2006年11月02日

圧勝とその影にあるもの@女子バレー

さて、昨日の夜に宣言したように、日本とコスタリカ戦
をデータ分析してみました。

結論から言えば「圧勝」でしょう。ただ、コスタリカがまだまだ
発展途上のチームなので、今の力関係から言えば当然の結果だと思います。


ただし、心配事が2点あります。

それは、次の2点です。

1.高橋と菅山のサーブカット返球率の安定性
2.宝来の速攻の決定力

それぞれデータを見てみましょう。


1.高橋と菅山のサーブカット返球率の安定性

【カット返球率】
       1  2  3  Total
日本    88% 55% 60% 67% 
コスタリカ 41% 33% 18% 31%

このデータからは、日本のサーブカットがコスタリカを上回り、
圧倒していることがわかります。しかしながら、日本の高橋、
菅山のカット返球率を見ると、

       1  2  3  Total
高橋    100% 60% 50% 64% 
菅山    75% 45% 60% 57%

日本全体のカット返球率よりも悪くなっています。幸いコスタリカは
ミス(サーブカットミス含む)で29失点もしてくれたため、結果は
圧勝となっていますが、強いチームはこの点を突いてくると思います。

なお、今日日本でカットがよかったのは木村です。

       1   2   3   Total
木村    100% 100% 100% 100%

台湾戦では返球率が悪かったので(緊張していないように見えて
緊張していた!?)、この調子を維持すれば、日本のサーブカット
返球率がある程度安定すると思います。

※ちなみに、サーブカット返球率とは、サーブカットのボールが
 セッター竹下にぴったり返り、Aクイックや時間差などの早い
 攻撃が可能となる確率のことです。判定は、排人自らが行って
 います。


2.宝来の速攻の決定力

コンビバレーでメダルを狙う日本にとって、センター戦の決定力は
サッカー日本代表のFWの決定力と同じくらい重要、かつ、長年の
課題です。FWが弱いと2列目からの飛び出しの効果が落ちるのと同様、
センターの決定力が低いと、サイドアタッカー(高橋、木村、小山)の
決定力にも影響します。

両センターのクイック決定率のデータを見てみると、

      1  2  3  Total
荒木    100% 50% 75% 71% 
宝来    100% 100% 40% 63%

となります。ぜんぜん悪くないじゃないか、と思うかも
しれませんが、今日は相手が弱いこともあり、打数が
少ないのです。そのため、1、2セットのデータはあまり
意味がありません。一方3セット目は、おそらく意識して
竹下がセンターを使ったんだと思います。荒木も宝来も
打数が増えています。荒木は75%とコンスタントに決めて
いますが、宝来は40%しか決めていません。

原因は、竹下といまいちタイミングが合っていない(宝来
のタイミングが遅いと思われます)のと、打つコースが
甘いこと、の2点だと思います。

データを見ることで、まだまだ細かい気づき点はありますが、
明日の試合は、上記2点を注意してみてみると、面白いかも
しれません。

明日はケニア戦。まず、負けはしないとは思いますが、
課題の修正(選手交代を含む)をしっかりして、後の
試合に備えてほしいと思います。

それでは。

posted by 排人 |03:03 | バレーボール | コメント(8) | トラックバック(1)
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昨日の試合 【スポーツ雑記帳】

昨日の試合、生観戦して参りました。 試合は圧勝でしたね。 おとといのチームとは全然違ってました。 台湾戦がいいクスリになったみたいですね。 相手との力の差が大きかったので、ブロックやサーブカットという課題が克服されているかどうかはよくわからない試合ではありました。 コスタリカは世界大会に出てくるのがはじめてという事で、しょうがないといたしましょう。 ただ、リベロの菅山のサーブカットがあまりよくなかったような感じがしました。 スパイクレシーブは、彼女本来のよさが出ていたと思います。 あとこれから出番のあるか

2006-11-02 23:32 | 続きを読む
この記事に対するコメント一覧
Re:圧勝とその影にあるもの@女子バレー

「リベロがサーブで狙われていますねー」という嘘のような?解説は間違っていないんですねぇ…。

posted by No.13 | 2006-11-02 15:05

Re:No.13さん

No.13さん、コメントありがとうございます。

僕はデータを取りながら試合を見ているため、幸か不幸か、解説をほとんど聞いていません。そのため、リベロがサーブで狙われているというコメントは聞き逃していました。昨日はコスタリカということもあり、それほど徹底して弱点を突いてきていませんが、今後、韓国には要注意です。おそらく気づいているのではないでしょうか。明日以降は、怪我から復帰した菅山がようやくなれて、復調することを期待してます。

posted by 排人 | 2006-11-02 20:39

Re:圧勝とその影にあるもの@女子バレー

はじめまして。
まことに勝手ながら、トラックバックさせていただきました。
やっぱり菅山の返球率って、悪かったんですね。
これからの対戦相手は、しっかりデータを取っているでしょうから狙われるのは避けられそうにないですね。

posted by m-pulse | 2006-11-02 23:45

Re:m-pulseさん

m-pulseさん、コメントありがとうございます。

菅山の返球率ですが、台湾戦は1:63% 2:38% 3:80% 4:57% Total:60.6%となっています。サーブカット本数もチーム1位ですので、彼女の不調は接戦になればなるほどチームに影響を与えることになるでしょう。今回カットが安定しないのは、菅山自身の怪我の影響もあるかもしれませんが、大山が欠場が大きいと思います。大山の代わりに小山が入ったことで、菅山、木村、高橋へのサーブカットの負担が上昇しています。なぜなら、小山はカットをしないため、一枚カット枚数が減っているのです。これが、今後の予想を楽観的に見られない僕の理由です。

posted by 排人 | 2006-11-02 23:59

Re:圧勝とその影にあるもの@女子バレー

コスタリカ戦のデータなんて、無意味に近いような気がします。サーブカット成功時にセンター、サイドが決められないのが弱さです。私はこの先、かなり悲観的に見ています。台湾戦で、あれだけブロックされるのは、竹下のトス、もうちょっと考えないと強豪にはまったく通用しないでしょうね。大友、大山がいればまだしも・・・。ブロックされまくらないことを祈ります。

posted by 山本 | 2006-11-03 07:23

Re:山本さん

山本さん、コメントありがとうございます。

確かに、コスタリカ戦は相手のミスが多く(29失点)、データの意味合いはそれほど強くないかもしれませんが、相手の何も考えないサーブに対して、日本の不安定性はちょっときになりました。また、カット成功時の決定率については、以前にも書きましたが宝来の決定力が気になります。全般的には入りが遅く、コースも甘いため、相手にワンタッチを取られる確率が高くなっています。また、ワイドの攻撃もほとんど無いため、レフト側への偏りが生じ、サイドアタッカーへのマークが厳しくなっています。この点を、韓国、ポーランド戦までに立て直してくれるといいのですが。

posted by 排人 | 2006-11-03 09:17

Re:圧勝とその影にあるもの@女子バレー

なるほどです。とかく、「気持ち」とか「戦う姿勢」に流れ勝ちなコメントの中で、白眉ですね。
有難うございます。

posted by なろほどです | 2006-11-04 14:01

Re:なるほどさん

なるほどさん、コメントありがとうございます。

「気持ち」「戦う姿勢」が大事であることに変わりは無いのですが、今のバレーに対する見方はそれ一辺倒で、戦術的な視点が欠けている(もしくは、一般受けがよくないので封印してる?)ので、その風潮にたいするささやかな抵抗です。バレーってほんとは奥が深いんだっ!とみなさんに感じていただければ幸いです。

posted by 排人 | 2006-11-04 18:16

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