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  <title>R.N.D</title>
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  <modified>2008-07-18T01:05:28+09:00</modified>
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    <issued>2008-07-18T00:50:00+09:00</issued>
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    <title>遙かなる都市バルセロナ</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">さてさて。 　ひっそりとブログ復活。もう少し早く復帰し、ユーロ総括をしようと考えていたけれど、アイデアがまとまらなくて断念。ニハトさん、本当にごめんなさい。 　今回キーボードの前に座ったのは数日前バルサから以下の手紙が来たからだ。 　早い話が、バルサ会長ラポルタの不信任投票にお越し下さい、ということ。内容から察するにソシオ代表選挙人だけでなく、ソシオ全員に来た手紙だろう。 　もうここでバルサについて少し詳しい人ならピンと来たことだろう。この手紙が来たのが７月の中旬頃。そしてラポルタの不信任投票が行われたのは７月６日。１週間強の時間差。到着遅いぞ！何やってんの！ 　文面を見ると案の定２００８年６月とある。本来ならもっと早くに届いているはずの手紙なのだ。しかし極東の数少ないソシオにもソシオとして当然の権利たる不信任投票の投票権行使の機会を伝えるために、長い手間と時間をかけて大西洋だか太平洋だかをインド洋だかをどんぶらこっこ、どんぶらこっこ何週間も漂って日本にたどり着いたわけである。テレビを眺めているだけでは想像もつかないほどの距離がバルサと日本の間にはあるということを改めて思い知らされる。 　なんてのは考えすぎで今回手紙到着が遅れたのは単にバルサ側の手抜かりだろう。大航海時代じゃあるまいし、今の時代飛行機を使えばたとえ地球の裏からでも２日かからず郵便物ぐらい届けれる。相手が何とも不真面目なソシオである自分だったからいいものの、中にはこの不手際に本気で怒っているソシオの人もいるかもしれない。それもバルサを愛するが故だ。それに会費も払ってる。もう少し襟を正すべきなんじゃないの？とチクリ。 　その不信任投票は不信任約６０％、信任３８％でラポルタが続投決定したそうだ。ハ！？と思う人もいるかもしれないが、バルサのクラブ規約では不信任は有効投票数の６６．６％を越えない限り可決されないのだ。まあそれでもラポルタが首の皮一枚で繋がった事実は揺るがないのだけれども。 　こういうのを見ると自分は「ソシオ制度も何だかなぁ」と思う。つい前まではバルサに１４年ぶりのビッグイヤーをもたらした稀代の辣腕会長としてもてはやされていたのに、今では無冠の戦犯として叩かれ、あげく不信任投票まで行われ、６０％の「会長失格」票を集めるほどにまで落ちぶれるわけである。その間たった２年。短い。あまりにも短い。 　こんなんじゃろくに腰を据えて経営できやしない。これまでラポルタは色んな政策を推し進めてきた。カンプ・ノウやパラウ・ブラウグラーナ（バルサ所有の体育館。バルサのバスケットチームやハンドボールチームが試合を行う会場）の改修、ミニ・エスタディの売却などなど。１ヶ月や２ヶ月で終えられるプロジェクトじゃない。バルセロナ市や売却先企業など「他人」との兼ね合いが大切な話でもある。そうした他人の方々は２年間クラブの成績が芳しくなかっただけでトップの首が挿げ替えられない不安定なクラブと膝をつき合わせて話し合ってくれるだろうか？ 　バルサはクラブ以上の存在である。この耳にたこが出来るぐらい聞いた表現はダ・カレーラスという会長が１９６８年その職に就く際最初に発言したとされる。当時はフランコの圧政が徐々に弱まり、バルセロナ内でナショナリズムが活発化していった時代であり、ダ・カレーラスはあくまでバルサは「カタルーニャ人にとって」クラブ以上の存在だという意味合いでこの言葉を使っただろう。 　時が経つに連れ、その意味は広義化している。ユニセフへの協力などまさに好例だ。スポーツ面でも、文化面でもバルサは確かにクラブ以上の存在だ。そして今やビジネス面でもバルサはクラブ以上の存在である。バルサのソシオである以上、私情に流されすぎず、そういうことも念頭に入れて活動すべきだと個人的には考える。 　でもまあ無理だろうってことは百も承知だけれど。ファンってそういうもんだしねぇ。ファンとソシオはもちろん違う存在なのだけれど、だがそれを踏まえているソシオは多くないだろう。ファンってそういうもんだから。 　 　まあでも実際性質上バルサはソシオの機嫌如何で左右されすぎる危険性は備えているのだが、かといって歴史を振り返ってみれば、そこまでポンポンと会長が変わっているわけではない。フランコ死去以後ソシオにより会長の自由選挙が認められて以降、１９７８年その初の自由選挙で選ばれたヌニェスは色々なトラブルに巻き込まれながらも結局２２年間会長の座を降ろされることは無かった。とはいえその後ガスパールは３年で解任されている。ヌニェスのようになんだかんだ文句言いつつ長い間会長を務めてもらうのがバルサ流なのか、それともガスパールのようにダメだったらさっぱりと首を切られるのがバルサ流なのか。バルサの未来を窺う上でもラポルタの去就には長い目で見守る必要があるみたい。</content>
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    <issued>2008-06-30T08:47:00+09:00</issued>
    <modified>2008-07-01T03:11:58+09:00</modified>
    <title>「おめでとう」　決勝　スペイン　vs　ドイツ</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">　スペイン24年ぶりの決勝戦。ドイツW杯でフランスに敗れベスト１６に留まったチームの若い力が所属クラブで経験を積み、成長を遂げた姿が今の代表。選手の力の底上げは期待できたが、監督は大会前頑なにラウール招集を拒み「理屈の通らないところは相変わらずだ」と考え、スペインは同じ過ちを繰り返すと考えていたのだけれど。それは結果的に変に選択肢を増やして頭を混乱させるのを防ぐという絶妙の判断だということになった。うーん、分からんもんだなぁ、ホントフットボールは。 　フォーメーションは両方４－５－１。スペインはGKカシージャス。ディフェンスライン右からセルヒオ・ラモス、プジョル、マルチェナ、カプテビジャ。中盤はセナとシャビのダブルボランチ、前に右からイニエスタ、セスク、シルバ。1トップはトーレス。こちらは予想通りのフォーメーション。結局アラゴネスはドイツW杯で見せたラウールトップ下みたいな奇策は今大会ではしなかったことになる。学んだか、おじい。侮ってたよ。 　ドイツはGKレーマン。ディフェンスラインは右からフリードリヒ、メルテザッカー、メツェルダー、ラーム。中盤はフリンクス、ヒツルスベルガーのダブルボランチ。前に右からシュバインシュタイガー、バラック、ポドルスキー。1トップはクローゼ。やはりバラックは来た。それでこそ男。そもそもバラックいないドイツ倒し優勝したって、タイトルの輝きは鈍る。どうせならピッカピカの優勝カップ持ち帰りたかったこっちにも好都合。 　立ち上がりはドイツハイテンション。狙いは明確。スペインのパスフットボールをつぶせ。前線から激しくプレッシャーをかけ、パスを出す余裕を与えない。自陣には絶えず人を置き、スペースも与えない。いきなり攻め手を欠き、最終ラインでボールを回し、あげくロングボールに助けを求めドイツの壁に跳ね返される展開。やっぱりドイツは甘くない。まあでもこれはあらかじめ予想された対応。これをどう崩すかが腕の見せ所だ。 　序盤はスペインのパスを封じ込めたドイツが押し込む。スペインもドイツ同様高い位置からプレスはかけるのだが、サイドを上手く使われ、最終ラインまで攻め込まれる。中心となるのはバラック。怪我の情報がブラフかと思わせるほどのハリキリっぷり。日韓以来の決勝の舞台が気持ちを高揚させ、痛みをも麻痺させるのか。ホントバラックは男だよ。 　押し込まれたスペインはならばとトーレスの前への突破力活かしたカウンター。うんうん、無理してポゼッション回復するよりはこっちの方がトーレス活かせるし断然良い。前半１４分にはサイドからエリア内に飛び出したイニエスタにシャビがナイススルーを通してビッグチャンス。惜しくもこのチャンスは活かせなかったが早速準決ロシア戦で見せたバルサコンビの息の良さを披露。今日も両者は調子が良い。やっぱり何かが起きるのはここかしら。 　このチャンスから徐々にイニエスタがエンジンをかけ始める。パスがダメならとドリブルで勝負を仕掛け相手を崩し、時にはファールをもらって良い位置でフリーキック。守備意欲も旺盛高い位置でボールを奪いカウンターにつなげる場面も。ドイツの序盤のプレスも勢いが落ち始め中央はさすがに無理でもサイドからなら崩せるようになった。そして前半２２分決定的なチャンス。セルヒオ・ラモスのクロスをトーレスが競り勝ちヘディングシュート。しかしボールはポストに嫌われゴールならず。いやはや単なる放り込みクロスも弾けないようじゃドイツさんのディフェンスも大したことおまへんなぁ。そもそも今大会のドイツはディフェンスの堅さで勝ち抜いてきたわけじゃなかったか。 　これで２０分ちょっとでスペインに決定的なチャンスが２度もあったことになる。