2007年10月19日
オシムのオプション ~日本×エジプト~
★ 9年ぶりの対戦 アジアカップ中国2004優勝チームの日本、そしてアフリカネーションズカップ2006の覇者エジプト。 この大陸王者同士の対決が、アジアサッカー連盟(AFC)が主催となり「AFCアジア/アフリカチャレンジカップ2007」として大阪長居スタジアムで開催された。 オシム監督率いる日本代表が、FIFAランク40位(2007年7月発表現在)のエジプト代表をホームで迎え撃ち、試合は4-1というスコアで日本がエジプトに圧勝する結果で幕を閉じた。 エジプトとの対戦は、1998年10月28日に行なわれた「キリンチャレンジ1998」以来、およそ9年ぶりの顔合わせとなった。 その時の試合会場も長居スタジアムであり、この時は中山選手(磐田所属)がゴールを決めて日本が1-0でエジプトに競り勝っている。 当時の代表メンバーには、井原正巳選手、相馬直樹選手、呂比須ワグナー選手など、98年フランスW杯に出場した代表選手たちがズラリと名を連ねていた。 そのメンバーの中には、当時まだ23歳の川口能活選手もいた。 時は過ぎ去り、その試合からおよそ9年後の2007年10月17日、開催地は同じ長居スタジアム。この試合で代表キャップ110試合を迎えた32歳の守護神は、今現在も日本のゴールマウスを守り続け、再びエジプトの前に立ちはだかることとなった。 ★ オシムジャパンの中心選手 「代表を作る中心的なグループに加わっている選手の数を広げたい。つまり11人だけがレギュラーでない、もっとたくさんのレギュラーがいる状況を作りたい。」 と、試合前日の会見でオシム監督はこの試合に臨む上での目標を語った。 4-1という日本圧勝の結果で試合を終えた今、監督の言う“中心的なグループ”に一体何人の選手が加わることができたのか? また、晴れてそのグループに加わった選手とは、誰なのか? 今回はそのあたりに迫ってみたい。 まず最初に、オシム監督の語る“中心的なグループ”とは誰のことを指すのか? それは、オシム監督が就任してから全20試合の中で、どの選手が何試合先発出場したかを調べることにより、ある程度は判断できるであろう。 以下は、オシム監督就任から今回のエジプト戦までの全20試合のうち、半数以上(10試合以上)の試合に先発した選手を出場試合数の多い順番に並べたランキング結果である。(07/10/17現在) 【順位】 【選手名】 【先発出場数】 【先発出場率】 1位 MF鈴木啓太 20/20試合 100% 2位 GK川口能活 19/20試合 95% DF駒野友一 3位 MF阿部勇樹 17/20試合 85% MF遠藤保仁 4位 DF加地亮 15/20試合 75% 5位 DF中澤祐二 13/20試合 65% 6位 FW巻誠一郎 12/20試合 60% 7位 MF中村憲剛 11/20試合 55% 8位 MF中村俊輔 10/20試合 50% 上記のように、半数以上の試合に先発した実績をもつ選手たちは、“中心的なグループ”に属するといってもよいのではないだろうか。 ただし、8位の中村俊輔選手を初めとした欧州のクラブに所属する選手たちは、Jリーグに所属する選手に比べて、代表チームに合流することが困難なことを理由に召集を見送られるパターンが多かったので、そのへんも考慮にいれるべきであろう。 欧州のクラブに所属する日本人選手の中でも、フランクフルト所属の高原選手は、欧州組ながら全20試合のうち9試合に先発出場、6得点を記録し、現在のところ代表メンバーのトップスコアラーである。 よって、上のランキングには名前が出てこないが、彼も“中心的なグループ”の一人と言えるだろう。 ★ 結果を残したレギュラー候補 今回のエジプト戦でオシム監督が選択した日本のスタメンは、以下の通りである。 GK 1川口 DF 22中澤、6阿部、21加地、3駒野 MF 13鈴木、14中村憲、7遠藤、9山岸 FW 16大久保、17前田 つまり上のランキングでいくと、巻選手と中村俊選手以外の選手が、今回の先発メンバーにその名を連ねたことになる。いわゆる“中心的なグループ”の選手たちだ。 