2011年08月25日

幸せいっぱいオールド・トラフォード

11/12プレミアリーグ 第2週 ユナイテッド vs スパーズ


スタメン
GK:デ・ヘア
DF:スモーリング、ジョーンズ、エヴァ、エヴラ
MF:ナニ、クレヴァリー、アンデルソン、ヤング
FW:ウェルベック、ルーニー


 プレミアリーグも第2週。やってまいりました、プレミアでのオールド・トラフォード初戦。お別れしてから3ヶ月ほどしか経ってないけど、画面からもじんわりと伝わってくる懐かしさ。御大の笑顔もいつもよりか5割増しだ。オールド・トラフォードでフットボールをすると「あぁ、始まったんだなぁ」って実感する。
 そんなOT開幕戦をユナイテッドは多少の不安を抱えたまま迎えることに。前の試合でリオとビダを怪我で欠き、第3、第4DFで戦わなければならなくなった御大。ディフェンスラインは右から21歳のスモーリング、19歳のジョーンズ、23歳のエヴァ、30歳のエヴラと並ぶ。守備リーダーはまさかのエヴァ。そして彼らの後ろでど~んと構えるのが20歳のデ・ヘアってんだから、ユナイテッドもガナーズのことを笑ってられる状況じゃない。
 様変わりした守備陣とは対照的に、攻撃陣は開幕戦と同じ布陣。クレヴァリーとウェルベックはまたしてもチャンス。フレッチは来週にでも復帰との噂が。脳しんとうから回復したチチャリートもベンチで今か今かと出番を待っている。ライバルの足音が後ろからヒタヒタと近づいてくる中「若手ですから・・・」なんて甘いこと言ってたら、あっという間にポジションはなくなってしまう。ディフェンスのやりくりで御大が四苦八苦してる今こそ、活躍すべき時。


 開始早々、ユナイテッドのディフェンス陣にプレッシャーをかけだしたスパーズ。狙い所はもちろんデ・ヘアだ。GKにボールを戻した所をすかさず寄せてくる。まだチームになじめてないGKがいると知って放っておくほど老将レドナップは甘くない、ということか。ただ当のデ・ヘアが少しひやっとさせるものの、大したミスもなく落ち着いてやり過ごせたのは、ユナイテッドにとって悪いニュースではないだろう。
 細かい所でらしさを見せるレドナップだが、しかし戦術面では良くも悪くもオールドタイプの監督だ。最近流行のハイプレスやコレクティブ・カウンターをを武器に持ってるわけでもなく、攻撃も守備も特別組織的な動きはなくて、基本的には個人の能力任せ。欧州の並々ならぬ強豪を相手にしてきたユナイテッドにとって迫力不足の感は否めない。ユナイテッドの若造DF達も1対1なら自信はある。だからこそユナイテッドにいるわけだから。攻撃の方でも、敵さんが特別な守備をしているわけじゃないから、ボールと選手を動かしながら前に進めば、崩すのはそう難しいことじゃない。ユナイテッドの得意技だ。
 試合自体は両者ともに決め手を欠いて、スコアは0-0のまま折り返し。ただ、ユナイテッドに焦りの色はない。懸念の守備陣も大きな綻びはなし。これはもういけるんじゃないか、となかなかに楽観的な雰囲気で臨む後半戦。

 前半は左サイドからの攻撃が目立ったユナイテッド。エヴラとヤングのコンビはおそらくプレミア一だ。一方、右サイドのバックを務めるのは「あくまで俺の本職はCBですから」と主張するスモーリング。前半は守備を重視しあまり上がることがなかった。しかしそんな甘ったれたことを許してくれる御大じゃない。後半からはナニをちょい中に入れ、無理矢理上がるスペースを作り出す。御大にケツを叩かれてはスモーリングも攻めざるを得ない。運動量も劇的に増えて大変だが、それでもクレヴァリーら同輩の助けを得ながら、積極的な攻撃参加を見せはじめた。
 これがチーム全体の流れも良くする結果に。左右バランス良く攻撃を仕掛けるユナイテッド。押し込む時間帯が続く。そして生まれる先制点。右サイドのエリア近く、スモーリングからのパスを受けたクレヴァリーがダイレクトクロスを放つ。見事な放物線を描いたボールの先にいたのはウェルベック。後ろからのボールに合わせる難しい形となったが、冷静にコースを狙ってヘディングシュート。スパーズゴールを守るのは超反応が武器の超ベテラン・フリーデルだったが、あそこまでキレイにレンジ外にシュートを決められては動きようがなかった。ユナイテッド先制、1-0。
 それにしても本当にキレイなクロスだった。角度良し、スピード良し、落差良し。あのクロスが定期的に放れるなら、定位置確保も夢じゃない。ベッカム、フレッチャー等々、成功する右利きのベイブスにはクロスが上手いやつが多いのだ。

