2008年11月25日
J1 第32節 11/23 (Sun) 16:03 @静岡・ヤマハスタジアム 天候/晴 13.8℃ 49% 観客数/14,766人
磐田 3 ┏1 2┓ ジウシーニョ18’ ロドリゴ54’ カレン・ロバート89'
柏 3 ┗0 3┛ 杉山56' 菅沼74' 古賀86'
磐田 (3-5-2):GK川口 DF岡田,茶野,鈴木 MF犬塚,ロドリゴ,村井,松浦,駒野 FW前田,ジウシーニョ
柏 (4-5-1):GK南 DF大谷,小林,古賀,村上 MF杉山,栗澤,菅沼,アレックス,太田 FWポポ
J1は優勝争い同様、残留争いも熾烈である。
磐田は8月以来、降格圏のボーダーライン上を彷徨いつづけ、磐田の基礎を築いたオフト監督を再び呼び寄せるも未だ浮かびあがれない。10位の柏も、下位との勝ち点に差がなく、降格の不安をぬぐえないでいる。残りは3試合と、カウントダウンも声を張り上げる段階になっており、両チームとも絶対に落とせない試合となった。
磐田は立ち上がりから、前田の裏をつく動きとジウシーニョの精力的な動きに合わせ、DFラインからどんどんロングボールをほうり込んでいく。古賀を中心としたラインを前に、前田になかなかボールが届かずチャンスに結びつかなかったが、18分、柏の隙をつくことに成功する。
ひとつ前のプレイで相手と接触、頭部を打ち、治療していたジウシーニョが、ピッチに入るやいなや、ロドリゴからのスルーパスを受け取り、細かくステップを踏みシュート。ボールはDFにはね返されるが、再び蹴りこみゴールネットを揺らした。
その後、磐田は前線と2列目の距離が開き、トップが孤立。中盤でボールは持てるも、ポジションが全体に収縮してしまい、チャンスが遠のいていく。柏もピッチを大きく使い、特に左サイドを起点に攻撃をしかけるものの、中でのディフェンスは5バック気味の磐田が勝り、点がはいらない。
有効ポイントならば柏の優勢だが、スコアは1−0で前半終える。
今日勝てば来年のJ1シートを確保できる柏が、先に手を打つ。MF太田に代えてFW李を投入。ポポの1トップから、ポポ、李の1トップ1シャドウとし中盤の活性化を図る。磐田は前半の終盤から、トップ2人と松浦が距離を意識するようになり、パスが回り始めている。両チームとも攻撃のリズムが良くなり、後半はブロウの打ち合いとなった。
54分、磐田のFK。駒野の右足から放たれた低い弾道のボールは、意表をつかれた南がかろうじて弾くが、それをロドリゴが押し込み、ゴールイン。2−0となる。
その瞬間、ヤマハスタジアムでは今シーズン最多、14,766もの人は、漆黒に移り行く空に大きな歓声をあげ、同時に勝ち点の計算を頭の中でし始める。
パンチの出し合いでは、そんな隙はやはり突かれる。
スタンドもピッチも落ち着きを取り戻す(計算をし終わる)間もなく、柏の右サイド深いところからのFKを柏MF杉山が頭で合わせて、1点を返された。
打ち合いはさらに派手になっていく。
60分を越え、磐田はコンパクトにラインを保てなくなり、スペースができ、ノーガード。カウンターの応酬により、止めるためのファールが増えてくる(与えた直接FKは26)
74分、柏のスピードに乗った攻撃に、磐田DF陣が振り切られた。柏の右サイドから上がったクロスに、ファーサイドで完全に余っていたMF菅沼が決め、ついに同点とする。
こうなると、サックスブルーの人達は気が気でない。今季の磐田は、先取点を取った試合での敗戦率が、リーグ最下位の4割6分7厘。データによると、リードしてもなんと半分近い確率で逆転され負けてしまう(他のチームは1、2割台)
そんなデータを知らなくても、マズイのは目の前の光景をみれば一目瞭然。
86分、柏の右サイドからのCK。ゴール裏を埋めた柏サポーターの目の前。古賀がゆっくりと上がり、ゴールエリア内に入る。川口が大声で指示を出すが、伝わりきる前にクロスが上がる。いい位置を取った古賀のところ。川口が飛び出すが、その前にボールは古賀の頭により方向を変えられ、ゴールの中に落ちていった。
データ通り、予感通りの逆転。
これで試合は決まったように思われたが、磐田はデータを覆すため、ではなく勝ち点をとるため、カレン・ロバートに続き、中山を投入、茶野も前線に上げ、4トップとし、パワープレイに出た。
この様な策は、往々にして実らないもの。あきらめかけていた89分。CKからカレン・ロバートが頭で合わせ、執念の同点。
磐田は、勝ちが見えた展開から、データ通りひっくり返され、それでも何とか追いついた試合となった。絶対に落とせないゲームを落としながら、順位は残留圏内の15位のまま。他チームも沈んだため、波の上に顔が出た。運はまだ残っているのか。
