スポーツマネジメントクラブ - Sports Management Club

「学生選手の心は折れない」と決めつけていませんか?

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アメリカの大学スポーツ関係者が一同に会すNACDA (National Association of Collegiate Directors of Athletics)に参加中です。ホットトピックの一つがメンタルヘルス(mental health=心身の健康). 先日参加したACSM (American College Sports Medicine)でも多くの議題がありましたが、この課題は大学スポーツ振興が進められている日本においても検討が必要だと感じます。特に学生選手が自治組織から大学管理下に移され、興行に結びつくパフォーマンスを求められたとき、彼らの心身は今までにないストレスがかかってきます。問題が出てからではなく、出る前にその体制を整える。大学スポーツ先進国のアメリカであってもこの課題はとても深く複雑です。日本の大学でも可能な体制作りへセミナーを聞きながら感じたポイントは

  • 監督・コーチがどこに行けばよいかを知っていること:研究によれば学生選手が最も相談をする相手は指導者(コーチ・監督)という結果が出ていますが、最も頻繁に話す時間は10分以下と短く、心身のケアに関しては、指導者は必ずしもプロフェッショナルではありません。心身の問題への兆候が見られたときに、キャンパス内のカウンセラーや専門家に相談するネットワークの構築が必要で、指導者がそれを認識することがカギとなります。
  • アンテナを張ること:学生選手の変化は本人から出てくることはあまり多くありません。多くの研究で、学生選手の多くは自分が心身の問題を抱えるとは思っておらず、それを受け入れないことも多いと言われています。そのため、チームメイト、クラスメイト、保護者、指導者など身近にいる人たちがネットワークを持ち、学生選手への変化があるようであれば、適切な人・場所に連絡できるような体制が必要です。
  • サポート部署の連携:学生選手を取り巻く環境は高校から大学で大きく変化し、様々な要素が学生選手の心身に影響します。原因をピンポイントで治すアプローチではなく、学修、スポーツ、キャンパスライフなど、包括的な分析とサポートが求められます。アカデミックアドバイザー、スポーツ医科学スタッフ、指導者、保護者など関係者とネットワークを結び、必要な情報を得る連携がカギとなります。
  • 自分の役割の確認:学生選手に関わる全ての人が、彼ら・彼女らの助けになりたいと思っています。ただ、心身の問題への兆候が見られたときには、プロフェッショナルに任せることが重要になります。ネットワークの中で、自分の役割がどこにあるか、関係者と共通理解を持っておきましょう。

参考情報 Salatha Willis, Aracely DeRose, Elizabeth Perez. (2017, June 9th). Student-Athlete Welfare/Mental Health Track-Mental Health First Aid. NACDA 2017



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Masaru Ito
高校卒業後、社会人サッカーチ-ムに所属。アスレティックトレーナーを目指して渡米。2003年NATA公認のアスレチックトレーナー資格を取得、同年テネシー州立大学院に入学(スポーツマネジメント専攻)。在学中に2年間研修生(GA)として同大学体育局で働いた。2005年よりメリーランド州立モーガン大学(メリ-ランド州、ボルチモア)体育局にてスポーツマーケティング部門代表兼アスレティックトレーナーとして働く。2011年、同大学退職。2012年日本社会人アメリカンフットボール協会 企画部委員。2013年11月から帝京大学スポーツ医科学センター事務局にて大学スポーツのマネジメントの専門職員として勤務。同時に早稲田大学スポーツ科学学術院にて博士学位取得に向け奮闘中。研究分野:大学スポーツ、学業支援、アカデミックキャリア。
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