が、これは同時に嫌な予感を頭に過ぎらせた。チャンスは作れてもゴールにつなげない。トーレスのダメダメパターンじゃないか。向こうにはバラックさんがいる。バラックさんはそんなに甘かない。チャンスは作れるんだから、早い内に決めとかないと致命的。 　その後は両者一進一退の攻防に。試合も２０分が過ぎ、温まってきた選手達に持ち味いかした大胆なプレーや早いパス回しが見られ始め、また早い攻守の切り替えに両チームのディフェンスがついていけず、あちこちに守備の綻びが。そしてまた質の良いプレーヤー達がその隙を確実についてくる。前半２７分クローゼのスルーパスに抜け出したポドルスキー。同じく前半２７分エリア近くで勝負仕掛けたイニエスタ。前半２９分ラームのサイドから中央に切り込むドリブル突破。前半３０分シルバのスルーパスに抜け出し１対１になるトーレス。前半３１分のセスクのミドルシュート。ざっとあげるだけでもこれだけエリア近くでのゴールに繋がりうる駆け引きがあった。ゴールが入るならまさにこの時間帯だったのだろう。 　そしてそのゴールを奪ったのはスペインだった。前半３３分シャビのスルーパスに抜け出したトーレスがボールがレーマンに届くよりほんの一瞬先に触れ、見事ゴール。決めるべき男が決めるべき時間帯に決めたゴール。イングランドのワンダーボーイはもう１０年以上もワンダーボーイのままだけど、スペインのエル・ニーニョは違います。もうニーニョなんて呼んじゃいけないね。バルサのキラーパスとリバポーの速攻が見事に絡み合ったスーパーゴールでした。ありがとう。 　今大会では先制点が非常に大きな意味を握る。今大会では先制点を取られたチームはトルコ（と消化試合ではあったがスペイン）以外勝ってない。このブログでいうところの広義のパターン０８。パターン０８にはまった試合は大別すると２つに分けることが出来て、１つは同点を狙うために前に出たところをカウンター突かれて逆に失点し敗北。もうひとつは引かれた相手の守備を最後まで崩せず敗北。このパターンに当てはめればスペインはこのまま勝つはずだ。 　だがさすがにドイツは一筋縄ではいかない。まずドイツは同点弾を急がなかった。９０分までに失点を抑えながら１点を返せばいいのだと冷静な判断。他のチームのように無理に前に出て後ろにスペースを作る真似はしない。またドイツはスペインが器用に守りきれるチームではないことも分かっていたのだろう。スペインは先制点を奪っても、急に態度を翻し守りきる様子は微塵も見せず、これまで通りのフットボールをしている。これならドイツが逆にカウンターを狙うことも出来る。先制されても浮き足立つことのないドイツ。なんという腰の据わり様。これだからドイツは恐ろしい。 　後半開始からドイツはラインを高くしだした。裏を狙いたいトーレスには絶好の展開。ただドイツは守備の人数は減らさない。攻めるドイツ、カウンターを狙うスペインという構図が出来上がるが、スペインは効果的に攻めることが出来ない。トーレスとの走りあいにも、メツェルダーはなんとかついてった。 　カウンターでトドメを刺せないスペインを尻目にドイツは怒濤の攻撃を仕掛ける。後半１３分にはヒツルスベルガーに代え、クラニィを入れてきた。ここが勝負の仕掛けどころ。パターン０８に陥るリスクはどこかで負わなければならない。その時は今という覚悟が窺い知られる采配。ここで決めればドイツの勝ち。決めれなければドイツの負けだ。 　２トップになったことから分かるようにドイツはハッキリとサイドを突破してクロス放り込み作戦。しかしこの分かりやすい攻撃は決して上背があるとは言えないスペインディフェンスに脅威を与え続けた。明らかに動揺するスペインディフェンスはレーブの覚悟に触発されたか燃えるシュバインシュタイガーを止めることが出来ず面白いようにサイドを突破される。後半１７分、１８分と立て続けに危ないチャンスを作られた。だがシュバインシュタイガーはやっぱり若い。１８分のチャンスの場面では中央フリーでポドルスキーがいたのに無理してシュート。うーん、ポドルスキーはいつでもシュバインシュタイガーをチェックしてアシストしてきたのに、逆はないのか。傍若無人な夫シュバインシュタイガーとそれを支える妻ポドルスキー。昭和の風景をドイツに見るとは。 　このドイツの猛攻をなんとか防ぎきったスペイン。ピンチの後には当然チャンスが。後半２３分左コーナーキックからサインプレーでエリア内に走り込んだイニエスタがパスを受けてシュート。だがドイツDFに弾かれて。１分も立たないうちに今度は右サイドからカソルラのスルーパスを受けてイニエスタエリア内でパスを受けてシュート。が、レーマンの真正面でこのチャンスも潰れた。後半３１分のシャビのスルーパスも自ら打たずにトーレスに流して失敗。うーん、確かに難しくはあったが、でもここでトドメを刺せてこそのエース。イニエスタはまだ瀕死の敵の喉を掻き切る冷酷さは持ってない。バラックなら迷うことなく殺ってるのに。もう少し先だったか、イニエスタがあの域に到達するのは。 　後半１０分を切ったところからスペインはあからさまにトドメを刺すより逃げ切ることに重きを置き始めた。吹っ切れたのか後半開始直後は浮き足立ってたディフェンスもこの頃には地に足をつけ冷静に守れている。スペインが誇るべきパサー達も落ち着いてボールを回し、時間を確実につぶしていく。ドイツは勝負に出た時間帯で決めれなかったのが大きく響いた。しかしそれはスペインディフェンスの勝利とも言えよう。クローゼを代えてマリオ・ゴメツを入れてもとりわけ変化のないドイツに為す術はなし。スペイン１－０の勝利。４４年ぶりの優勝。 　最後の数分間は正直呼吸困難に陥りそうだった。実際上手く呼吸が出来てなかった。オーストリアの女性サポーターが呼吸困難で命を落としているから本当にちょっとビビッてたりして。でも笛が鳴った瞬間全てが報われた。失礼ながら生きている内にスペインが優勝する姿を見るとは・・・実はちょっと考えていた。何度でも言うけどイニエスタという選手にはそれだけの価値があると思ってる。でも今大会のイニエスタは想定の範囲内のイニエスタだった。もっと特別なことが出来るはずなのに。まだ大舞台でそれを発揮する術は持ってないということだろう。まだスペインにはワールドカップ戴冠という大仕事が残ってる。その時に本物のイニエスタが見れることを期待しておこう。 　こう大会が終わってスペインの優勝を想っていると結構あっけない気がしていたりする。あれだけ待ちわびたビッグタイトルだったのに。なぜだろう。ユーロ制覇という偉業はルイス・スアレスをはじめ先達に成し遂げられてるからかしら。今後数日かけて考えてみようと思う。でもあれか。やっぱりまだスペイン代表の陳列棚にポッカリ穴が空いてるからか。 　最後にもう一度ルイス・アラゴネスにあやまっておこう。最後まであなたの腕を疑い続けて本当にごめんなさい。今回の優勝でドイツW杯の時に味あわされた失望は幾許か晴れました。 　このアラゴネスが作ってくれたチームを元にスペイン代表は新たな目標向かって突き進む。次は何やらデル・ボスケだそうで。たまにはスペイン人の中でもビクトル・フェルナンデスやファンデ・ラモスみたいな特に攻撃的フットボールの信奉者の監督が率いる代表見たいんだけど。スペインの代表監督ってカマーチョだったりサエスだったりアラゴネスだったりどうも攻撃的なリーガ・エスパニョーラというイメージにそぐわないマイルドな人が多いんだよなぁ。</content>
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    <issued>2008-06-27T14:01:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-27T21:00:01+09:00</modified>
    <title>「一瞬のバルサイズム」　準決勝　スペイン　vs　ロシア</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">　まず最初に謝らなくちゃいけない。セニョール・アラゴネス、ロシエント。ペルドネメ、ポルファボール。 　このゲームは最初の１０分で決まると思った。ポゼッション気にしてちんたらぽんたら横パスばっかしてたらロシアのカウンター食らってスペインの負け。選手が前に移動しながら縦にパスをつなげていければスペインの勝ち。中盤でボール回されてるだけじゃディフェンスは何も怖くない。逆にパスカット狙って速攻カウンター決めてやろうと意気を上げてしまうぐらいだ。しかし後ろに空くスペースというリスクを恐れず、前に移動することでマークをつきづらくしながらパスを回し早い段階でボールをロシアのディフェンスラインにまで送ることが出来れば、敵は常にプレッシャーにさいなまれることになり、ミスも期待できる。カウンターもかけにくくなる。スウェーデン戦とイタリア戦は前者のフットボールですんごい苦労した。ロシア戦は後者のフットボールで４－１の快勝を見せた。勝つならあのフットボールを再び見せるしかない。 　結論から言えば自分の予想は良い方向に外れた。中盤でボールを持つと選手達が前に走り始めて前のめりに攻撃を仕掛ける。スペインらしからぬ実に早いボール展開。これだよ、これを待ってたんだよ。思わずガッツポーズ。勝てる。これなら勝てる。　 　が！出足が好調なスペインだったが前半３３分思わぬトラブル。ビジャがまさかの負傷退場。豹のように狡猾にゴールだけを狙い続けるあのビジャが・・・。スペインの中で最もゴールが期待できる選手だっただけにスペインの勝利を望む人全てに嫌な予感がよぎったに違いない。だがやっぱりフットボールって分からないもので。この交代が思いがけない好影響を２つもたらした。 　まずはセスクの出場。セスクが入ったことで中盤のボールの流れがより流動的になり、またセスクも空気読んでドンドンポジション上げていくんで、中盤でボールが停滞することもない。