2007年01月06日

ACミラン ~苦悩の06/07シーズン前半戦を振り返る~

 今回は私が応援する「ACミラン」の06/07シーズン前半戦を振り返ってみよう。だがその前に、まずは今年のドイツワールドカップについて話をしなければならない。結果は皆さんご存知のように、イタリアがその栄冠に輝いた。ミランからは、ネスタガットゥーゾピルロジラルディーノインザーギの5人がイタリア代表に選出された。その中でも「ピルロ」はグループリーグから決勝まで全7試合(667分)に出場しチームに貢献した。レジスタとして世界屈指の選手へと成長した彼は、ミランと同様にイタリア代表の中でも必要不可欠な選手であったことが分かるだろう。
 さて、およそ1ヶ月におよんだ激闘を制したイタリアの選手たちだが、必ずしも晴れやかな気持ちで帰国した選手たちばかりではなかった。その頃イタリア国内では、ユヴェントスの元オーナーであるルチアーノ・モッジの「不正疑惑問題」がスキャンダルの嵐となって吹き荒れていたのだ。その影響をミランは少なからず受けてしまった。ミランへの判決は以下の通りだ。

・05-06シーズンの勝ち点から-30ポイントのペナルティ。
・新シーズン開幕時から-8ポイントのペナルティ。
・1試合のホームスタジアムの使用禁止。
・罰金10万ユーロ。
また、ミラン副会長であり、レーガ・カルチョ会長でもあるガッリアーニ氏も9ヶ月の職務停止を言い渡された。(06年8月現在)

 05-06シーズンのミランの勝ち点は88ポイント(2位)であり、チャンピオンズリーグ(以下CL)本選からの出場権を得ていたのだが、判決の結果、ミランは勝ち点58ポイント、順位を3位まで落とすことになってしまった。つまり、予備予選から戦わなければならなくなってしまったのだ。果たしてこのペナルティは正当な判決なのだろうか?ミランがどれ程この事件に関与していたか私には知る由もないが、私は真実が闇へと葬り去られた気がしてならない。カルチョの世界に渦巻く「腹黒い部分」を見せられた気がした。しかし、全て推測の枠を超える事はないのだ。そして、Jリーグも世界のサッカーから学ぶ事はまだまだ多いが、この事件を反面教師として受止め、よい教訓として頂きたい。

 予備予選の日程は8月9日に第1戦、8月22日に第2戦が行われた。相手はセルビア王者の“レッドスター・ベオグラード”。7月9日にW杯決勝を終えたばかりの選手達は、その疲労を癒すべく、セリエA開幕までのバカンスを満喫中であったが、無常にも“ミラネッロ”に緊急集合する羽目になった。選手達のコンディションが心配されたが、ミランはセルビア王者をトータルスコア3-1で退けることに成功し、見事グループリーグに駒を進めた。
 そして、9月からは過酷な06/07シーズンへと突入していく。ミランの選手達を待っていたのは、セリエA、CLグループステージ、EURO2008予選の厳しい日程だった。それぞれのカテゴリーに分けて振り返ってみよう。

【EURO2008予選】
 まずは9月2日にEURO2008予選が始まった。監督はW杯を区切りに、リッピからドナドーニへと交代した。ミランからはピルロなどを初めとして、W杯と同じ面子が召集された。イタリアは第1節のリトアニア戦から第4節のグルジア戦までを終えて、2勝1分1敗の勝ち点7。順位はスコトランド、フランスに次いで現在3位。次節の第5節は07年3月28日スコットランド戦から再開される。
今のところイタリアは不本意な成績だが、まだ十分に巻き返すチャンスはあるだろう。これからのアッズーリとミランの選手達の活躍に期待したい。

【セリエA】
 そして、スキャンダルも一段落し、9月10日からは遂にセリエAが開幕。ミランの開幕戦はラツィオ。結果は2-1でラツィオを退け、ミランは幸先よいスタートをきった。そして、12月23日の第18節ウディネーゼ戦を終えたところでシーズンは一時中断した。ここまでの成績は7勝7分4敗の勝ち点20。現在12位である。欧州の名門クラブのポジションにしては低すぎる。ペナルティを考慮しても、この順位に納得できない方も多いのではないか。開幕前のミランに対するマスコミの予想も楽観的な見方が大多数であった。しかし、蓋を開けてみればこの有様だ。いったいミランに何が起こったのか?原因は以下のように、いくつか考えられる。

