2008年04月24日

期待>複雑

さてさて。


 今日は待ちに待ったバルサ対ユナイテッドの日だ。ブログの説明にも書いてある通り、私バルサとユナイテッドが好きである。厳密に言えば1999年頃から海外フットボールにはまった。その翌年には既にこの2チームのファンになっていたと思う。その日からいつか実現しないものかと心の片隅で願い続けた1戦。
 意外とどちらにも負けてほしくないという複雑な気持ちはなく、期待感の方が遥かに大きい。どちらのチームもボール支配を重視する。引いて受けるやり方は性に合わない。そんなものは弱者のやることだ。両者とも世界を背負って立つフットボールクラブだという自負がある。その自負が引いて守ることを許さない。その気概に惚れた。混じりっけなし正々堂々と正面からガチンコでぶつかりあう試合が楽しめるはずだ。あぁ、もう考えただけでゾクゾクする。

 
 フォーメーションを想像しただけでワクワクする。初戦はカンプ・ノウ。ユナイテッドは最初は守備力重視でセンターハーフを3人置いた4-3-3で来るだろうか、それとも初っ端からハイテンションの4-4-2で飛ばしてくるか。守備的ハーフは誰が務めるだろう。豊富な運動力のハーグリーブスか、展開力のキャリックか。
 個人的には守備的ハーフにキャリックを置いた4-3-3で挑んでほしい。自分は昨季からキャリックのプレーを見ていて、どこかペップの匂いを感じさせる男だと常々感じていた。パス能力はもちろん、ミドルシュート、ドリブル突破、守備力、スタミナなどなど、特にビッグクラブでは万能が求められる現代フットボールにおいて、キャリックは珍しくパス能力に特化したスペシャリスト。無理に上がることはない。出来る限り中盤の底に位置し、パスで攻撃を作りたがる。パスのレンジは自由自在。ショートのグラウンダーパスから、ロングのフライングスルーと何から何までお手の物。またパスのどれもが嫌というほど正確で、フォームもまた優雅なんだ、これが。そんなキャリックがカンプ・ノウで4-3-3のフォーメーションの下、4番の位置でゲームメイク。おつじゃあないの。
 ただ戦術的に言えばハーグリーブスの方が効果的だとぶっちゃけ思う。バルサの生命線のシャビとイニエスタ。ここの動きを鈍らせるためにはまず運動量だ。ハードなマークで2人を狂わす。先にも書いたようにパスの専門家キャリックにはこの仕事は少々厳しいものがある。そこでハーグリーブスの出番だ。ハーグリーブスは絵に描いたような万能ハーフ。やはり使い勝手はこちらの方が良い。でもキャリックは捨てがたいというジレンマ。スコールズ、ハーグリーブス、キャリックの逆三角形が個人的に理想だと思うが、御大は果たして。


 バルサ対ユナイテッド。世間で注目されているのはやはりメッシーとクリ坊の対決だ。この対決、個人的にはクリ坊の方が一枚上手だと考えている。加入当初から様々な思いでクリ坊を眺めてきた。正直にいって去年の冬までクリ坊には批判的な意見を持っていた。正直嫌いだった。そのスピードとテクニックは既に世界最高ではあったが、それが結果に結びついていなかった。無駄無駄シザースは文字のごとく不発に終わるばかり。放つシュートはことごとく枠をそれ続けた。しょっぱいプレーばかりが目立ち、結果を出せずにいたのが昨季前半までのクリ坊。シュートが枠を逸れるたびに大きなため息を吐いたもんだ。しまいにはクリ坊がシュートを撃っても「どうせ入んないんだろ」と期待さえできなくなっていた始末。それが昨季の中盤戦から変化が見え始めた。珍しくシュートがゴールに入っていく。これが1試合ならまだしも、次の試合もその次の試合も入るんだから、いくらなんでも事情がおかしいと気づきはじめる。気がつけばニステルローイばりにゴールを取っていた。もう既にこの時点でクリ坊に対する不信感は払拭されている。そして今季、そのクリ坊の得点力に磨きがかかった。大事な場面で点を決めてくるのは決まってクリ坊。この決定力はただもんじゃない。決めれる時に決めてくれればそれはもうヒーローで怪物だ。実はしょっぱいプレーは健在で、何も変わっちゃいないのだが、それでもゴールが入るようになり、持ち味はそのまま残しつつ、するべき仕事もキチンと出来るようになったクリ坊。
 長々と書いてきたが、このクリ坊が手に入れたただもんじゃない決定力がメッシーには残念ながらない。メッシーにクリ坊のようなしょっぱいプレーはない。プレーはどれも効果的で、全体的なプレーの貢献度で言えばメッシーの方が上なのだが。だがいかんせんメッシーには決定力がもう一つ足りない。決めてほしい!ここで決めてくれ!という場面で決めれないことが多いメッシーはやはり努めて客観的な立場で見れば、クリ坊に一歩及んでいないといわざるを得ないだろう。この前のエスパニョール戦でも決定的なチャンスは複数あった。でも最終的にはゴールに至ることはなかった。ここに差を感じる。
 とはいってもあくまでそれは総合的に見た上で総合的に比較をすればの話で、メッシーはクラシコでハットトリック出来るような奴なわけだ。メッシーの凄さを語るにはこの事実一つで事足りる。どちらもどちらで規格外のスーパー選手。何をしでかしても何らおかしくはない。ぶっちゃけた話をすれば、この試合でどちらが上回るか、自分には全く検討もつきませんよ、とそういう情けない話。


