2009年05月09日

ありがとう、マドリー

さてさて。


 いつぶりだと最新記事を見てみたら1月5日だって。アドリアーノのことなんてこれっぽっちも叩けないやる気のなさ。


 ということで。ひっそりと復活。この4ヶ月ちょっとの間にいろいろあって我らがバルサとユナイテッドは共にリーガとプレミアで首位に立ち、チャンピオンズリーグでも決勝まで進ませていただいている。ミランも最近調子が良い。もうウッハウッハな今日この頃。


 そんなことはさておき。恐ろしいほどの遅筆ではあるけれど、今更ながらクラシコについて書いてみる。
 開始直後、自分はマドリの守備ラインの高さを見て、歓喜にむせいだ。マドリーの事を日々憎んでいる身ながら、バルサ相手に勇猛果敢にラインを上げてくるマドリーに、不本意ながら心から感謝した。「ありがとう、マドリー」。粉微塵の他意もない俺のまっすぐな気持ち。
 ここ最近、1-4で負けたボロバルサ等の例は除いて、「強い」バルサを本気で倒そうとするチームは決まって引いてきた。引いて守ってカウンター。モウリーニョのチェルシー、ファーガソンのユナイテッド、就任直後ファンデ・ラモスのマドリー。名前だけ聞けばヨダレが出るようなクラブとのビッグゲーム。しかし中身は全部が全部バルサが攻めて相手が守るデジャブ展開。ヒディンクのチェルシーなんて言わずもがなだ。
 良い悪いの話じゃない。ただ自分がどことなくもの足りないと感じているだけの話だ。それ以上でも以下でもない。でも本音を包み隠さずぶっちゃけて言えば「もうこんな展開見飽きたんだよ!!!」、とまあこういう風に感じていて。
 でもこれが仕方のない話だということもよく理解している。世界最高の攻撃力を誇るバルサを止めるためにはそうする他ないんだから。そう思えば何となく気も晴れる。
 のだけれども、やっぱりぶっちゃけて言えば「どっかこんなバルサと真っ向からやり合ってくれるやんちゃなチームいねぇかなぁああああ!!!」とずっとずっと思っていたわけだ。


 そんな中迎えた先のクラシコ。実を言うとちょっぴり期待はしていた。「私どもはあなた様より目下です」と宣言せんばかりのドン引きカウンターを、敵地カンプ・ノウでならまだしも、まさか数万のマドリディスタの前では出来ないだろう。かといって数日前ヒディンクが示したようにそうでもしない限り今のバルサを抑えることも出来ないわけだ。ファンデ・ラモスはどちらを選ぶか期待と不安を胸に待ちわびたキックオフ。結果は冒頭に書いた通りだ。


 マドリーが自らのホームで挑んできたガチンコ勝負。バルサの選手達が超絶キープ&パスで相手を翻弄すれば、マドリーも負けじとロッベンらの個人技で真っ向勝負。こんなに楽しいクラシコは本当に久しぶり!技術だけじゃなく意地をこれでもか!とぶつけ合うクラシコらしいクラシコ!
 ファーガソンが今回のクラシコについてこう語ってた。「私は自らの立場を忘れて、試合に熱中してしまったよ」。決勝でのライバルとなるかもしれない相手を観察しなければいけないのに、その仕事すら忘れさせるほどフットボールの魅力がふんだんに詰まった試合。あぁ、ホントに幸せだ、わたしゃ。これだからフットボールはやめられない。
 そうだよなぁ。フットボールってこうでなくちゃいかんよなぁ。今回のクラシコを見ていてすごく懐かしい気持ちになった。まだ子供で親に頼み込んでやっとこさケーブルテレビをつないで見た試合、雑誌でしか見ることのなかった選手達のあんなプレーやこんなプレーを毎週わくわくしながら見ていたあの頃。当時はプレミアリーグのCMで流れるゴール集ですらかじりついてみていた。そんな昔感じたトキメキを思い出させてくれたクラシコ。フットボール好きになった原点がそこにあった。


 あれからもうかれこれ10年ぐらい経つ。10年も経ちゃほんの少しはフットボールの見る目もつくというもので。ホームでライバル相手に「負けるものか!」と真正面から挑んできた相手に感謝した。間違いない今季1番楽しい試合。マドリーよ、本当にありがとう。
 しかしそれと同時にこうも思う自分もいた。「バカだなぁ」。今のバルサ相手に後ろあれだけスペース空けてただで済むわけないじゃないか。メッシやアンリが舌なめずりしている姿がまざまざ目に浮かぶ。これならもうバルサの大勝は約束されたも同然だ。
 先制点をとって「お、これは引いてくるかな」と思いきや、マドリーは攻める気を失わない。純粋に楽しいフットボールを望む自分は「史上稀にみる熱い展開に水を差さないでくれでありがとう」と感謝をするけど、しかし一方で冷静にフットボールを観戦する自分も自分の中には少しいて、そいつは「でもこのままじゃやられるに決まってんのにホント何考えてんだろ、ファンデ・ラモスは」とえらく冷めた目で試合を眺めてる。結果はご存じの通り、6-2でやっぱりバルサの圧勝だった。


 バルサ相手に無謀とも言えるほどディフェンスラインを高くして攻撃的に戦ったマドリー。結果無残にもあんな形で散ることになったわけだが、あんな暴挙に出た理由を個人的には「プライド」と考えていた。バルサに勝つためには引いて守る他ないが、かといって永遠のライバルをホームに迎えてそんな恥ずかしい真似は出来ない。バルサが攻めてくるんだから、俺たちも攻める。そんな気概がマドリーのディフェンスラインをあれだけ高くさせたのだと考えていた。
 のだけれど、ファンデ・ラモスのコメントを聞いてみるとどうやらそういうことでもないらしい。「カンプ・ノウでは引いて敗れた。今回は前から行ってもダメだった」。そんな単純な理由!?実よりも誇りを選んだマドリーにちょっぴり感動すらしていたのに。


 そうだとして、じゃあ引いて守っていれば満足する結果が得られていたかと言えば、それはどうか分からない。が、マドリディスタはマドリーが90分間ホームでバルサの攻撃を耐え忍ぶ姿を見続けるという最大の屈辱恥辱から逃れることは出来たことは確かだ。アンリが4点目を決めるまで、特に前半はクラシコらしい本当に良い勝負が見れた。結果はあんなんだが、マドリーは前を向いて倒れたと思う。このクラシコでマドリーが唯一誇れる点だ。


 今回マドリーはバルサに真正面からぶつかりそして砕け散った。引いて守っていたとしても結果は同じく粉々だったと思う。要は実力が足りなかったのだ。思えばそこはバルサが1年前1-4で敗れた場所。マドリーが1年前4-1で勝った場所。1年でチームとはこうも変われる。会長選等でいろいろごったごたするようだけれど、バルサは来年も曲がることなくまっすぐ勝負挑むから、そちらさんも真っ向勝負でバルサと渡り合える実力つけてきてくださいね、という話。

posted by myrowka |03:36 | FCバルセロナ | コメント(0) | トラックバック(0)
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