2009年04月27日

ボーズマン氏の去就決する

就任から歴史的勝利を挙げている男子バスケットボール部総監督ボーズメン氏の去就が先週末発表されました。誰もが我が大学での成功をステップアップとして以前働いていたようなバスケットボールの有名大学(ビックスクール)への帰り咲きをするものだと思っていましたが、発表された内容は周りの関係者を驚かせるものでした。詳しい内容はこちらから。

内容は再契約となるモーガン大学との5年契約。年棒は推定ですが、現在の1300万円前後から2倍の約2500万~3000万円前後。これはMEACコンファレンスで2番目に高い給料だそうです。今回の契約に関してボーズメン氏は代理人を雇って交渉したと言われているので気合の入れようが分かります。

以前にも自分のブログで彼の去就に関して触れましたが、この契約内容がそれを裏付ける物になっていると思っています。一つ目はモーガン大学に留まることを決めた点。おそらくは本人は他のビックスクールへの仕事を望んだと思いますが、彼の過去の過ちを打ち消すにはおそらくまだ時間が掛かるという点。

二つ目は5年契約である点。就任三年でこれだけの偉業を成し遂げてもビックスクールが見向きもしてくれないのでは、見向きをしてくれるところから取れるだけ取る。その結果、モーガン大学が一番よい条件を提示したのではないでしょうか。おそらく他の大学からのオファーはあったと思いますが、金額が多少良くても単年契約、よくて2年ぐらいだったのではないかと予想します。つまりは彼の留任を強く望むモーガン大学と2500万円以上で複数年契約を望むボーズメン氏との利害が一致したことによるものだと思います。

何はともあれ、これからも彼から学ぶことが出来るのは自分にとってとても良いことだとおもっています。

明日の昼には彼との独占インタビューを予定しています。お楽しみに。

posted by maxsgoodies |19:50 | アメリカ大学スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年04月24日

J リーグで起こる格差

「J リーグが来季オフまでに移籍金撤廃する事を決めた。」というニュースを読んでいよいよ日本のスポーツ界にも格差の波が来たかと思いました。
 
J リーグがもともと独自に設定をしたこのルールはリーグ内での財政的均衡を図るものとして設定されたものだそうですが、契約終了後も(特に若い)選手は移籍時に発生する高額な移籍金のために、移籍を阻む障害になる物としても何度かニュースになりました。
 
今回の移籍金撤廃に関しては、「移籍が活発することにより、ゲーム内容がより魅力的になり、チームに更なる利益をもたらす」という記事がありますが、おそらくこれはごく一部のチームのみに起こることだと思います。つまりは資金を十分に持つ一部のチームがアメリカのどこぞの野球チームのように、各チームの四番ばかりを集めるような行動に出れば、アメリカスポーツ界の象徴である「スポーツ=金」が作り出す「スポーツ界の格差」の始まりです。
 
プロの選手がより高額の給料を求めて移籍することは、われわれ一般人がよりよい仕事環境を求めて転職するのと何ら変わりはありません。しかし18チームしかない リーグの中でそれが行われた時に、より高額の給料を選んでチームを移籍する事でパッシングされるのは、このシステム自体の撤廃でしょうか、選手自身でしょうか?個人的には後者だと思いますが。

posted by maxsgoodies |09:16 | 格差 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年04月23日

年間1500万円の保険料

アメリカ大学体育会(Division I)において試合中などで怪我をした場合に備えて体育会独自の健康保険を持つことがNCAAによって義務づけられています。それは十字靭帯断裂などの手術を必要とする大怪我が起きた時に、その手術代や治療費など総額百数十万に上る医療費を選手自身に負担させないためです。