前に進みながらボールをつなげるフットボールをするためにはやっぱりセスクは絶妙の選手だ。 　そしてもう一つの好影響は１トップになったことで生まれた。トップが１人になったということはこれまで以上に中盤の選手の攻撃力が必要になるということ。特にサイドハーフはクロス上げるだけじゃなくドリブルで切り込むなどウイング的役割も望まれる。また１人前線が少なくなったということは中盤、特にサイドの選手の前にスペースが生まれるということでもある。「ん！この感覚！！覚えがある！！！」と俄然生き生きしだす選手が一人。アンドレス・イニエスタ。 　イニエスタのポジションといえばセンターハーフというイメージが強いが、ロナウジーニョがスランプに入った今季はよくウイングの位置も任せられた。でもイニエスタはこのウイングも難なくこなす。というより自分はイニエスタが最も活きるポジションはウイングだと思っているぐらいだ。イニエスタはパスだけでなくドリブルでも相手を崩せるからスペシャル。ひ弱な外見とは裏腹にウイングの位置でボールを持つとガンガン勝負を仕掛け、そして勝利しゴールを演出する。自分がイニエスタを世界最高の１０番だと思う所以だ。 　ビジャの退場で１トップになったことでバルサでのウイングと似たポジションでプレーすることになったイニエスタ。ペナルティエリアの角っこでボールを持つイニエスタはやっぱりひと味違う。「自分がやらねば誰がやる！」という気持ちに燃え、プレーしている様も何だか楽しそう。今大会では不調に陥り目立った活躍が出来なかったイニエスタだったが、ようやく本来の実力が発揮されはじめた。そういや調子が良かったユーロ予選はトーレスの１トップで戦ってることが多かった。そうか、１トップがイニエスタを輝かせるのか。 　そして後半５分そのイニエスタがすべからく試合を決める活躍を見せる。シャビのスルーパスをもらいペナルティエリア隅でボールを持つイニエスタ。これまでバルサで決定的な仕事を幾度となく行ってきたお得意の位置。イニエスタはさすがここで勝負を仕掛ける。が、ロシアのディフェンスは簡単に振られない。攻め手に詰まるイニエスタだが中央のぽっかり空いたスペースに猪突猛進走り込むシャビ兄貴。「合点承知！」と右足ふわっと上げたボールをシャビがそのままゴールにたたき込み、スペイン先制！！！ 　勝負を挑める技術と度胸を持ったイニエスタがウイングの位置から勝負を仕掛け、そこで作り出したチャンスをバルサの選手が決める。スペイン代表に一瞬だけ顔を見せたバルサイズム。やべぇ、なんか泣ける。 　このイニエスタのゴールの後はグループ第１戦のリプレイを見ているよう。ゴールを奪うため前に出ざるを得なくなったロシアの裏の大きなスペースをスペインが効果的に効率よく突いて追加点を積み重ね、終わってみれば３－０。パターンはオランダがイタリアとフランスに圧勝したのと全く同じ。ただスペイン代表はセットプレーじゃなく、流れの中でディフェンスを崩して先制点取ったけどね。フフフフフ。 　がっかりしたのはロシア。バカみたいに攻撃的だったギリシャ戦からアルシャービンが復帰し、攻守のバランスが良くなるなど試合ごとに成長していったロシアだったが、成長しきった先にいたのはただの凡チームだった。この胸をトキメかせたのはそんなロシアじゃないのよ。サイドバック、守備的ハーフまでがガンガンエリアに入り込み、動き回って敵ディフェンスをかき回し、出来た隙を突いてゴールを奪い勝ってきたのに、この試合では攻守のバランスを考えるあまり後ろの選手があまり攻撃参加してこず、またエリア内での運動量も乏しい。勝ち進んでいくうちに負けることを恐れ、そして大事なものを失ったロシア。五つ神童、十で天才、二十過ぎればただの人 という言葉があるが、今回のロシアがまさにそうだったように思う。 　ということで。よくよく気づけばスペイン代表国際大会史上２度目の決勝進出。イニエスタ（２４）以降トーレス（２４）、セスク（２１）、シルバ（２２）、セルヒオ・ラモス（２２）と若いタレントが台頭し始め、その若者達を支えるビジャ（２７）やシャビ（２８）、カシージャス（２６）らの選手達も脂がのりはじめて非常にバランスがよろしい。行っちゃうんじゃないかなぁ。イニエスタはそれに見合うタレントであると思う。で、このチームがより熟成されて、またボージャンやらデラレやらグラネロやらまだ見ぬ選手やらさらなる若手が加わって２年後ワールドカップに挑むんだから、狙うならマジでもうここしかない。 　でもあれだ。やっぱりスペインを褒めるのは止めておこう。期待するのは止めておこう。どうせ決勝ではドイツの勝負強さに負けるさ。期待させるだけさせておいて結局はがっかり。そうに決まってる、とこういうスタンスでいた方が結果良いような気がする。試合前に書いた心配も単なる杞憂だったし。そもそも自分が良い予想をしてその通りにいったためしがない。優勝予想のオランダはベスト８，準優勝予想のスイスがグループリーグで敗退。それが自分の実力。それならそれで別にいいのさ。</content>
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    <issued>2008-06-27T01:44:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-27T01:48:32+09:00</modified>
    <title>決戦を前にしたあるスペイン代表ファンの憂い</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">さてさて。 　スペイン対ロシアの時間が徐々に近づいてきてるわけですが。考えれば考えるほどロシアに勝てる気がしないから嫌だ。そもそもは「スペインは２４年ぶりのベスト４とは言ってるが、果たして近年のスペイン代表とどう違ってるんだろう」というのを何の気なしに自問自答したことから始まる。今回のスペインはこれまでのスペインとどう違うのか。 ・・・・・・・ 　特に違ってないかも。これまでのスペインはボールキープするものの横パスばかりで、決定的なチャンスを作るまでには至らず、結局点を取られるかPK戦にもつれ込むかで負けてきた。じゃあ今回のスペインはどうか。第１戦のロシア相手には縦に早いフットボールで効率よく点を奪い、これまでのスペインから脱却したかに見えたが、どうしたことかスウェーデン戦ではこれまでと同じく横パスに終始し、結局ゴールは変則セットプレーからトーレスの個人技で奪ったゴールと終了間際スウェーデンの裏をついたビジャのゴールのみ。オランダと同じく引いた相手を崩して奪ったゴールはない。あのビジャのゴールがなければと思うとぞっとする。イタリア戦はそもそもゴールを奪えてない。これまでと違って一人で勝負決めれるタレントを累積警告で欠いてしまったイタリアとカシージャス神のおかげでなんとか勝てた。ぶっちゃけて言えば運が味方した部分もある。 　と、このように。これまでのスペインになかった新しい力を持って躍進を続けている、というわけではない。勝負を分けたのはビジャの土壇場でのスーパーゴールとPK戦での運。相手を上回ったチーム力で勝利をもぎとってるんじゃないんだから、そりゃ楽観視も出来やしないさ。トーレスさんはロシア戦以外とりわけスペシャルな活躍出来てるわけじゃないし、セスクは基本途中出場だし、イニエスタは全然本来の力出してないし。まだはまるべきピースがしっかりはまってない。そんな中とうとう準決勝まで来てしまった。そんな印象。 　こんなんでロシア戦に突入してしまったらどうなるだろう。横パスを回して、でも崩せずプレスに負けてボールを奪われて、カウンターでアルシャービン様の個人技にちんちんにされてグッズグズ。そんなスペインしか浮かんでこない。なぜあの縦に早いフットボールを第１戦のロシア戦以降捨ててしまったのか。出来ないわけじゃ無かったと思う。縦に急ごうと思えば急げた場面は多々あった。でもそれでもちんたら横パスを回すスペインの選手達。そうじゃないだろ。第１戦のフットボールにトキメいた気持ちをを返しておくれ。 　ネガティブな考えしか出てこない情けないスペイン代表ファンだが、それでも脳みそ振り絞ってスペインが勝つシナリオ考えるとやっぱり初戦の縦に早いフットボールの復活しかない。イタリアとは違ってロシアなら後ろにスペースは絶対生まれる。そりゃ日々成長を続けるヒディング・ロシア様ですから第１戦のようにガッラガラというわけには行くまいが、だがそれでもスペースは少なくないだろう。そこをトーレスとビジャのランニングでライン乱しながら、生まれた隙にイニエスタなり、シルバなり、シャビなり、セスクなりがパスを通す。これが徹底できればロシア・ディフェンスは崩せる。絶対に崩せる。問題はそれが出来るかだ。ぐわー、どうなんだろうな。ここはこれまでのアラゴネス信じて出来ないと断じておこう。結局は横パスグダグダのフットボールで自滅する。歴史ではそうなってる。 　スタメンだろうなぁ。スタメンシャビじゃなくセスクで来るなら信じても良い。縦に早いフットボールしたいなら絶対プレミアで鍛えられたセスクだ。スペインのフットボールしか知らないシャビじゃ物足りない。ここら辺で新しい血は必要。イニエスタのとこカソルラにしたらただ普通に嫌いになる。</content>
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    <issued>2008-06-27T00:45:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-27T00:52:48+09:00</modified>
