2011年12月25日

大学スポーツに『ブランド力』と『ロイヤルティ』を~USCの例~

アメリカ大学スポーツの名門USCのフットボールQB、マットバーカリー選手がNFL入りから一転大学に帰ってくる事を発表しました。その理由を「大学への愛着と遣り残した事をやり遂げるため」と語っています。

バーカリー(Matt Barkley)選手は今年3年生。USC(University of Southern California)アメリカンフットボールチームのクオーターバック(QB)として今シーズン、USUの快進撃(10勝2敗)の立役者となりました。USCの歴代記録を幾つも塗り替え、アメリカ大学スポーツ最優秀選手賞のHeisman賞にもノミネート(総合6位)された彼は当然NFL入りが予想されていました。マット選手本人も(プロ入りを含めて)来年以降のことを考えたいとシーズン後にコメントをしていました。

多くのスポーツアナリストがドラフトでマット選手のトップ10入りを予想する中、彼は先日USCで最後(4年目)のシーズンを終わらせる事を発表しました。多くの大学生選手が大学スポーツをプロへの踏み台としている中、NFLでトップ10入りを保証されている学生選手が大学で4年目を終わらせ、卒業してからプロ入りすることにESPNはトップニュースとして扱いました。

NFLでトップ10入りをすればおそらく15億円近くの契約が結べるといわれている彼が何故大学スポーツに戻ったのか?マット選手のインタビューを聞きながら思った事は、彼はUSCへの思い入れがとても強い事が感じられました。

彼の決定の一つの要因としてUSCがどの様に学生選手も含めた全学生サポートを行い、彼らの人間形成に力を入れ、その在校生と卒業生の帰属意識(ロイヤルティ)を高めている事があげられると思います。実際彼の父親もUSCのOBで兄弟もUSCに通っています。『アメリカ大学スポーツを堪能出来るトップ6大学』で自分もUSCをあげていますが、今回のような例は、メディアの影響でスポーツによる活躍が大学の知名度と価値を示すような現代にあって大学の基本である学生の人間的成長にも力を入れている大学は在校生が卒業してもそのつながりは強く持ち続けている良い例だと思います。マット選手が語った、『得られるであろう金額の大きさは理解している、しかしそれ以上にやり残したことをチームメイトやる終える意味は大きい』といわせる事ができる大学作りを日本も目指す必要があるのではないでしょうか。

Matt Barkley: Original plan was to leave(espn.comより)

posted by maxsgoodies |10:52 | 体育局運営 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月23日

大学スポーツに『ブランド力』と『ロイヤルティ』を

日本の大学めぐりの旅、九州新幹線で鹿児島にやってきました。ここから更に2時間、フェリーを使って鹿屋体育大学にお邪魔しました。先々週から2週間、日本の大学訪問中に頻繁に大学関係者の方々から『ブランド力』という言葉が聞かれました。有望な高校選手がもっと多く大学に進学するためや、在学生選手がしっかり卒業するためには大学の『ブランド力』が欠かせないと仰っていました。それと同時に自分は『ロイヤルティ』の構築も現在の大学に必要な部分だと感じました。

日経BPコンサルティングによれば 「大学において「ブランド力がある」とは、「個性や“らしさ”」、「他にはない差別性が効く魅力」が、有利に働いている状態を意味する」と定義されています。一方、冨山他によれば『ロイヤルティ』とは、『集団の価値基準、役割などを自己の意識や行動の中に内在化させ、同化させる心理過程を示す』つまり帰属意識と同意語と述べています。

よって大学には二者択一になった時に選ばれる『ブランド力』と、在学中や卒業後もその大学との繋がりを望む『ロイヤルティ』の構築が現在の全入次代の中で重要な要素となってきます。特に『ロイヤルティ』の構築により大学への帰属性が向上し、卒業生も大学へ戻る機会が増え、社会的・経済的・教育的など様々な利点が生まれます。その『ロイヤルティ』構築のためには大学スポーツにおけるスポーツマネジメントの導入は欠かせないものだと思います。公立私立問わず、大学経営がサバイバル化している今日にあって大学スポーツは広告媒体以外の面で大学にとって広告以上の価値を持ちえます。その目標達成のためにどの様にマネジメントを取り入れるか、大学スポーツ運営の別れ道に差し掛かっているのかもしれません。

