2008年11月12日
08/09リーガ・エスパニョーラ 第8節 バルサ vs アルメリア
スタメンはGKバルテス。ディフェンスは右からアウベス、マルケス、プジョル、アビダル。中盤はジャジャ、チャビ、イニエスタ。トップは右からメッシ、エトー、アンリ。
これまで左エストレーモとしてプレーしていたイニエスタを中盤に組み込み、空いたポジションにアンリを置いた一応世間一般でバルサのベストメンバーと表される並び。ターンオーバーを積極的に使用するペップバルサにおいて、このメンバーでの試合を見れるというのは結構レアな体験になるかもしれない。
そして久々にベストメンバーで行われた試合は「やっぱりスゴイ」の一言。バルサの破壊力が文字通り爆発。バルサの誇るタレントが順当に力を発揮するだけでゴレアーダ。うーん、ホントバルセロニスタで良かった。
エトーがハットトリックを決めた試合だったが、イニエスター(イニエスタ好きの通称※当ブログ限定)として彼の活躍に触れずにはいられない。この日は中盤として起用されたが、正直なことを言うと試合前そのことを知ったときイニエスタ-的にちょっと不満があった。
一般的にはパサーというイメージの強いイニエスタだが、ドリブルでもディフェンスを崩せ、判断力もあり、球離れが早い。もちろん守備も献身的に行う。エストレーモとしてこれ以上ない逸材だ。「イニエスタの持つ攻撃力は中盤よりもエストレーモの位置でより発揮される!」。ということでいちイニエスタ-としてイニエスタのエストレーモ起用を支持し、ペップ・バルサに変わってからエストレーモの位置でプレーする機会がグッと増え、かなり満足げな日々を送っていたのだ。そんな事情がある上でのイニエスタ中盤起用。それが不満の正体。
で、試合を見終えた後の感想。「結果オーライ、万々歳」。エストレーモでも申し分のない活躍をしていたイニエスタだが、中盤でもその存在感が衰えることは無かった。ライカールト・バルサで中盤起用された時はパサー的役割の比重が大きかったが、ペップ・バルサではチャビの相方にはパスの「出し手」としてだけではなく、パスを受けてチャンスに繋げるこのブログでいうところの「受け手」的役割も求められる。そしてイニエスタには「受け手」としても十分活躍出来る能力があるってんだから、これほどありがたい選手そうはいない。
前半5分エトーの1点目の起点となったのはジャジャのロングフライングスルーパスに反応したイニエスタの飛び出しだった。これをアルメリア・ディフェンスがクリアし、そのこぼれ球の先にいたエトーが落ち着いてゴール。前半13分アンリのゴールも、崩しのきっかけとなったのはメッシのスルーパスとそれに抜け出したイニエスタだった。
3点目はイニエスタが直接ゴールを演出する。左サイドのアンリがボールを奪われ、こぼれ球をイニエスタが拾うやいなやエリア内に猛ダッシュで侵入するチャビ。2人の間には3人ものアルメリア・ディフェンスがいるが、イニエスタは揺るがない。針の穴に糸を通すよう丁寧にチャビにボールを通すと、チャビが隣でフリーになっていたエトーにゴールをプレゼント。形はどうであれチャビかエトー、どちらがゴールを奪うべきなのか、刹那にそして正しく答えを導きだしたチャビの判断力にも感嘆。そう、エトーはいかに調子に乗らすかが肝心。
1点目と2点目は中盤のイニエスタのエリア内への攻撃参加から生まれた。3点目はチャビの飛び出しからゴールが生まれている 。ライカールト・バルサ末期ではあまり見られなかった形。一人、二人のメガクラックの個人技で奪うゴールだけでは限界がある。このような層の厚い攻撃をコンスタントにたたみかけることが出来たなら、リーガ2連覇のみならず欧州制覇もなしとげたあの輝かしいバルサが帰ってくること間違いなし。
4点目は3-0となってずたずたになったアルメリア・ディフェンスをメッシがさらに個人技でズタボロに切り裂き、最後はエトーにボールを譲って、そのエトーがハットトリック。5点目はアウベスがロングフリーキックで決めて見せた。この5点目でもうゲームは終わり。ただでさえ集中力を切らしたアルメリアのネグレドがラフ・プレーで一発退場している。
