2007年08月23日
「時間の無駄だよ!」
シーズンも残り11試合となりました。先日3回目(最後)の査定を受けました。結果は、インターフェアランスのルールの適用は間違えるは、その時監督へはまずい対応をするは、退場すべきでない選手を退場にしてしまい、スパーバイザーの目の前で今シーズン最悪の試合をしました。今年の自分を象徴する試合となりました。 査定の2日目・私が塁審のとき、際どい盗塁の判定で、自分がアウトをコールすると、攻撃側の1塁コーチが文句をいい、1塁側のダッグアウトは大声でかなりの不平を言い、ファンは大ブーイングでした。自分はまたやってしまったと思いました。。。。もうそれ以降の試合はそればかりが頭に残っていました。 試合後、スーパーバイザーがそのシーンをビデオに撮ったと言いました。自分は『あ”~』と頭を抱えました。スーパーバイザーが『おまえ間違ったと思ってるの?』自分は『分からない』と答えました。。。ところが3塁側から撮影されたそのビデオを見ると明らかなアウトでした。 スーパーバイザーが『何も文句言わなかったのは、3塁のコーチズボックスにいた攻撃側の監督とその走者だけだよ』『彼らは自分のコールが正しいのは知っていたのだよ』と言いました。 そしてスパーバイザーは『そこだよお前の弱いところは』『自分を信じていないところ』そして彼はこう言いました。『他の人は言わないかもしれないが俺は本当に正直に言うよ、誤解するなよ、もし、もしお前が来年戻って来れるとして。。。そして自分自身を信じていないこのような同じ事をしていたら、俺の時間じゃない、パートーナーの時間じゃない、マサキ、おまえ自身の時間の無駄だよ!』と。 かなりのショックでした。。。それを言われた事と自分のした試合のことを考えると、その夜はほとんど寝れませんでした。もう自分の審判人生も終わったと正直思いました。自分はどん底に落とされた気分でした。もうこの世の終わりぐらいだというぐらい落ち込みました。 でも雨で中止になった他のクルーが私達のその査定されていた試合を見に来てくれて、とてもいいアドバイスをもらいました。『お前はとてもいい動きしていたよ、でも何か自信がなさ気だったよ、もっと胸張って、自信もって、1度フィールドに入ったら、そこはお前のもの、自分がコントロールするんだ、コールした後は、下を向かずに選手見て文句あるなら言ってみろぐらいの態度をするんだ、文句言われたらもっと選手、監督に言い返せばいいんだよ、このレベルにいるということはその実力があるんだから』と。 それ以降の自分の試合に対する態度は180度変わりました。とにかく胸張って下を向かずに、自分を信じることを心がけると、今年失った自信が少しずつ戻ってきました。そうすると試合も徐々に楽しくなってきました。そして不思議な事に今までとは比べ物にならないくらいハッスルできる自分がいました。プレイもよく見える気がします。自信を持つとそれと共に様々なことがプラスに働いていくのだと気づきました。 スパーバイザーの言葉にあるように来年ここに戻ることができる保証は全くありません。正直解雇されるのが怖いです。ただ今はどうしても『もう1年だけはやりたい』『このどん底から這い上がってやりたい』『来年だめならあきらめもつく』『まだ自分は向上できるんだという事を証明したい』その気持ちでいっぱいです。とにかくいま自分にできることは、来年につなげる為にも残り11試合全力でやる事です。
posted by 野中雅貴 |01:14 |
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オレの時間だ!
かつてセリーグの審判を辞めた方の著作を読んだことがありますが、辞めるきっかけになったのは判定を巡って暴行を受けたことではなく、自信を失ったことだとありました。
自信を失うと、自分のコールに自分自身が疑心暗鬼になってしまい、これまでは確信をもっていた自分なりの判定基準が揺らいでしまい、判定があいまいになって、それがさらに自信を失わせ、それがさらに判定を不安定にさせる、という悪循環に陥ってしまった、ということでした。
選手と同じように、審判にもスランプがあるのでしょうが、審判の場合、それを抜け出るのはやはり精神的な力がいちばんではないでしょうか。
ガタイの大きい外人選手たちに囲まれて、それでなくてもストレスは多いでしょうが、だれかがやらねばならない仕事であり、自分から飛び込んでいった世界です。残り試合のご健闘を日本から応援しています。
posted by 阪神大本営 | 2007-08-23 07:01
Re:「時間の無駄だよ!」
日本でもつい最近行われたばかりの甲子園決勝でいかがわしい判定があって、
それに対して負けた側の監督が文句を言ったということがあり、
一部ニュースで取り上げられています。
審判も人間、失敗はつきものです。
しかし、審判は試合にとって「絶対」の存在です。
審判が誤審をしようが、フラフラしてもらっていては、気分が悪くなってしまいます。
向上心と自信をもってのプレーを期待しています。
posted by DAWN | 2007-08-24 04:07
Re:「時間の無駄だよ!」
「時間の無駄」という言葉、とても優しい言葉に感じました。
審判としての自分。父親としての自分。夫としての自分。
そして自分自身という人間。全て切り離す事はできない自分の人生だと、昔夫に言われた事があります。
そういう事を理解してくれている人だからこそ、言ってくれた言葉のような気がします。
残りの試合を無駄にせず、そしてちゃんと今の自分の気持ちを伝える事が大切な事だと感じました。
言わないと伝わらない。
それがアメリカだと思います。
残りの数試合、全力で戦って来て下さい。
遠くで応援しています。
posted by Tomoko | 2007-08-25 02:40
Re:「時間の無駄だよ!」
今考えれば、スーパーバイザーに言われた言葉は自分の目を覚まさせてくれる「喝!」だと思っています。本当に今の自分をまたスパーバイザーに見てもらいたいくらいです。それはできませんが残り全力でがんばります。コメントありがとうございます。
posted by 野中雅貴 | 2007-08-28 00:53