参考文献
『大学ブランド力』ランキング:日経BPコンサルティング(日経トレンディーより)
商業スポーツクラブ経営へのロイヤルティ研究の応用: インストラクターの職場ロイヤルティ(冨山、川西、原田1992)

posted by maxsgoodies |20:18 | 日本大学スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月19日

3つのスポーツイベントに参加して

先週末、東京で日本体育・スポーツ経営学会、SPORTEC2011とThanks Party for Sports 2011に参加して現在静岡に向かっています。
今回の日本体育・スポーツ経営学会ではスポーツ基本計画がメインテーマだったのですが、自分が一番関心を持ってきいていたのは、ある大学の先生が仰っていた学会や大学の先生がどの様にスポーツに関する法律設立のプロセスに関わって行くかという点でした。現状では法案の委員会に入っている先生方でも、行政から示されている基本構造を崩す事はとても難しいとの事でした。委員会で審議される事は既に決められている「柱の枠組みの中でどうするか」であって、その枠組みを変えたり、新しい柱を入れたり、柱を削除するというプロセスには関われないとの事でした。そう考えると、地方などある程度法案の中で自由な裁量が任されている所で行動を始める方が良いとの意見もありました。

SPORTEC2011ではサプリメント、水、酸素、用具、などに加えて様々な運動関係の協会なども多く参加していました。話を伺う中で器具や機械の値段がとても高い印象を受けました。現在スポーツの現場で自分たちがよく目にする機械などは一台約40万円もすると聞いて、アメリカでは同じような機械が5~6万円で手に入るので、その差に驚きました。ブースにいる方に伺うと国の認可などを受けるのにお金が掛かるのと、まだ台数が出ないため、如何してもそれぐらいになってしまうとの事でした。

昨夜のThanks Party for Sports 2011では、日本でこのようなスポーツ業界関係者の集まりがあると話だけは以前から聞いていて、経験と現状を知るためにも参加をさせていただきました。参加をされていた方々の話を総合すると参加者の8割(又はそれ以上)が学生の方ではないかとの事でした。話をさせていただいた方の多くは大学3年生の方々で就職活動をしながら、スポーツ産業界への切っ掛けを作りたいとこのイベントに参加されている印象を受けました。

もう一つ感じた事は、日本のスポーツ業界もアメリカのように女性には狭き門なのかと質問したところ、学生の方々が参加するセミナーとかで女性の方々を多く見るとの返答を頂きました。会場でも多くの女子学生を見かけたので、割合で見るとアメリカよりも女性の進出が進んでいるのではないかとも感じました。

posted by maxsgoodies |18:32 | 日本スポーツ産業 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月18日

スポーツに組織が必要な理由

スポーツ組織に限らず、どの組織においてもトップの権限はその組織の規律と下で働く権限のない人たちを守るために存在します。しかしある組織が崩壊する時、多くの場合権限を持つ者が個人の権限を守るために権限を悪用し、全体の組織統率機能の崩壊を招くという場面が幾つも見られます。『アメリカ大学組織機能が大学スポーツによってい崩壊する時』で取り上げたPennsylvania  State University(以後PSU)で起こっている歴史的スキャンダルに端を発して、大学や高校スポーツでも性的虐待事件がメディアで取り上げられています。今回の投稿は。『アメリカ大学組織機能が大学スポーツによってい崩壊する時』の続編です。

Not my coach. Not my town (ESPN.comより)

NCAA規則違反と犯罪行為
ESPNから流れてくるニュースを毎日読みながら未だに理解できないのは、もしこれらの容疑が事実だとしたら、名門アメリカンフットボール云々よりも、これは人としてやってはいけない犯罪行為です。

