2009年04月06日

避けることのできた赤旗中断と中嶋一貴

F1は言うまでもなく、ヨーロッパ人のものだ。そのために今年から、ヨーロッパ人のためにレース開始時刻が変更され、だからこそ、本来なら避けることのできた、今回のマレーシアでの赤旗中断、という事態が起こった。

F1観戦歴が短いので、赤旗中断のレースを私は今回初めて観たが、やっぱり後味が悪い。別に私は、テレビの実況アナウンサーや解説の片山右京氏のようにTOYOTAを応援していたわけではない(TOYOTAのお膝元に住んでいると、TOYOTAに対して、いろいろ複雑な心境というものがあるんですよ)。でも、スコールの降る時間帯がある程度決まっている以上、やはり、避けられた、という思いでいっぱいだ。

メルボルンに続いて、中嶋一貴は残念だった。ホイールスピンによって順位を落としてしまったらしいが、それが結局戦闘力の低いルノーのマシンに乗るピケジュニアの後ろに付くことになってレースは事実上ここで終わった。他のバトルを見てもKERS非搭載車がKERS搭載車を抜くのはかなり難しいようで、その後の大荒れのピットストップでも取り返せないほどのタイムをロスしてしまったのだ。これが実力、というべきなのかあくまで不運だった、というべきなのか判断しかねるが、

対照的だったのがBMWのニック・ハイドフェルドだ。スタートのグリッドでは一貴のわずかに一つ前に過ぎなかったのに2位フィニッシュ。雨が降り出して以降、他の車がインターミディエイト(浅溝)とウェット(深溝)を交互に履き替えるのを尻目に、最初にウェットを履いて、そのまま赤旗中断まで走り切ってしまった。他にも最初からウェットを履いたドライバーはいたが、ほとんどがオーバーヒートを起こしてしまって履き替えざるを得なかったところを見ると、その辺はドライバーの腕なのだろうが、それでも予選などではチームメイトのクビカの速さについて行けず、来年のシートを危ぶまれるなかで、今シーズン、クビカよりも先にポディウムに乗ってしまった。そういえば去年のベルギーGPでもスパウェザーを読み切り、タイヤ交換によってポディウムに乗っている。この辺はやっぱりドライバーのもっている運なのだろうか?

そして驚異的なのはやはりブラウンGPだ。そういった運や不運に影響されない速さを、オーストラリアに引き続き、マレーシアで見せつけたのだから。中国の前にリアディフューザー問題の片は付くが、その後もブラウンGPが速さを見せつけるようなら、今シーズンの趨勢は、本当に日程の半分も消化しないうちに決まってしまうかもしれない。

最後に私の大好きなアロンソについて言うと、やっぱりさすがというか、レースを通じて、戦闘力の低いマシンで他のマシンの攻撃に耐える姿は、国際映像のカメラを独占していた。それだけの国際的な注目度と、バトルの巧みさ、ということになるのだろうが、そういう姿を見ながら、やっぱり中嶋一貴のことを考えてしまった。

中嶋一貴はマレーシアからの中継で、何度その姿を見れただろうか? F1を取り巻く国際社会は遅いドライバーやマシンに興味がない。そして自然と淘汰されていく。もちろん私は「次こそは」という気持ちで中嶋一貴を見ているが、それを繰り返していくうちに今シーズンが終わって、シートがなくなっている可能性は否定できない。サッカー日本代表はドイツでの敗戦から、「つぎ」「つぎ」と言っているうちにもう3年が経とうとしている。

結果を出す以外に中嶋一貴の道はない。でないと、テレグラフやタイムのようなイギリスの新聞の写真に載る日本人は、ジェンソン・バトンの彼女ばかり、ということになってしまうだろう。

posted by naaagi |02:20 | F1 | コメント(0) | トラックバック(0)
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