2006年08月12日

レッドブルパーク

メジャーリーグサッカー(MLS)の多くのチームは、アメリカンフットボールのスタジアムをレンタルしている場合が多い。

しかし、平均観客入場者数が1万6千弱のMLSにとって7万人から8万人規模のアメフトスタジアムを利用すると、見た目のみならず、スタジアムに来た観客にとっても閑散とした印象を与えてしまい、興奮を皆で共有しにくい。

そこで、近年のMLSの最重要課題の一つが、各チームがそれぞれ自前のサッカー専用スタジアムを建設することである。この方針を推進して以来、ここまで13チーム中、6チーム(ロサンゼルス・ギャラクシーチバスUSAFCダラスコロンバス・クルーシカゴ・ファイアトロントFC)が自前のスタジアムを建設・保有することになった。

2~3万人程度収容するスタジアムに、1万6千人が入ると、スタジアム内は言うまでもなく、今までの閑散とした雰囲気とは異なった、満員の興奮に満ちたものとなり、スタジアムに来たファンも違った「観戦体験」と共に帰路につくことになる(これが「楽しかった、また来たいな」という心理に繋がる)。

チームも、初期投資は莫大であるが、延々とスタジアムレンタル料を払わなくても良く、コンセッションスタンドや、グッズ売り場、駐車場、スポンサー、レストラン、VIPスィートボックスからの収入がそのまま懐に入る。

この更に先の話をすれば、「スタジアム運営」になるが、いかに自分の箱であるスタジアムを他のイベント(コンサート、貸し会議、スタジアムツアー、etc)にも使用するか。今度はスタジアムを「貸す立場」に変わるのである。1年の間にどれだけこのスタジアムにイベントを誘致し、運営し、収益をあげるか。スタジアムの灯を消さないようにするのが肝である。

こうすることによって、そのスタジアムはその地域のシンボルとなり、多くの人々に認知されることになる。それ故、ここで初めて「ネーミングライツ」が登場をするし、スタジアム建設、土地代などの莫大な初期投資に税金を投入する話になってくるわけである。ネーミングライツはスタジアムにペタンと企業名を付ければ良いわけではなく企業のROIをきちんと検証しなくてはならないし、公共税を投入してこのようなスタジアムを建設するには色々と複雑な論理が背後にうごめく。
(この「ネーミングライツ」は長くなるので、また別の機会に回します)

前置きが長くなってしまいましたが、この度、MLSのNYレッドブルズも自前のサッカースタジアム(Red Bull Park)着工式の予定を発表した。

2万5千人収容のサッカー専用スタジアムで、2008年の冬に完成をする。現在レッドブルズは、ニュージャージーにあるジャイアンツスタジアムを利用しており、この自前のスタジアムが建設されることで、大きく色々と変わることが期待されている。

このほかにも現在、コロラド・ラピッズレアル・ソルトレークニューイングランド・レボリューションもスタジアム建設の計画を進めている。10年経過したMLSのここからの飛躍にこの戦略は繋がるものだと思う。



20060812-00.jpg



  • 共通ジャンル:

posted by mls_sum |05:26 | New York Red Bulls | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加

トラックバックURL
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/mls_sum/tb_ping/10