昨日来年への保険契約更新の打ち合わせがあり、いくつかの保険会社が新しいビジネスを求めて大学にやってきました。毎年平均で1千万円以上(ある年は1700万円)に上る医療費の支払いを賄うために、うちの場合現在年間保険料で約1500万円、それにCo-Pay(患者が医療費の一部を負担すること)を約200万円払っていますが、実は計算してみると毎年700万円近く保険会社は儲かっている計算になります。まあ商売なので儲かって当然なのですが、700万円は儲け過ぎではないかと言う事になり、他の保険会社と手数料が安く、もっとお得なプランの可能性などを話し合いました。

うちの場合300人弱いる選手の内、実に80%近くの選手が健康保険を持っていません。大学体育会が支払う医療費は怪我から虫歯まで様々です。その多彩なニーズに答える様々なプランはあるものの一番難しいのは保険会社の変更です。州立である我が大学は何をするにも大量の文章作成が州によって義務付けられています。そのため一回契約するとそれを変更するのに早くても4年近く掛かります。今からはじめると。。。。。。変更できるのは2014年度くらいでしょうか?

posted by maxsgoodies |20:22 | アメリカ大学スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年04月22日

Vol.2: ビーズリー氏、モーガン大学バスケットボール監督へのインタビュー第二回目

第二回目は一回目に引き続きビーズリー氏に今年のシーズンを振り返って来年へのプランを語っていただきました。
 
「今年はシーズン最初のトーナメントで優勝、その後もアメリカン大学に競り勝つなど、今までで最高のスタートを切りました。相次ぐ怪我の影響で二年連続のコンファレンス決勝を逃してしまいましたが、就任以来4年連続の勝ち越しシーズン振り返って、監督はどのように感じておられますか?」
 
自分の中では今年は前進と言うよりもむしろ後退の年でした。06-07シーズンは17勝、07-08シーズンは19勝で今年は20勝以上が約束されていた年だった。怪我の影響もあるけれども、選手一人一人が、彼女たちの「役割」を果たせていたら20勝はいけているはずだった。そこがまだ甘いところだったと思う。
 
「来年のスケジュールはもう決まっているのでしょうか?」

来年のスケジュールは今一番考えていることです。チームを今以上のレベルに持っていくには大きなトーナメントへの参加は不可欠ですが、Guarantee Gameのようにお金が絡んでくるトーナメントへの参加決定権は残念ながら私にはありません。
 
これは参加を取りやめたり、ドタキャンしたりした場合に違反金が発生するためで、モーガン大学の意向で参加できないのが現状です。うちのように中小大学がGuarantee Gameを貰う事すら多くない現状の中、ドタキャンした大学など今までに聞いた事が無いのですが、大学はそのリスクを取りたくないのです。

違反金が発生しないトーナメントもいくつかリストアップしていますが、参加から得られる金額が桁違いです。違反金が発生するトーナメントは数百万が参加することで得られますが、違反金無しのトーナメントからは30万円とホテル代しか出ません。これでは行くだけで赤字になってしまいますし、そのようなトーナメントはテレビ中継もなく、露出の面で今のレベルとなんら変わるところはありません。

「5シーズン目を迎える来年へ向けてのプランを教えてください。」

既に述べたように今年は少し後退をしてしまいました。自分の中ではコンファレンスチャンピオンを取れる年だと思っていたのですが、それが出来なかった。ここ(モーガン大学)に来る前に私は(2年制大学の)全米チャンピオンと州チャンピオンを2回取っています。今まで4年間監督をしてきて何のタイトルが無いのは初めての経験です。私はタイトルを勝ち取ることにとても飢えていますが、選手のMind-Setがそこにまだたどり着いていないことに苛立ちを感じています。

「タイトルを取るためには何が必要なのでしょうか?」

このチームがコンファレンスで勝つには既に述べたような選手一人ひとりの役割から、大学全体からのサポートまで、様々なレベルでの協力が不可欠です。特に大学からのサポートに関して言えば、この大学はまだまだスポーツと言うものを理解できていません。例えば監督との契約でも契約内容は大学体育講師と変わりはありません。年間給料が設定されているだけで、報奨金(Incentives)と呼ばれるものが含まれていません。これはとてもまれな事です。これでは監督も部下にがんばってとは言えない。いくらチームを強くしても給料に反映されなければ、高いレベルでのモチベーションを維持できません。これはとても致命的なことです。