    <title>「不意の終わり」　準決勝　ドイツ　vs　トルコ</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">　とうとう準決勝。31試合あったはずのユーロも残る3戦。とは言っても別に早いとは思わず。今回のユーロは特にドラマティックな試合が多く身が濃かったからもうこの時点で結構お腹パンパンだったりする。このテンションを決勝まで維持できるかが心配なほど。そんな中これまで3度奇跡を起こしてきたトルコが決して堅くはないドイツに挑んだこの試合。うーん、やっぱり今回のユーロには何かがあるなぁ。 　序盤はまずドイツが情けない。ポルトガル戦と同じく自分の方から何かをしでかそうという気はなく、少人数省エネルギーで攻撃を仕掛けようとするドイツ。なんてネガティブ。なんてパッシブ。フットボールは見られるスポーツなんだから、そんな頼りない姿勢見せられる側の気持ちにもなってよ。 　一方トルコは対照的に率先して何かを起こしてやろうという気が感じられるから気持ちいい。主力選手を多く欠くのだが、それを感じさせない力強さにほれぼれする。左サイドのウール・ボラルなんてまさにそう。ドリブルで勝負しかけられて決定力もあるアルダの離脱はとりわけ痛いと感じたけど、ボラルがその穴を全く感じさせないほどのファイトっぷり。スピードもあるし、勝負挑む気概もあるし、なにより「やってやろう！俺やってやろう！」ってにじみ出る闘志が好きだ。控えにもこれほどの選手がいるたぁ今後ヨーロッパで再びトルコフィーバーが巻き起こるのは必然か。フェネルバフチェがベスト８になったのはただのフラックではなかったんだと今初めて知った。 　一方右サイドのカズムもボラルに負けじとやってやる気満々なわけだが、こちらはそのやる気が裏目に出てプレーがひどくエゴイスティックで空回り。闘志以上に若さゆえのしょっぱさがにじみ出ている。一昔前のクリスティアーノ・ロナウドを見ているようで、こっちまで痛くなってくる。彼はその後一皮むけたが、カズムはどうか。でもこのしょっぱさがカズムの良さでもありそうだし、一皮むけて欲しいのかむけて欲しくないのか微妙な気持ち。 　このやったる気満々のサイドアタッカーに加え、今日はトップ下に入ったアルティントップも単なるパス回しにとどまらず工夫こらして攻撃仕切ってるし、アイハン、アウレリオ等もこれでもか！というほど走り回る。序盤から余裕たっぷり様子見かますドイツ様の鼻を明かそうと、主力抜けてもトルコは元気。 　そんなトルコのエネルギーが試合を動かした。前半２２分トルコの選手があげたクロスをカズムがファンタスティック低空オーバーヘッドループシュート。このミラクルシュートがレーマンの頭上を越えゴールに向かうが無念ポスト直撃。しかし詰めてるウール・ボラル。レーマンの真正面に蹴ってしまうもののボールはあたふたレーマンの股下抜けてゴール。うわぁ、ここで出るのか、レーマンのちょんぼ。ということでトルコ先制。でも当然のゴールだったと思う。序盤消極的に出たドイツと積極的にゴール狙いにいったトルコ。これでドイツにゴールが入ったらウソだ。 　このゴールでようやくスイッチを入れるドイツ。そりゃ曲がりなりにもベスト４にまで上がってきたチームだ。やろうと思えば出来ないことはない。ただ惜しむらくはなぜそれが最初から出来ないのか。まあドイツが本気を出し始めて加速度増して試合がスピーディーになり面白くなってきた。 　そしてサクッとゴール決めてみせるからドイツは凄いなぁって思わせる。端的に言えば抜け目がない。ポルトガル相手にはセットプレーでの弱さ、トルコ相手にはマークの緩さ、的確に相手の弱点を突き効率的にゴールを奪う。強い！というより強か！って印象。うーん、これがタイトルが取れる国と取れない国の違いなのか。 　ということでポドルスキーのクロスにシュバインシュタイガーが詰めてゴール。ポルトガル戦と同じ形で先制点。自分よりポドルスキーに近い位置にいたクローゼには目もくれず、ポドルスキーがクロスを送りたいところへまっしぐらに突っ込みサッとゴールを奪う姿に少し感動を覚えた。同い年の２人。２０歳ぐらいの頃から代表でコンビを組み、２年前からは同じチームでプレーするこの２人。なんかちょっと萌えてしまった。来シーズンバイエルンが見たくなった。どこか放映を。 　ここから試合は均衡状態に。トルコはエリア内に入り込んだバラックをドフリーにするなど相も変わらずのディフェンスだ。これでベスト４まで来れるんだから本当にフットボールって分からない。だが後半開始直後ぐらいから序盤情けなかったドイツに変わり今度はトルコが情けなくなる。目に見えて運動量が落ちる選手達。ウォィ、ウォィ、ウォィ。そりゃあれだけの死闘を繰り広げてきたんだからもうヘトヘトなのは分かるけど、でもトルコが走らなくて一体どうやって勝てるというのさ・・・。気がつけばドイツがラインをハーフラインまで上げている。 　するとやっぱりやられた後半３４分。ラームが何事も無く上げたクロスを普通にクローゼに競り勝たれドイツ勝ち越し。覇気のないＤＦを前に危機感を覚えたリュシュトゥが飛び出すものの少し届かなかった。 　 　まあでもよくよく考えればこの試合はここでようやく始まったと言っていいのかも知れない。みんな誰もトルコが勝ち越して逃げ切る展開なんて期待しちゃいなかった。３度あるこた４度ある。見せてよ、あの奇跡をもう一度。そして期待にお応えしようと再び動き出すトルコ。蘇る運動量。湧き出るアイデア。迸る勝負魂。うんうん、やっぱりトルコにゃ崖っぷちがよく似合う。 　そんなトルコが７分後に同点に追いついてもさして驚きはなかった。トルコの逆転劇は偶然じゃなく必然だということはクロアチア戦で痛いほど良く学んだもの。後半４１分サブリが右サイドライン際でボールをもらった場面。時間も少ない。ボールは大切にしたい。普通の選手なら無理矢理クロス放つか、ＤＦに当ててスローインをもらう。でもサブリは「それじゃぁ生ぬるい」とここで戦う。リスクを背負って勝負を挑む。普通のプレーで終わらない、一つひねって敵の裏突き、チャンスを作る。この姿勢こそテリム・トルコ。あぁ、かっこいい。今後追いかけなきゃな。そのサブリのクロスにセミフが詰めてゴール。この劇的同点弾にもとりわけ喜んでる様子でもないセミフ。まだまだ 同点。これからもっとおいしいゴールが待っている。喜びを爆発させるのはその時だ。俺たちはミラクル・トルコ。その自信があふれていた。 　ミラクル・トルコの凄さを肌で感じたドイツ。戸惑いながらも試合を進めるしかない。もうドイツに余裕は無かったはずだ。このトルコの勢いに飲まれないよう踏ん張るのに精一杯だったはず。だが残り時間も少ないところボールを回していると、トルコにも隙が生まれた。元々隙がないどころか、そこかしこに隙があるトルコ。冷静に攻めれば崩せるところはあったはず。トルコの弱みはマークの緩さ。ラームは落ち着いてその隙を突いた。中央のヒツルスベルガーにボールを捌くと一心不乱にエリア内に切り込む。するとやはりトルコのマークはやってこない。気づいたのすらヒツルスベルガーがボールを返す一瞬前だ。トルコ時すでに遅し。ラームはヒツルスベルガーの強いパスを右死でキレイにトラップ。その後ラームはリュシュトゥの横を突き、まさかのドイツ勝ち越し。 　でもこれでもまだ不思議とドイツの勝利を確信できない。トルコがロス・タイムにゴールを入れるところはもう２度も見た。土壇場で勝利をつかむところをもう３度見た。なんでこの試合でそれが起きないと言える。なんでこの試合だけそれが起きない。起きるでしょ。起きるんじゃないの？と漠然とだがかすかにトルコの逆転劇が見える。するとロスタイム残り３０秒の時点でおあつらえ向きに３０ｍからのフリーキック。何やら直接狙ってくる様子。キッカーは誰？アルティントップ？分かんない！あ！誰か蹴った！外れた！普通に外れた。惜しくも何ともない。終わった。普通に終わった。何というあっけない幕切れ。振るだけ振っといてあんなオチ。これもまた意外性のテリリズムってことか！？うわー、すんげえ釈然としない。 　ということで、なんとも不完全燃焼なフリーキックと共にこうしてミラクル・トルコの冒険はあっけなく終わった。 せめてゴール前の群衆内に放り込んでいてくれれば残りの選手も全部ぶつけれたのに。とまあ過ぎたことを悔やんでも仕方ないか。 　これまではトルコと消化試合を除いて先制したチームが負けることは無かった。その法則に当てはまらず先制されても逆転勝ちしてきたのがトルコだったのだけれど、その逆法則とでもいうべき現象はこの試合でも発生。先制されれば勝つけど、先制したら負ける。トルコは最後までアブノーマルだった。 　トルコが期待を持たせるのは若いチームだという点。カズムカズムやアルダを始めこれから伸びる選手がたくさん。 個人が熟成すればこのチームはホントとんでもないことになる。攻撃面では特に問題ないというかこれ以上いじって欲しくない。あとはディフェンス面をしっかり修正すればワールドカップでも普通に優勝狙えたりすると半分冗談半分本気で思う今日この頃。 　一方ドイツは過去２大会で１勝も出来なかったにも関わらず、今大会は決勝進出。ある意味意外な活躍と言えるかもしれない。少し前まではドイツと言えば他の強豪国と比べタレントが小粒で物足りない印象だったのに、ポドルスキ、シュバインシュタイガーを始め地味に地道に地力をつけてきた。その努力が実を結ぶかもしれないのが自国W杯から２年後というのも歯がゆいところではあるが。行っちゃうのかなぁ、このまま。行きそうな気がするなぁ。 　</content>
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    <issued>2008-06-24T00:17:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-24T08:32:38+09:00</modified>
