2010年03月29日
2010年3月31日付けで、イギリスの資金管理会社「ケンタウルス・グループ」が、スポーツ賭博を中心に運用するファンドを設立すると発表した。
このケンタウルス・グループの過去10年間の運用実績は素晴らしく、英国で注目を集めているファンドだ。今回スタートするファンドは「The Centaur Sport found」と名付けられていて、5年間の運用期間で40%以上の運用益を出す事を目標としている。
ケンタウルス・グループのWoodhams氏はメディアに対して
「スポーツ賭博市場で資産を運用することは、他の一般的な投資マーケットの影響を受けません。株価が暴落しても、為替が大幅に変動しても、スポーツで運用している資金がダメージを受ける可能性は、(私たちの統計結果を信用すれば)100%ありません。つまり顧客が有効なポートフォリオを組むことが可能になるのです。極端な不景気が世界経済を襲った場合には、スポーツ賭博に流入する資金総額が縮小する可能性は否定出来ません。ですがその可能性は極めて低く、スポーツ賭博が行われるようになってから、その様な記録は存在しません」
と一般の資金運用との違いを説明している。
ケンタウルス・グループは、今までの金融商品(株式、為替など)と同様に、統計数学を駆使してスポーツの結果を予想してゆく計画だ。
ただ英国金融庁は、このファンドを認可してない。ケンタウルス・グループは英国内にある企業だが、ジブラルタル金融庁の管理下で行われる予定だ。
(ジブラルタル=イベリア半島の南東端に突き出した半島に位置するイギリスの海外領土)
日本ではスポーツ賭博は犯罪になる。
でもイギリスやアメリカ(ネバダ州のみ)などでは、スポーツの結果にお金を掛けるのは日常的に行われている娯楽のひとつだ。
スポーツ賭博をするのには、ブックメーカーを介して行われる。ブックメーカーはイギリスでは政府発行の免許が必要だし、アメリカではラスベガス地域だけで認可されていて、悪質な詐欺まがいのブックメーカーは存在しない。
このブックメーカーはオッズを決める。競馬やケイリンは、賭けに参加する人の行動によって掛け率(オッズ)が変動するけど、ブックメーカーのオッズはあまり変動しない。
例えば、バンクーバーオリンピックの女子フィギュアシングルのオッズは、
'キム・ヨナ 1.55倍
浅田真央 5.00倍
安藤美姫 6.50倍'
といった具合だ。
このオッズはブックメーカーによって異なる。オッズには細かい説明がついていて、オッズがいかに妥当かを解説している。このブックメーカーの解説を読んでいるだけでも楽しい。
ブックメーカーは何でも掛けとして成立させちゃうところがある。アメリカ大統領選挙の結果や、マイケル・ジャクソンのDVDが売れる枚数まで、答えがハッキリしているものなら、本当になんでも賭けにしている。
日本から、イギリス政府公認のブックメーカーにインターネット経由で参加しても犯罪になる。誤解の無いように。
まあ、日本の競馬やケイリン、競艇も自治体が運営しているスポーツ賭博と構造的には変わりは無いわけで、イギリスにおいてスポーツ賭博でファンドを運用する会社が出てきても不思議は無いと言える。
そうは言っても私たち日本人には、なんとなくスポーツの結果にお金を賭けて、それで資産運用する。っていうのは気持ちが悪い。
なんだかそれだけで、スポーツじゃ無くなってしまう気がする。競馬やケイリンが「スポーツ」という文脈の中で議論される機会が少ないのも、そういう見方に支配されているからなのかもしれない。
ケンタウルスは主に、サッカーとラグビーとゴルフに賭けると発表している。つまり僕たちが普段みているプレミア・リーグの試合には当たり前にお金が掛けられているわけだ。
このファンドに投資している人はケンタウルスがどのチームに賭けているかを知るのは、ずっと後になってから。投資している人が結果に一喜一憂したり、どのチームが勝つか必死に予想する必要は無い。ただお金を預けておけばいい。株式や為替相場で運用するのとどっちがいいかは個人の趣味によるだろう。ちなみに最小運用額は10万ユーロ、およそ1250万円からだそうだ。
