2007年05月04日

名門ミランここにあり!!~ミランvsマンチェスター・U~

 「春眠暁を覚えず」。この季節になると、必ずどこかで耳にする言葉である。カーテンの隙間からは、お日様の光が力強く射し込んでいるにも関わらず、私にとってそんなことはお構いなし。「これでもか!」と言わんばかりに“爆睡”する昨日の私。
 なんたってゴールデンウィーク! 今のうちに“寝れるだけ寝とけ”というシンプルな発想からくる爆睡なのか? それとも、春の訪れと共に、私の“睡眠欲”も旺盛になった結果なのか?
 実は、その原因は単純明快。それは、“イタリア最後の砦”となったミランの戦いを、眠い目をこすりつつ、夜を徹してライブ観戦したからなのだ。日本との時差が約8時間あるイタリアで行われる試合を日本でライブ観戦するには、睡魔に負けない強靭な“忍耐力”が必要なのだと改めて実感した。
チャンピオンズリーグ準決勝2ndleg、“ミランvsマンチェスター・U”の大一番は、ミランのお膝元であるサンシーロにてキックオフされた。そして、私は主審の試合終了のホイッスルを子守唄代わりにして夢の世界へと旅立ち、目覚めたら、お日様が一日で最も高い位置にあったという訳である。

 さて、この日のミラノは激しい雨に見舞われた。TV中継の映像越しでも、その凄まじさが見てとれた。しかし、その激しさを最もよく表現していたものは、現地の集音マイクに雨粒があたる大きな音であり、それがとても臨場感に溢れていた。
 当然のごとく、ピッチは非常に滑り易くなっているであろうし、選手達もボールコントロールに余計な神経を使わねばならない。こんな悪環境の時こそ、ホームのアドバンテージが生きてくるのではないだろうか。ミランにとって恵みの雨になるのかもしれない。

 そんな雨が降りしきる中、試合開始のホイッスルが鳴り響いた。オールドトラッフォードで行われた1stlegを3-2というスコアでおとしたミランは、少なくとも、この試合に勝利せねば決勝のステージには進めない。つまり、失点しないことも大事だが、得点することの方が重要な試合となる。
 そんな状況におかれたミランの先発であるが、FWはジラルディーノではなく“ピッポ”がスタメンに名を連ねた。故障しがちな彼であるが、大一番に強い男なだけに、頼れる選手が戻ってきたといった感じである。
 得点こそなかったが、私はこの試合での彼のプレーを評価したいと思う。やはり、彼の最大の長所は、DFラインの裏を狙う動きにある。ピッポといえばオフサイド。オフサイドといえばピッポ。と言われるぐらい最終ラインギリギリで勝負する男である。そして、10回試みて9回はオフサイドにかかるが、残りの1回は成功させ、GKと1対1の決定的場面を作り出す男である。相手DFにしたら、これほど嫌な選手もいないのではないだろうか。下手にDFラインを上げようものなら、裏のスペースを虎視眈々と狙うピッポの餌食となってしまうのだから。
 この試合で“カカ”が比較的中盤で自由にスペースを使えたのも、相手DFラインを下げさせたピッポの貢献が大きかったのではないかと思う。前半11分、カカが挙げたミラン待望の先制点の裏には、そんなピッポの存在がキラリと光っていたように感じた。
 その後、セードルフが追加点を挙げて、ミランは前半を2-0という上々の出だしで折り返すことに成功した。

 対するマンチェスター・Uは、キーマンとなるC・ロナウドとルーニーがミランの厚い守備の前に苦戦し、本領を発揮できずにいた。この厚い守備を演出していた主な役者が、ガットゥーゾアンブロジーニである。彼らの働きは、まさしく“つぶし屋(クラッシャー)”と呼ぶに相応しいものだ。ネスタとカラーゼが守備網を敷く最終ラインの手前で、彼らが精力的に守備をするおかげで、ネスタらは余裕をもった守りが可能となっていた。
 突然ではあるが、ここで「ミランの強さの源は?」と質問されたら皆さんは何と答えるだろうか。やはり、現在CL得点王のカカを真っ先に思い浮かべると思う。確かに彼の存在なくして今のミランはない。しかし、私はミランが持つ最大の武器は、この“中盤の守備力”にあると思う。ガットゥーゾ、アンブロジーニ、セードルフ、ピルロを中心に組織された守備は、他のクラブではなかなかお目にかかれない代物だと思うし、非常に地味で目立たない部分かもしれないが、ここがミランの生命線になっていると思う。

 結局ミランは、最後まで集中力を切らすことなく、3-0でマンチェスター・Uの牙城を攻め落とすことに成功した。マンチェスター・Uは、この試合の直前に行われたプレミアリーグ第31節エヴァートン戦で、劇的な逆転勝利を飾って勢いに乗ったかに思われたが、このイタリアの地で、3冠という夢と共に果かなく散ってしまった。サー・ファーガソンの心中は如何に・・・。
 試合は結局、ピッポに代わってピッチに入ったジラが、後半にトドメの3点目を挙げて、ミランの完勝で幕を閉じた。イングランド勢に周囲を包囲され、まさに四面楚歌のミランであったが、“イタリア最後の砦”が、その実力をまざまざと世界中に見せつけた形となった。

 ついにアテネ行きの切符を手にしたミラン。決勝は因縁の相手“リヴァプール”。ミラニスタの間では禁句となっていた“イスタンブール”を過去へと追いやり、何としても栄光の“アテネ”という言葉で塗り替えたいところだ。ミランにとって、そしてミラニスタにとっても、願ってもない相手が決勝まで勝ち上がってきてくれたものである。
 ビッグイヤーを掲げるのは、マルディーニか? ジェラードか? 決戦の火蓋は、5/23 アテネオリンピックスタジアムにて切って落とされる。

posted by 浦和.COM |08:39 | UEFAチャンピオンズリーグ | コメント(7) | トラックバック(0)
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