さて、ここで先に挙げた疑問点、「“中心的なグループ”に一体何人の選手が加わることができたのか? また、晴れてそのグループに加わった選手とは誰なのか?」を考えていこう。 このスタメンの中から中心グループ以外の選手を探すと、3選手の名前が浮かび上がる。それは、山岸選手、大久保選手、そして前田選手だ。 冒頭のオシム監督のコメントにもあるように、この試合に臨んだ目的の1つは、彼らのようなレギュラー候補が、候補からレギュラーへとなれるかどうかを試すことであった。 結果から先に言ってしまえば、大久保選手はこの試合で2得点、前田選手は1得点、山岸選手は1アシストを記録している。 いずれも得点に絡む活躍をしているし、特に大久保選手のアグレッシブなプレーは、オシム監督の評価も高かったのではないだろうか。 試合後にオシム監督は、多くの主力を欠いた今回のエジプト代表について、「もし、彼らがベストメンバーだった場合、同じことができたかどうか」とコメントしたが、それを差し引いても、彼らは今後の日本代表の“中心的なグループ”に加わることに何ら違和感を感じさせない活躍を見せたと思う。 ★ 07年最後の試合を終えて… オシム監督は、次のようにこの試合を評価した。 「監督就任から1年以上経ったが、ずっとご覧になっている方なら、中心メンバーがほとんど変わらないことに気付くだろう。そこが、われわれの主なオプションである。つまり、高原や中村俊がいなくても、国内の選手だけで代表チームを作ることができる」 オシム監督が目指す“誰が出ても遜色ないチーム作り”は、着々と進行していると考えても良さそうである。 そして、「(今年の全13戦を終えて)狙いはどこまで達成できたか?」という質問に対して監督は、 「いくらかは進歩しているとは言えるだろう。(中略)失敗も成功もあるが、良いことがゲームの中で起こるようになった。」 と、チームの成長の手応えを感じさせるコメントを語った。そして最後に監督はこう付け加えることを忘れなかった。 「しかし、そこで喜んではいけない!」 これは選手をはじめメディアやサポーター、そして何よりも自分自身を戒めるための言葉だったように思う。 少し話しは脱線するが、今までやりたい放題の行いをした挙句、丸坊主になって謝罪会見をする羽目になった人を最近よくテレビで見かけるが、やはりどんな時も浮かれることなく自らを戒める気持ちを持つ人は、いざという時も足元をすくわれることはないのではないだろうか…。 まぁ、そういった意味ではオシム監督なら安心だろう。逆に戒め過ぎて選手たちが疲れてしまわないか…、そっちの方が心配だ。
posted by 浦和.com |19:53 |
日本代表 |
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この記事に対するコメント一覧
Re:オシムのオプション ~日本×エジプト~
怪我がちのため出場数は少ないものの、闘莉王選手も中心的なメンバーであるように感じます。
彼がアジアカップに出ていれば…とは、多くの人が感じたことではないでしょうか。
posted by E&S | 2007-10-19 21:40
Re:オシムのオプション ~日本×エジプト~
>オシム監督が目指す“誰が出ても遜色ないチーム作り”は、着々と進行していると考えても良さそうである。
今のところ、サイドバックの代えが効きませんし、それを試そうともしない。ここだけは永遠の課題???下の世代がフィットするまで待つしかない???
posted by 信者 | 2007-10-19 22:58
Re:オシムのオプション ~日本×エジプト~
サイドバックを含むディフェンスラインのバックアップはまだあまり試してないですが、オリンピック世代を期待しているのでしょうかね?
中盤から前を試すのが07年、今後オリンピック世代を底の部分に組み込んで行って完成……なんて単純なことはオシム監督は考えてない、か。
とりあえず大久保・前田・山岸は今回の試合非常に良かったので、選択肢に確実に入った気がします。
あぁ、でもそうすると達也は入れるのか心配です。レッズファンとしては。
posted by うに | 2007-10-20 10:25