 勢いに乗るユナイテッドはその後も試合の主導権を握る。先制点を奪われて志気が下がったか、同時に運動量も落ちはじめるスパーズ。中盤には広大なスペースが。となると躍動するのがアンデルソン。元々はロナウジーニョ2世と言われた男。御大の手で随分と丸められはしたけれど、当時のテクニックが劣ったわけではありません。中央で果敢にドリブル突破を仕掛け始める。このアンデルソンの積極差が追加点を呼び込んだ。エリア前でパスを受けたアンデルソンがエリア内で構えるウェルベックに縦パス。直後ワンツーをもらうためガガガッと前に突っ込めば、スパーズディフェンスはついて来れない。そしてウェルベックが技ありのヒールパスで折り返し、アンデルソンがまたもや超反応・フリーデルのレンジ外へと流し込み、2-0。
 開幕戦ではインパクトを与えられなかったウェルベックが、この試合では1ゴール1アシストの大活躍。前回は変にゴールを狙いすぎて浮いていたが、今回はシンプルなプレーに徹していたご様子。特に何が秀でているわけでもないが、味方がいてほしい所にはキチンといて、良いクロスにはキチンと合わせ、フリーの味方にはキチンとパスを出す。周りはどえらい武器を持ったスターばかりなんだから、その中で自分も輝こうと無理をしなくても、基本的なプレーを着実にこなしさえすれば、点を取らせてもらえるし、点を取らせてあげられる。ミスター・オーソドックス、ウェルベック。激烈なポジション争いに少し光明が見え出した。

 点差を2に広げ、余裕の出てきた御大はクレヴァリー、ウェルベック、ヤングに代えチチャ、パク、ギグシーを投入と一気に3枚カードを切る。「ポールのやつは退いちまったが、俺はまだまだ終わっちゃいねぇ」と21年目のオールド・トラフォードに足を踏み入れるギグシ-。年をとることに厳しさを増すパス。ギグスぐらいの年になればやたらと走らなくったって、ベストベストのポジショニングをキープできる。フットボールをするのに一番必要なのはセンス。それを体現してみせる御年37歳。87分にはためいきもんのクロスでルーニーのゴールを演出。まだまだ若いもんには主役の座を譲るつもりはないらしい。

 話は変わるけど。スパーズは今年も大したことないかもね。戦術的に強くないってのもあるけど、精神的主柱がいないってのが一番痛い。ビハインドを負ったとき、しおれる背中をバーン!と叩いて引っ張ってくれる選手は誰なのか。トップ4入りを目指すスパーズ。そういう展開も少なくないはず。その精神的な闘いに勝てなければ、目標達成は難しいだろう。
 あと少し悲しかったのが、フリーデルが年を取っていたこと。プレミア一の反射神経で来るボール来るボールにいちいち反応してはじき返し続けた超人フリーデル。「こんな化け物からどうやってゴールを奪えばいいんだよ・・・」と絶望を感じたのは一度や二度の話じゃない。そんな超人も今年で40を迎え、未だに素晴らしいプレーを見せてはいるけど、しかしあの全盛期の威圧感はなくなっていたなぁ。悲しいけれど、これもやむなし。


 ということで。
 リオとビダを怪我で欠き、一時はどうなることかと思ったが、終わってみればクリーン・シートで完全勝利。実はリオの怪我の回復が予想以上に早いらしく、ガナーズ戦で復帰できるかもしれないというニュースが数日前耳にしたが、そんなに無理をする必要はないのかもしれない。特にジョーンズが良かった。スピードもあるし、粘り強いし、何より闘志が素晴らしい。勝つための意志、これを強く持つというのは実は案外難しい。先輩のエヴァに少し欠けているものだ。足下も上手いし、おそらくジョーンズも右サイドバックをやらせれば、難なくフィットするに違いない。御大は本当に良い買い物をしてくれた。
 ウェルベックとクレヴァリーも見事チャンスを活かしてみせた。この日のようなプレーが出来れば、冬にレンタルアウトなんて悲しい羽目にはならないだろう。今後、怪我の選手が続々と帰ってくるが、チャンピオンズにFAカップと試合数も激増する。巡ってくるチャンスは少なくない、どころか御大が若きベイブス達に頼る機会も多いはず。ベッカム、スコールジー、フレッチャーら連綿と続くベイブスの歴史をしっかり自分たちが紡ぐことが出来るのか。見込みはあるよ。楽しくなってきた。