posted by moonwriter |07:01 |
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2008年11月22日
なでしこリーグDiv1 第20節 11/16 (Sun) 12:00 @三重・上野運動公園 天候:曇→晴 観客数:280人
伊賀FC 0 ┏0 0┓
INAC 7 ┗3 4┛ プレチーニャ1’ 鈴木6’,46' 那須21' 角田68' 米津75' 原89'
伊賀 (4-1-4-1):GK大野 DF山科,佐藤,池内,庄子 MF清原,永留,堤,宮本,吉泉 FW大歯
INAC (4-3-3):GK海堀 DFジナ,山岸,藤村,角田 MF那須,原,澤井 FW米津,鈴木,プレチーニャ
すでに日テレベレーザの4年連続、15回目の優勝が決まっているディビジョン1は最終盤。のこり2試合となった伊賀FCくノ一はINACレオネッサを、ホームで迎え撃った。
伊賀は、INACに開始すぐに先制点を決められると、その5分後にはバックパスをカットされ追加点をいれられる。6分までに0−2とされると防戦一方のゲームとなり、21分にはMF那須にロングシュートを豪快に決められ、前半は0−3。後半も、攻撃的な3トップに対し守備陣を立て直すことができず、4つのゴールをゆるし、0−7の敗戦となった。
敗戦により最下位が確定した伊賀は、12月にディビジョン2の2位、スペランツァFC高槻との入れ替え戦を行う。
伊賀は、試合前の時点で7位の新潟アルビレックスレディースに勝ち点4差をつけられ、最下位。どうしても勝ち点3を取り、来週に望みを繋がなくてはならなかった。
INACも連敗で今節をむかえたが、それでも創部以来最高順位の2位を狙える位置につけており、ともに落とせない試合となっていた。その上、INACのスターティングメンバーには、元くノ一選手が4人はいっており、お互いにライバル意識が強い。順位差ではない好ゲームが期待されたが、終わってみると0ー7。現状での実力の差が出た試合となった。
INACは、1分にFWプレチーニャが決めると、6分、21分、46分、68分、75分と継続的に点を入れる。89分に元くノ一のMF原がミドルシュートをゴールに突き刺すまで、集中力がとぎれなかった。3点を入れたところでほぼ試合を決めていたが、その後も選手は動き続けた。FWは伊賀の中盤の人数が多いと見ると、上下の動きでパス交換に顔を出し、攻撃陣は頻繁にポジションチェンジを行った。DF藤村からは左右に球を散らす、好フィードが何度も見られた。ベンチからは80分を過ぎても、大声で指示が飛び、ベンチ、ピッチ内ともに気を抜いたところは、まったく見られなかった。
伊賀は、見た目、立ち上がりから積極的に攻めていたが、試合に入りきる前にミスから2失点となった。後半も落ち着く前に失点している。ボールが生きているのに、プレイをやめてしまう場面もあり、気持ちの準備や持続ができているとは言い難かった。技術的には雑なプレイや、タッチが多く、相手に寄られてボールを失うケースがよく見られ、またINACの司令塔MF原へのマークが徹底されておらず、好きにやらせてしまった。
0−7は力の差だが、技術の差ではなく、自らのミス、精神的な差で与えた点は、半分はあったように思う。試合への準備ができないままの早い時間の失点や、後半あきらめが見えてしまい大差がつく試合は、今シーズン何度も見られた。今日も、それが解決されないままだったが、これで入れ替え戦は決まった。腹をくくって、リーグ戦1試合と残りの時間でどれだけ、なにができるか。短い時間のなかでは、技術的な進歩はなかなか難しいが、精神的には大きな進歩は可能だ。
試合後、スタンドの観客に向かい、伊賀のキャプテン小野が言ったように「まだ終わったわけではない」
伊賀FCくノ一/MF吉泉 苦笑いするしかない結果だが、今の実力差だと思う。(戦術的に)どうやっても難しかった。しかし今日はどうしても勝ちたかった。入れ替え戦を少しでも上手くなってむかえたい。
posted by moonwriter |10:31 |
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2008年11月15日
なでしこリーグDiv1 第19節 11/9 (Sun) 13:00 @三重・上野運動公園
天候:曇 観客数:630人
伊賀FC 1 ┏1 0┓ 庄子28'
