『サッカー不毛の地』から『隠れたサッカー大国』へ

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に被災された皆さま、心から御見舞申上げます。

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東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に被災された皆さま、心から御見舞申上げます。

東日本大震災の報を受けたのは、アメリカ東海岸朝方6時40分に携帯が鳴ったときだった。「目覚ましをこんな時間に設定したっけ?」「日本から仕事の電話にしては早いなぁ」などと寝ぼけながら電話主を見ると、北米独立リーグ・ピッツバーグでプレーをする原田慎太郎からだった。そこまで深刻に考えることなく、起きてからPCを立ち上げ、「朝ごはんを」などと思いながら画面を見ると、「東北地方を中心にした大地震が発生」の報が目に入る。

 瞬間的には、その恐ろしさが自覚できなかった。しかし内容を読むにつれ、徐々に言いようのない恐ろしさが……。そこからひたすら繋がらない電話をし続け、自分と妻の両親・家族の安否が確認できたのは約8時間後のこと。妹と連動しながら、何とか幸いなことに両親の携帯電話がようやく繋がった。都内から自宅まで、10時間以上かけて徒歩で帰宅したとのこと。

 CNNなど各局では、日本での震災のニュースを一斉に流しだす。ハワイへの津波の影響の実況中継から始まり、NYの日本人向け有料放送「ジャパンTV」が臨時で無料開放となり、NHKニュースをライブで視聴できるようになると、在米邦人の大部分はTVに釘付けとなった。映像でしか伝わってこないが、その衝撃は凄まじく、言葉にならない。会社に行っても、ネットでニュースを見るにつけ陰鬱になる一方。日米間の情報内容のギャップに、不安に駆られる。

 一方で「自分は何が出来るのだろうか?」と考え、とにかく個人レベルではオンラインから赤十字社などに寄付金を送った。当地の取引先や友人たちからは、多数の励ましのメールをいただく。「Thinking of you」。映像を見るだけであれほどのショックなのだから、当地の方々のことを考えるだけで胸が押しつぶされる気持ちになった。

 スポーツ界ではいろいろな動きがあり、しかも迅速であった。NYヤンキースなどは、すぐに義援金10万ドルを送ることを発表。原田慎太郎(リバーハウンズ)は開幕戦に彼のユニフォームをオークションにかけ、売り上げを寄付する企画を進めている。元日本代表山田卓也も北米でプレーをする日本人選手たちに声を掛け、代表として、どういうムーブメントを起こすのが良いのか、所属クラブのFCタンパベイなどとも検討中。

 元日本代表廣山望が今季プレーをするリッチモンド・キッカーズも、松下公平が今季プレーをするアトランタ・シルバー・バックスも、彼らの合流と同時に企画を立ち上げようとしている。他のプロスポーツ団体たちも様々な形で、支援を公表した。メジャーリーグベースボール(MLB)など各種団体は震災支援ページを立ち上げた。メジャーリーグサッカー(MLS)はリーグ公式サイトのトップページより、この震災支援のページへのリンクを表示させた(アメリカのメジャースポーツのリーグとしては異例のことだ)。
MLSの木村光佑は彼がプレーをするコロラド・ラピッズの試合において、1席につき$5の寄付を決めた(詳細は彼のブログ)。

 一方で筆者も、夏にNYで開催されるアマチュアW杯があり、日本代表のチームメートたちと「何かできないものか」と話し合った。結論を出すよりも、いてもたってもいられなくなり、主将主導の下、チーム皆で日本代表のユニフォームを着用し、マンハッタンで一番の繁華街タイムズスクェアに出向き、街頭で募金活動を敢行することとなった。

 考えるよりも前に行動を取ったにもかかわらず、道行く人々が次々に立ち止まっては口々に励ましやお悔やみの言葉と共に募金に協力をしてくれた。丁寧に「頑張ってね」「皆応援している」「負けるなよ」と真摯に声を掛けてもらいながら、募金をしていただくことができた。街頭で募金活動をするなんて初めてのことだったが、とにかく何かをしたかった。その中でこれほど多くのニューヨーカーたち、観光客たちが日本のことを思ってくれているという事実に感動した。

 後日、近所のカフェで座っていても、あるいはオフィスにいても、「日本人か? 本当に大変だと思うけどがんばってくれ、応援している」「家族は無事なのか?」という言葉をかけられる。また「こんな状況下でも、モラルが高く、復旧や救援に取り組む日本人の強さに驚いている。アメリカだったら皆、規律もなく、各々走り回り、暴動も起きてもおかしくないのに。日本人のメンタリティには敬意を表する」とも言われた。地元の高校生たちも「何かできないか」と学校内で手作りのクッキーやパンを焼き、校内での売り上げを寄付していた。

 日本食スーパーでは、お客さんがわざわざレジの店員さんに「とにかくくじけないで、皆で祈っています」と声をかけにきたり、ユニオンスクエアでは、NY在住のママさんグループが街頭募金活動を実施したり、NYのあらゆるところで、日本に向けての活動を目にする。NYという人種の坩堝(るつぼ)ゆえかもしれないが、多くの人々が応援してくれていることに心を打たれ、感動した。

 遠くからではありますが、東北関東大震災及び信越地区の地震で被害に遭われました皆様、そしてご家族やお知り合いの方が被害地域におられ、心配されていらっしゃる皆様に、一刻も早く平穏な日々が戻られますよう、心より願っております。行方不明者の早期救出、二次災害の防止を心からお祈り申し上げます。そして東北地方太平洋沖地震によりお亡くなりになった方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。

■山田卓也(FCタンパベイ/NASL)
・FCタンパベイと、クラブとして何が出来るかを検討中
・赤十字社現地支社より募金箱を取り寄せ、空港でのサイン会後に募金を呼びかける
・プレシーズンマッチ終了後、会場で募金を呼びかける
・タンパに限らず、フロリダ州内の日本人たちが募金活動をしているオーランドや、メルボルンなどにも積極的に参加
 
■吉武剛(FCタンパベイ/NASL)
・開幕戦、アメリカでプレーしている日本人選手は喪章をつけてプレーする。あるいは、日本国旗をあしらった腕章を作ってプレーする。
・開幕戦に来場した観客と一緒に日本に想いを届けてもらえるよう、選手が作ったメッセージ入りの看板や旗(「pray for Japan」など)をグラウンドに掲出する
 
■原田慎太郎(ピッツバーグ・リバーハウンズ/USL)
・所属クラブが開幕戦でユニフォームをオークションにかけ、売り上げを寄付する予定
 
■広山望(リッチモンド・キッカーズ/USL)
・所属クラブは、広山選手合流と同時に、募金活動をクラブとして公式に実施予定
 
■松下幸平(アトランタ・シルバーバックス/NASL)
・所属クラブは、ホーム開幕戦の売り上げの一部を松下選手の名で寄付することを決定

■木村光佑(コロラド・ラピッズ/MLS)
・個人公式ブログに、赤十字社への募金リンクを掲出
・MLSのホーム開幕戦で、1席につき5ドルを義援金として赤十字社に寄付することを決定

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