長田渚左の「考え中」

ソチ五輪の見どころは「人間力の成長」

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 ソチ五輪がいよいよ1カ月後に迫ってきた。

 スキーのジャンプは30歳を超えると恐怖心が増して、心理的にも飛ぶことが難しくなる…などと言われた時代もあったが、7大会連続出場を決めた葛西紀明は、41歳でソチ五輪のジャンプ台に立つ。
 人間的にも成熟した不惑を超えた彼が、10代もゴロゴロいる若い選手たちの中で、どんなジャンプを見せてくれるのか。恐怖も年齢も超越した〝生涯ジャンパー〟として前人未到の頂にいる彼に期待したい。

 フィギュアスケートでは2大会連続出場の浅田真央とキム・ヨナの再戦が楽しみだ。4年に1度の五輪は、1回完結の印象が強かったが、最近は4年越しの「ドラマの続き」が少なくない。選手寿命が延びたことも一因だろう。
 2度目の五輪では、肉体や技術とともに、4年間で選手がいかに全人格的に成長したかが、勝負の鍵を握っているように思う。

 右足の故障が伝えられていたキム・ヨナは、氷上で練習できなかった時間が短くはない。その間の活動で私が注目したのは、2011年にインスブルックでのユースオリンピックに参加したことだ。
 ユースオリンピックは14~18歳の青少年を対象にした総合大会で、通常の五輪とは異なる特徴がある。
 スポーツだけではなく、文化と教育が一体となったイベントで、大会には文化・教養プログラムがあり、参加者がオリンピズムや反ドーピング、異文化などのテーマを学び、互いに討論する。
 キム・ヨナはロールモデルとして参加し、積極的に自分の意見を若い選手たちに伝えたという。
 
 ユースオリンピックへの参加は、韓国の方針でもある。キム・ヨナを国際舞台での将来のリーダーとして育成するために、そういう場へ出る機会を大切にしている。それは「選手は競技にだけ専念しろ」という考え方ではなくて、トップ選手として世界の中でもう1度、自分を見つめなおしてもらうとともに、現役引退後も見据えて、大きな視野の中で全人格を見みつめさせ、人間としての成長を促すことを意味する。

 フィギュアスケート選手にとって氷上以外の時間は、無駄で無意味に思われがちだが、最終的に勝負事は習練された全人格のぶつかり合いであることにほかならない。

 ソチ五輪では勝負以外に選手たちの「人間的な成長」も見どころの一つだろう。



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 私自身、さまざまな大学からお声をかけていただきスピーチしますが、「スポーツゴジラ」の認知度は想像以上に高いようで、頼もしく感じています。
 ともかく今後も内容に力点を置き、質(クオリティー)と切り口で〝面白い〟と思っていただけるように、知恵を絞ってまいります。
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長田渚左(おさだ・なぎさ)
ノンフィクション作家。女性スポーツジャーナリストの草分け的存在であり、現在も旺盛な取材活動を続けている。
NPO法人スポーツネットワークジャパンおよび日本スポーツ学会代表理事。
スポーツ総合誌『スポーツゴジラ』編集長。
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(05月27日現在)

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