2007年07月31日

オシムジャパン初期型を考える

こういうブログを書くぐらいですから、
スポーツに関する文章を読むのも好きです。
とっておくのは「Number」ぐらいですが、
それでも狭い我が家のスペースを相当圧迫している昨今。

ところで、ふと手の空いた休みの日なんかに、
適当に棚から一冊抜きとってぱらぱらとめくってみるとこれが実に面白い。
人間がほとんどのことを忘れてしまう生き物だということを実感させられます。
ありがちなことですが、結果として平凡に終わった選手が妙にもてはやされてたり、
全然見当違いの論評がさも正しいことのように紙面で幅を利かせている。
自分も気をつけなければ、と思うのです。

さて、こんな前振りをしたのも、
今日はオシムジャパンの現時点でのまとめをしてみようと思ったから。
立ち上げからほぼ一年、アジアカップという公式戦も終えて、
区切りとするには格好の時期です。

現状、オシムで南アフリカWC(予選)を戦う可能性が高い以上、
ドイツと南アフリカの間でチームがどう移り変わっていくのか。
メンバー固定と言われたジーコでさえ、
四年間でチームメンバーは大きく変わっていきました。
とりあえず現時点での代表を、「オシムジャパン初期型」として整理してみましょう。

初期は意外な顔ぶれが呼ばれたりした国内組ですが、
秋から冬へと時が移るにして絞り込まれ、
春からは中村俊輔他海外組との融合を図った。
このへんの流れはいま振り返っても実にセオリーどおり。
オシムがアジアカップまでの一年をひとつの区切りとして、
チームを作っていたことがはっきりとわかります。

じゃあそのオシムジャパン初期型とは最終的にどうだったのかというと、

GK 川口
CB 闘莉王、中澤(阿部)
SB 加地、駒野(今野)
DM 鈴木啓、中村憲
OM 遠藤、中村俊(羽生、山岸)
FW 高原、巻、(矢野、佐藤寿)

・チーム作りの段階では相手によって3バックと4バックを
 使い分けていたが、アジアカップでは4バック固定。
・システムは4-4-2と4-5-1を併用。
 4-5-1のワントップは高原が努める。
 試合終盤の攻撃オプションとして3トップを使用

・格下はもちろん、アジアの強豪相手にもポゼッションでは優位。
 技術の高い選手を中盤に置いたことでパスがよくつながった。
 また格下相手の試合では、美しいパスワークからの得点も。
・プレス能力が高い、しっかりした相手だと得意のポゼッションも
 機能不全を起こすシーンがしばしば。
 特に高い位置からプレスをかけられ、中盤の選手がボールを持てないと
 攻めが停滞する傾向が顕著。
・高原のワントップでは、他の選手が飛び出して受ける動きが
 なかなかできず、高原が孤立、攻撃に迫力がなくなった
・パスに頼りすぎ、ドリブル突破が非常に少ない
・引かれてゴール前を固めると、パスで崩しきれずに
 攻めのアイディアがなくなってしまい中盤の停滞傾向が顕著。

多少、意見の違う方もいるでしょうが、
おおむねこんなところでしょうか。

このチームの流れを踏まえて考えると、
闘莉王の離脱は相当な痛手だったと思います。
水本もあわせてふたりのCBを失ったことが、
今回4バック固定になった原因のひとつではないでしょうか。
(坪井を入れれば組めますがバックアップはいないですし)
もうひとつ、闘莉王がいなくなったことで阿部をDFで使わざるを得なかった。
(坪井を使えばいいじゃん、という突っ込みはあるでしょうが)
個人的な妄想では、本来の4-5-1の「5」は
啓太、阿部、中村俊、遠藤、中村憲で構成したかったのではないか、
なんて思っています。(すなわち山岸のとこに俊輔で憲剛を少し前に)
阿部は過去ずっと重用されてきてますし、闘莉王がいたとしても、
外されると考えにくい、ということは・・という考えですがどうでしょう。
さらに闘莉王が健在で3バックが自信を持って使える状況であれば、
今野の途中投入も有力なオプションになったはず。
阿部と今野がいれば、今野をサイドバックと変えたあと、
戦況に応じて4でも3でも自在に組めますから。
ただ4バック限定だと今野の投入は
サイドバックどちらかを交代、だけの効果にとどまり、広がりがありません。
ある程度加地、駒野に固執せざるを得なかったのも
むべなるかな、という気もしてきます。

