2009年11月15日

メディア化するアメリカ大学スポーツが齎す大学教育の変化~其の2~

先日の「一に学業、二に卒業。。」で取り上げたように、文武両道を目指すNCAA の対策は一様の成功を見ました。それにより、対策の焦点はアメリカ大学学生選手の卒業率から大学在籍期間中の教育内容の充実に近年移行しています。

しかしこの問題を解決するのは、「卒業率」を上げるよりもはるかに大変なものと想像します。それは「大学スポーツは教育の一環」という建て前と、「勝つためにはどんな犠牲もいとわない」と言う本音の差が大きい現実が存在する為です。

一例としてスケジュールの問題があります。例えば、アメリカンフットボールは年11試合から12試合に増やす為にシーズンの開始を7月下旬から遅くても8月の一週目にしてシーズンを約半月長くしました。フィールドホッケーは開幕戦を10月に行うために、シーズン開始を9月にして、シーズンの長さは四月までの実に8ヶ月に及びます。バスケットボールのスケジュールは 全国中継の露出を得る為にESPNの思うがままになり、夜の9時、10時に始まる試合などはざらになりました。

このような傾向は今に始まったことではなく、幾つかの要因が重なっています。1)前回取り上げた各大学による「体育局」へ経済的サポート、2)NCAA によるスポーツ活性化への働き、3)放送権料などによる NCAA や各大学への収入源の増加、4)トレーニングの効率化、5)オリンピックスポーツ種目への配慮、6)学生選手のプロへの進路の拡大。

以上の要因と年に数百万円以上の奨学金を貰いたい学生の両親、成功して億単位の給料を貰うべく躍起になる監督陣、大学スポーツを広告塔として利用したい大学上層部、さらなるベレルの向上を模索する学生選手とが組み合わさり現在のアメリカ大学スポーツ産業を作り上げています。それが故に「大学スポーツは教育の一環」という建て前を実現するには時間が掛かると思います。

現在のアメリカ大学スポーツを象徴する有名なビデオクリップが Youtube でご覧になれます。アメリカンフットボールの名門、コロラド大学の総監督であるホウキンズ (Hawkins) 氏が学生選手に休みがないという苦情に対して、「休みがほしいなら(NCAA Division I-Aの)アメリカンフットボール をやるな」と言っています。ぜひご覧ください。

Dan Hawkins – Go Play Intramurals brother

posted by maxsgoodies |09:37 | 文武両道 | コメント(0) | トラックバック(0)
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