この試合ではアンリの動きも良かった。周りとの連携がスムーズにいくようになっていて、その結果個人技の冴えも戻ってきている。それはイニエスタの中盤起用と無関係ではないだろう。バルサイズムが身に染みているイニエスタの早いボール回し、早い判断、そしてなにより他人を思いやりながらプレーできる懐の深さが アンリのプレースタイルにフィットしていて見事にサポートできている。これまでアンリが左エストレーモとして起用される際アンリに近い中盤の選手は例えばケイタであり、例えばグディであり、どちらも他人を活かすタイプというよりも、他人に活かされるタイプの選手だった。他人への依存度では世界でも一二を争う甘えんぼさんアンリ坊の相方としてこれは不適。これからアンリを左エストレーモとして起用する際は近くにチャビ、イニエスタ等バルサらしい選手を置いた方がいいかもしれない。フレブがこの位置でプレーできると面白いんだけどなぁ。実際この試合でもアンリ-フレブのコンビを拝むチャンスがあったのだが、アンリがすぐにボージャンと代えられたため、少ししか見ることが出来なかった。
ということで2試合連続の5得点勝利。バーゼル戦ではボージャン、ブスケッツ、チャビとカンテラーノがゴールを奪い主役となった。この試合ではエトー、アンリ、アウベスと外国人集団がゴールを奪い、その主役の座を奪い返した。バルサにはこれだけ主役になれる人材が揃っているということ。うーん、頼もしい。
posted by myrowka |00:37 |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年11月02日
08/09 UEFACL GS GourC 第3節 バーゼル vs バルサ
スタメンはGKバルテス。ディフェンスは右からアウベス、プジョル、マルケス、シウビーニョ。中盤はジャジャを底に、前にチャビとブスケッツ。トップは右からメッシ、ボージャン、フレブ。
ここ最近中盤の並びが面白い。これまではチャビ等のパスの「出し手」を一人、ケイタ、グディ等のパスの「受け手」を一人並べる形が多かったが、今日は守備的ハーフの前にチャビ、ブスケッツとパスの「出し手」を2人並べてきた。この試合の前のビルバオ戦ではケイタ、ビクトル・サンチェスと「受け手」を2人並べている。いろんなパターンを積極的に使っていくペップ。どんな形が最適か、鼻から答えを決めつけるのではなく、あれこれ試しながらそれぞれの長所や短所をじっくり探っているんだろう。ホントにペップは面白い監督だ。
ブスケッツはこれまで中盤の底を任されることが多かったが、ここ2試合その役割はジャジャが務め、ブスケッツはいつもより前目のポジションでプレーしている。俺みたいに4番にしばられるんじゃなく、チャビのように中盤ならどこでも臨機応変に対応できるような男になれよというペップの親心の現れなのかもしれない。前目にあがったんだから、これまでのゲームメイク以外に直接ゴールに絡むようなプレーを期待したい。
この試合ではフレブが戦列復帰。ポジションは左エストレーモ。やっぱり基本ポジションはここになるのかな。メッシ、イニエスタ、アンリ、フレブとバルサのエストレーモはホント豪華だ。ようやくフレブのプレーが見れるようになった矢先怪我で離脱してしまったので、ホント残念だったんだ。イニエスタのようにエストレーモも中盤も出来る器用な選手。すなわちバルサのキーとなり得る選手。フレブが両方のポジションで使えるとチャビ、メッシ、イニエスタの負担がグッと減る。ホント期待してるんだから。
試合はまさにメッシの独擅場。エトーやアンリといった気を遣わなくてはならない諸先輩方がこぞってお休みされたため、メッシが背番号10をこれでもか!とひけらかしながら、良い意味でホントもう傍若無人。右サイド、中央、左サイドと自由気ままに好きなところへ顔を出す。後輩のボージャンや新人のフレブ、アウベスはそんな王様の顔色を窺いながら空気を読んでポジションを取り、プレーしている。もしかしたらカンテラ時代からメッシはずっとこの時を待っていたのかも知れない。この日のバルサはまさにメッシのものだった。
そんなことが許されるのも、メッシがその力でゴールをしっかりもぎ取れるから。前半4分アウベスに「ここによこせ」と命令を下し、アウベスが命令通りふわっとパスをバーゼルディフェンス陣の裏に出すと、それをキッチリ決めてバルサがいきなり先制。己の自由気ままなスタイルを正当化しうるのは結果のみ。茨の道ではあるが、そこに突っ込む覚悟とそれを乗り越えられる自負がメッシにはある。それがゆえの10番。うーん、恐れ入る。