    <title>ツンデレ王国スペイン</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">さてさて。 　88年ぶりにイタリアを破り、スペインはこの大会ベスト４に進出したわけだが、スペイン中がこの偉業に沸き返っているのが色んなスペインのニュースサイト回っているだけで伝わってくる。そりゃそうだ。スペイン代表が国際大会で準決勝に進むところなどそう拝めるものではない。強豪といわれる国がワールドカップの最高成績がベスト4だなんて冗談でも笑えないのに、リーガ・エスパニョーラという世界最高クラスのリーグを誇るスペインはそれを地でいってるのだから。ユーロでは40年前に一度優勝、20年前には準優勝とワールドカップほどひどくはないものの前回大会ではグループリーグで散るなど、ユーロでの成績もスペイン代表負の歴史を払拭しうるものでもない。 　そんな負け犬根性は国民にも染みついていて、それはスペイン人と代表のことについて話してみればすぐ分かる。今度こそは優勝出来るかって？ダメダメ、絶対無理。結局今大会もよくてベスト８止まりさ、とひどく冷めた答え。日本でもスペインでは代表よりクラブチームの方が人気があるという事実が広く知れ渡っている。地元のチームに熱狂的で、国際大会でろくな成績が残せない代表には無関心のスペイン人。 　だがしかし一概にそう言えるわけでもなさそうだ。スペイン各紙が面白い数字を報じている。それは視聴率。セスクがPKを決めた瞬間の視聴率はなんと７９．９％で、１９９２年から視聴率調査を始めたスペインのテレビ史上最高の視聴率をマークしたそうだ。ちなみにそれまでの１位はロサというスペインを代表する歌手がユーロビジョン・ソング・コンテストという歌のコンテストに出たときの視聴率だったらしい。 　前後半合わせての視聴率は６８．８％で、延長戦に入ってからは７２．１％にまで上がり、PK戦に突入してから７７．５％にまで達したそうだ。 　興味ない、興味ないと口では言いつつも結局気になって代表の試合見てしまうスペイン人がなんとも健気。なんだかんだ言ってスペイン人は代表に勝ってほしいのだ。それはドイツW杯の時に肌で感じた。大会前まではスペインダメダメと言ってたアトレティコファンの爺さんがいざスペインが負けるとひどく悲しげな顔をしていた。よく考えてみれば当然のことなのかも知れない。誰だって自国のユニフォーム着て戦うチームの情けない姿なんか見たいはずがないのだ。 　国民の代表への無関心はもしかしたら期待を裏切られ傷つくことを恐れるが故に編み出した自己防衛策なのかも知れない。心の底ではみんなスペイン代表が勇ましく勝つ姿を、優勝カップを掲げる姿を望み続けている。そんな密かな国民の期待にいつかは応えなければいけない。そんな国民の健気な姿勢にいつかは報いなければいけない。国民にいつまでもこんな悲しい寂しい真似をさせ続けるわけにはいかない。もういいだろう。もう潮時だ。８８年の敗北の歴史に終止符を打ち、６月２２日の呪縛も打ち破った。機は熟した。今だ。今しかない。２年後にまたチャンスがやってくるさなど微塵も考えるな。行け。勢いにのるロシアの鼻を挫き、ドイツであれトルコであれこれまでためてきた鬱憤を悔しさを全てぶつけ倒して頂点に立つんだ。</content>
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    <issued>2008-06-23T09:00:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-23T14:38:22+09:00</modified>
    <title>「重たい歴史」　準々決勝　スペイン　vs　イタリア</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">　重たい。すごく重たい。あまりにも重たいセスクのＰＫだった。セスクはその意識さえ保つことの難しい重さを堪え「こなくそが！」とふんじばってボールを蹴っただろうか。それとも若さ故の無自覚からその重みをあまり意識することなく飄々とあのボールを蹴っただろうか。張り裂けそうな思いであのＰＫを見守っていた自分にはそれが判断出来ない。あのＰＫが決まったとき悲鳴にも似た雄叫びを上げてしまった。重たかった。あまりにも重たかったイタリア戦８８年の敗北の歴史。そんなに長い間スペインを縛り付けてきたものは一体何だったんだろう。そのスペインをずっとずっと縛り続けてきた鎖をちぎり破った力の源は一体何だったんだろう。トーニを始めイタリアの攻撃を執念で守り続けたカシージャス、プジョル、マルチェナ、ラモス、カプテビジャ、セナたち本当にありがとう。ＰＫを決めたビジャ、カソルラ、セナ、セスク本当にありがとう。トーレス、グイサ、シャビ、イニエスタ、シルバたち。まだ大会は終わってない。今度はユーロ４４年の敗北の歴史を打ち破るための試合があと２つ残ってる。力に微塵も疑いの余地はない。だからこそ決めてよ、今度こそ。 　この試合はまるで８８年の敗北の歴史の縮図そのものだ。スペインはパスはつなげるものの、最後のところでイタリアの堅い守備は崩せない。ブッフォン、キエッリーニはまさにカテナチオの権化。何だよ、カンナバーロとマテラッティいなかったらあとは楽できるはずじゃなかったの？特に何、あのキエッリーニってすげえ守備の人。あんな人がいるなんて聞いてない。パヌッチもトーレスによくやられるもののそれはサイドに寄せたときの話で、エリア内では抑えるところ抑えてるし、その他の選手もスペインのパスで崩す戦法をしっかり研究していて、パスを出せるスペースをつくらず、パスが出てきても選手にきっちりついてきて、それでも空く隙はブッフォンがカバーリングとパーフェクト。 　おまけにスペインは辛酸をなめ続けてきた最大の天敵イタリアに対しＤＮＡに染みついた苦手意識が抜けきらず萎縮している。周りが見えてないからサイドに開く選手に気づかない。パスの判断も遅い。勝負を仕掛けなければいけないところで仕掛けない。いつもは違いを生み出すバルサご自慢のちびっこイニエスタだが、この日はただのラ・マンチャの男だ。それでも時折シルバ等が勇気振り絞って前につっかかるが、先も言ったとおりイタリアの守備はパーフェクト。こんなんじゃゴールが入るはずもない。あーあー、そりゃイタリア相手に８８年勝ちがないのもうなずける。 　ただイタリアがこれまでのイタリアと違っていた。一人で勝負を決めれる選手がいない。大体それは１０番を背負ったいわゆるファンタジスタが担うのだが、今大会の１０番はそういうタイプの選手じゃないようだし。良かった良かったと思ったらピルロという化け物級のキラーパサーが出てきたのだけれど、そんなピルロもこの試合では欠場。それでもピルロに変わる選手が現れるんじゃないかと心配だったが、幸い杞憂だったようだ。そんなスゴイ選手そうそう出てこないか。 　攻撃の核を欠いたイタリアはそれでもサイドアタックからトーニの高さ活かした攻撃を繰り返すが、ことごとく失敗する。スペインは大会後トーニに金一封を贈っておいた方が良い。イタリアの９番は例えばビエリだったり例えばピッポだったり少ないチャンスを活かす力強く抜け目ない選手を思い出すが、トーニに至ってはそんな心配をする必要がない。ゴールを望めないトーニをそれでもポストプレーで活かすためのペッロッタだったが、そのペッロッタもトーニとの連携はイマイチ。 　もちろんカシージャスを始めディフェンス陣も頑張った。この試合はさながらディフェンスの見本市。特にマルチェナはこれまでは心配させるような守備ばかりしていたのに、この試合では驚くほど集中して守っている。嬉しい誤算がここで来るか。ゴールを決めれる気配は全くしないが、ゴールを決められる気配も全くしないぞ。 　ということでまるで出来レースのようにＰＫ戦突入。ユーロ８４年準決勝のデンマーク戦からＰＫ戦での勝利はなし。６月２２日のＰＫ戦は日韓Ｗ杯の時の韓国戦を始め嫌な思い出が少なからずあるそうだ。嫌だなぁ。ただでさえキーパーはブッフォンなのに。いや、こっちにだってカシージャスがいるけども・・・、となんかもう鼻から諦めモード。 　ただ最初のキッカーの２人を見て、おやおや？と思った。スペインはビジャ。自チームが誇る最高のストライカーがプレッシャーのかかる最初のＰＫを蹴る。あぁ、なんと頼もしや。そのビジャが振り切って右隅にドン！くぅ～！しびれる！一方のイタリアのキッカーはグロッソ。んん？そうか、グロッソなのか。イタリアで最初のＰＫを担うのはサイドバックのグロッソなのね。ここに違和感というか、両者の違いを感じ取った。グロッソは思い切ってボールを決める。その後何やら意味ありげにトーニを映すカメラマン。ガッツポーズして喜んでいるトーニ。なるほどそうか。カメラマンさんありがとう。そうか、スペインとイタリアの一番の違いはここなのか。 　２本目のキッカーはカソルラ。正直言うと外すと思った。まだヨーロッパを知らない若者にブッフォンはあまりに大きすぎる。だけど落ち着いてブッフォンの逆をつき右隅に決めた。うわぁ、やっぱり若さって分からん。怖い。よくあれを決めれたな、ホント。これでスペインは大きく一歩前に出た。対するイタリアのキッカーはデ・ロッシ。思い出すユナイテッド対ローマ戦。その時デ・ロッシはオールド・トラッフォードのプレッシャーに押しつぶされＰＫをふかした。奇しくも今回もゴール裏には敵様の応援団。外せ。止めろ。外した。やった。来た。これは来た。カシージャスはやっぱりスゴイ。神様だ。 　３本目はベテランの登場。セナとカモラネージが危なげなく見える。カソルラとセナ。ビジャレアルのリーガ２位躍進を支えた選手達はやっぱり伊達じゃない。 　４本目グイサ。ここもカソルラに続いて嫌な予感。プレーを見ててもなんか他の選手達よりもスケールが一回り小さいようなそんな印象を抱いていた。ここでは嫌な予感が当たる。失敗。３－２。次のＰＫを決められればイーブンという場面。