2007年10月01日
かつてのK-1らしさが戻ってきたが、いまのK-1らしさも相変わらず
■K-1らしさが戻ってきた K-1ワールドGPソウル大会が29日、ソウル・オリンピック第1体育館で行われた。 K-1は初期のころの熱気を取り戻しつつある。 ソウルの観客が盛り上げてくれたばかりではなく、実際選手の熱気が伝わってくる試合が多かったように感じた。 急遽対戦相手が変更となったジェロム・レ・バンナは格下とはいえパク・ヨンスに強烈な右フックを浴びせKO勝ち。 バダ・ハリも実力者ダグ・ヴィニーに鋭い右ストレートを見舞い、こちらもKO。 判定続きのボクシングに見飽きた贅沢な視聴者を惹きつけた初期のK-1の、豪快とも爽快とも言えるKOシーンが続き、魅了された。 日本人対決となった藤本と沢屋敷の一戦も面白かった。 沢屋敷が序盤から鼻出血。藤本も右まぶたをカットし流血戦となったが、沢屋敷の的確な打撃が徐々に藤本の動きを止め、最後は藤本の足の踏ん張りを奪った。 最後はグダグダな展開に見えてしまったのはもったいなかったが、意地のぶつかり合いの伝わってくる良い試合だった。 ■ハリッド“ディ・ファウスト”の奮闘! 特に印象的だったのはハリッド“ディ・ファウスト”の粘り。 本調子ではなかったようだが、グラウベ・フェイトーザのパンチを、膝を、何発もくらいながら、踏ん張って威力ある打撃で逆に相手を追い詰める。 やられそうな選手が踏ん張って起死回生の一打をふるおうとする姿は、何度見ても見るものを興奮させる。 それは韓国・ソウルの地でも当てはまったようだ。 試合前の紹介VTRで「格闘技は趣味」と言っている姿からはとても想像できない、プライドがあるのだろう。 ■しかし残念な点も多々あり まず残念だったのは、レイ・セフォーの体調が万全ではなかったと思われる点。 ピーター・アーツとのベテランながらパワー対決が見ものと思われたが、明らかにセフォーが精彩を欠き、いつになく脆くマットに沈み込む様は見たくなかった。 次回は体調を戻して戦って欲しい。 次に残念だったのは、レミー・ボンヤスキーとステファン・レコの一戦。 前回のローブローによる不完全燃焼な試合が伏線となり、一触即発の危険な雰囲気は痺れさせるものがあった。 ボンヤスキーの膝は確かにレコを捉え、一瞬レコの意識が飛んだように見えたため、まあこのようなジャッジも仕方ない。 ただ、レコがすぐさま立ち上がったため、続きを見たかったのも事実。 物足りなさは残った。 そして・・・どうしてK-1はこうなのか。 誰もが「またか」と思ってしまったのではないか。 相変わらずの不信感を見るものに植え付ける結果になってしまったチェ・ホンマンとマイティ・モーの一戦。 ホンマンの右前蹴りがモーの股間をえぐっているにも関わらず、モーのダウンを取るレフェリー。 モー以外の誰もがそれに異を唱えない。 過去にあからさまな日本人スター選手へのホームデシジョンでさんざん物議を醸してきたにもかかわらず、今度は韓国スターへのホームデシジョン。 微妙な判定の際に地元優位になるのであれば仕方ない。 しかし今回は微妙でも何でもない。 ローブローに悶絶するモーの腰をたたいていたのだから、レフェリーはホンマンの打撃がモーの股間に当たったと思ったのではないのか? にもかかわらず突然手のひら返しでダウンを取る今回のレフェリングはあまりにもひどい。 ジャッジの1人だけ、両者ドローをしたのがせめてもの救いか。 K-1の隆盛はわかりやすいKOシーンから始まった。 そして、アンディ・フグのようなヒーローさえも一撃に倒れる無情さ、リアルな世界感だったからこそ、勝者への尊敬と、ファイター達への感動があった。 そこをもう一度思い出して欲しい。 K-1オフィシャルサイトでのMVP投票に圧倒的にマイティ・モーの名があがっている皮肉を噛み締めて欲しい。
posted by 与田創 |23:15 |
K-1 |
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