 今季最初のオールド・トラフォードは、開幕2連勝だし、不安不安と囁かれていたデ・ヘアはなんだかんだで2試合連続完封だし、ルーニーは2試合連続ゴールだし、クレヴァリー、ジョーンズら若手はチャンスをキッチリものにするし、ギグシーは相変わらず健在だし、チチャは怪我から復帰するし、と良いことだらけの90分間でございました。いやはや、ごちそうさまです。

posted by myrowka |17:08 | マンチェスター・ユナイテッド | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年08月19日

U.N.G 11/12 vol.2

 さてさて。


 日本ではあまり報道されてないユナイテッドに関するニュースを紹介するこのコーナー。スーパー不定期連載なのはご愛敬、ということでご勘弁。


クレヴァリーをかばうリオ兄貴

 今季、偉大なるポール・スコールズを失った御大。17年間もチームに貢献してくれたレジェンドを失った喪失感は計り知れない。どうやってこの穴を埋めようか。スナイデル?モドリッチ?はたまたナスリ?国内外をいろいろ眺めてみるけど、イマイチピンとくる選手がいない。お金の問題もある。新しいサイドアタッカーとエドさんの後継者、そして若手DFに早々にお金を使ってしまって、財布の中はお寒い状況。
 うーんうーんと頭を抱えている中、ふと頭を上げるとキラキラと輝く素材が一人。掘り出し物は意外や身近な所に潜んでいた。ということで急遽スコールズの後継者候補として白羽の矢が立った新たなベイブス、トム・クレヴァリー。コミュニティー・シールドでは先発出場、そこでの活躍が認められイングランド代表にも選出と、まるで絵に描いたようなシンデレラ・ストーリーを歩む彼。さらには開幕戦でもスタメンを張るなど、御大が彼に寄せる期待は確かなものだろう。
 瞬く間にその名が英国中に知れ渡ることになったクレヴァリーだが、この状況を心配そうに見つめる人が一人。ユース時代から見てきたという、頼れる兄貴リオ・ファーディナンドだ。

 「トムは今いろんな選手と比較されてますけど、トムにはトムの良さがありますから。誰でもない選手になってくれると思います。冷静に状況を判断できて、縦にボールを入れるのも上手い。そういう意味でニュー・スコールズみたいに言われることがありますけど、それが変なプレッシャーにならなければいいですね」

 「トムのことはアカデミーの頃から知ってますけど、当時はとても細い選手で、こんなんでやってけるのかと心配でした。でもそれからものすごいトレーニング積んで今は立派な体になりましたよね。レンタルでいくつかのクラブで経験も積んで、頼もしくなって帰ってきました。才能は誰もが知るところです。日曜日の試合もユナイテッドでのプレミアデビュー戦ではありましたけど、去年ウィガンでもプレミアは経験してましたからね。ロベルト・マルティンスさん(ウィガンの監督)もインタビューとかでトムは良い選手だって何度も話してましたし、ユナイテッドでも素晴らしい活躍をしてくれるんじゃないでしょうか」

 スコールズが引退した後に表れた新たな生え抜き選手。もうそれだけでみんなはスコールズの後継者って期待してしまう。プレッシャーになるからやめたげてってリオの気持ちも十分分かるけど、それは避けられない話。
 ただプレッシャーに飲まれている暇はないと思う。勝負の世界は残酷なまでに厳しい。「みんなから期待されすぎ焦って、自分本来のプレーが出来ませんでした。テヘッ♪」なんて甘ったれたこと言ってたら、その間に他の選手が活躍して、プレー時間はみるみる減ってって、さらに次のシーズンにはとんでもないビッグネームがやってきて、気がつけば居場所がどこにもない・・・なんてことがザラすぎる業界。ギブソンが何年そんな泥沼にはまったままか、チームメイトのクレヴァリーが知らないわけはないだろう。
 一個一個目の前のチャンスにがっついて結果残していくしか道はなし。開幕戦のような出来では厳しいかもよ。




デ・ヘアにチームに馴染むコツを伝授したかったチチャ先輩


 昨シーズン、メキシコのクラブ・グアダラハラから鳴り物入りでユナイテッドにやって来たチチャリートことハビエル・エルナンデス・バルカサル。プレミアリーグのプの字も知らない若造が、世界で一番厳しいと言われるリーグで1年目からバカスカゴールを奪っていく様は誰もが驚いた。そんなチチャが新しい環境にすぐさま順応できた秘訣を語る。

