2007年06月30日

【コラム】「帰ってきたチャンピオン」

 ゼッケン「1」は王者の証し。前年、チャンピオンを獲得した者だけが付けることのできる特権を、ニッキー・ヘイデンは今年、堂々とグリッドに並べた。しかし、シーズン半ばを過ぎ、優勝はおろか、表彰台すら遠いポジションでもがき続けていた。

 予兆は、確かにあった。昨年末、古傷を手術した後、リハビリを経て、オフシーズンのテストに入ったものの、900ccから800ccに変わった小ぶりのオートバイに手こずったか、結果は思わしくなかった。

 そして開幕戦で独走優勝を飾ったドゥカティのケーシー・ストーナーをはじめ、追いかけるヤマハのバレンティーノ・ロッシ、そしてチームメイトのダニ・ペドロサらがトップ争いを展開するはるか後方で、ニッキーは必死に走っていた。

 なんとかポイントを取るレース運び。しかし、昨年以上に「ミス」も見られるようになった。世界チャンピオンということで、当初は中盤グループで走っていてもテレビに映っていたが、シーズンが過ぎるにつれ、映る回数も減り、だんだん影が薄くなっていく。

 それでも、ピットで、グリッド上で、ニッキーは笑顔を絶やさなかった。マイペース。それがまるで、ニッキーのモチベーションを保つ「ゲンかつぎ」かのように…

 そして、オランダGPを迎えた。昨年、逆転優勝を飾ったゲンのいいサーキット。最高のロケットスタートを決め、早々と表彰台圏内を捉えて、さらにチームメイトを引き離していく。

 結果は3位。思い返せば昨年、チャンピオンを決めたバレンシアGP以来の表彰台だ。子どものように、素直に喜びを表して、はしゃぐニッキー。ロッシとストーナーの勝負に加え、なにか“清々しさ”を覚えたレース展開だった。

 これで、シーズンはちょうど半分を消化した。今後、2週間後のドイツGPを経て、2連覇中の母国、アメリカGPを控えているニッキー。チャンピオンがトップ争いに加われば、後半戦はもっと面白くなる。

posted by moto |22:31 | MotoGP世界選手権 | トラックバック(0)
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