2008年05月25日

バレーボール女子世界最終予選 日本vsタイ  タイの置かれた立場

バレーボール女子世界最終予選

第六戦も日本は勝って六戦全勝となりました。

この六戦目のタイ戦。
タイとしてはちょっと難しい立場にありました。

この第六戦が始まる前の段階で、タイはオリンピック出場権を獲得する仕方が二通りあります。

パターン1
日本とカザフスタン、残り二戦に連勝して、ドミニカ共和国が最終戦で韓国に負け、三勝四敗で並ぶドミニカと韓国を得点率で上回って四位に入り出場権を得る方法。

日本がタイに負けた場合、最終戦にセルビアに勝っても、ポーランドを得点率で下回る可能性が高く、一位になる確率が低いため、タイは日本に勝った場合は四位を目指すしか手がありません。

パターン2
日本に負けてカザフスタンに勝ち、韓国がドミニカに負けるのを祈って、二勝五敗で並んだ韓国を得点率で上回り、日本が一位通過してアジア枠で出場権を得る方法。

日本はタイに勝てば、最後のセルビア戦に勝つことで一位通過できます。
そうすれば、アジア枠が下位のチームに回ってくることが期待できる。

タイとしては、
A ドミニカが韓国に勝つと思うなら、日本に自分たちが負けた方がいい。
B ドミニカが韓国に負けると思うなら、日本に自分たちは勝たないといけない。

この二つを天秤に賭けないといけない、という状況でした。
Aの場合は、日本がセルビアに勝つことを祈る、というのも付いてきます。

ドミニカが韓国に勝ち、かつ、日本がセルビアに勝つ可能性と、韓国がドミニカに勝つ可能性と、どちらが高いか。
そんなことは分かりません。
分からないということは、タイは、日本に勝った方がいいのか負けた方がいいのか分からない、ということになります。

試合前のタイチームに、試合中のタイチームに、そんなことが頭にあったかどうかは知りませんが、理屈上は、そういうことを考える余地があった試合である、ということです。


実際には、ドミニカとタイの得点率の差が大きくなっているので、パターン1でタイがドミニカの上へ出るのは難しい状況があります。
ですから、消極的にパターン2を選ばざるを得ず、ドミニカが韓国に勝ちセルビアに日本が勝つことを信じて、今日の試合は得点率をなるべく下げないようにして負ける、というのがタイにとって最善手、という考え方もありえました。

または、日本に大差で負けて、日本に得点率を稼いでもらって、明日、セルビアに僅差でなら負けても一位通過できる状況を提供し、自分たちは翌日得点率を挽回し、韓国を上回れるようにする、というやり方ももう一つありました。


結果として、タイは、得点率をほとんど下げることなく日本に敗れ、勝ち数では韓国を下回るものの、得点率は上回っていて、明日、韓国が負けてタイが勝てば韓国よりも上の順位になる、という状況を作ることになりました。

本人たちが狙ったことかどうかなんてことは分かりませんが、負けたけれどもそれが最善だったのかもしれない、というのがこの試合の2-3フルセット負け、というタイにとっての試合結果です。


これは、アジア予選と最終予選を兼ねる、という大会システムが生み出した状況です。

無気力試合だったとか、結果操作を狙っていたとか、そういうことを言うつもりはありませんし、思ってもいません。
ただ、そういうことが頭をよぎる可能性がある状況下での試合だったということです。


負けた方がいいかもしれない試合、というのが公式戦の中にあるというのは不健全であると思われます。
大陸予選と世界予選の混在、というのはこのようなおかしな状況を生み出す弊害をもっているというように見えます。

posted by minor |00:00 | バレーボール | トラックバック(0)
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