湯郷ベレ 2 ┗2 0┛ 保手濱14’ 田畑47’
伊賀 (4-1-4-1):GK大野 DF村上,佐藤,池内,庄子 MF清原,永留,堤,宮本,吉泉 FW大歯
湯郷 (4-4-2):GK細川 DF津波古,武者,城地,保手濱 MF松田,有町,宮間,田畑 FW田中,中野
残り3試合。
前節、ディビジョン1残留を争う新潟アルビレックスレディースとの直接対
決を落とし、窮地に追いこまれた伊賀FCくノ一は、三重・上野運動公園競
技場に、リーグ5位の湯郷ベルを迎えた。
伊賀FCは、前半序盤にディフェンスの連携ミスから失点するも、押し気味に
試合を進め、28分、DF庄子のゴールで1-1とする。しかし、後半立ち上が
りに、またも連携ミスからゴールを決められると、徐々に試合の主導権を取ら
れ、失点は防ぐも追いつくことができず、1-2で試合を終えた。
伊賀は勝ち点4のまま、最下位。新潟との勝ち点差は4である。
湯郷は、なでしこジャパンの守護神でもあるGK福元を怪我で欠き、前節の
日テレベレーザ戦を5失点と大敗した。福元の今季の復帰は難しく、今日も
ゴールマウスは細川が守る。1週間でどれだけディフェンスを立て直して
きたかが見所となる。
伊賀も故障者に苦しんでいるが、怪我から復帰したMF宮本のフルタイム
出場が可能になって3試合目。新しいシステム、4-1-4-1を導入し、最下位
脱出を模索している。湯郷のMF宮間を抑えるのはもちろんのこと、不安を
かかえるディフェンス陣をいかにつくかがキーになる。
伊賀は立ち上がりから、いきなりプレスをかけていく。あとがなくなった状
況で、守備的な布陣ながらも点を取らなければと、MFラインのバランスを
崩し、前に出ていっている。点につながらないまでも、右サイドから有効な
攻撃が続く。14分、湯郷DF保手濱が右サイドからあげたクロスが、その
ままゴールの中に転がっても、その姿勢は変わらず、押し気味に試合を進
めた。
28分、宮本から出たボールをMF吉泉が前に出すと、上がってきた右SB
庄子が持ち上がる。ペナルティーエリアに入り、ゴールライン近くまでえぐっ
てシュート。湯郷GK細川が左手にあてるも、そのままゴールイン、同点と
した。
7月6日以来、4カ月ぶりのホームでの得点に、どんよりとした冬空の下、
防寒着に身をつつんだ観客は沸き、ホームでの今季初勝利へ期待がふく
らむ。
前半を1−1の同点で終えたが、後半立ち上がり、一瞬、気が抜ける。自陣
左サイドからの湯郷のスローインを、全員が見合い、そのまま湯郷MF田畑
に決められた。
徐々に、伊賀のがむしゃらさが空回りし始める。攻守の切り替えが遅くなり、
オフェンスで崩したバランスを素早く修正できなくなると、DFとMFの間が
開き、アンカーのMF清原が孤立する。後半から、湯郷がトップに足の速い
中川を入れると、DFラインは下がり始め、宮間をはじめ湯郷の中盤に仕事
場をつくってしまった。しかし、湯郷はDFと中盤の連携が悪く、オフェンス
のスピードが上がらない。宮間に頼った攻撃のみで、なかなか追加点を奪
えない。
伊賀も宮本を上げ、FW立岡を投入し、何度がチャンスをむかえるが追い
つくことができず、ゲームセット。1−2で終えた。
伊賀は同点にできた試合ではなく、勝てた試合だった。2度の失点はともに
ミスから。湯郷のDFラインは、サイドの上がりも少なく、ミスも目立った。サ
イドの駆け引きや、トップの動きから、もっと揺さぶることはできた。スライ
ディングタックルも序盤から見られ、気持ちが見える試合だったが、前
がかりになりすぎ、攻撃、守備ともにバランスが崩れた。
あと2試合。
4−1−4−1システムや、序盤に見せた、宮間のFKに対するオフサイドト
ラップなど、勝てない中でも戦術的な手はうっている。今日は気持ちが
空回りしたが、あきらめたわけではない。あとはそのシンクロを期待した
い。
伊賀FCくノ一/MF吉泉 (気持ちが出て)皆がんばっていたと思うが、
私自身もっとできたと思う。(次に向けて)早く切り替えていきたい。
posted by moonwriter |15:40 |
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2008年11月01日
おそらくあの日、あの場所にいたものにしかわからないだろう。コンクリート
の上を、全盛期に遠く及ばないスピードで走っている彼女に、かけられるやむこと
のない声を聞いたものにしか。それに支えられ、とうの昔、何キロも手前で夢はつ
いえているにも関わらず、足を止めることのない彼女の姿を見たものにしか。