 「全く知らない国で生活を始めるというのは本当に大変でした。自分の場合は父さんと姉妹が一緒に移り住んでくれたおかげで大分楽でしたけど。食事や習慣が違うっていうのもありますけど、一番堪えるのはやっぱり一緒に思う存分しゃべりあえる仲間がいなくなることです。自分は英語が普通にしゃべれたんで、生活するうちにすぐに慣れてこっちの人ともコミニュケーションが取れるようになりましたけどね。だから英語を覚えるのがチームに馴染む上で一番大事だと思います。ロッカールームで一人ぼっちになることもないし、チームメイトのこともすぐに分かることが出来るんで。その点ではユナイテッドのスタッフや選手はホント自分に良くしてくれました。早く恩返しがしたいですね」

 おそらくは、今年スペインからやってきて入団早々、各方面からいろいろ叩かれているデ・ヘア君に向けられたであろうこのコメント。ただ先輩からのありがたいお言葉だと思って聞いてみたら、デ・ヘアはかなり辟易するに違いない。「新しい生活に慣れるのは大変ですけど、僕は家族も一緒に来てくれて、英語もかなりペラペラだったんで大丈夫でした」って、えらい自慢話に聞こえるのは自分だけかしら。ああ見えてチチャは実は結構イタイやつなのかも知れない。
 アドバイスはあまり役に立たなかったかも知れないけど、年齢も近くスペイン語をしゃべれるという意味ではチチャはデ・ヘアにとってかなり頼れる存在に違いない。あと母国語がスペイン語なのは試合に出れるレベルではバレンシアぐらいか。通常会話ぐらいなら困らないというポルトガル語をしゃべれる選手となるとダ・シウバズ、アンデルソン、ナニと、そこそこ数は増える。これだけいれば何とかなる、かな?それにしてもいつの間にやらユナイテッドにもラテン系の選手が多くなった。
 何はともあれ英語を一日も早くマスターすることに超したことはない。この点ではチチャ先輩は非常に正しい。ユナイテッドも移籍が決まってから毎日英語のレッスンを受けさせているというし、言語の問題はは御大も重々承知でデ・ヘアを獲得しただろうから、何も心配する必要はないんだろう。
 これは長友を見て強く思ったことだけど、選手として成功するには実力ももちろん大事だけど、俗に言う“コミュ力”も同じぐらい大事。いくらすげー選手でも「プロは結果だけ出せばいいんだから、別に無理して仲良くする必要はないし」なんてすねたこと言ってたらフィールド上でもチームメイトのサポートは受けられないだろうし、逆に実力は微妙でも「あざーっす!」って無理してでも先輩達の中に入っていく方が、色々と世話も焼いてもらえてドンドン伸びるっていう。これは別にサッカーだけじゃなくて、どの世界でも同じ事が言えるんだろうけど。
 果たしてデ・ヘアはどちらのタイプか。長友曰く、万国共通でウケるのは「下ネタ」だそうです。ユナイテッドで生き残るためだ。頑張れ、デ・ヘア。負けるな、デ・ヘア。

posted by myrowka |00:36 | マンチェスター・ユナイテッド | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年08月18日

U.N.G 11/12 vol.1

 さてさて。


 日本ではあまり報道されてないユナイテッド的ニュースを紹介しようというこのコーナー。スーパー不定期連載なのはご愛敬でございます。


「フレッチ、復ッ活ッ!」

 昨季からウイルス性の病気にやられ戦線を離脱していたフレッチ。スコールズという偉大なベイブスを失う中、ベッカムの後継者と期待された10代の頃からユナイテッドの激烈なポジション争いを這いつくばってでも生き抜き、今や中盤の柱にまで成長したベイブスの復帰を、ファンはどれだけ心待ちにしているか。
 しかしそんな待ちぼうけの生活ももう終わり。今週末行われたリザーブチームの対アーセナル戦でフレッチは90分のフル出場。「トップチームへの合流ももうすぐだよ」とありがたいコメントを残してくれたのはリザーブの監督ウォレン・ジョイス。

 「試合中はよく走ってフレッチャーらしい献身的な仕事をしてました。今週いっぱい様子を見て何事も無ければ、ファーガソン監督の意見を仰いでトップチームに合流させるか判断します。復帰後初の試合としては十分の出来でしょう。まだフレッチャーはプレシーズンの状態ですしね。調子も着実に上がってきています。90分間怪我無くプレーできたっていうのも何よりでした」