「アメリカ大学スポーツで一番権力のある人は誰でしょう?」で取り上げたような、オハヨウ州立大学のスキャンダルや、USCでのスキャンダルは全て学生選手が「記念指輪を売った」とか「エージェントからお金を貰った」などのNCAA規則違反で法的な犯罪行為ではありません。つまり警察に捕まって牢獄に入ることはありません。それ故に規則違反が発覚するのと合わせて、それらの違反学生選手や監督は大学を辞めて、プロなど他で活躍できる場所を探します。

しかし少年への性的虐待又はシャワールームでの不適切な行動は明らかに犯罪行為です。この重罪行為があったかもしれないという認識がありながら、且つ州法では警察に通報することが義務図けられているにもかかわらず、なぜ総監督も学長も何もしなかったのでしょか?しかも大学警察(Campus Police)を監視する副学長も報告を受けていながら何もしなかった(同副学長は偽証罪で逮捕)。これでは隠蔽工作をしたといわれても仕方がありません。

メディアの問題
今回のPSUでの一連の事件に関連して、本来焦点を当てるべき犯罪行為と被害者への対応よりも同大学のFBチームと元監督パターノー氏の今後に話題が集中していたことも問題の一つに挙げられると思います。サンダスキー氏逮捕の数日後、パターノー監督クビのニュースが流れるやいなや学生達は暴徒化し、メディアはパターノー氏の自宅に張り込んで『アメリカンフットボール試合への影響』を語っていました。州知事やオバマ大統領までこの事件に関してのコメントを発表するという事態になりました。

Barack Obama weighs in on Penn State (ESPN.comより)

『アメリカ大学組織機能が大学スポーツによってい崩壊する時』で取り上げたように、アメリカンフットボールというアメリカ大学スポーツ史で特別な地位と権限を築き上げたスポーツはその巨大にまで膨らんだ影響力を自分でさえもコントロールできなくなっています。そしてアメリカンフットボールは人々の視点を狂わせ、本来教育の一部である「大学スポーツを通して学生選手の人間形成と更なる育成を促進する」という目的を失っています。大学利害関係者(Stakeholders)にとってアメリカンフットボール試合での勝利が無くてはならないもになった時、FB総監督の給料は19世紀の後半には既に大学総長の給料と同額かそれ以上までつり上がり、それと同時に監督の権限は増大していきました。

「アメリカ大学スポーツで一番権力のある人は誰でしょう?」で取り上げたように、FB監督とチームが巨大すぎる権限と影響力を持ち、大学総長すらそれを抑えることが出来ない今、大学スポーツとその組織は統制機能を失い、崩壊への道を下り始めています。本来組織の権限は権限のない人を守り、道徳や論理を統制し規律を守らせるためにあるべきものが、FBという巨大な権力を守るためだけに使われ、弱きものを踏みつけるという結果になってしまいました。アメリカ大学が守るべきは億単位の利益を上げる1スポーツか、または人と地域か、教育の一環としての大学スポーツのあり方をもう一度考え直す時期になっていると思います。

State of Shock (ESPN.comより)

posted by maxsgoodies |08:48 | スポーツ産業が抱える問題 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月16日

学生選手が自分を第3者から見る力

12月13日アメリカ大学バスケットボールの名門ゼイバー大学(Xavier)とシンシナティー大学(Cincinnati)で乱闘事件がありました。双方合わせて8人の学生選手が試合出場停止処分を受けました。その乱闘事件の模様はメディアで多く取り上げられましたが、自分が注目したいのはその試合後の記者会見でゼイバーの選手が”Gangsta(ギャングスター)”や”Thug(暴力的集団)”といった暴力的言動をテレビ中継されている記者会見で平気で発言している事でした。

注意:以下の内容には暴力的な言葉や映像が含まれています。

以下がゼイバー大学4年生ハロウェイ(Tu Holloway)が記者会見で『何故乱闘が始まったのか?」という質問に対しての発言全文:

“That’s what you’re going to see from Xavier and Cincinnati. We got disrespected a little bit before the game – guys calling us out,” he said. “We’re a tougher team. We’re grown men over here. We got a whole bunch of gangstas in the locker room, not thugs but tough guys on the court. And we went out there and zipped them up at the end of the game. That’s our motto: Zip ‘em up. And that’s what we just did to them.”