1.W杯の疲労によるコンディション不良。
2.選手補強の失敗。
3.故障者の続出。

 以上の3つが大きな原因ではないだろうか。そして私は、今回のミランの低迷はフロント陣の責任による所が大きいと感じている。もっと突き詰めれば、全てはあのスキャンダルの影響が、ボディーブローのように効いたのではないかと考えている。つまり、本来チームの強化に費やすはずだった貴重な「時間」を、スキャンダル対応に費やさざるを得なかったのではないかと感じた。上記3つの原因は、全て時間に追われた事による弊害のような気がしてならない。例えば、時間があれば選手も長期休暇が可能だっただろう。また、入念な準備期間を設けて選手補強が行えただろうし、新たな選手を獲得できれば、選手一人にかかる負担は軽減されるため故障者も少なくて済んだであろう。特に選手補強に関しては、明らかにフロント陣は後手に回ってしまったと思う。ただでさえ“DF陣の高齢化”“シェフチェンコの代役探し”の問題を抱えているのに。ここで、ユヴェントスファンの方には申し訳ないが、ユヴェントスの降格が決定した時、私は戦力補強の“千載一遇のチャンス”と思ったものだ。イブラヒモビッチザンブロッタなどは間違いなくミランの即戦力になったであろうが、「覆水盆に還らず」である。とはいうものの、最近2試合は3-0のスコアで快勝しており、ようやく暗いトンネルから抜け出せそうな雰囲気である。しかし、今は冬の移籍市場におけるミランの動きに注目したいと思う。

【CLグループステージ】
 リーグ開幕戦から3日後の9月13日には、CLグループステージが始まった。ミランのグループは“H”。同居するのはAEKアテネ、リール、アンデルレヒトの3チーム。比較的楽な組み合わせになったという印象だ。グループステージも第6節まで終了し、本選へと駒を進めた2チームが出揃った。ミランの戦績は3勝1分2敗の勝ち点10で、見事に首位通過を決めた。しかし、特に後半戦は手放しで喜べない試合内容が多かった。リーグ低迷の原因がCLにまで影響を及ぼし始めた。だが、調子が上がらないチームの中で一際輝きを放つ選手がいた。「カカ」である。アンデルレヒトとの第2戦ではハットトリックを達成。現在のところ、ドログバ、モリエンテスと並び5得点で最多得点者となっている。現在のミランは彼の活躍に救われているところが大きい。
 そして、12月15日には決勝トーナメントの組み合わせが決定した。ミランの1回戦の対戦相手はスコットランド王者“セルティック”。セルティックはグループステージを3勝3敗の戦績で勝ち残り、首位のマンUに次いで予選通過を決めた。このチームのキーマンは「中村俊輔」。セルティックの試合を見て思ったことは、ほとんどの場合彼を経由して攻撃が始まる事が多いのだ。そしてチーム内における彼のプレーは、バルセロナに例えるならば「ロナウジーニョ」と「デコ」の役割を彼一人がこなしているような印象を受けた。要注意人物である事は間違いないが、逆にキーマンである彼が試合で仕事をさせてもらえない時、セルティックはどう対応するのか?この点が、ミランが優位に試合を進めるためのポイントになるのではないかと思う。決勝トーナメント1回戦の第1戦は、07年2月20日にセルティック・パークで行われる。中村俊輔を応援したい気持ちもあり“複雑な心境”が無きにしもあらずだが、やはり私はミランの勝利を願う! 

さあ、ここまでミランの06/07シーズン前半戦を簡単に振り返ってきたが、皆さんはどのように感じただろうか。私はW杯の決勝(06/7/9)からウディネーゼ戦(06/12/23)まで5ヶ月以上もの間、ミランの選手達に休暇らしい休暇がなかった事がシーズン前半戦の問題だったと思う。前述した通り、元々は”カルチョスキャンダル”という突発的な事件があった事が原因だと思うが、それに対するミランの対応は、いささか心許ない印象を受けた。話しは変わるが、ミラン会長であるベルルスコーニ氏が講演中に意識を失い倒れた事件があったが、まさに今シーズンのミランの”苦難”を象徴しているかのような出来事だった。
 シーズン後半戦はミランの“大”活躍を期待している。私の願いはミランに一つでも多くのタイトルを獲得してもらい、そして再び「グランデ・ミラン」と呼べる日が来ること。これ以外に何もないし、これに尽きると思う。

FORZA  MILAN!!!

posted by 浦和ドットコム |13:35 | セリエA | コメント(2) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:ACミラン ~苦悩の06/07シーズン前半戦を振り返る~

ミランは何年も同じメンバーでたたかっていますからね。そのツケが出てきましたね。

posted by セン | 2007-01-06 20:18

Re:ACミラン ~苦悩の06/07シーズン前半戦を振り返る~

そうですね。

posted by デバル | 2007-01-08 08:22

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