 ウイルスに襲われたのが今年の3月。それ以降もベンチにはちょくちょく座ってたけどプレーする状態にはほど遠かったようで。その間、フレッチは激やせ。このままじゃプレシーズンツアーには参加させられないとの御大の判断で、トップチームとは別メニューでの調整が続いた。その甲斐あってか、体重も元に戻り、コンディションは順調に回復。そして現在に至る、と。

 開幕戦のアンデルソンとクレヴァリーのコンビはやや不安を感じさせる出来だった。クレヴァリーはまだ期待の若手の域を出ない選手。そんな選手に頼るようでは激しいプレミアリーグは勝ち抜けません。かといってアンデルソンとキャリックに全てを託すわけにもいかんでしょう。昨シーズンとは違って、頼れる大先輩スコールズもいない。スナイデルも多分来ない。となりゃもうフレッチがユナイテッドを引っ張っていくしかないじゃないか。プロ契約を結んで今年で10年目。ユナイテッド人生において一番の節目になりそうな今季。ここで気張らにゃ男じゃない。



スモーリング「チャ~~~ンス」

 開幕戦でリオとビダの2人を失ったユナイテッド。ビダは幸いにも軽傷で、2週間程度で復帰できるらしいが、リオは残念ながら復帰まで6週間以上かかるという。地味にラファエルも怪我で10月頃まで戦線を離脱との見通し。開幕からいきなりディフェンス・クライシスに陥ったユナイテッドだが、このピンチにも「俺らがやらなきゃ誰がやる」と気合いを入れる男が一人、クリス・スモーリング。

 「長年に渡ってユナイテッドの守備を支え続けたリオさんとネマニャさんが抜けてしまったのは確かについてないですけど。でもファーガソン監督もこんな時のためにプレシーズンから俺ら若手をしっかり見てくれてますし、信頼もしてくれてると思います」

 「主力が抜けるのは痛いですけど、でもそれは俺たちにとってチャンスでもあるんですよね。やっぱり誰でもコンスタントに試合に出たいと思うし、俺だってリオさんみたいにずっとスタメンでプレーすることを目標にやってますから」

 「ジョニ(-・エヴァンス)さんは俺がフルハムにいた時からスッゴイ選手だと思ってました。プレシーズンでもずっと調子良かったし。それはフィル(・ジョーンズ)も同じで、さらにあいつはキックも上手いです。狙ったところにピタッと蹴れるすげえやつです。俺とフィルはセンターバックと右サイドバック出来るし、ジョニさんは左サイド出来ますし。監督が色んなポジションをこなせるようにしてくれましたから、誰が抜けても俺らがその穴を埋めなきゃダメです」

 「フルハムにいた時もリザーブ時代に一回右サイドバックをやったことはあります。上下の運動がやっぱり大変でしたけど、それはやってく中でだんだん慣れていきますから。複数のポジションをこなすのは経験が必要ですけど、自分自身の成長にも繋がるんで。それにユナイテッドでは俺らみたいな若造が「一つのポジションしか出来ません」なんていってたらすぐに居場所がなくなります(笑)」

 「まずは出場することが大事なんでどんなポジションでもやりますけど、やっぱり自分はセンターバックの選手だなとは思いますよ。やってて一番楽しいポジションなんで、そこんとこは押していきたいです。監督が右サイドバックやれっていってくれるのは、それはそれで嬉しいですし、喜んでやりますけど、でも俺はセンターバックが一番好き。それは譲りません」

 「昨シーズンはそこそこ出場機会ももらえましたし、楽しいシーズンでした。ただもっとプレーしたいですし、努力次第でまだまだ成長できると思います。いわゆる二年目のジンクスってやつも自分は全然気にしてないですね」


 新加入のジョーンズ君が19才で若い若いと思っていたけど、スモーリングも21才とまだまだ若い。
 18才の時にフルハムでプレミアデビュー。2年後には偉大なるマンチェスター・ユナイテッドに移籍して、1年目から16試合とそこそこ出場機会を得るなど、誰もがうらやむと順風満帆な人生を歩む彼。その若さでこれ以上何を望むと尋ねたら、「リオのポジション」と答えやがった。うーん、若いって素晴らしい。
 逆に言えばその若さでユナイテッドでやっていくにはこれぐらいの野心がなければダメということなんだろう。ブラウンとオシェイになくて、スモーリングとジョーンズにあるのは、こうした気概なのかもしれない。
 そうは言ってもその目標がどれだけ困難なものか、リオの近くでプレーするスモーリング自身が誰よりも分かっているはず。だから御大にアピールするため、そしてプレーの幅を広げるにも正直好みではない右サイドバックでも喜んでプレーする。口だけギャーギャーうるさい選手じゃあない。今回のリオの離脱にも、一人舌なめずりしてたんじゃなかろうか。その心意気や、ヨシ。