メッシのお次はペップの申し子たちの活躍。15分、ペナルティエリア前でパスを受けたシャビがエリア内右でフリーになっているブスケッツにパス。それをブスケッツが落ち着いて決めてバルサ2点目。公式戦初ゴールおめでとう。ブスケッツらしいプレーとは言えないものの、与えられた役割をキッチリこなして結果を残した。上背もあるんだし、こうやって「受け手」的仕事もこなせるようになると、バルサの攻撃の幅もグッと広がる。まだまだ全然若いわけで、あまり多くを要求するのも酷なのだろうが、それも納められてしまうほどの大器をブスケッツの中に感じる。楽しいなぁ。
メッシ、チャビ、ブスケッツが仕事をして、黙っているわけにはいかないのが残るカンテラ組のボージャン。前半22分メッシからボールを預けられてワンツーパスを要求されるも、王様の命令をボージャンは何と拒否。自らDFを振り切ってシュートを放ち、ゴール左隅に決めて見せた。ボージャン今季初ゴールおめでとう。
ボージャンはバルサのラウールだという評を聞いたことがある。ボージャンのようなフォワードにとって最高の褒め言葉だろう。残念ながら昔のラウールのようなゴール前での背筋が凍るほどの冷静さはボージャンにはまだ感じないのだが、決してエゴイスティックなプレーに走らず、周囲を見渡しながら状況を判断し、時にサイドに流れてチャンスを演出し、時に強引にゴールを狙いにいくFWとしてにプレーの幅の広さはまさしくラウールのそれ。
しかし何よりラウールと似ているな、と感じるのは選手としてではなく、人としての雰囲気。謙虚さ、優しさ、ひたむきさといった性格の面で両者は似ていて、それで間接的にプレーでも類似性が見られるのかな、と最近のボージャンを見ていて感じるようになった。まあ要するにボージャンはかなりいいやつっぽいってこと。もっと彫りが深けりゃアイドルにもなれたんだろうけどなぁ。
その後ブスケッツ、ボージャンのフレッシュカンテラーノ・ホットラインで4点目、メッシのポストプレーからチャビがどかんとシュートを決めて5点目とバルサ今季3度目の5点以上勝利。ベテラン、若手のカンテラ達の活躍が見れて、おじさんもうお腹いっぱい、幸せだ。
ブスケッツは1ゴール1アシストの活躍。ただどちらも比較的簡単なプレーだったので、今度は「なんじゃこりゃ!」と度肝抜かすような超絶キラーパス等でゴールを演出する、らしさのある活躍を期待したい。
フレブは怪我からの復帰が間もないからか序盤は消極的なプレーが目立ったが、時間が経つにつれて自ら勝負を仕掛けたりと納得できるプレーが見られた。エストレーモに入ったのならまずは勝負を仕掛けてくれ。たとえ失敗してもいいから。それが最低限。チャビに代わってアンリが入ってからは中盤に入ったが、案の定パスセンスもあるようで一安心。アウベス加入や怪我などでこれまではどちらかといえば日陰の存在だったが、実はフレブも今季の大きな目玉だったりすることを忘れちゃいけない。
アウベスはメッシが中央に入って空いたスペースを活用するパターンを確立し、だんだんバルサの攻撃にはまってきている。といってもメッシが自由に中に入り、結果空いたところを使えているだけの話で、メッシとアウベスがお互いのことを理解しだしたわけでも、コンビプレーの質が改善されたわけでもないが、まあそこそこ機能してるんだからそれはそれでいいだろう。
ということでビルバオ戦、バーゼル戦と中盤の選手のタイプの並び方を変えたり、ビクトル・サンチェス、フレブといった新戦力を試したり、選手を大幅に休めたりと今週はペップの挑戦週間だったわけだが、そのどちらもで勝利するという申し分ない結果で、得たものは小さくない。11月30日から始まるセビージャ、ビジャレアル、マドリー、バレンシアと対する魔の4連戦に向け、チームの仕上がりは上々。あと1ヶ月ちょいでフレブをものに出来たらホント言うことないんだけど。期待しているよ、ペップ様。
posted by myrowka |08:08 |
コメント(2) |
トラックバック(0)
2008年11月01日
08/09リーガ・エスパニョーラ 第7節 ビルバオ vs バルサ
