起伏に富んだ風景に目を奪われる。決勝まで進むには多い選手で1日5試合も戦う長丁場。だから思いがけないことが次々と起きる。  リオデジャネイロ五輪の73㌔級金メダリスト大野将平が、初戦で90㌔級の池田賢生に一本負......続きを読む»

指導者の褒め方が人間を変える

 五輪のお宝グッズを大量に保管展示している東京・秩父宮記念スポーツ博物館が、豊島区役所で出張展示をしているというので見学に行った。  1964年の東京五輪の有名なポスターや、入場券、開会式で選手団が着用した公式ブレザーや、実際に選手が履いたシューズなど、郷愁漂う品が並べられていた。  その脇でトークショーが行われた。豊島区在住の中央大学教授で、水泳部監督でもある高橋雄介氏が登壇し、リオ五輪男子競泳の......続きを読む»

「NO! と言える人間を育てるには」

 野球賭博問題。  開幕を目前にしたこの時期に、またしても出てきたのかと、あきれ返った。  昨年、巨人の投手が3人も野球賭博に関わったとして無期限資格停止処分を受けた。その後の調査で収束したかに見えたが、幕引きとはいかなかった。開幕を前に新たに高木京介選手の関与が発覚した。  事態は振り出しに戻り、日本野球機構(NPB)の調査委員会が、ほかに関与した選手がいないか巨人以外の11球団も含めて再調査す......続きを読む»

新国立競技場は中身で勝負

 何はともあれ、新国立競技場の建設計画が白紙に戻って良かったと思う。  世間の常識からかけ離れた計画が、世論を無視して強行されようとする中、前回、このコラムで一縷の望みを託して、建設計画見直しを訴えた。  それは、大衆の反発の強まった今、真のリーダーが「見直す」と言えば、彼は英雄になれる状況にあること。そのためには政治家やジャーナリストではなく、主役である、過去、現在、未来のアスリートたちが声を上......続きを読む»

新国立競技場再考の最後の切り札

 膨大な税金をつぎ込む新国立競技場の建設は、もう後戻りできないのだろうか。  「2520億円もかける必要はない。見直そう」と、真のリーダーが大きな声を上げれば、その人こそ英雄として後生に名を残すのではないだろうか……。  7月6日に新国立競技場問題を考えるシンポジウムが都内で開かれた。参加した女子マラソンの五輪メダリスト、有森裕子さんは「オリンピックが皆さんの負の要素のきっかけに思われることは本望......続きを読む»

ピアノとスポーツ

 ひょんなことからピアノリサイタルのご招待を受けた。  今年デビュー30周年を迎える小山実稚恵さんの演奏会だった。プラチナチケットだと聞いていたので、ぜひ行きたいと思う反面、少しだけ躊躇もあった。  もともと私はピアノという楽器が苦手だ。ヴァイオリンや三味線のような弦楽器は音を出すまでに大変に苦労するが、ピアノは鍵盤をたたけば誰でも音を出せるという間口の広さがある。ポンポンと音を出しているうちに誘......続きを読む»

車椅子バスケに感じた時代の変化

 今年のゴールデンウイークはいかが過ごされましたか?  私は近年、必ずある会場に足を運んでいます。日本車椅子バスケットボール選手権大会が開催される東京体育館です。今年も5月5日に取材に行ってきました。  7年前、私の30年来の友人でもある田中晃氏(元日本テレビ・プロデューサーで現スカパー執行役員)から「何も言わずにゴールデンウイークは千駄ケ谷の東京体育館に終結せよ」と言われたことがきっかけだった......続きを読む»

イスラエルとパレスチナの両国選手が一緒に微笑んだ

新しい学習指導要領の実施で中学1、2年に武道が体育の正課科目に導入されて、8カ月が過ぎようとしている。 今年も残り少なくなってきたが、武道を習う経験は、子供たちにどんな影響となっているかが気にかかっている。 文武両道の精神、心と身体を分けるのではなく、どちらも両輪として成長してゆこうとする気分や“礼に始まり、礼に終わる”という、礼儀への関心が高まっていると素晴らしいのだが……。 ...続きを読む»

アームストロングだからこそ、できる仕事

2人のアームストロングが話題だ。 1人は8月25日に死去したニール・アームストロング氏(82)。 人類初の月面着陸に成功したアポロ11号の船長だ。栄光の人生の後の晩年は静かで、つつましいものであったと伝えられ、月面に立った印象的な映像を思い浮かべた人も多かった。 ...続きを読む»

点から線へ、星から星へ

ロンドン五輪開幕が近づいている。 あと○日という表示も真に迫ってきている。一方でレッドソックスの松坂大輔投手が390日ぶりの復帰をした。昨年5月16日以来のナショナルズ戦(現地6月9日)の先発は、5回80球を投げ、1本塁打を含む5安打4失点で敗戦投手となった。 もちろん、白星での復帰のほうが良かったろうが、この黒星は輝いてみえた。 ...続きを読む»

河野太郎氏をゲストに、スポーツと原発社会を考えます。

スポーツ基本法が成立しました。 そこには、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利」と、書かれています。 「スポーツ権」について明記されたことは、重要な意味があります。 ...続きを読む»

気持ちを込めて

大リーグが開幕した。 スポーツ界にとっても、スポーツ選手にとっても今、何ができるかを考えている毎日だ。 震災後のチャリティーマッチとして行われたマリナーズ vs. アスレチックス。 松井秀喜が2500安打を放ち、スクリーン一杯に“オメデトウ”のメッセージを浮かび上がらせた。 ...続きを読む»

ラグビータウンの復興を

3月に入って、寒暖の差が激しい。 けさは吐く息が白かった。 数日前はコートなど必要ないほどだったのだ。 ...続きを読む»

2010年、日本シリーズ最大の無念

プロ野球日本シリーズに、ようやく決着がついた。たび重なる延長戦、記録的な長時間ゲーム。とてつもない消耗戦だったが、こんなに野球の魅力に溢れた日本シリーズも珍しかった。 一球、一打の攻防はもとより、ひと走りでゲームの流れや機運までもコロリと変わった。 もつれにもつれ、イライラ、ジリジリ……で結局どうなるの!? と、ページをめくるような毎晩だった。 ...続きを読む»

選手の寿命を延ばす力とは

このところ40歳代の選手の活躍が目立つ。 8月8日、海の向こうの大リーグ、ブレーブスの斎藤隆投手(40歳5カ月)が、対ジャイアンツ戦で40歳代日本人投手として、メジャー初セーブを記録した。ちなみに彼は、5月には40歳代日本人初勝利もマークしていた。 ...続きを読む»

スポーツ特別賞?

W杯で活躍した日本代表が帰国後、あちこちに招かれている。 本田圭佑選手は母校の星稜高校で、初めて去就について語り、後輩たちから大きな拍手を浴びた。 ひとりひとりの学生にとっても忘れがたい時間になっただろう。 ...続きを読む»

ブロガープロフィール

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長田渚左(おさだ・なぎさ)
ノンフィクション作家。女性スポーツジャーナリストの草分け的存在であり、現在も旺盛な取材活動を続けている。
NPO法人スポーツネットワークジャパンおよび日本スポーツ学会代表理事。
スポーツ総合誌『スポーツゴジラ』編集長。
  • 昨日のページビュー:16
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(11月22日現在)

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