 このインタビューを読んでスモーリングへの印象はかなりアップ。このブログでも当分はごひいきにされていくんじゃないでしょうか。やったねッ!
 話を戻して。リオも正直言って選手としてのピークは過ぎた感がある。最近は怪我も多いし。一時期のような絶対的な選手ではなくなってきているのは確かだ。目標を叶えるチャンスは確実にある。ただそのためにはリオ抜きで戦うことになる8月9月でふがいないプレーをしていたら話になりません。次はスパーズで、その次はガナーズ。その次の次はチェルシーと、ユナイテッドがヤバいこの時期に、なぜか立ちはだかる敵が半端ない。でも確かにピンチだけど、確かにチャンスだ。期待しております。

posted by myrowka |00:56 | マンチェスター・ユナイテッド | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年08月17日

ユナイテッド・オールド・ボーイズ

 さてさて。


 今季ユナイテッドからサンダーランドに移籍したウェズ・ブラウン。1996年のプロ契約以降、ずっとユナイテッドのためにプレーしてきたブラウンは、子どもの頃からユナイテッドの大ファンだったそうで。怪我が多くフルに貢献し続けてきたわけではないけれど、サイドバックとセンターバックをそつなくこなす貴重なバックアッパーとしてユナイテッドを長年にわたり支え続けた。ただ良くも悪くもバックアップだったことは事実。新天地では不動のレギュラーとしての活躍を期待されている。今年で御年31。新たな挑戦を始めるにはここしかない!というタイミングだったんだろう。
 開幕戦では早速スタメン出場。内容も良かったようで、よくこんなグッドプレーヤーを御大が手放したもんだ、とユナイテッドファンにとっては懐かしい名前、フィル・バーズリーが新聞に語っている。

 「ファーガソンさんは今シーズンも移籍市場で動きましたけど、そのおかげでうちにブラウンさんがきてくれたんで、そういう意味ではラッキーでしたね。まだまだ国内でも最高クラスのDFを獲れたんですから。ユナイテッドで一緒にプレーしたことがあるんで、どんな人かは知ってます。リバポー戦見てもらえれば分かりますけど、まだまだトップレベルの選手ですよ。ブラウンさんは落ち着きが半端なくて、ヘディングも強いんすよね。正直怪我しがちってイメージありますけど、その点では俺らもにも出来ることがあればサポートしていきたいし。ホント頼りにしてます」
 
 初めてユナイテッド以外のクラブのユニフォームを着てプレーするブラウン。まずまずのスタートを切れたみたいで何より。元後輩が近くでプレーしてくれているのも心強いに違いない。
 その後輩のフィル・バーズリーはユナイテッドのアカデミー出身で右サイドバックとしてそこそこ期待されていた選手。けれどもその他大勢のユース出身プレーヤーの例に漏れず、ポジション争いに敗れ、レンジャーズ、ヴィラ、シェフィールドと英国のクラブをレンタルで転々とし、2008年からはサンダーランドに完全移籍。定位置を確保して長くお世話になってるようだ。去年は代表にも選ばれた。ユナイテッドでプレーしていたのが2003年、そこそこのベテラン選手かと思いきや、まだ今年で26才と思ったより若く、世代的にはフレッチャーとほぼ同期。このまま好調を維持すればユナイテッドへの凱旋もあるかも!?的な、ユナイテッドファンとしてはまだまだ気になる選手なのだ。


 ご存じの通り、サンダーランドにはバーズリーの他にキーラン・リチャードソンとフレイザー・キャンベルと、2人も後輩がいらっしゃる。現時点で元ユナイテッドの選手が5人。更に出場機会を求めるギブソンのレンタル移籍も噂されている。
 過去にはエヴァやウェルベックなどもプレーするなど、サンダーランドにお世話になったユナイテッドに縁のある選手は少なくない。元ユナイテッドに限らなければリオの弟、アントン・ファーディナンドもサンダーランドだ。そして監督はファーガソンの教え子、スティーブン・ブルースと、いつの間にやらサンダーランドがユナイテッド・オールド・ボーイズと言っていいほどのクラブと化している。
 ユナイテッドとサンダーランドの蜜月関係が始まったのは、ロイ・キーンが監督に就任してからだったかな。勝手知ったる選手を好んだキーンがリチャードソンやエヴァ、アンディ・コールら元ユナイテッドの選手でチームを固めていったのが発端、だと記憶している。当時まだキーンの監督としての才能は開ききってはなかったようで、成績不振から解任。しかしその後もウィガンを辞めていたスティーブ・ブルースが後継を務めるなど、両者の良い関係は維持され続けている、といった具合だ。