 こんな俺的世紀の一戦を前に残念な話もちらほら。アンリが発熱で出場が微妙になっているらしい。アンリからすればユナイテッドは勝手知ったる相手なわけで、実際ロスタイムにヘディングゴール決めちゃってくれてたりするのだけれど、かといってユナイテッド的には歴史的に見てアンリにそう大きな仕事をさせた記憶はない。しかもまだあまり馴染めていないバルサでのプレーということで、正直ユナイテッドから見ればあまり重要なニュースではないような気はするが、一方バルサ的にはやはり痛い。アンリが抜けた場合フォーメーションはどうなるか。普通に考えればボージャン、エトー、メッシーだが、個人的にはデコの仕上がり具合だが、イニエスタ、エトー、メッシーで行って欲しい。これがおそらくバルサ最強のトリデンテだから。
 一方ユナイテッドもビダが胃を壊したらしく、なんと病院に搬送されたそうで。病状は悪いわけではなく、すぐにでも復帰が可能だそうだが、なんといっても試合前日の出来事。時間的に間に合うかどうか非常に微妙な状況らしい。ビダがプレー出来なくなったら?そりゃピケが出場する公算が大きいだろう。御大だからこんな時こそためらいなくピケを使ってきそう。ピケはユナイテッドがバルサカンテラから(敢えて言おう)強奪した選手。あぁ、神様は残酷だ。同期はメッシー。同じ釜の飯を食べた仲だが、かといってメッシーも昔のメッシーではまるでない。ピケ自体は殊勝に「僕はバルセロニスタ。だが今はユナイテッドのユニフォームを着ている。勝ちたいよ」と語っている。その勝利を自らバルサを下して掴み取れるか。うーむ、おもしろい。


 そんなこんなでもうあと数時間で試合が始まる。ユナイテッドが9年ぶりにカンプ・ノウに凱旋するわけだ。奇跡をピッチ上で体験した選手は今やもう2人のみ。スコールズにとっては無念にも立てなかったピッチにようやく立つことになる。当時の相手はバイエルンだった。しかし今回の相手はその住人。周りは敵だらけ。バスビーの誕生日もまだ先だ。どうなるか。もう楽しみで仕方ない。

posted by myrowka |00:55 | FC Barcelona | コメント(3) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
キャリック!

突然すみません。初めまして。
管理人さんのblog、あだ名やら分析やらが面白く、毎回見させてもらってます。
私も99年頃からマンユーファンでして、最近は、もちろんクリロナも大好きですが、キャリックに熱いんです!ユナイテッドにいないタイプで、効果的なパサーですよね。
ぜひ今日の試合、キャリックのフィードから、ルーニーのゴールが生まれて欲しいものです☆
あと2時間、待ち切れないです!
長文失礼いたしました。。

posted by calpass | 2008-04-24 01:08

期待>複雑

…さて、いかがでした?お望みの前線の3枚。
わたしの想像とは、ボヤンとメッシの登場の順番が逆でした。
レポたのしみにしてますよ。

ファリノスとメンディエタ、なつかしいですねえ。
メンディエタはボロで消息知れず、ファリノスはセグンダAのエルクレスにいるようですが…(ファリノスなんか、まだ老け込む年ですらないのに)。
デ・ラ・ペーニャと並び、あの頃のセリエAに移籍してキャリアを傾けた代表でしょうね。
ブッダは復活したし、彼らの選択は尊重するけれども、やはりずっとリーガにいたら…とはどうしても思ってしまいます。

posted by 由比彰紀 | 2008-04-24 13:17

期待>複雑

calpassさん

はじめまして。こんなブログでも楽しんでいただけたら何よりです。 私もキャリックは大好きで、中盤で一番プレーが楽しみな選手だったりします。ホントユナイテッドにしては珍しいタイプの選手ですよね。イングランド人の中でもこういう選手は初めて見た気がします。ファギーはよくものにしてくれました。もしかしたらベロンを獲得した際はこんなプレー期待していたのかもしれませんね。

カンプ・ノウでは2人とも持ち味を発揮出来ませんでしたが、オールド・トラッフォードではその真価をバルセロニスタに見せてつけてやってほしいと思います。

長文に関しては全然かまわないどころか大歓迎です。1,2行でサラリと感想残していかれるよりも、思ったことドンドン書いていってくれた方が嬉しいですよ。


由比彰紀さん

可能性は低いと思っていましたが、なんと実現してしまいました。内容は大満足です。攻守のバランス考えるとこのトリデンテがベストだという思いを強くしましたね。このトリデンテ実現にはデコの協力が必要不可欠なんでですが、彼も復活してくれました。地味に今季ベストデコだったんじゃないですかね。十二分に楽しむことが出来ました。

メンディエタはボロでも見なくなりましたねぇ。ファリーノスはセグンダですか。エルクレスは確かバレンシアにありましたっけ。故郷で頑張ってるようですね。移籍一つでスターダムに上りつめる選手からどん底に落ちる選手までピンキリですねぇ。落ちていく選手を見るたび切なくなりますが、またそれがフットボールが持つドラマの魅力の一つであると思ったりもします。願わくばブッダのように復活するシナリオであってほしいです。

posted by myrowka | 2008-04-24 19:10

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