高橋尚子はこの春の名古屋国際女子マラソンを、トップから18分遅れの2時
間44分22秒(27位)でゴールし、北京への切符は手にすることができなかっ
た。引退がささやかれる中、その15日後、東京、大阪、名古屋の国内3大レ
ースの連続出場プランを明らかにした。年に1、2レースが限界と言われる、
トップレベルのマラソン競技において、過去に例がなく、驚きと懐疑の声が
多かったが、2週間前、名古屋の沿道にいた人は十分に納得していたと思う。
2008年3月9日、名古屋の街はマラソン一色だった。実質、最後の1枚と
なった北京行きのチケットを巡り、弘山晴美、坂本直子、原裕美子、大南
敬美と実力者が集まり、史上最も注目を集めるレースとなった。発着点の
瑞穂競技場には、2万人ほどがつめかけ、沿道には65万人(!)が押し寄
せた。マラソンコースに沿った地下鉄は観客の移動をさばききれず、駅で
は地上の出入り口にまで人がならんでいた。しかし、多くの人たちの興味
は、オリンピック、日本の代表決定ではなく、高橋尚子だった。
高橋の生まれ故郷はとなりの岐阜だが、名古屋の人たちは、ここは高橋の地元
と感じている。98年の名古屋を、残り10kmからの衝撃的なロングス
パート、当時の日本最高タイムで優勝を飾り、一躍日本のトップラン
ナーに躍り出た。00年には、前半より後半のラップタイムが上げてい
く、度肝をぬいた走りで勝ち、シドニー五輪の日本代表となった。高橋
尚子というランナーを生みだし、世界に送り出したのは、名古屋だと
自負している。それに、名古屋市営のバスには、高橋の顔がデカデカ
と描かれている(客員となっている新聞社の広告なのだが)
70万もの人たちは、代表のゆくえよりも高橋を気にしていた。8年振りの名
古屋でのレース、2年前の東京での惨敗、限界ではないかと言う声。はた
して、Qちゃんは復活できるのだろうか? またオリンピックの舞台にたてるの
だろうか? 9km過ぎ、スタートからわずか30分。最初の給水所から徐々に
ポジションを下げた高橋はトップ集団から遅れはじめた。遅いペースで進
む集団よりも明らかにスピードがなく、追いつく気配がない。早くも高橋と
沿道の希望がついえた。
しかし、ここから変わった光景が始まった。沿道を文字どおり埋め尽くした
観客は、トップ集団が通り過ぎても動かない。5分、10分を過ぎても、幾
重にもなった人垣はとかれることはなかった。自身でも経験のないほど遅
いスピードで、足を進める高橋が現れると、怒号のような声援が飛び交
った。「タカハシー!」「Qちゃーん!」「あきらめるなぁ!」「マラソン
やめるなぁ!」これが延々ゴール地点まで続く。叫び、悲鳴にも似た声は
途切れることなく高橋を追いかけ、その中を高橋はサングラスで目は
見えないが、淡々とした表情で駆けていった。
かつてあれほどの声援の中を走ったランナーがいただろうか。先頭から10
分、15分も遅れて、途切れることのない人垣の中を走ったランナーがいた
だろうか。沿道の声が一体となり、1人の選手の背中を押し続けたレース
があっただろうか。あのとき、速い、強いというだけでないプロのマラソン
ランナーとしての形を見たように思う。70万の人も、結果は残念だが、こ
んなマラソンをまた見たい、また走ってほしいと感じたと思う。高橋も失意
の中に、プロランナーとして充足感があったのではないだろうか。勝てな
くても、調子が上がらなくても、これだけの応援をいただける、また同じ
ようなマラソンをしたい。高橋は前から考えていたらしいが、その思いが
3大大会連続出場につながったと思う。
しかし、その夢もかなわなかった。プロとしての形が見えたところで、プロ
としての走りができなくなった。引退会見の中「精神的にも肉体的にも自
分を追い込めなくなった」と、身体の問題よりも、「心」を先にあげた。振り
返ると、アテネ五輪の代表を逃してから、小出監督からの独立、コーチを
つけないトレーニングなど、新しいことへの挑戦や、「あきらめなければ、
夢はかなうことを証明したい」と意味づけをしながら、気持ちを高め走っ
てきた。3大大会連続出場も、未知、困難な目標を掲げ、「たくさんの方々
にお礼をしたい」と意味づけをしたが、もう気持ちを高められなくなった。
あんなマラソンをもう見られないのは寂しいが、あんなマラソンをもう走
れない高橋はもっと寂しいだろう。
posted by moonwriter |18:00 |
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