2010年09月23日

競技人口に見るアメリカスポーツの変化

スポーツの競技人口を結婚式での背の高いウェディングケーキで想像して見てください。下の土台を広く大きく作れば一番上の新郎新婦の飴細工まで高い安定したピラミッド型のケーキを作ることが出来ます。つまり各レベルの競技人口は競技レベルを支える重要な要素であるわけです。こんな当たり前の事をブログに書いて恐縮ですが、実際の数字で見てみるといろいろ学ぶことが出来ます。アメリカスポーツの高度な国際競技レベルを支える大学スポーツは高度な高校スポーツによって支えられています(これも当たり前ですが)。その高校スポーツの競技人口に関する統計が今月始めに発表されました。

州立高等学校連盟 (National Federation of State High School Association) によると高校スポーツチームに参加する人口は21年連続で増加していて、今回の統計(09-10年度)では過去最高の760万人以上に達するとのことです。

内訳を見ると男子は前回の統計に比べて3万3078人増えて445万人、女子が前回から5万8546人増えて317万人(共に過去最高)となっています。全体の高校生人口に対してスポーツチームに参加している比率は55.1%でスポーツが高等学教育における重要な要素であることを裏付けるものだと思います。

人口増加があったスポーツを見ると野外陸上競技 (outdoor track and field) が2万5561人増えてトップで、その後にサッカー(1万1925人)と続きます。性別で見ると女子ではサッカーが1万1582人増えてトップで、ソフトボール(1万1445人)、そして野外陸上競技(9290人)と続きます。男子は野外陸上競技が1万4116人増えてトップで、クロスカントリー(8156人)、サッカー(8015人)となっています。

人口増加を州別に見るとテキサス州で78万721人でトップで、カリフォルニア州(77万1465人)、ニューヨーク州(37万9677人)、イリノイ州(34万4257人)と続いています。

実際には高校内で活動するスポーツチームと高校外で活動するクラブスポーツチームに分かれていて、学生選手の多くは年間を通して複数のスポーツに所属したり、高校チームとクラブチームの両方に所属したりしていて、正確な競技人口の要因などを調べるにはかなり複雑な作業が必要だと思いますが、個人的には(クラブチームの人口を正確に把握する事はかなり困難なので飽く迄も想像ですが)スポーツによっては年会費が数十万円になるクラブチームから経済的理由で安い高校所属チームに移る人が増えたことが要因の一つではないかと思います。

それと同時に、大学スポーツ同様、長年続く景気後退の影響で高校スポーツの予算削減と廃部が全米で起こっています。アメリカの景気低迷は底を突いたとのニュースを数日前に読みましたが、底を付いても底から上がるにはこの先何年と掛かります。その間のチームの廃部などによりスポーツ間での人口に偏りが発生することも考えられます。競技人口の偏りは、学生選手の将来の可能性を絶つだけにとどまらず、その国の未来の競技レベルにも大きくかかわってくる問題だと思います。今回の統計がこの先数年でどのように変化するのか注目です。

Tolleson Union district to cut back sports, jobs due to budget (高校スポーツ廃部に関してのニュース azcentral.comより)
High School Sports Participation Tops 7.6 Million, Sets Record (統計に関するニュース NFHS.org より)

posted by maxsgoodies |21:51 | アメリカスポーツ業界 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年07月03日

チーム不振による意見交換会

今朝、「大分トリニータがファンやサポーターに対しての意見交換会を開いた」との記事を読みました。これ以前にも他のJリーグチームが説明会を書いたことを読んだことがあるのですが、今回ふと、「アメリカで(チーム不振を理由に)意見交換会を開いた」という記事を見たことがないなと思いました。

うちの場合(アメリカ大学体育局レベル)は、シーズンの前などに寄付金を集める集まりなどで各チームの総監督が来年の方向性など後援会や寄付をして下さった方々へ説明することはあっても、成績の低迷でシーズンの途中で意見交換会や説明会を開くことは行ったことがありません。
 
名門中の名門University of Tennesseeの女子バスケットボールチームが歴史的一回戦敗退をした前回のNCAA Championshipでも試合後の会見(全てのチームがやる義務がある)はあっても、その後別に説明会というものは開かれていないと思います(低迷中であったシーズン中も特別に意見交換会はなかったと思います)。
 
大学内で不祥事(対外の場合刑事事件)などがあればそれに対してAthletic DirectorなどがPress Release等を通して大学体育局の対応などを説明しますが、チームの低迷などに関しては他の大学でもあまり見たことがありません。

そこで、いつもお世話になっているMLBのCleveland Indiansの方にメールを出してみました。夜中にもかかわらず、早速メールを頂き、シーズン前にチケットホルダーなどの方々と質疑応答に応える機会とは別に、トレードや成績に関して(批判が高まった時など)、シーズン中にメディアを通して説明を行うことがよくあるとのことでした。 (ちなみにこの方のブログ、「スポーツと共に」はこちらまで-MLBに留まらず、アメリカスポーツの問題など様々な問題の視点を変える勉強にいつもなっています。)

大分トリニータで行われたような意見交換会を通して地域のファンやサポーターとのコミュニケーションと理解を深めていくことは地域密着を重視する日本のスポーツ業界において大事な部分だと感じた記事でした。

posted by maxsgoodies |12:18 | アメリカスポーツ業界 | コメント(2) | トラックバック(0)
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