 若手にプレミアでのプレー機会を与える安定した場が欲しかったユナイテッドと、クオリティーが高い選手の定期的な供給先が欲しかったサンダーランド、両者の思惑が一致したということなんだろう。ユナイテッドファンとしても、元ユナイテッドの選手がばらけるよりも、ひとつのところに固まっていてくれた方がいろんなクラブを見る手間が省けて都合がよろしい。ディフェンスラインが右からバーズリー、ブラウン、オシェイ、リチャードソンになるなんてことも普通にありそうで、この布陣が対ユナイテッドで実現しようもんなら・・・と今から想像しただけで楽しくなってくる。
 サンダーランドの活躍がユナイテッドの若手の奉公先確保にも繋がるわけだし、今シーズンはちょっとばかしサンダーランドの動きも注視しながらプレミアリーグを楽しもう。

posted by myrowka |00:09 | マンチェスター・ユナイテッド | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年08月16日

プラマイでいうとかなりマイナス

11/12プレミアリーグ 開幕戦 WBA vs ユナイテッド


スタメン
GK:デ・ヘア
DF:スモーリング、リオ、ヴィダ、ファビオ
MF:ナニ、クレヴァリー、アンデルソン、ヤング
FW:ウェルベック、ルーニー


 新戦力デ・ヘアとヤングは開幕デビュー。他で目につくのはやはりユース出身のウェルベックとクレヴァリー。チチャリートが遠征中に食らった脳しんとうの回復具合がよろしくないようで、プレーするにはまだ時間がかかるらしい。それではベルバトフの出番かと思いきや、そうは行かないのが難しいところ。御大とベルビーの間の微妙な距離はまだまだ縮まってないらしい。
 怪我しがちの頼りない7番さんもいないしということで、第5FWの座を狙うウェルベックに棚ぼたチャンス。生え抜きでもある彼、大きな期待を寄せたいとこだが、いかんせん御大の元では生え抜きFWが大成したことはないというジンクスが。キャンベル、マケダ等々色々とガッカリさせられている歴史があるし、どうせウェルベックもそうなんじゃないの?と疑ってしまう自分が悲しい。
 その点、中盤では昨今でもファギー・ベイブス第2世代最後の生き残り、フレッチャーという成功例があるので、カペッロにも目をつけられたクレヴァリーには素直に期待したいところ。

 
 試合は当然ユナイテッドペース。ヤングがいきなりユナイテッドに馴染んでいるのが嬉しい。個人技で突破するだけじゃなく、ルーニーからのパスを引き出したり、ファビオの上がりを引き出したりと連携もバッチリ。初見の人はまさかこれが彼のプレミアデビュー戦だとは思うまい。さすが生まれも育ちもイングランド、英国式4-4-2でのプレーは慣れたものだ。さらにトップや4-3-3の左でもプレー出来るってんだから、御大もにやけが止まらないに違いない。
 先制点も左サイドから。ファビオからの縦パスをルーニーがダイレクトでヤングへ。そのボールをルーニーに折り返し、最後は個人技でドン。今季もユナイテッドはルーニーを中心に回る。そう予感させるにふさわしい鮮やかで見事なファーストゴール。ごちそうさまです。


 このままユナイテッドのペースが続くかと思いきや、そうは問屋が卸さなかった。アンデルソンとクレヴァリーの経験が浅いセンターハーフコンビが上手くボールをタメてゲームを作れない。簡単にボールを奪われて、WBAに攻撃を許す時間が続いた。すると37分、昨季2部で23ゴールを挙げた期待の若手、シェーン・ロングに厳しめの角度からキレイにゴールを決められて同点、1-1。
 嫌な流れは止まらない。前半の早くから足を痛めていたビダが、こらえられず52分に交代。さらにはリオもハムストリングを痛め75分に交代。守備の2枚看板を一気に失ったユナイテッド。フットボールは何が起こるか分からないというが、これはさすがにやり過ぎだ。


