2009年01月05日

「裁き方」を裁くシステムを -岡田主審の現役続行から考える-

高校サッカーのジャッジについて書いてらっしゃる方がいて
ふと思い出したのですが、
日本協会の審判50歳定年制が廃止されたことで
来年51歳になる岡田正義主審(通称ジャスティス)が
2009年も現役続行するそうですね。

ジャスティスは終盤、マイナス方面で目立ってしまった。
・J1最終節・東京ヴェルディ×川崎フロンターレでの、福西退場
・入れ替え戦第2戦での、磐田3ゴール目取り消し
以前から彼の「劣化」を叫ぶ声は多かったのですが、
2連続ミスジャッジによってさらに株価大暴落中のようです。

正直、福西のアレでレッドはあんまりでした。
磐田のは仙台ファンとしておかげさまで熱い夢を見れましたが、
後々冷静になるとファウルには見えないです。
これで仙台の2ゴール目が決まってたら、どういう騒動になったことやら。

ただ、定年制を復活させたり、辞めさせればいい問題でもない。
誤審かましたジャッジを全員処刑してたら、1年以内に審判は絶滅します。

■忘れるべきでない、審判問題

2008年はJリーグの「不祥事」が多く取り上げられましたが、
「スーパー家本ゼロックス劇場」で始まり、
西村雄一主審の「してor死ね問題」で中だるみさせず、
トドメに「最終審判・ジャスティスジャッジメント」を発動させるなど
審判の問題も数多く見受けられました。

毎年のことのようにも思えますが、問題なのは
問題を起こしても、定年制を廃止してでも、
現役続行させざるを得ないような
SR(スペシャルレフェリー)の層の薄さ、そして基準の曖昧さだと思う。
意見書をいくら提出しても、問題解決には至りません。
家本政明主審だけじゃないのか、罰則くらったの。

まあ、家本主審の場合は問題起こしすぎでしたが
「Number」717号(11/27発売)に掲載された
「嫌われた審判:家本政明」という彼視点の記事は興味深かった。
走るフォームやコミュニケーション、感情の改善に取り組んだ過程は
こんなトレーニングをするのか、と純粋に面白いですが
JFAが無期限で担当割り当てを停止した後の話も興味深い。
自業自得とはいえ、本当にケアなしで3ヶ月も放置されるとは。

プロに問題があると見たなら、放置すべきではない。
良いコーチに出会ってある程度改善を見たそうですが、
下手したらひどいジャッジのまま戻ってくる可能性や
人間的に再起不能になる可能性もあったわけですから。

■選手も審判も波はあるもの

正直自分も、観戦する試合で「家本政明」の名前を見るたび
「げ…」と身構えてしまいますが、
最近は多少改善のきざしも見られます。
仮にも、日本に10人といないプロフェッショナルの審判です。
しかし彼に限らず、審判に関するWikipediaを読むと、
たいてい書かれてるのは誤審一覧。
プロが信頼されてないし、信頼に足る技術もないのだ。

まあ、ミスが目立つ商売と言えばそれまでですが
日本だと「裁判官は絶対正義」というイメージがある。
見るほうは「大岡越前のような全能ジャッジ」をイメージしてしまうし、
審判は審判で「我こそは絶対正義」と高圧的になってしまう。
そして、面と向かって批評する文化のないこの国では
「批判」と「バッシング」がしばしば混同されがちです。

高飛車な審判と、敵意ある観客じゃ合意に至るわけがない。

彼らも走ってボールを追う、いわばプレーヤーの1人です。
常によい仕事ができるとは限らない。
しかし、常にカードを手品師みたく大量に出すわけでもない。
いい裁きには6.5以上の「評価」をすることで
良いジャッジの基準を示せるのではないでしょうか。
そして、酷いジャッジに限り「4.5」を叩きつける。
1.0とか毎回つけてたら、信頼性はヤフーのアンケート以下です。

