2008年04月20日
矛盾
プレミアリーグ07/08 第32週 ローヴァーズ vs ユナイテッド。
ユナイテッドのフォーメーションはGKがクシュチャク。DFはビダがめでたく復帰して、右からブラウン、ビダ、リオ、エブラの黄金ライン。MFは右からクリ坊、キャリック、スコールズ、ギグス、FWはルーニーと仔ゴリラの2トップとエドさんを除いては鉄板の並び。ミッドウィークにバルサ戦があるにも関わらず本気モード。そりゃそうだ。プレミアが一番大事。
それはそうと今週は赤いシャツに黒パンツと自分が一番好きな組み合わせのユニフォーム。レッドデビルズという異名からだろうか、白よりも黒のパンツの方がユナイテッドの持つ畏怖がよく引き立って見えて好きだ。
'フリーデルッ!フリーデルッッ!!フリーデルーーーッッッ!!!
この試合はこの一言に尽きるだろう。ルーニー、クリ坊、仔ゴリラ、スコールズ、ギグス、リオ諸々スーパースターがひしめく試合で、最も輝きを放ち、彼らを押しのけ主役の座を奪ったのは今年5月37歳になるというアメリカ人ゴールキーパーだった。
この試合、ユナイテッドに不備はなかった。アーセナル戦のような緊張もなくいつも通りのプレー。ディフェンス陣がよく守り、スコールズとキャリックのパスで試合を組み立てながら、トップ4の個人技&連携プレーで相手ゴールをこじ開ける。ローヴァーズもプレミア8位とヨーロッパを目指すでなく、残留を目指すでなく、モチベーションがないのでボロのようなエネルギーに欠けている。勝てる。これなら勝てる。
ただふと心をよぎるペデルセンとフリーデル。ユナイテッドキラーとも言うべきこの2人に良い思い出は微塵もない。だがそんな嫌なジンクスも今のユナイテッドの勢いなら吹き飛ばしてくれるだろう。そう信じる他なかった。
だが時間が経つにつれ、その嫌な思い出が徐々に徐々にせりあがってくる。攻めども攻めどもゴールが入らない。そんな時に限ってDFの不運なミスからゴールを奪われるからフットボールは嫌いだ。なぜか木曜日に試合を終わらせ、勝利しているチェルスキー。負けは絶対に許されないユナイテッドがまさかのビハインド。
それまでは余裕をもってボールを散らしていたユナイテッドだが、王者も人間。当然焦りはある。知ってか知らずかペースがドンドン上がっていく。スピードが上がればミスも自然と多くなるのだが、前述したようにローヴァーズ自体に勢いがないのであまり怖がる必要はなかった。「心配ないさ、すぐに追いつける」と気を取り直してベタに引いてくる相手に文字通り攻撃を畳み掛けるユナイテッド。だが、それでもゴールは入らない。コーナーキックからフリーで撃ったクリ坊のヘディングもフリーデルに阻まれた。思えばユナイテッドの悪夢はこの時から始まったのかもしれない。1-0のままで前半は終わった。
嫌な予感を御大も察していたのだろう。後半開始直後からギグシーを下げ、より若く運動量に長けるナニを入れる。うーん、ここまできたらギグシーは久々の長期スランプと断じてもいいのかもしれない。味方の限界を求める厳しいパスと言えば聞こえはいいが、少し視点を変えて眺めれば雑なプレーとなる。余裕がある試合ではそれでもいいが、今は優勝争いの真っ只中。御大は許しちゃくれなかった。実際ナニが入ったことで左サイドが活性化する。ナニが突破してクロスと、やるべきことがハッキリして良い。あそこで勝負を仕掛けて勝てるとゴールの匂いもより濃くなる。その闘志と技術を持ったナニ。ユナイテッドの新しい波はドンドン勢いを増していく。
だがナニ投入もフリーデルにとってはささいな出来事だったのかも知れない。誰が来ようと止めればいいのだ。時間と共にユナイテッドの悪夢はより現実味を増していく。63分、クリ坊が左足振り切って放ったシュートはポストに嫌われ、64分、センタリングからゴールへこぼれたボールはフリーデルが超反応でセービング。78分、相手DFがクリアし損ねたボールを上手く処理した仔ゴリラのシュートはフリーデルが左腕一本、82分、キャリックのヘディングはエマートンが左腕1本。84分、ナニのナイススルーから抜け出したルーニーが放ったシュートはフリーデルが今度は右腕、86分、スコールズのナイスパスをダイレクトで撃ったオシェイのシュートは再びフリーデルの右腕に阻まれた。
どんなシュートもフリーデルの腕が反応して止めてしまう。まるで腕が意思を持っているかのように。もしかしたら。もしかしたらフリーデルの両腕はフリーデルとは別の生き物かも知れない。フリーデルは幼少の頃両腕を失って、で、宇宙人が力を貸してやろうとかなんとか言ってくっついたとか。そんな寄生獣的バカげた発想も今回のフリーデルの超反応を見たらあながち間違ってもないかも知れないと思えてくる不思議。生物学者の方は一度フリーデルの腕を調べてみてはどうだろう。
そんなある意味新種の生物とでも言うべき敵を相手にどうすればいいと言うのか。ユナイテッドの選手は100%のプレーをしている。ピッチサイドでパクチーがアップをしているが、残念ながら入る場所はない。代えるべき場所がない。それぐらいユナイテッドは上出来だった。だから御大も打つ手がない。でもゴールは入らない。全てはあのフリーデルがっ!あのフリーデルがっっっ!!!
しかし。そんな宇宙人を破る方法もユナイテッドの手の内にはあったのだから驚きだ。もうここまで来たら理屈ではなく感覚。考えるんじゃない、感じるんだって誰かが言ってた。頼りになるのは野生の血。本能的にゴールを嗅ぎつける嗅覚を持った仔ゴリラがフリーデルの一瞬の隙をつく。あれほどシュートに反応しつづけたフリーデルの両腕も仔ゴリラの野生の力の前には反応できず。まさか人間の中に仔ゴリラが混ざっているとは思いもしなかったのだろう。ユナイテッドが貴重な貴重な同点弾。これを最後まで守り抜いて試合終了。
この試合を見ている途中、故事の矛盾が頭に浮かんだ。ことごとくユナイテッドのシュートを止めるフリーデルはまさにどんな矛をも防ぐ盾。その盾を前にクリ坊、ルーニー、仔ゴリラを擁する超破壊力のユナイテッドはどんな盾をも貫く矛になりえるか。それを試す90分。結果は御存知の通り。何度も何度もつついていりゃあ、いつしか盾にもヒビがいく。今のユナイテッドに貫けないものはない。次に貫くべきはチェルスキー、そしてその奥にある無敗記録だ。
posted by myrowka |21:46 |
Manchester United |
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矛盾
おもしろいwwww
posted by GRIRA | 2008-04-20 23:41


