独断と偏見の相撲ランキング

11勝での優勝は褒められない。しかし、日馬富士は間違いなく心の長けた横綱だ。

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秋場所千秋楽。 優勝決定戦で豪栄道を土俵の外に寄り切った日馬富士は 優勝が決定した瞬間、相手の背中を2度軽く叩いた。

目の前に立つ豪栄道は、ほんの10秒前、勝たなければならない今場所のライバルであった。 しかし、同時に3横綱2大関不在の苦しい場所を共に盛り上げた同僚を労ったのだ。

まさに横綱としての度量の広さ、優しい心を見せた瞬間だった。

そして、この日見せた心は優しさだけではない。

負ければ終わりの本割で、抜群の立ち合いを披露し、決定戦でさらにそれを上回る出足を見せられたのは 素晴らしい勝負所での集中力であり、心の強さ故だろう。

それが優勝を逃した豪栄道との決定的な違いとなり 日馬富士は嬉しい7場所ぶりに勝利の美酒に酔いしれることとなった。

思えば、横綱日馬富士は多くの批判を浴びてきた。 白鵬という相撲の歴史に名を残す強い横綱が存在するため 立ち合いからの変化を時折見せる日馬富士の相撲は、横綱に相応しくないと言われてきた。

昨年の名古屋場所で優勝したものの、今年に入って、横綱の合格点と言われる12勝を挙げた場所は一度もなかった。

初場所、春場所を連覇した稀勢の里。 夏場所、名古屋場所を制した白鵬に注目が集まり 日馬富士の存在感は希薄だった。

だからこそ、3横綱休場で自身初の1人横綱となる今場所を、相当な決意を持って臨んだはずだ。

ただ、1人横綱という経験のない状況は相当な重圧として日馬富士にのしかかってきた。 初日2日目と切れ味鋭い相撲を見せたものの、 3日目琴奨菊戦で立ち合い成立後の待った要求という注意力の欠けた取り組みで敗れ、瞬く間に3連敗を喫してしまった。

もし、1人横綱でなかったら、ここで休場もあり得るほどの苦しい状況だったはずだ。

ここからなんとか懸命に相撲を取り続け、立ち直ったかに思われたが 10日目に新鋭の貴景勝に金星を配給となった。

取り組み後、 「心と体が一致しないと」コメントしたように

後半戦を待たずに4敗という成績不振に加え両肘両足首の負傷という満身創痍の状態も相まって、心が折れてもおかしくなかった。

しかし、日馬富士は腐らなかった。 むしろ日に日に調子を上げ相撲内容に安定感が増した。 その相撲は、難敵嘉風、御嶽海ら油断ならない相手に付け入る隙を与えず 千秋楽で豪栄道を圧倒する充実したものとなった。

何度もつまづきを見せたものの、日馬富士は最後まで諦めず、そして最後には横綱らしい強さを存分に見せてくれたのだ。

これほどの苦難を乗り越えられたのは心の強い日馬富士だったからこそだろう。

11勝という成績は、記録としては乏しいかもしれないが、我々の記憶にその強さを十分に刻んでくれた。

この先も日馬富士は怪我に苦しむ場所が続くだろう。 横綱としての強さを見せられないこともあるかもしれない。

しかしそれでも日馬富士は今場所見せてくれたような心の強さと優しさを見せて場所を盛り上げてくれるはずだ。

まずは、今場所を締めてくれた、日馬富士に感謝と賞賛の言葉を惜しみなく贈りたいと思う。

ありがとう、そしてお疲れ様でした。



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