■審判を育てよ、俺たちも育て

個人的な話ですが、2006年ワールドカップ当時に
上川徹主審を見たスペイン人から
「メイドインジャパンは主審も高品質でいいなあ。スペインに輸出しろ」
と言われたことがあります。
3位決定戦のジャッジは、プレーで言えば7.5の大当たりでしたが
積極的なコミュニケーションは、ただのまぐれではできません。

そして欧州のカメラは、上川主審を何度もアップで映し出していました。
ポカをやった審判とは明らかに違うアングルで。
審判を「評価する」文化が根付いている証ではないかと思う。

機械じゃないので、明確な線引きは難しいですが
このように、審判を伸ばすビジョンも育ってほしいものです。

・信賞必罰を明確にし、SRの基準を示す。
・悪ければ批判し、良ければ評価できるシステムを作る。
・技術不足であれば放置せず、不足分を補う教育をする。

サッカー誌では主審の評価点も小さく記載されていますが、目立たない。
ヒドイジャッジを流され続け、ある日いきなり槍玉に挙げられるようでは
選手・観客・審判すべてにとって不幸です。

裏方と軽く見ず、味方と思って甘えず、しかし敵と憎まず。
(そして時に「ふざけんな」と感情的になる)
「裁く」ことの意義を、審判も観客もメディアも考えたほうがよさそうです。

posted by モトヒロ |22:54 | 試合以外の余談・感想 | コメント(3) | トラックバック(0)
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「裁き方」を裁くシステムを -岡田主審の現役続行から考える-

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はじめまして。
こんなに面白いブログがあったのですね。
毎日スポナビブログはチェックしてたのに(仕事中)今までノーマークだったことが悔やまれます。

最近、いろいろなブログでちょくちょく話題に挙げられる「審判問題」ですが、こちらのブログは、にわかサッカーファンの私にとってどのブログよりも分かりやすく、なにより楽しく拝見させていただきました。

私も「家本政明」の名前を聞くと「げ・・・」と思ってしまう一人でしたが、審判にも選手同様に好不調の波があり、成長を見守るべき対象であることを改めて認識させられました。

今後も私のつまらない時間(仕事中)の密かな楽しみとして期待しております^^
長文失礼しました。

posted by Mボマ | 2009-01-06 11:05

「裁き方」を裁くシステムを -岡田主審の現役続行から考える-

コメント投稿者ID :

審判問題というと「誤審」ばかりが注目されますが、ヨーロッパの主審でも後でビデオで見たら、
「誤審じゃないのこれ?」っていうの結構ありますよ。
日本の審判の問題は「ゲームをコントロールする力」のなさだと思うんですけど。

基本は両チームに公平であること。
そして「今日はここまではOK、この一線を越えたらカード出すよ」という基準が、
試合開始10分くらいではっきり見えること。
試合の最初に信頼を勝ち得てしまえば、
「これ、ちょっと変だぞ」という笛があったとしてもゲームは落ち着き、
サポーターも審判にヤジを出さなくなります。
岡田主審に関して言えば、最近やはり体力も視力も落ちてきてるのは間違いないでしょうが、
双方のチームもサポーターも納得させてしまう力は、
日本の主審の中ではまだまだ抜群だと思います。
ネームバリューの大きさも、大きな要因でしょうけど。

posted by 東京人 | 2009-01-06 11:46

「裁き方」を裁くシステムを -岡田主審の現役続行から考える-

コメント投稿者ID :

コメントありがとうございます。

>Mボマさん
お褒めの言葉ありがとうございます。
今後も分かりやすく楽しいブログを目指して精進します。

家本主審、結婚なさって姓が変わるとの噂もありますね。
今後は「當麻政明」主審として仕事をなさるのでしょうか。
まだ若いので、今後の成長に期待したいです。
Numberの記事が本当ならまだ伸びしろはあるはずですので。

>東京人さん
スペインの主審はヒドイ人が結構多い印象でした。
W杯でカード16枚出した人とかいますしね。

うまい主審は基準の線引きも巧みですよね。
迷わない、迷わせないのが彼らの仕事ですが、なかなか難しいものです。
フォルクァーツ主審のような海外からの参考主審もまた呼んでほしいですね。

posted by モトヒロ@管理人 | 2009-01-07 09:51

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