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アギーレ監督が森重にやらせたかったのは、「アンカー」じゃない。

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ウルグアイ戦は、とても興味深く、おもしろい試合でした。 アギーレがやりたいことがよく見えたからです。 中盤の構成にその特徴が表れていました。

フォメーションは4-1-2-3。 「1」が森重で「2」の処に細貝と田中順也に入っていました。

このフォーメーションだと手拍子で「森重はアンカー」と表現する マスコミが多いですが、アギーレが森重に担わせた役割はアンカー ではありませんでした。

一般的にアンカーというのは、最終ラインの前にいて守備面での 安定感を重視する役割を持ちます。 マケレレがその代表的な選手です。

ボランチとアンカーの違いですが、私見で言えば、ボランチは ポジションであり、アンカーというのは役割だと考えています。 例えば、マケレレはアンカーでしたが、その前にボランチでした。 ダブルボランチの中で、アンカーという守備面の安定感を重視する プレーを求められていたのがマケレレだと思います。

なお、様々な考え方があり、これはあくまで私見です。 私がサッカーをやっていた頃とは用語の使われ方がかなり変化して おり、いま現役でサッカーをやっている方(特に10代)から見ると、 同じ用語でもニュアンスがかなり変わっているかもしれません。

いずれにしろ、アンカーを上記の役割だと考えた場合、アギーレ監督が 森重に期待した役割はいわゆる「アンカー」ではありませんでした。

森重は最終ラインの前にいてバイタルエリアに埋め、相手の侵入を 拒む役割を担うとともに、細貝と田中順也が相手にプレスを掛け、こぼ れてきたボールを拾って展開する、という役割も担っていました。

ですから、森重の役割は「アンカー」ではなく、「バランサー」と私は 呼びたいですね。 少なくともマケレレロールだけをやっていたわけではありません。

アギーレ監督が森重に期待しているのは、アーセナルのアルテタのような 役割なんじゃないかな、という気がしました。

そして、細貝と田中順也の2人のインサイドハーフ。 ここも特徴がありました。 森重がバランサーなら、細貝と田中順也はボールを奪って守→攻への 切換えスイッチを入れる役。 アギーレが狙うベストな形は、細貝と田中順也がボールを奪い切って そのままショートカウンターにつなげることでしょう。 森重がこぼれ球を拾うのでは、ひと手間が増えてショートカウンターが 成立しにくくなります。

そのために、細貝・田中順也という日本人MFとしては比較的フィジカルが 強く、運動量が多く、ガツガツとボールを奪いに行ける選手を選びました。

中盤でパスをつなぐことを重視する人選を行ったザッケローニとは違い、 ボールを奪うことを最優先に人選を行うアギーレ。 非常におもしろいと思います。

つまり、アギーレがやりたいのは、バイタルをきちんと埋めた上で、 中盤でボールを奪って速く攻めるショートカウンター。 堅守を軸足に起きながら、攻撃にもきちんと出るサッカーだと思います。

アギーレ監督自身はポゼッションサッカーでメキシコ代表をW杯ベスト16に 導いたこともあり、別に堅守速攻専門の監督ではありませんが、いまの 日本を見たときにポゼッションサッカーよりもショートカウンターの方が ハマると考えたのだと思います。

その結果、ウルグアイ戦で出場した選手にいわゆるパサーがほとんどいま せん。 試合終盤に入った森岡が唯一のパサーでしょうか。 (本田はパサーという感じではないので、、、、、)

ちなみに、ショートカウンターというと、ドルトムントを思い起こす方も 多いでしょうが、アギーレ監督が狙うショートカウンターは、おそらく ドルトムントとはかなり異なると思います。 高いリスクを負うことで強烈な攻撃力を発揮するクロップ監督と、攻守の バランスを重視するアギーレ監督では、おのずとショートカウンターを 成立させる道筋も異なりますから。

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この記事へのコメントコメント一覧

「アギーレ監督が森重にやらせたかったのは、「アンカー」じゃない。」へのコメント

ご丁寧な返信ありがとうございます

確かにアトレティコが運かセットプレーでしか点が取れないという表現は言い過ぎました。訂正すると共にお詫び申し仕上げます。
アトレティコの場合はしっかりとパスを繋いでビルドアップすることもできますし、時間帯や状況に応じてそうした戦い方をしていることは存じ上げています。

