希望が奇跡の幕開く神宮劇場

宿命の戦いへあす向かう原樹理という名の僕へ

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プロ野球にどんな思いを馳せテレビの前やスタンドに行くかは千差万別である。羨望、愛情、憧憬・・・そんな中で最も私が共感できるスタンスは、大のスワローズファンの声優・シンガーソングライターの桃井はるこさんのこの発言に凝縮されている。 「選手たちを応援しているのではなくて、選手たちに応援されている」。 言葉のプロの表現とあり、私の胸の中の感情が共鳴するかのような一言だった。

突然だが、私は1993年の生まれである。同級生のうち高卒は2011年の、大卒は2015年のドラフトでプロの門を叩いた。 そんな私は高校卒業後社会に出た。その当初は応援するヤクルトに入団した同い年の選手が川上竜平ひとりであった事と自分のことで手一杯であったので感情移入はそれほど無かったが、それでも武田翔太や釜田佳直、髙城俊人らが1年目から1軍の舞台に立っていたのは刺激になった。 4年の歳月はやはり大きなもので、そこからスターダムに昇りつめた者もいれば既に戦力外通告を受けた者もいた。そんな中やってきた2015年ドラフト。

ヤクルトは外野手、左打者、若手野手の欠乏から髙山俊の指名が有力視され、単独指名濃厚の下馬評だった。 「ふーん、髙山が来るのか、楽しみだな」 当時はそのくらいの構えでいた。言葉は悪いが、誰でもよかった。誰でも楽しみだったし、誰でも嬉しいし、誰でも応援するつもりでいたから。

そこで「事件」は起きる。球史に残る珍場面の後にその名前は呼ばれた。 「東京ヤクルト 原樹理」 目が覚める思いだった。「あの」原樹理。東洋大姫路のエース。 珍しい名前だったから否応なしに頭に残る。東都の鉄腕。

そしてその男は涙を流しながらこう語った。 「神様が神宮でやりなさいと言っているのだと思った」。 このとき私は誓った。この投手を応援しようと。たとえどんなに打たれても、負けても信じて応援しようと。愛する神宮の杜で投げられることを喜んでくれるのなら、声で応えようと。

そんな右腕は苦しいルーキーイヤーを送った。神宮での登板は全部現地で見た。初勝利も、膝を付く姿も、乱闘を引き起こしたところも。

2年目の今年も苦しんだ。だが這い上がった。今やローテーションの一角を立派に担っている。そして、明日その日は訪れる。 「予告先発投手 横浜DeNA 今永昇太 東京ヤクルト 原樹理」 鳥肌が立った。東都大学リーグの両雄。ドラフト後、4年次に入れ替え戦でぶつかりあったエースの競演が横浜の地で。

せっかくだが、私は仕事があるため観に行くことは叶わなさそうだ。 私事ばかりで恐縮だが、社会に出た後で私はストレスから身体を壊し、何もできない時期があった。無力感や空虚感に苛まれた。本当に、何のために生きているのかさえ分からなくなった。そんな中で励みになったスワローズの選手たちの頑張り。その輪の中に、背番号16のユニフォームを纏った同い年の彼がいる。

原樹理も学生時代に故障を経験しているし、今永だってそうだ。だから私は恐れ多いことではあるが、どこか自分を彼らに重ねている。 「選手たちを応援しているのではなくて、選手たちに応援されている」 原投手が打たれるとすごく落ち込む。樹理が頑張っていると、自分も頑張りたくなる。 だから、彼には笑顔でいてほしい。最高のガッツポーズを決めて笑いあいたい。お揃いのユニフォームを着て神宮のライトスタンドで観ているから。

今更のことだが、私はずっとスワローズファンでいるつもりだ。 だってこんな危なっかしい投手ほっておけない。立ち上がりは悪い、ランナー出すとバタつく、けん制しすぎでリズム狂わす、デーゲームが苦手過ぎる。 だが真っすぐは凄く良くなった。左打者だって少しずつ克服しつつある。そんな階段を登っていく姿が嬉しくて嬉しくて堪らない。

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記事カテゴリ:
随筆
原樹理:エースへの道
タグ:
ちゃんと山崎晃大朗君のことも応援してるよ
今永昇太
原樹理

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