 攻撃陣もイマイチパッとしない。悪くはないが、良くもない。ゴールの匂いがしてこない。その中で最も無臭の箇所を探せば、やはりウェルベックに行き当たる。とりわけガタイがいいわけじゃない、とりわけスピードがあるわけじゃない。裏に抜ける動きに秀でてるわけでもなけりゃ、ポストプレーが上手いわけでもない。どこに期待していいかイマイチよく分からない選手、ウェルベック。流れを変えたい御大が真っ先に手をつけたのも当然ココ。
 代わりに入るはディミタル・ベルバトフ。3年前に3200万ポンドで加入して以降、微妙な活躍を続ける彼。前線でタメが作れて、定期的にゴールも奪ってくれる価値ある選手ではあるのだが、やはり監督や選手、ファンにとってベルビーへの一番の不満は彼の運動不足にあるだろう。
 オフェンス時は独特のリズムと至高のテクニックでトラップやパスにシュートと観客を魅了してくれるのだが、ディフェンス時にはまるで「守備なんてかっこ悪いことやってられっかよ」と言わんばかりのちんたら歩きで、得も言われぬ不快感を与えてくれる。
 御大は「走れ」という。ベルビーは「嫌です」と拒否する。「なにを~」と生意気なベルビーをベンチに追いやる御大。CL決勝の時なんかベンチにも入れてやらなかった。しかしベルビーは動じない。ブン屋は「きっと怒って移籍するに違いない」と想像してありもしない移籍記事を書くが、それは勉強不足というものだ。その証拠にベルビーはしれっと今季もベンチに座っている。分かっているからだ。「俺が必要なんだろ?」と。
 その通り。ユナイテッドにはベルビーが必要です。この日も途中出場を果たし、さらっとチームにに最も必要なプレーをしてくれる。スペースのない前線でも何事もないかのように楔となってボールをキープし、時にはバックパスでゲームを落ち着かせ、時にはラストパスでチャンスを演出する。ベルビーを軸に周りの選手が躍動しだす。本来はアンデルソンやクレヴァリーにしてほしかったこのプレーをFWの彼がやってのける。前線の司令塔でも言うべき稀有なプレーヤー。いやぁ、見ていて気持ちいい。もしかしてスコールズの後継者の筆頭はこの男なのかも。
 意外や、この日は積極的に守備にも参加していてちょっと驚く。開幕戦ということもあり、元気が有り余ってたのかしら。調子が良い時はこうして守備もしてくれるから捨てたくても捨てられない。俺のチームのために尽くしてほしいと願う御大と、尽くさなくてもあなたの愛には応えられると自由を求めるベルバトフ。今日のような試合が続けば両者の関係も改善されるんだろうけど。果たして2人の恋の行方はいかに。
 ベルビーの投入で流れを掴み始めたユナイテッド。すると80分、ゴール前を固められる中、左サイドからカットインしたヤングがそのまま持ち込んでシュート。DFに当たったボールはそのままゴールに吸い込まれてユナイテッド勝ち越し。そのまま守りきったユナイテッドは開幕戦勝利を飾った。


 ということで。
 そう良い出来ではなかったのに終わってみれば勝っているという理想的な展開。WBAに100%の力も使ってられません。さすが百戦錬磨の御大といったところ。
 ヤングは開幕戦1ゴール1アシスト。ナニ、バレンシアとここ最近加入したサイドハーフはチームに馴染むのにえらい時間がかかっただけに心配だったが、杞憂に終わったようで何より。御大にとっても嬉しい誤算だろう。
 アンデルソンとクレヴァリーのコンビは正直心配。守備時はともかく、攻撃時でもゲームを作れなかったのは問題。キャリック、フレッチの復帰が待ち遠しい。それとも残り2週間で新戦力を獲得するのか。ユナイテッドのお財布事情を考えれば難しいと思うんだけど、スナイデルの名前を見る度期待をしてしまう自分がいる。
 そして何と言っても開幕戦一番のニュースはリオ、ビダの怪我。リオは最低でも6週間、ビダは数週間かかってしまうらしい。エヴァを育て、スモーリングを地道に使い、そして19才のジョーンズに投資した御大でもまさか開幕戦でこんな目に遭うとは想像だにしていなかったはずだが、しかしその備えのおかげでなんとかこの最悪の事態にも対応出来そう。若手に経験を積ませられる良い機会だととらえよう。
 でもGKももうエドさんではなくて、デ・ヘア。そう、デ・ヘア。流石にGKデ・ヘアの前にエヴァとスモーリングでは見ているこっちの寿命も縮まりそうで。2人が帰ってくるまでクシュチャク使っちゃいますか?それともデ・ヘアで行っちゃいますか?どうしますか、御大。
 次節はいきなりスパーズ。御大は一体どんな決断を下すのか。どちらにしても困難な闘いが待っていることに変わりはなさそうだ。

posted by myrowka |03:18 | マンチェスター・ユナイテッド | コメント(0) | トラックバック(0)
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