カメラは外したグイサやそれを慰める選手は抜かずカシージャスを抜いた。過去ではなく未来を映したカメラマン。何だこの人、センスがあるにもほどがある。そのカシージャスの表情には失望が映っているようにも覚悟が映っているようにも見えた。おそらくは両方だったのだろう。覚悟を決めたカシージャスはディ・ナターレのＰＫを止めた。 　そしてセスクが次のＰＫを決め、歴史は変わった。何も有り余るほどの強い力で強引に変えたのではない。歴史の重さに腰が引けながらも、それでも何とか踏ん張って耐えて堪えて前に進み、相手の弱さにも助けられながらかすかに入ったヒビを何とかこじ開けて変えた歴史。胸張って自慢するほどのものではないが、しかし誇るべき勝利。良かったよ。俺スペイン応援し続けて良かったよ。 　今ものすごく言いたいことがあるが、あまりにもスペインに縁起が悪すぎることなので、それがベスト４なのか準優勝なのか、それとも優勝なのかは分からないが、スペインの大会が終わるまで取っておこう。 　こうして８８年の敗北の歴史にピリオドを打ったスペイン代表だが、その中心選手がビジャだったり、セナだったり、カソルラだったり、マルチェナだったり、バレンシア州勢が目立ったのはバルセロニスタとしては何とも情けないところ。まあプジョルは頑張ってたけどそれだけじゃ何ともね。ただ先にも書いたように大会は続く。次はロシア。１０日ほど前に４－１で勝利した相手。だた１０日前とは比べものにならないほど強くなっている。アルシャービンっていうとんでもない選手も現れた。ただスペインも今日のような萎縮したスペインではないだろう。何より天敵イタリアを倒したことで自信をつけた。イタリア戦とは違ってロシアは後ろにスペースが空く。スペインご自慢のパス主体のフットボールもより活きるだろう。結果はさっぱり検討がつかないが、よりアクティブな試合になることは間違いない。 　そんなスペインとロシアの違いを分けるのがイニエスタであれば。ユーロ予選では大活躍で決定的な仕事を何度もしてきたイニエスタだが、この大会では何か自信なさげに一歩引いてプレーしている。そうじゃないでしょ。バルサでしているようにもっと伸び伸びと自信を持ってプレーして。そうすればイニエスタを止めれる選手はこの世にいない。そう本気で信じてる。行け、イニエスタ。ラ・マンチャの男からエル・サルバドールヘ。美白のその素顔の裏にはさらに輝く黄金があることを、バルセロニスタだけでなく全世界に見せつけるのだ。</content>
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    <issued>2008-06-22T07:42:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-22T16:21:54+09:00</modified>
    <title>「オランダらしさ」　準々決勝　オランダ　vs　ロシア</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">　いやいやいやいやいやいやいやいや。今回のユーロはフットボールの持つドラマ性が最大限に表われている。スゴイ。毎日がジェットコースター。戦力や経歴を元にした予想なんて全く何の意味もなさなくなった。スゴイぞ、フットボール。 　これまでの試合から考えれば、攻撃的に攻めるロシアの裏をオランダが鋭いカウンターで巧みに突く展開は容易に予想できた。だからこそヒディングのカウンター対策がこの試合の鍵を握る。ヒディングもさすがに百戦錬磨。これまでのように「攻撃こそ最大の防御！」なんてすっちゃかめっちゃか選手上がらせて攻撃参加をさせない。ジルコフ、アニュコフがカイト、スナイデルを見ながら守備のバランスを取っている。半ば無邪気さまで感じさせた前までのロシアとはひと味違って今日はちょっと大人びたフットボール。攻撃力をある程度犠牲にし、その分安定した守備力を手に入れたロシア。本当にこのチームは日に日に成長するなぁ。なぜかH2Oが頭の中でループしている。 　そんなロシア相手にオランダはパスを繋ぎながらも決定的なチャンスは作れない。ロシアの裏をカウンターで突く作戦はヒディングの対応により早くも頓挫した。かといってこのチーム最大の課題である遅攻からのゴールはやっぱり苦手。２軍はルーマニア相手に奪えたが、１軍が奪う姿はまだ拝見しておりませぬぞ。でも遅攻がダメでもこのチームはセットプレーが上手いから今ここにいる。前半２９分ファン・デル・ファールトのFKからニステルが合わせようとした場面を始め、ゴールのニオイがしてくるのはセットプレーからだ。「遅攻が無理ならセットプレーからゴール奪っても別にいいじゃん」と半ば開き直っているかのようだが、しかしそれもまた真理。そうよ。セットプレーからでも奪えばゴールはゴール。 　だがこの日のオランダはイタリア戦、フランス戦のようになぜかしらセットプレーからゴールを奪えない。でもまあそんな日もある。そうポンポンセットプレーからゴールが入るなら誰も苦労はしないわけで。だがちんたらぽんたらしているとロシアも黙っちゃいないぜよ。元々オランダは守備が盤石というわけでもないんだ。イタリア戦とフランス戦では相手の拙さに助けられた部分も大きかった。 　するとやられた後半１１分。左サイドからセマクがあげたクロス。エリア内には外に逃げると見せかけて中央の空いたスペースに猛ダッシュで走り込むパブリュチェンコ。この動きで１本アリ。マタイセンはつききれない。フリーでシュート。ロシア先制。 　ホントロシアのクロス入れる際に一工夫入れる姿勢には感心する。このユーロではただ放り込んだクロスはほとんどゴールに繋がらない。それをロシアは理解している。そんなにフットボールは甘くない。元々２トップでもない。中でただボーッと突っ立って待ち構えさせてもらえるような特別なＦＷはうちにはいない。だから走る。だからひねる。走ってひねってなんとかゴールにつなげよう。その真摯なロシアの姿勢がちゃんと結果に表れてる。 　ここからはまさしくパターン０８の展開。先制されたオランダが色々と工夫するものの、ゴールには届かない。１点リードされてカウンターがあまり望めないと見て、中央の攻撃を厚くしようとロッベンではなくアフェライを入れた判断は良かったと思う。だがそれでもゴールは遠い。スナイデルやペルシーが果敢にゴールを狙っていくが、枠にすら入らないボール。あぁ、こんな展開このユーロでもう何度も見てきたよ。遅攻からのゴールが奪えるのか、という不安も的中してしまった。 　パターン０８通りハマってこのままゴールを奪えずに試合終了かな、と諦めが頭によぎり始めたとき、どこからともなく聞こえる「ヒヒーン！」という馬の鳴き声。そうだ、まだオランダにはニステルさんがいる。このニステルさんの一鳴きで「遅攻がダメでもセットプレーがあるじゃない」の真理を思い出すオランダ一行。後半４１分スナイデルのフリーキックに体ごと突っ込みボールをゴールに押し込むニステルさん。オランダ同点 　そうなんだ、オランダにはニステルさんがいるんだ。オランダを優勝予想に挙げた一つの要因でもあるニステルさんの異常なまでの決定力がここで炸裂。ニステルさんのいるところにゴールあり。まさにゴールの権化。これが決定力だよ、明智君。 　ニステルさんのゴールで息を吹き返すオランダ。勝ちパターンから一気に逆転負けパターンに入るロシア。しかし何とか後半終了まで持ちこたえた。延長戦開始までのインターバルの間に智将ヒディングは選手達にどんなことを吹き込んだだろう。一見すれば土壇場で望みを繋いだ勢いに乗るオランダに分があるように見える。でも自分はそうは思えなかった。だってロシア。予選だってイングランドの自滅に助けられ何とか突破したロシア。グループリーグ敗退してても何もおかしくないロシア。決勝トーナメントまで進めただけで御の字のロシア。ここで負けても健闘を称えられるだろう。失う物は何もないのだ。一方のオランダは違う。イタリア、フランスに圧勝し、一気に優勝候補とまで賞賛されるほどになった。そんなオランダが準々決勝敗退、しかもロシア相手に敗退なんて絶対に許されない。ポジティブなロシア、ネガティブなオランダ。この立場の差が延長戦でもろに出た。 　攻めども攻めども遅攻でゴールを奪えないオランダ。一方失う物のないロシアは（敬意を込めてこう呼ぼう）ロシアのマラドーナことアルシャービンの個人技を中心に足の止まったオランダディフェンスを真正面から叩き潰しにいく。延長前半９分アルシャービンがドリブルでエリア内に切り込みトルピンスキーにパス。しかしトルピンスキーのシュートはこの日まさに孤軍奮闘のファン・デル・サールがなんとかセーブ。延長後半２分ジルコフがエリア内にドリブルで切り込んで倒れるものの、これはＰＫをもらえない。延長後半４分ジルコフがビリャレトジノフとのワンツーからオランダエリア内に切り込みクロスを放つもこれは中の選手に合わない。あと少しのところでゴールには届かないのだが、しかし今のオランダにロシアの勢いを止める術がないことは誰の目にも明らかだった。 　そしてすべからく入る勝ち越し点。延長後半７分アルシャービンがドリブルでエリア奥深くまで切り込んであげたクロスはファン・デル・サールの頭を越え、ポスト恐れず猛烈ダッシュで飛び込んだトルピンスキーの勇気で１点。ロシア勝ち越し、オランダ１点ビハインド。そして延長後半１１分スローインからアルシャービンが抜け出してファン・デル・サールの股を抜いて勝負あり。それにしてもエドさんでも股抜かれることあるんだぁねぇ。 　今大会はミラクルトルコにヒディングマジックとホントにもう良い意味で期待裏切るチーム多すぎて嬉しくなる。オランダ優勝予想してたけど、こんなフットボールされちゃ文句も出んわ。ロシアスゴイ。ヒディングスゴイ。アルシャービンスゴイ。 　今大会はモドリッチの大会になるなんて言われてたらしいけど、今やその名声は全部アルシャービンがかっさらった。