「来年には新しい大学総長 (University President) が就任しますが、それによってモーガン大学の体質が変わるでしょうか?」

大学総長が全てをやるわけではありません。重要なのは指示をされて実際にやる下の人間のMind-Setがどこにあるかです。誰になるかによりますが、それを変える切っ掛けになるかもしれません。今まではその切っ掛けすらなかったのですから。

ビーズリー氏の詳しいプロフィールはこちらから。

posted by maxsgoodies |20:25 | アメリカ大学スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年04月20日

Vol.1:ビーズリー氏、モーガン大学女子バスケットボール監督へのインタビュー

アメリカ大学体育会で働くさまざまな方々にインタビューを行っていくこの企画。第一回目は女子バスケットボール部の総監督であるドーナルドビーズリー(Donald Beasley)氏に万年お荷物といわれてきたチームを常勝チームに変えた秘策と更なる飛躍を目指す来年へのプランなどを語っていただきました。
 
プロフィール:1984年モーガン大学卒業。体育の教師免許を持っていたが仕事が見つからず保険会社で働き始める。そのころからバスケットボールのコーチを始める。1992年Dundalk Community Collegeの男子バスケットボール総監督に就任。2000年までの8年間に全米チャンピオン1回、州チャンピオン2回と全米トップ8に一回。勝敗157-87。2005-2006年シーズンより現職
 
「監督就任前は4期連続の負けシーズン、通算9勝102敗のこのチームをコンファレンスで上位争いをするチームに変えるために初めに行ったことは何でしょうか?」
 
負けチームに共通していることは技術云々よりも、試合や相手チームへの考え方(Mind-Set)がやる前からネガティブになっていることです。負け続けていることに慣れすぎて、ゲームで勝っていても常に「すぐに逆転されてしまう」というような気持ちで戦っていては勝てるはずがありません。バスケットボールは5対5で戦うゲームです。あそこにいる相手五人は自分たち5人と何一つ変わらないことを頭から教える必要がありました。
 
Mind-Setに関していえば、相手チームにも言えることで。ライバル校のコッペン大学(Coppin State University)のように過去数年にわたってコンファレンスでトップに立っているチームのMind-Setをモーガン大学は「弱い」から「手ごわい」に変える必要がありました。
 
次に行ったことは規律の確立です。就任当初、チームには規律も何もありませんでした。選手は練習に遅刻したり、授業に出なかったり、それに対する罰則も無いようなものでした。規律を設けることは、選手管理だけではなく、チームのマネージメントをする上でも重要なことです。常勝を言われるチームは準備を怠りません。朝9時に集合ならば全員が8時45分には準備をしてバスに乗り込んでいる。そうすることで何かあったときに対応が出来ます。9時ぎりぎりで来ると、何かあったときにそれに対応できなかったり、何か足りないまま試合を行わなければいけないということにもなります。
 
選手個人には一人一人へ合ったチーム内での役割を与えました。さまざまな性格や素質を持った選手に役割を与えることは、コートの上にいる時も同様で出来ないことを無理にやってもしょうがない。レイアップが出来ないならば、ディフェンスであったり、3ポントであったり出来ることをまず練習することから始めました。

一番大事な事は実はここなんですが、今の世代の選手たちには情報が溢れ過ぎている。iPod、携帯、Facebookに、Twitter。授業中はもちろん、練習中までも耳にイヤホンを入れてやっている選手までいる。これではバスケットボールには集中できない。この世代の選手たちを如何にバスケットボールに集中させるか、集中できる環境を整えるかが大事なことですが、これは監督一人で出来ることではありません。これはアメリカ大学体育会や、大学全体が抱える問題の一つだからです。

Vol 2に続く。

posted by maxsgoodies |23:10 | アメリカ大学スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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