ハロウェイの意味は皆が理解していて、『自分たちはタフ(Tough)である。』というものですが、その意味をGangstasという言葉を使って公共の場で表す事は大きな間違いです。しかし彼は自分の発言内容を第3者の視点から見ることが出来ませんでした、つまり彼には「学生選手がメディアへどの様に対応すべきか」というスキルが欠けていました。

彼は後日、試合での行動を謝罪していますが、個人的には試合での乱闘による一試合出場停止処分に加えて、今回の発言による罰則も科せられるべきではなかったかと思います。そうする事で小さな子供たちにロールモデルとなるべき学生選手がメディアでどの様に発言するべきかを徹底させる切っ掛けになるのではないかと思います。

A-10: Techs not warranted before melee(ESPN.comより乱闘の模様)
Post-Game Press Conference Following Xavier v.s. Cincinnati Brawl(Youtubeより記者会見の模様)

posted by maxsgoodies |08:08 | ライフスキルプログラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月15日

スポーツ業界でSNSを使う(悪い例)

アメリカ大学のアメリカンフットボールシーズンも一段落し、後はボールゲームを残すのみとなっていますが、この時期は各大学の監督の入れ替えが激しく起こる時期です。そんな中ピッツバーグ大学(Pittsburgh)のアメリカンフットボール総監督であったタッド氏(Todd Graham)がアリゾナ州立大学の総監督になるとのニュースに流れました。

今シーズンは6勝6敗の成績ながら、タッド氏のチームビルディングとオフェンス・ディフェンスでの経験は業界で高く評価されています。しかし、残念ながら学生選手の気持ちは分っているとは言えません。なぜならこのニュースをテキストメッセージ(携帯同士で送るメッセージ)で伝えたからです。全文は以下の通り。

"I have resigned my position at Pitt in the best interest of my family to pursue the head coaching position at Arizona State," the message sent to players said. "Coaching there has always been a dream of ours and we have family there. The timing of the circumstances have prohibited me from telling you this directly. I now am on my way to Tempe to continue those discussions. God Bless. Coach Graham."

多くのSNS (Facebook, Twitter, Text Message, etc)がスポーツ業界に限らず使われています。学生選手のリクルートでもSNSは最大活用されNCAAもSNSに関する規律があるほどです。しかし、底辺にあるのは人間と人間の繋がりである事を忘れてはいけないと思うのです。

面と向かって話しづらい事を放さなくていい方法があるからといってそれを利用すれば、言われたほうは二度とその人と面と向かって話したいと思わないのではないでしょうか?この業界は人の入れ替わりがとても激しい世界です。ピッツバーグの学生選手もそれは十分理解しています。納得は出来なくても、面と向かって話をされればいずれはその事実を受け入れると思います。しかし今回のような対応では今まで築き上げてきた(であろう)監督と学生選手との関係を崩壊させ、『大学スポーツはビジネス以外の何者でもない』というイメージを今後来る子供たちに見せてしまったのではないでしょうか。

Todd Graham to coach Sun Devils(ESPN.comより)

posted by maxsgoodies |08:26 | スポーツとテクノロジー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月14日

Facebookセミナー参加と日本の大学めぐり日程決定

昨夜大阪体育大学にお邪魔させていただき、本日は同志社大学見学のために京都です。

ところで昨夜大阪体育大学の教授主催でFacebook Marketingに関してのスポーツビジネスセミナーが行なわれました。自分も以前モーガン大学でマーケティングとプロモーションのためにFacebookは活用していましたが、当時ぶち当たった一番の難題が時間に制約されている事でした。しかし講演をなさっていたプロ球団の方のお話では、掲載する数と事柄を前もって決めているためにそれほど制約はされていないと仰っていました。