スタメンはGKバルテス。ディフェンスは右からアウベス、マルケス、ピケ、アビダル。中盤は底にジャジャ、その前にケイタとリーガ初先発のビクトル・サンチェス。トップは右からイニエスタ、エトー、アンリ。相手はビルバオ、ミッドウィークにはチャンピオンズ、おまけにシャビを怪我で欠いているということで、ならばとメッシ、プジョル、ブスケッツらを休め、ターンオーバー試合に。まあまあそんな日もあるだろう。
そうなると楽しみはビクトル・サンチェスだ。ビクトル・バスケスの評判は昨シーズンからちらほらと聞いてはいるが、サンチェスの方は恥ずかしながら初耳。試合を見る前に一応どんな選手なのかとワールド・サッカー・ダイジェストさんの2008-09シーズンの選手名鑑をめくってみると、中盤から最終ラインまで満遍なくこなす選手だと書いてある。要するに守備的な選手なのかな、ぐらいのことしか分からない。まあそれもこの試合を見るとハッキリすることだ。
シャビの位置で使われてることから鑑みると、パサータイプなのかなと予想しながら見たが、どうやらそうではないようだ。他の中盤の相棒がジャジャ、ケイタとお世辞にはゲームメーカーとは言えないタイプの選手だっただけに、パスの預けどころはサンチェスになるかと思いきや、ボールが全然サンチェスに集まらない。まだ信頼されてないからか、と疑いながら見てみるが、そもそもパサータイプの選手ではなく、グディやケイタのようにパスを受けてアクションを起こすタイプの選手、いわゆる「受け手」の選手のようだ。中盤を所狭しと走り回り、ボール来い来いと頑張っている。
となるとつまりペップは選手起用だけでなく、戦術面でも冒険をしてきたことになる。中盤にパスで崩せる選手はおかず、崩しはイニエスタ、アンリらエストレーモの個人技、もしくはエトーのポストプレーから。チャンスメークの場面では気持ちが良いぐらい中央はすっとばし、サイドを使用する。これをいつものようなパス回しが無くバルサらしくないと言い切るのは容易いが、ペップがそれを承知しつつ新しい形を試しているんだから、その解釈は若干違うだろう。
結論から言ってしまうとこの作戦はあまり上手くいかなかった。まずサンチェスが緊張からガッチガチ。最初の15分間はろくにボールにも触れなかった。パスやトラップは大きく、ボールを簡単に失い、バルサのピースに明らかにはまっていない。が、新人だからそれも仕方ないということなんだろう。後半ビルバオが前掛かりになってからは空いたスペースを活用してチャンスに絡むシーンも見られるようになったが、引いたチームを相手にすることが多いバルサではそんなことで喜んでいるわけにもいかない。
この1試合でサンチェスに対する評価をするのは尚早だが、リーガ開幕戦で先発初出場だったにもかかわらず、4番の選手としてバルサのパスゲームを演出してしまった大物ブスケッツがいるので、その先輩と比較対照されて少々厳しい目で見られるのは避けられないかもしれない。
前半30分にはケイタが負傷退場でブスケッツ投入。ポジションはケイタの位置にそのまま入ったが、どうやらブスケッツには中盤の底でパスを散らしている方が性に合うようだ。シャビの位置でガンガンキラーパスを出していくようなタイプではないらしい。あまり目立った活躍は出来なかった。ペップも4番の位置でしかプレーできなかったし、ホントブスケッツはペップを地でいく選手だ。
イニエスタの個人技などでそれらしいチャンスは作れるものの、ゴールには至らないというバルサらしい展開が続く。プジョルのいないディフェンスラインは散々ビルバオのカウンターに崩され、ビルバオにあと少し決定力、もしくは運があればバルサは惨敗していてもおかしくは無かった試合。ハッキリ言ってバルサは相当運に恵まれた。
後半バルサはポジションチェンジを繰り返し、もがいてもがいてゴールを狙っていく。そうして64分アンリがドリブルで中央を突破しエトーにスルーパス、そのパスをエトーがキッチリ決めてバルサようやく先制点。これを守りきって、バルサ勝利。戦術も何もない、クラックの個人技だけでもぎとった勝利だが、ターンオーバーで選手を休ませた試合では、こんな勝ち方も大事。
posted by myrowka |07:53 |
コメント(0) |
トラックバック(0)