2006年11月10日

Soccer United Marketing メキシコ代表USツアー

アメリカ国内におけるサッカープロパティの価値を戦略的に高めようという考えの下、2002年に設立されたサッカーユナイテッドマーケティング(SUM)。

ここで言う「アメリカのサッカー」ということは、欧州や南米のサッカーをプロモートするのではなく、MLSを発展させようと言うことであります。

アメリカ国内に所謂「サッカーファン」は多数存在します。それは先日SUMが実施したバルセロナUSツアーにて3会場全て満員御礼で売り切れた(合計24万人動員)ことや、ドイツで開催されたワールドカップをESPNが全試合生中継したことなどからも解ります。

但し、これが国内リーグ、メジャーリーグサッカー(MLS)の人気と連動しているかというと、話は別です。

アメリカという国は多国籍国家故に様々な国からの移民や民族が混在しております。それ故、その多くが、アメリカに住んでいるものの自分の母国のサッカーを応援しているということが多くあります。

しかし、自分が現在住んでいるアメリカの国内リーグ、MLSのファンかと言うと、そうではないファンの方が未だ多いのが実状でしょう。

そう言った中で、先ずはMLSを知ってもらう、観てもらう機会をどう設けるのか、と言う考えの下、アメリカに現在最も多いヒスパニック系移民のファンを先ずはターゲットマーケットとしたのでありました。

彼らが注目をするのは「メキシコ代表」。

そこで、SUMとしてはメキシコサッカー協会(FMF)と提携をすることに成功し、アメリカ国内におけるFMFのマーケティング権をSUMは獲得したのです。
これにより、毎年5試合前後、アメリカ国内において「メキシコ代表USツアー」を実施することになり、それを取り巻くチケット収益、スポンサー収益などをSUMは得ることになりました。

一方のFMFとしては、金銭的には、多額のアピアランスフィー及び、マーケティング権料を得ることが出来、その上アメリカ国内に住む自国のファンへ感謝の意を示すなど、メキシコ国内に留まらず、アメリカも自国代表の収益源となったわけです。また、代表チームの強化面では、対戦相手との煩雑な交渉や、対戦相手の受入作業、そして試合運営などを全てSUMに委託出来、無料で年間5つ以上の強化試合及び、強化合宿も実施することが出来ることになり、多くの選手のテスト、チーム連携を深める機会増加となったわけです。

試合の開催地はFMF及びスポンサーの希望、チケット売上、そして対戦相手のファン層などの側面から慎重に毎年マーケティングを実施した上で選定されます。対戦相手はFMFとSUMの話合いで決定され、例えばポーランド代表であればメキシコ系移民とポーランド系移民の多いシカゴにて、韓国代表であればLAにてなるべく試合が実施されるようにします。

FMFとしては、アメリカに代表チームを送り込んでキャンプと試合をしてお金までもらって帰るというだけです。

SUMとしては、収益は勿論のこと、この試合をいかに活用して「アメリカのサッカープロパティの価値を高めるか」という命題に沿った活動を実施します。

例えば、一例としてですが、上述したシカゴの試合に関しては、MLSのシカゴ・ファイアの試合とのダブルヘッダにしてみます。こうすることで、ファイアのシーズンチケットホルダーはこの試合をボーナスでもらえることでシーズンチケットの売上に貢献したり、ファイアの試合なんか観たこともないメキシコ系移民及びポーランド系移民に対して、ファイアの試合観戦機会を設けることとなります。

但し、SUMとしては観戦機会を設けるなどきっかけを創出したその次は、マーケティングの教科書に基本として出ている通り、お客さん(ファン、スポンサー、etc)がまた来たくなるようにモチベーションを上げ、その先にどうお得意さんになってもらい、周囲の人も巻き込んで行くのかという部分は、チームの営業に受け渡して行きます。

このようなファンの「観戦機会の創出」と並んで、スポンサー営業も、メキシコ代表USツアーのスポンサーシップと、MLSの「スポンサーシップをパッケージ化」することで、MLSに収益が入ります。

またこの試合のPRコストはSUM持ちですが、ダブルヘッダなので、ファイアにしてみれば自チームのPRコストとSUMのPRコストを合わせてさらに広範囲に両試合を同時にPRできるなど、「予算の面でも価値がMLSに出る」という理屈になります。

最後にこのスタジアムもファイアの自前のスタジアムなので、このようなメガイベントがスタジアムに来ることで「スタジアム収益」も見込めることになります。

要するにこの強力なプロパティをいかに利用して、MLSにも様々な利益を還元できるのかが、SUMの仕事の大事なポイントであります。単にメキシコ代表をアメリカに呼んで試合を実施してお終い、というわけではありません、。このようにしてメキシコ代表USツアーは、戦略的にアメリカ中を毎年行脚しております。

2003年頃から始まったFMFとSUM間の提携は、2006年のワールドカップ後も、また4年間更新されることになりました。

【2006年結果】

1/25       vs. Norway @ San Francisco     2-1       44,729
2/15       vs. Korea Rep. @ LA            0-1       64,128
3/1        vs. Ghana @ Dallas             1-0       19,531
3/29       vs. Paraguay @ Chicago         2-1       46,510
5/12       vs. Venezuela @ Pasadena       1-0       58,127

【2005年結果】

1/25       vs. Sweden @ San Diego        0-0        35,521
3/9        vs. Argentina @ Los Angeles   1-1        51,345
4/27       vs. Poland @ Chicago          1-1        54,427
11/16      vs. Bulgaria @ Houston        0-3        35,526
12/14      vs. Hungary @ Phoenix         2-0        32,466


20061110-01.jpg


<続く>


posted by mls_sum |04:30 | Soccer United Marketing | トラックバック(0)
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