また現在Facebookのような統計的な機能がまだなかった頃なので、現在多くの機能を使って閲覧者の分析が出来る事はとても良いツールであると再認識させられる機会となりました。自分はモーガン大学でプロモーション目的で使ったアカウントがるのですが、個人名が「Morgan Bear」となっているので、近日中に自分のアカウントを作成したいと考えています。


ところで簡単な予定として:
本日:同志社大学
12/15:立命館大学
12/16:びわこ成蹊
12/17:スポーツ経済学会出席
12/18:SPORTEC2011
12/19:神奈川大学
12/20:静岡産業大学
12/21:東海学園大学
12/22:大阪教育大学
12/23:鹿屋体育大学
12/24:佐賀県をうろうろ
12/25:東京に戻る
という予定でいます。関東エリアの大学めぐりは一月の第1~2週を予定しています。

posted by maxsgoodies |09:43 | 日本大学スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月12日

スポーツマネジメント学生の苦悩~校外活動でのリスクマネジメント~

昨日の日本スポーツマネジメント学会(JASM)での発表から慌しく現在は大阪です。今回のJASMでの発表を拝見させていただき、そこで感じた事を一言。

現在スポーツマネージメントを勉強する多くの学生が将来スポーツ産業で働く事を夢見ています。スポーツ産業関連のインターンシップの事例や研究を目にしとても役立つものが多いと感じたと同時に、現在スポーツマネジメント関連の学科を持つ大学が抱える難題というのも知る事ができました。それは「リスクマネージメント」というキーワードです。

学生が大学の枠を超えて授業の一環としてプロ・アマに限らず、外のチームと働く時、常に付きまとうのが何か起こるかもしれないという『リスク』です。例えば「チームのビラ配りを道でしていて車と接触した」など自分達の注意だけではどうにもならない危険性が常に伴います。

このリスクを感じているのは大学側だけではなく受け入れる側(プロ・アマチーム)も同様と考えます。プロ・アマチームとしては一人でも人手が欲しい、しかし保険料を払う余裕はない。また大学生の中にはまだ未成年者も含まれていると思うので、その配慮もしなければならない。

『そんな事起こる分けない』と安易な考えでいると起こったときに、それを主催した先生、チーム、しいては大学自体に管理責任が問われ多くの人・団体に影響が及びます。

現在スポーツマネジメント学科などで行なわれている外での活動は大学の授業の一環として捉えられていて、大学の保険がきく範囲だそうですが、先生からの本音は『あまりエリアを広げたくない』との事でした。

しかし実際にスポーツチームと働く事から得られる経験はこの業界に進むためには欠かせないものです。ではどうするか?ある先生は「アメリカなら大学内の競技スポーツと働く事で経験が得られる、日本でもこういう機会を増やすべきだ」と仰っていました。

この業界にいると『プロ』や『メジャー』という言葉がとても魅力的に感じるものです。その気持ちは十分すぎるほど分るのです。10万人を超す観客が集まったスタジアムにチームと共にフィールドへ入ると、まるで自分がスターになったような感じがします。しかし僭越ながら一言いわせて頂ければチームの大小に限らず行なっているマーケティング、プロモーションやマネジメントの基本と理論は大小にかかわらず同じです。ただ金額が億か千万か万円かの違いです。

どの様な機会であれスポーツとかかわる事で学ぶ事は常にあります。その経験で何を得られるかが重点だと思います。また自分も含めてそのような機会があった時には常にリスクを避ける行動をする事も双方にとってそのような機会を長く続けるために欠かせないものだと思います。

posted by maxsgoodies |16:14 | スポーツマネジメント学 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月03日