中盤は高い技術でよくボールを保持しましたが、
同時に攻めのパターンが足りないという現実も浮き彫りになりました。
ドリブラー不在の構成となったこともその単調さを強めていました。

そしてFW。高原の活躍であまり問題視されませんが、
一番深刻な問題はここかもしれません。
コンビネーションの問題はあったにせよ、佐藤寿人が不発。
国内で他の候補を探してみても、大久保、田中達也ぐらいしか
名前が挙がらないのが実際です。
もちろん今後ブレイクが期待できる素材はいますが、
いまの時点では未知数としかいいようがないわけで。
中盤から後ろが組み合わせと層の厚さの問題とするなら、
FWはいまの時点で使える選手がいない、というのが実情。

さてこれからオシムジャパンはどの方向へ行くのか。
中期型はどんな顔ぶれになるのか思いつくまま述べてみましょう。
オシムサッカーとテクニシャンは相容れないイメージ(先入観)がありますが、
実際はパサーが多すぎといわれるほど、テクニシャンを並べた。
ただこの部分は今後修正が入ってくる可能性が高いのでは。
まずはドリブラーを一人入れるパターン。
復調なれば松井が第一の有力候補。対抗としてサントス。
水野、家長に梅崎あたりまで当然視野に入ってきます。

次に守備的MF。オシムが今大会で
「リスクのある組み合わせ」と言っていたのは、守備の多くを
中澤、阿部、啓太の三人で担っていた点にあります。
阿部の守備面での脆さは承知していても他に人がいなかったのでしょう。
日本はもともと3-5-2が多く、
守備的MFやWBも含め、四人以上で守る文化が定着しています。
その意味では確かにこれはある種の「カミカゼ」だったのでしょう。
(オシムがコロンビア戦でカミカゼといったのは、
 単に選手の顔ぶれではなく、守備にかける人数の意があるのでは)
問題はオシムが今後もこの薄い守備態勢を続けるか。
今後はより強い相手との対戦も意識して
守備を強化するだろうと言うのが私の見解。
ということでおそらく啓太、阿部の組み合わせが基本。
後ろの中澤、闘莉王とあわせて、
今野(水本、坪井)のバックアップで安定させる方法がベースと見ます。
ドリブラーと守備の強化を考えると、
今後一番大きく動きそうなのは中盤の組み合わせのような気がします。

最後にFW。ここは理屈もなく、とにかく誰か出て来い!の世界。
個人的にはやはり大久保をテストしてほしいですね。
代表ノーゴール病もあったりで自分も全幅の信頼を置いているわけではないですが、
五輪での決定力、今シーズンの好調をみると、
テストする価値はあると思います。
スペースに飛び出す動き、前を向く反応のよさは特筆できますから、
ぜひ佐藤寿人と競らせてほしいものです。

最後にサイドバック。加地のデキがいまいちで、
駒野は運動量は文句なしも、やはりもうちょっと決定的な
やつを入れてくれると全体的に助かるわけで。
この部分は中田浩二がやはり第一候補。
今野と同様、CBもできますので組み合わせの幅が広がる点でも期待。
あとは安田あたりも楽しみですが、まずは五輪予選でブレイクが条件でしょうか。

このあとオシムジャパンは国内で一戦した後、欧州遠征のスケジュール。
アジアの戦いを終え、今度は欧州相手のテストマッチ。
完全に、初期型から中期型への移行を踏まえたスケジュールですね。

さてどう変わっていくのか、秋を楽しみに待つとしましょう。


posted by mazumazu |23:36 | 日本代表 | トラックバック(1)
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日本代表を選考しよう 【サッカー批評】

やはり今回の代表メンバーへの不満があるのか、そういった記事が多いのでのっておこう(笑) FW  高原 前田 MF 松井    中村    今野 稲本 DF 中田浩   駒野   闘莉王 中澤 GK    川口 これが私が選ぶ代表レギュラーです。 とりあえず選考基準を短めに。 大前提。個人的には若手の選手はまだA代表レベルではないと思っている。 今度のオリンピックでベスト8以上に進んで、世界のレベルを知り、成長すれば別ですが。 1対1で戦える選手。 さてポジション別では FWは高原確定。 もう一人は戦術しだ

2007-08-01 01:27 | 続きを読む