勿論、堅守速攻的な戦い方を否定はしませんし、戦い方の幅として、持ておくべきだと思います。ただやはり、今回のインサイドハーフの人選はクエスチョンを感じてしまうんですよね。守備のためだけのポジションではなく、切り替えのスイッチとして機能性がなくてはだめだと思うのです。サイドバックの押し上げが遅かったり、周りの選手と距離が離れ過ぎてしまっていて攻撃が停滞してしまった原因だったと思います。勿論、発足してまだ初戦なので、それを言ってしまっては酷であるわけですが、それにしても・・というのが個人的な意見です。

試合中に良くフォーメーションを変える、非常に欧州的な戦い方をできる監督ということはこの一戦を見ただけで分かるし、期待感は大きくなりました。

だからこそ幅を持った戦い方をするためにも、そのポジションが気になった訳です。

長文失礼しました。

「アギーレ監督が森重にやらせたかったのは、「アンカー」じゃない。」へのコメント

初コメント失礼します。

僕も、このアギーレのサッカーはおもしろいというか、日本にあってるなぁ、と思って見てました。

できれば、ザック挟まず、岡ちゃんの次にアギーレがよかったなぁ、みたいな。

アギーレ監督が森重にやらせたかったのは、「アンカー」じゃない。

Zizu様、コメントありがとうございます。
仰ることも分かるような気がします。

私は、アーセナルを除けば、昨季の欧州クラブの中でアトレティコが一番おもしろいサッカーをしていたと思います。(アーセナルを除いたのは、アーセナルファンなので、おもしろいかどうかを客観的に見ることができないから)

アトレティコがセットプレーか運で点を取っていた、というのは、確かにそういう試合も多かったですが、それ一辺倒ではありません。
例えば、CL準決勝2nd legでチェルシーを倒した攻撃は素晴らしかったです。
もちろん、堅守のおもしろさは言うまでもない。

ですから、どこか似た匂いを感じるアギーレジャパンのウルグアイ戦はとても楽しく見ることができました。

ただ、私は守備重視でサッカーを見るちょっと特殊な人間なので、このサッカーが一般受けしないことも分かっています。
ですから、Zizuさんのようなご意見の方が多いんだろうな、と思っています。

でも、個人的には、ザックジャパン的なおもしろさではなく、ゲームメーカー不在のサッカーの面白さにも気づいて欲しいんですよね、日本のサッカーファンには。
Jを見ててもそうですが、パスを回すのが正義、みたいな風潮は、日本サッカーを強くすることの障害になっていると思います。
価値観が偏りすぎていると言うか。
だから、いつまで経っても球際が弱く、フィジカルも弱い。プレッシャーを掛けられると、トラップもパスも急にミスをする。

アギーレ監督のサッカーを楽しいと思える価値観が広まれば、それは日本サッカーの多様化や底上げにつながっていくような気がしています。

「アギーレ監督が森重にやらせたかったのは、「アンカー」じゃない。」へのコメント

まぁ私見ですが、インサイドハーフがあれだと流行りのインテンシティはでるけど、極端につまらないサッカーになりますよね・・

勿論今の段階ですが、今回の人選や采配(岡崎の扱い方が特に) には賛同しかねる部分が多々あると思います

試合中に流動的に配置を変える欧州的スタンダードな戦い方には、賛同しますし、希望を感じますが、とにかく前線の配置が理解できないなぁと思うのが今回の私見ですね

まだ初戦ですし、急造チームにあれやこれや言うのは無意味な事は承知してますが、今回のインサイドハーフの選定が最初のフィーリングと考えると不安に思います・・

それこそセットプレーか運で点を取って圧倒的な堅守で勝てるアトレティコみたいなチームならいいですが
日本にそれが出来るのかを考えると
疑問しかでできません

個人的にこれからの代表に必要なのは「俺たちのサッカー」に必要な土台を作る事だと思うので、ゲームメーカーなきサッカーでは面白みも、本当の強さも生み出せないと思います

W杯を経て思い思いだとは思いますが、見ていて面白くて勝てるサッカー(経営の安定はや人気を獲得するためにも必要な要素)こそが日本代表が目指すべき道だと思うので、勝てればいいみたいには進んで欲しくないと思う次第です

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