学会発表の機会を頂いて帰国

12月11日~12日に早稲田大学で行われる日本スポーツマネジメント学会で「アメリカ大学競技スポーツ組織と運営:NCAAディビジョン(Division)と大学競技スポーツ局(Department of Athletics)に注目して」という内容で研究発表をさせていただける機会を頂きました。内容としては一見プロ顔負けの収支を誇るアメリカ大学スポーツも実はディビジョン(Division)とよばれるレベルによって大きな差があります。スポーツにどれだけお金を掛けているかは、大学の大きさや、収入によるものではなく、大学の教育理念と大学スポーツの教育的位置づけによって決められているという内容です。自分の発表は12日なのですが、11日も参加しておりますのでもしご覧頂いている方で出席なさる方がいらっしゃれば、どうぞお声をおかけください。

今回の帰国に合わせて、せっかくですのでこの機会を利用して日本の大学見学をしようと思っています。日本の大学スポーツの現状を勉強すると同時に大学がどの様に学生選手をサポートしているかを勉強したいと考えております。今は詳しくはいえませんが関東の大学だけでなく、東海、関西、できれば九州まで足を伸ばしたいと考えております。

そのほかにも一ヶ月の滞在中出来るだけ多くのスポーツ関連(無関連)イベント・セミナーなどに参加させていただいて多くの方々とお話をさせていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

posted by maxsgoodies |09:20 | 講演 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2011年11月12日

アメリカ大学組織機能が大学スポーツによって崩壊する時

大学アメリカンフットボールの名門、Pennsylvania State Universityで元副監督が少年への性的虐待容疑で逮捕されました。この逮捕に前後して同大学の学長、副学長、大学スポーツを統括する競技局長と大学アメリカンフットボール(以下FB)の名将で全米最多勝利記録を持つパターノー(Joe Paterno)氏の大学トップ4名が大学理事会より解雇されるという事態が起こりました(競技局長と副学長は逮捕)。このアメリカ大学スポーツ界の歴史上最悪の事件が起こってしまった原因を数回に分けて分析して見ようと思います。

事件のあらすじ:
大学アメリカンフットボールの名門Pennsylvania State University(以後PSU)の名将、パターノー氏の409勝という輝かしい歴史を陰で支えた一人にサンダスキー(Jerry Sandusky)氏という方がいました。全米トップレベルのディフェンスを誇るPSUの礎を築いたとも言われる彼は1999年の引退まで33年間PSUFBチームのコーチとして勤めました。その後も彼が1977年に設立した里子の子供達をサポートする団体、The Second Milesでの活動をPSUを通して行なっていました。

2002年、当時PSUのFBチームのGraduate Assistant (助手)、現在同大学FBチームコーチのマイク氏(Mike McQueary)はサンダスキー容疑者がシャワールームで少年への不適切な行動を目撃します。マイク氏は彼の両親に相談後、翌日総監督であったパターノー氏にこの内容を報告します。

パターノー氏は報告を受けた後、パターノー氏の上司であるAthletic Director(競技局長)、カーリー(Tim Curley)氏に内容を報告。競技局長はマイク氏から直接話しを聞いた後、サンダスキー氏に今後大学施設へ少年を連れて入ることを禁止することを告げます。そしてこの内容をシュルツ(Gary Schultz)氏、同大学副学長(同人は大学警察(Campus Police)を監視する役目も負う)と学長に報告。しかし州法で同様な目撃情報は警察に通報することが義務図けられているにもかかわらず、この情報を知る全ての人(マイク氏を含む)が警察に連絡をしませんでした。

先週の土曜日(2011年11月5日)サンダスキー氏が過去15年に渡って少年に性的虐待を繰り返していたとして彼に逮捕状がでます。それに併せて2002年のシャワールームでの虐待の情報を警察に報告しなかったしたとしてPSU競技局長と副学長の両名に偽証罪による逮捕状が出ます。
このニュースが表沙汰になった日曜日(11月6日)の夜PSU理事会はカーリー氏の謹慎とシュルツ氏の辞任を発表。
水曜日(11月9日)パターノー氏が今シーズン限りでの引退を発表。
木曜日(11月10日)大学理事会がPSU学長とパターノー氏の解雇を発表。
金曜日(11月11日)新大学学長、新競技局長と新FB総監督を発表。同時にFBコーチのマイク氏の無期限自宅謹慎を発表。