しかもたった２試合で。こんな短期間で英雄になれるのもフットボールの持つ魅力ならではといったところか。オランダにもスナイデルやファン・デル・ファールト、ペルシー、アフェライといった名手がいるはずなのにねぇ 　このロシアにはトルコと違って計算できる強さがある。日々大人の階段を上るロシア。今ならスペインが来ても以前のようなスコアにはならないだろうし、イタリアが来ても十分番狂わせはあるだろう。いやはや、ホントここまで来るとマジでトルコとロシアを戦わせたい。 　一方オランダは最後まで１軍で遅攻から点を奪うことは出来なかった。イタリアとフランスに圧勝したのは出来すぎで楽観視はしちゃいけないと分かっちゃいたが、それでもあんなにポンポンと奪えてたゴールが展開次第でこうも取れないとは、いやはやフットボールって分かんないし、だからこそスンゴイ恐ろしい。 　今回のオランダはこれまでのオランダとは違うと言われていた。それはファン・バステンの影響だろう。攻撃的なスタイルを貫く必要はない。守るべき時は守る。そしてボールを奪ったら速攻カウンターというこれまでのオランダとは違った実にカップ戦向きの現実的な戦い方。だがしかし。それでもオランダは勝てなかった。それでも国民の期待には応えられなかった。それでもオランダは変わりきれなかった。しかも負けたのがオランダを彷彿とさせる攻撃的で面白いフットボールしてくるヒディング・ロシアという皮肉。にゃー怖い。フットボールってやっぱり怖い。</content>
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    <issued>2008-06-21T15:49:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-21T22:41:34+09:00</modified>
    <title>「長い退屈のあとに」　準々決勝　クロアチア　vs　トルコ</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">　いやいやいやいや、あるの？こんなことって。劇的な勝利と言えば思い出すのはやっぱりカンプノウの奇跡だが、それに続くほどの奇跡だと言えるんじゃないかしら。だってないでしょ、こんな展開。どれだけ安っぽいドラマ書く脚本家でも、これは避ける。現実だからこそ許されるドラマ。最後は開いた口がふさがらなかった。 　試合は後半２０分頃まではひどく静かなものだった。普通試合って一方のチームが攻める時間帯があればもう一方のチームが攻める時間帯があったり二転三転するものだが、この試合はトルコはパスを繋ぎながら攻め、クロアチアは引いて守ってカウンターという構図が一向に変わる様子がない。何の変化もない池をただずっと眺めているような試合。 　チェコ戦では試合の入り方を間違い、攻められっぱなしだったトルコ。テリムは勝ったのに前半の内容の出来の悪さからメディアにこっぴどく叩かれたらしい。そんな偉そうなメディアを黙らせる必要がある。この試合では中盤を厚くし、いつもよりもショートパスで繋ぐフットボールを意識していた。 　トップ下でボールキープするトゥンジャイの働きが思ったよりもいい。サイドで勝負するタイプの選手だと思っていたが、高いキープ力でパスの預けところとなれば、ドリブルでも切り込んで良い感じ。そんなトゥンジャイを中心にクロアチアのプレスをかいくぐりながら、ショートパスでゲームをコントロール。これならばメディアも文句はあるまい。 　一方のクロアチアは守勢に回るがそれもある程度計算で、ボール回しは許すものの奥深くまでは行かさないぜ、と守備に人数を割き、スペースらしいスペースも作らないほど集中して守って、トルコ前に出したところでカウンター。そう大量得点を狙える選手層じゃないと自覚しているのだろう。身の丈にあった実に現実的なフットボールだ。 　幸いトルコの守備はそう完成されているものでもないのでミスも散見され、チャンスらしいチャンスはクロアチアに多い。前半１９分スルナのスルーパスに抜け出したモドリッチがサイドを駆けてトップスピードで入れたクロスにオリッチが合わせた場面なんて入ってても何もおかしくなかった。トルコは相も変わらず綱渡り。 　それにしてもモドリッチはあんなスピードからキーパーとディフェンダーの間を縫ってしかも巻いたクロスを放れるなんてえげつない。前々からそこそこスゴイ選手だなとは思ってたが、このクロス見てヤバイぐらいにスゴイんだなということをようやく理解できた。 　しかし決定的な場面と言えるのは本当にこれぐらいなもんでトルコ、クロアチア共にリスクを冒さず、撫で合うようなフットボール。こんな展開がずっと続いた。ヤバイぐらいに退屈。だが両者とも０－０をヨシとするはずもない。これは来るべき時が来るまでの前フリ。ビリッチが後半２０分にクラニツァールに代え、ペトリッチを入れた頃から試合が徐々に動き始める。これまで押さえつけられてきた鬱憤を晴らすかのように前に出るクロアチア。だがそれは同時に守備が手薄になるということで、それまではボールは回しつつも一切チャンスらしいチャンスを与えてもらえなかったしょんぼりトルコもカウンターで「んん！？」と身を乗り出すようなチャンスを作り始める。待ってたのよ。こんな展開を見るために最初のあの退屈な内容にも耐えたのよ。 　後半３９分スルナのフリーキックを一旦逆突かれるもののジャンプ一番片手で止めてみせるトルコ第２GKリュシュトゥ。大会前ボルカンにポジションを奪われた男が巡ってきたチャンスを活かし責任果たす意地のセービング。アッツイ。すんげえアッツイ。 　後半４５分モドリッチのクロスにオリッチが合わせるもののリュシュトゥの真ん前。うーん、オリッチ。前線からプレスを惜しまないクロアチアが誇るべき偉大な労働者オリッチ。最前線を任されたゴールを決めるべきオリッチ。そのオリッチがゴールを決めれない。日本人としてなぜか親近感を感じると共に、気持ちが分かるゆえのシンパシーも覚える。 　延長前半５分中央でボールを受けたトゥンジャイがサイドにボールを散らすかと思いきや、思い切ってドリブルで中央突破。意表を突かれたクロアチアディフェンスは最後まで破られるものの最後のドリブルが大きかったためにクロスの精度が悪くなりフイ。 トルコはこのチャンス以外にも普通ならサイドに逃げて落ち着きたいところを果敢に中央突破する場面が目立った。型にはまってないところは何も次々と変わる選手起用だけじゃなく、素敵。 　 　延長に入ってからはトルコペース。序盤から中盤にかけては守りに徹し、終盤ゴールを取りに行ったものの試合を決められなかったクロアチアは疲れ切っていた。しかしそれでも負けてられるかと踏ん張り倒し、走り続ける選手達。なんかもうそんな姿見てるだけで来るものがある。それはトルコにしたって同じ。両者互角。この試合で優劣なんかつかなかった。しかしそれでも勝者を決めなければいけないからトーナメントは残酷。 　両チームへとへとの中、それでも違いを見せるのはやっぱり天才なのか。ここに来てアクセルを踏めるのがモドリッチ。延長後半８分右サイドでボールをもらうが、天才と呼ばれる選手はここで安易にクロスを放らない。俺がやらなきゃ誰がやるとドリブルでエリア内に切り込む。が、ここはトルコディフェンスが根性見せて跳ね返してみせた。そりゃあんたここにきて若造一人にやられるわけにもいかんめぇ。 　だがだからといってモドリッチもここで引かない。延長後半１４分クロスのこぼれ球をリュシュトゥが拾いに出た。だが若干距離がある。リュシュトゥのコースを防ぐかのようにボールに走り込んだモドリッチ。間に合った。無人のゴール。焦らず中のクラスニッチを確認して丁寧にあげたクロスをクラスニッチがジャンプ一番ねじ込んで先制。クロアチア先制。 　延長戦終了間際に決定的な仕事をしたモドリッチ。勝負を決めるにふさわしい活躍。天才モドリッチの偉業を語る上でこのトルコ戦は重要な試合になるだろう。若干出来過ぎな気もするが、しかしそれはモドリッチの頑張りを無下にする下世話な考え方か。クラスニッチの手術後復帰してから２度目の決勝ゴールでもある。いや、素晴らしい。おめでとうモドリッチ、おめでとうクラスニッチ。おめでとうビリッチ。おめでとうクロアチア。 　なんて言葉でブログを締めようかな、てなことを考えながら試合を見る癖がユーロ中についてしまった。だが心のどこかでその後何かを期待してたのも事実。だって相手はあのトルコなんだから。ただそれでも本当にあるかないか分からないようなホント虫眼鏡でやっとこさ見えるかすかな期待だった。世の中そんなに甘くはあるまい。 　そしてそんな小さい期待は延長後半ロスタイム４３秒ラキティッチがボールを奪った時点で完全に消え去った。もうここで笛が鳴ってもおかしくない。ラキティッチもそれが分かってたんだろう。キープ出来るところを前にボールを出して時間を使おうとした。これはオフサイド。トルコボール。審判はまだ笛を吹かない。かろうじて首はつながった。だがそれでもいつ笛が鳴ってもおかしくない。リュシュトゥ蹴る。審判待って。ほんの少しだけ待って。このボールの行方だけは見届けさせて。トルコに大会最後の思い出としてこのワンプレーだけは許してあげて、本当に。 　願いは通じた。笛は鳴らない。ボールはクロアチアディフェンスの中に吸い込まれる。その時なぜか前線にいたエムレ・アシュクが飛び込んだ。クリア出来ないクロアチアディフェンス。ボールはセミフの下に。振り抜くセミフ。ゴールに吸い込まれるボール。 　ハハハハハ。もう笑いしか起きなかった。あんのかね、こんなことが。あっていいのかね、こんなことが。こんな奇跡が３度も続いた。ミラクルトルコは伊達じゃない。２度ならまだ偶然で済まされるが、３度目ともなるとトルコの奇跡が必然性を帯びているようにまで感じる。 　もちろんこれで終わりではない。