2007年07月18日

輝いた縁の下の力持ち~浦和vsマンチェスター・U~

 今年の「さいたまシティーカップ2007」のMVPは、C.ロナウドに決まってしまった……。

 小雨が降り続く埼玉スタジアムで、浦和vsマンチェスターUの試合が行われた。結果は2対2のドロー。いかにも「これは親善試合です」という結果に終わったが、その結果とは対象的に、内容は親善試合らしからぬ雰囲気だった。
 暢久がC.ロナウドにスライディングを見舞えば、そのお返しとばかりに、ルーニーが後ろから細貝をざっくりと削った。私は、そこに国内リーグ王者同士の意地とプライドを垣間見た気がした。
 どちらの赤がより赤いか? 赤vsレッドの仁義なき戦いである。
 去る7月14日、浦和は、激しい雨の中行われたG大阪とのナビスコカップ第2戦を2対5というスコアで大敗した。その悪い流れを断ち切りたいという思いもあったのかもしれない。

 やはり、観客の注目度No1はC.ロナウドだった。
 彼がボールを持てばスタンドがどよめく。ドリブルすれば歓声が挙がる。ボールを2回、3回とまたごうものなら大歓声だ。「なんであいつだけ…」と嫉妬する同じマンU選手たちのぼやきが聞こえてきそうで滑稽だった。
 後半には、自ら逆転ゴールを決めて見せた。その端正なマスクから笑みがこぼれた瞬間、黄色い声援が日本全国から聞こえてきそうなほどかっこよかった。
 彼は、先代の背番号7(ベッカム)にひけをとらないほど、人を魅了するプレースタイルと、整ったルックスを合わせ持つ“スター選手”なのだとこの時実感した。
 悔しいが、今の浦和に…いや、今の日本には、彼に対抗できるスター選手は存在しない。MVPが彼に決まったのも自然な流れなのだろうか…。

 ここで私は、「ちょっと待った!」と言いたい。このMVPの選出には異義ありだ。誰かを忘れてやしないか。
 彼らしからぬ(?)目の覚めるようなミドルシュートから生まれた先制点の場面を思い出してもらいたい。得点後の勝ち誇ったかのような彼の表情を思い出してほしい。
 そうである、浦和一筋11年。内舘秀樹33歳の活躍を忘れてはならない。年齢を重ねた分だけ肉体的な衰えは否めない。ベンチを温めることも多々ある。試合に出ても派手なプレーは皆無。ルーニーに軽くドリブルでかわされ、必死にその背中を追いかける場面もあった。しかし、そんな彼が長い間、地味に(?)コツコツと浦和を支えてきた姿勢を、私はとても評価している。
 そんな中、ついに彼がスポットライトを一人占めする瞬間を迎えたのだ。世界の強豪マンUを相手に、珍しくも(?)豪快な一発を見舞ってやったのだ。

 私は、「MVPは内館だ!」と声を大にして言いたい。ロナウドが凄いのはよくわかった。彼は世界のスーパースターに間違いないだろう。彼と比較したら内館は月とスッポン(悪気はないよ)かもしれない。
 だが、この試合で、私の目に最も輝いて映った選手は、ロナウドではなくウッチーだった。私は、彼の謙虚で献身的な姿勢が大好きだ。だからこそ、派手なことをやってのけた時は、人一倍応援したくなる思いで一杯になる。

 MVPの発表後、浦和の応援席からは内館コールが巻き起こった。もちろん私も賛同した。
 しかし、その声援は、冷たい夜空に虚しく吸い込まれていった。細かく降り注ぐ雨粒は、そんな浦和サポーターの想いを物語るかのように、静かに緑の芝を濡らすばかりだった。

posted by 浦和.com |19:31 | その他 | コメント(5) | トラックバック(0)
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