今回の事件の背景には本来組織に存在する統制機能が働かなかったことが理由の一つに挙げられます。アメリカンフットボールというアメリカ大学スポーツの歴史の中で特別な地位を築いたこのスポーツが及ぼす統制機能の崩壊を今回は考えて見たいと思います。

アメリカ大学スポーツの歴史を語る上でアメリカンフットボールは不可欠です。それはNCAAの設立も、アメリカ大学スポーツの現在の繁栄も、商業化したシステムも、そして近年続いているコンファレンス移籍騒動も全てがアメリカンフットボール(以下FB)というスポーツが存在するが故に起きた出来事だからです。それゆえにアメリカンフットボールは他の大学スポーツが得られない強力な権力と影響力を大学内外に及ぼすことが出来るようになりました。

大学スポーツが大学利害関係者にとって無くてはならない存在になった19世紀後半、人々はFB試合の話題で日々盛り上がりました。大学スポーツの商業化が進む中、巨額の資金を注ぎ込んで建てたスタジアムの支払いに負われる競技局と大学は、収入を大きく左右するFB試合での勝利を得るために優秀な監督を高額の給料を払い雇い始めました。総監督の給料は19世紀の後半には既に大学総長の給料と同額かそれ以上までつり上がり、それと同時に監督の権限は増大していきました。

「アメリカ大学スポーツで一番権力のある人は誰でしょう?」で取り上げたように、FB監督とチームが多くの権限と影響力を持ち、大学総長すらそれを抑えることが出来ない時、大学スポーツとその大学組織は統制機能を失い崩壊への道を下り始めます。それでは現在の組織形態はどうなっているのでしょうか?現在のアメリカ大学スポーツの組織形態は大きく分けて二つあります。

一つ目の組織形態は学長―副学長―競技局長(AD)―FB総監督のシステムで多くのDivision II & III(大学2部&3部に相当)の大学がこのシステムを用いています。このシステムの利点は書類や報告などが学長に行く前に副学長で審査が行なわれることです。これにより大学自身の競技局への統制機能は上がることになります。欠点としては学長とADの間にもう一つオフィスがあるので物事に時間が掛かり、緊急の場合でも中々書類などが通らないことがあります。更に云えば大学の競技局への統制機能が上がる分、副学長が競技局運営に干渉しすぎることも挙げられます。

もう一方は多くのトップ大学スポーツを抱える大学が用いている学長―競技局長(AD)―FB総監督のシステムでADが直接学長に報告を行なえるシステムです。PSUもこれを用いています。利点は間に人を通さない分、物事の決定を迅速に行えるためスポーツというスケジュールに当てはまらない環境には適していえるといえます。その反対に欠点として決定事項が限られた人数の限られた地位の人間のみによって決められるため、審査などが甘くなりかなり偏った決定になることが挙げられます。

しかもFB総監督がADの下にいるというのは形式上のものだけで、アメリカ大学スポーツトップレベル(FBS-Football Bowl Subdivision)のFB総監督は大学学長に直接報告をする義務のみを負っている場合が殆どです。つまりFBチームに関する決定などがこの二人によって決定されるということになります。

今回のPSUでの場合も事件の情報を知る人物がかなり偏ったエリアの人間のみであったため、外からの見識を入れることなく、限られた人間のみの見解によって情報が処理されてしまいました。それと同時に今回の事件をより一層深刻化させた理由の一つに学長に直接報告できる立場にあるパターノー氏がADに一回報告をしたのみで、その後継続して事件の真相解明に取り組まなかったことが挙げられています。

今回の事件はアメリカ大学が19世紀から抱えていた大学組織内における大学スポーツの位置と高給監督(アメリカンフットボールと男子バスケットボール)の権限について改めて考えさせられる機会になると思います。次回は「権限は何を守るために存在するのか?」を考えて見たいと思います。

Penn State AD, school VP leave posts
The tragedy of Joe Paterno
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posted by maxsgoodies |14:05 | 体育局構造 | コメント(0) | トラックバック(0)
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