まだ同点だ。ＰＫ戦がまだ残ってる。でもクロアチアに立ち上がる気力は残ってなかった。ノックアウトしたと思った相手。カウントは９。勝利を確信した途端、その相手がぴょんと跳ね上がってその勢いでアゴを粉砕されたのだからそれも当然。ＰＫ戦では次々と外し自滅したクロアチア。勝ったトルコ。負けたクロアチア。んーーーーー、こんなことが許されるのか、勝負の世界は。なんて非情。なんてむごい。 　ＰKを外し勝利の立役者から一転悲劇のヒーローとなるモドリッチ。最後の最後で大ポカやらかした大戦犯から一転ＰＫ戦で勝利をもたらしたさすがのベテラン大キーパーになるリュシュトゥ。数分で反転する運命。これだからフットボールは恐ろしい。 　それにしてもクロアチアはたまったもんじゃない。自分はクラスニッチのゴールが決まって喜ぶクロアチアの選手や監督、スタッフの姿を見てぶっちゃけ泣いてた。あの涙は本物。でもまだ試合は終わってなかったんだから、それは早かったということですか。甘かったということですか。厳しいぜ。厳しすぎるぜ、勝負の世界。 　一方トルコにはここまで来たならもう行けるところまで行っちゃえよ、という気持ち。このチームには常識が通用せん。守備は統率されてるわけじゃない。２列目から上がってきた選手には全然つけないし、事後対応でつこうとしたら本来守るべき選手のマーク外してしまう安易な場面も目立った。そんなトルコ相手に決めるべきところで決めれなかったクロアチアも甘いといえば甘い。でも最後にはクラスニッチのゴールで振り切った。だからいいじゃんと思った。でも残り２分で真価を見せるのがトルコ。もうトルコに勝つにはロスタイムギリギリで先制点を奪うしかないんじゃなかろうか。 　とは言いつつもトルコが逆転勝利をかました相手はスイス、チェコ、クロアチアとどれも中堅国。ドイツのような強豪国に通用するか。しない。さすがにそこまで甘くない。と普通は思う。でもこの大会はそんな一般的な考え方がことごとく裏切られてきた。行け。常識をことごとく突き破って行けトルコ。スイスの、チェコの、クロアチアの無念を背負って。スイスが負けたのは欧州王者。こんな出来すぎたシナリオもこのユーロなら許される。</content>
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      <name>myrowka</name>
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    <issued>2008-06-20T07:48:00+09:00</issued>
    <modified>2008-06-20T08:33:17+09:00</modified>
    <title>「ドイツは動じない」　準々決勝　ドイツ　vs　ポルトガル</title>
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    <content mode="escaped" type="text/html">　準々決勝第1戦、グループAで早々２連勝を飾り難なく勝ち抜けを決めスイス戦ではバカンスを決め込んだ余裕たっぷりのポルトガルとグループＢでクロアチアに競り負けオーストリア戦ではバラックのＦＫからのゴールでギリギリの勝利を収めた満身創痍のドイツの対決はなんと効果的にポンポンゴールを積み重ねたドイツがそれでも何とか食い下がるポルトガルを振り切り３－２の勝利。ウェイウェイウェイウェイ。これだからフットボールってやってみなくちゃ分かんない。 　序盤は両者とも様子を見ながらのプレー。リスクは負わず守備に人数をかけ、パスを回しながらところどころ個人技で突破を仕掛けるぐらいの内容。誰もまだギアをトップに入れていない。クリ坊も積極的に動き回るのでなく、基本左にベッタリだ。そんな中で多人数の守備ｖｓ少人数の攻撃が繰り広げられる。当然のことながらゴールのニオイは全然しない。 　徐々にギアを入れ始めたのはポルトガル。ボシングワが積極的に駆け上がり、ポルトガルが人数をかけながら攻撃しはじめた。前半２０分ボシングワからモウチーニョに低くＤＦが届かないよう絶妙なスワーブの掛かったクロスが供給されるも、モウチーニョが判断を誤り、ボールをふかしてしまう。だがポルトガルの勢いを感じさせるチャンスだった。お？お？これからかな？これから来るかな？待ちに待ったポルトガル・タイム。デコかな？クリスティアーノ・ロナウド（以下クリ坊）かな？そんな矢先にドイツ先制。 　左サイドバラックとのワンツーでボシングワ振り切ったポドルスキーがクロスを放ち、右サイドから最高速で走り込んできたシュバインシュタイガーが上手く合わせてゴール。あのスピードでようもまああのボールをＧＫのいないところへコントロールしながらシュート出来たな。先制点を奪ったのはポルトガルの７番じゃなく、ドイツの７番。シュバインシュタイガーのことだから「ほら見たことか！！！」とでも思ってるだろうか。いやはや、スゴイ。そうだ、あなたも天才でした。 　それにしてもポドルスキとシュバインシュタイガーのコンビにはドイツの未来を感じる。代表でコンビを組み始めた頃０５年のコンフェデで初めて見て、その頃からスピードと若さと勢いがあるコンビだったが、その２人が順調に成長して今やドイツの大黒柱。これでまだ２人とも２４かそこいらだもんなぁ。いいよ、すごくいい。シュバインシュタイガーはスタメンから外されることも少なくなかったが、ポドルスキとのコンビネーション考えたら、おそらく両者は同時起用した方がより活きるだろう。 　先制点を許したポルトガル。前のめりにあって戦いはじめるだろう。おそらくクリ坊もフルスロットルでプレーし出す頃だ。殺すなら今。さすがのドイツはタマの取り方を知っている。先制点からわずか３分後ペチが焦ってエリア近くで与えてしまったＦＫをクローゼがお得意のヘディングで決めて、ポルトガルの急所にグサリと刺さる追加点。キッカーはドイツの７番シュバインシュタイガー。再びクリ坊のお株を奪う活躍。世界中から聞こえてくる悲鳴。「もうクリスティアーノのプレーは見れないの！？」だがそんな叫びもシュバインシュタイガーの耳には心地よく聞こえるに違いない。 　だがこの２点目を食らっても踏ん張って１点差に追いついたのはポルトガルの底力と言えるのだろう。このまますんなりと終わるタマじゃなかった。さすがは強者。デコ、ボシングワの崩しで引いたドイツからチャンスを何とか作り出す。そして前半４０分、シモンのパスを受けたクリ坊が１トラップでＤＦ振り切りシュートを放つ。これはレーマンに抑えられるものの、詰めてたゴメスがねじ込んで試合は分からない１点差へ。 　それにしても決めるべき１対１で外すとはまだクリ坊も甘いとこがあるもんだ。だがそんな甘えん坊クリ坊のケツも誰かが拭いてやれば問題なし。地味な選手だがだからこそそういう役がゴメスにはよく似合う。 　 　失望から一気に立ち上がるポルトガル。もうこうなりゃドラマの筋書きはクリ坊の活躍でポルトガル大逆転！！！だ。何？この大会は先制されたチームはトルコと消化試合を除いて勝ってないだって？バカ野郎。ポルトガルには稀代の脚本家デコ様がいる。トルコ対スイスばりのシナリオぐらい書ききってみせるだろう。案の定中盤で圧倒的な存在感。パスでゲーム作るだけじゃなく、出しどころがなければドリブルで突っかけ隙を生み出す。後半１２分にはＣＫ、ニアに位置し頭で絶妙にボールを後ろに逸らしビッグチャンス。しかしその先にいたのはぺぺ。違う違う、そうじゃない。決めるべきはその後ろにいたお人。ぺぺは結局このチャンスを活かせずヘディングはポストの上へ飛んでった。 　そうしてちんたらしてるポルトガルを尻目に虎視眈々と裏を狙う男が２人。このポルトガルのビッグチャンスから３分後クローゼがもらったＦＫをシュバインシュタイガーがエリアに蹴り込み、決めたのはバラック。 　２点目クローゼのヘディングで殺ったはずなのにしぶとく立ち上がり勝利を目指すポルトガル相手に、ならばともう一度急所にナイフを突き立ててグリグリと。怖いです。俺、バラック怖いです。絶対に敵に回したくない、この人だけは。オランダ、スペインはグループＣ、Ｄでホント良かった。 　さすがのポルトガル、さすがのクリ坊もこの劣勢を跳ね返すだけの力はなかった。何とか立ち上がる。何とかパンチを繰り出す。何とかタックルをかましてみせる。何とか背負い投げを試みる。だがやはりドイツの壁は厚かった。いくら攻撃を繰り出そうとも、ドイツの腰は崩れない。それでも後半４２分ナニのクロスからポスティガのヘディングで奪った２点は紛れもなくポルトガル強者の証。しかしそれも最後の意地。勝ったのはドイツ。負けたのはポルトガル。 　いやぁ、予選の戦いぶりを見るにポルトガル有利と感じた人も少なくなかっただろう。かくいう自分がその一人だ。チェフから奪った２点目を見て、デコとクリ坊に壊せないものは無いと確信した。しかしふたを開けてみればドイツがポルトガルになく自分たちにはあるとっても分かりやすい武器「高さ」を活かし、的確な時間に的確にゴールを決めてまるで横綱相撲。半信半疑だったけどドイツは本当に凄かった。ポルトガルの勢いになんか動じない。やっぱり分からん。本当にやってみなくちゃ何が起こるか分からん。 　それにしたって世の中ホント上手くいかない。一体誰が目にも止まらぬ高速ドリブル、破壊力抜群のヘディング、シュート、フリーキック、そして稀代のイケメン顔を持つ今をときめくポルトガルの７番じゃなく、暴力行為で退場するような見た目も性格もまさに悪童突っ走るドイツの７番を望んだだろう。しかし結果は前者がノーゴール、ノーアシストで後者は１ゴール２アシスト。憎まれっ子世にはばかる。本当にヒールがよく似合う男だ。</content>
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