このファンドは日本から買っても違法にならないので、5年で40%は魅力的だけど、1250万円は金額が大きくてとても手が届きそうにない。
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スポーツビジネス |
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2010年03月21日
松坂大輔や岡島秀樹が所属していることで、日本でもよく報道されるようになったボストン・レッドソックス。ホームスタジアムの観戦チケットは2009年6月に500試合連続で売り切れを記録し、現在もその記録を更新中だ。つまり全米で最もチケット入手が困難なメジャーリーグの公式戦チケットが、レッドソックスというわけ。ヤンキースのライバルであり人気もあるチームなのだが、ホームスタジアムが3万8800人しか席が無い。ということもあって本当に全然チケットがとれない。
なんとオープン戦でも同じ事が起きており、30試合強のチケットは全て完売。あとは当日販売される立見席しか購入出来ない。
レッドソックスがスプリングトレーニングで試合を行うシテイ・パームズパークのオープン戦チケット価格は以下の通り。
ホームプレートボックス:$ 46
ベンチボックス(1列目):$ 40
ベンチボックス(2列目):$ 36
ボックス席:$ 26
フィールドデッキ(右側):$ 26
リザーブド席:$ 23
外野席:$ 15
外野芝生席:$ 12
立見席:$ 10
収容人数は8000人とスプリングトレーニングでは一般的な大きさ。
スプリングトレーニング
読者の皆さんは、既にご存知だと思うが、念のためMLBのスプリングトレーニングについて確認しておこう。
2月の中旬から始まるスプリングトレーニングは3月に入ると、オープン戦が活発に行われる。ほとんど毎日試合が組まれ1日に2試合行われる事も珍しくない。スプリングトレーニングには傘下のマイナーリーグ登録の選手も参加し、その1年を闘うチーム編成を、選手の練習を見ながら首脳陣が行って行くのだ。そのためオープン戦には色々な選手が登場するし、マイナー登録選手を中心にした紅白戦まで含めると、ほんとに多くの試合が開催されている。
キャンプ地は、フロリダとアリゾナの2地区に限定されており、多くのチームがバスで30分以内の位置で練習を行っている。練習試合やオープン戦をスグ開催出来るようにしているのだが、ビジネス的な意図もある。
フロリダもアリゾナも全米を代表する観光地。3月の両地域はもう真夏のような陽気の日もある。MLBのスプリングトレーニングを見に全米から観光客が押し寄せてくる。その経済効果は500億円とも1000億円とも言われている。
ボストンではまだ雪が残っている時期に、南の暖かい所に野球を見に行く。しかもMLBの試合に比較して、スタジアムもコンパクトで選手を身近に見られる。巨大化したMLBに比較して、古き良きBaseballが満喫出来る。観光地としての完成度が高い場所に、その時期にしか楽しめないカジュアルなメジャーリーグがプラスアルファされることで、観光資源としての価値がグンと跳ね上がるわけだ。
それだけではない。地域で生活する高齢者がスプリングトレーニングでやってくるMLBチームをボランティアとして支えている。この高齢者が本当に楽しそうなのだ。駐車場の案内や、球場のチケットもぎり、僕たち報道陣の受付など本当にあちこちにカンカン帽をかぶった高齢者に出くわす。うっかり「今年のレッドソックスはどうですか?」なんて話しかけると5分は解放してもらえない。だからニッコリ笑って「今年もいいですね」と挨拶することにしている。
レッドソックス観戦ホテルパック
さてさてレッドソックスに話しを戻そう。
ボストンのホームスタジアムでのチケットは完売。スプリングトレーニングまで完売。となるとファンも許してくれない。そこでレッドソックスは、スプリングトレーニング観戦ホテルパックを販売している。このパックを購入すれば、オープン戦のチケットもついてくるというわけ。
・レッドソックスのオープン戦観戦チケット2試合分
・球場から4マイルの位置にあるマリオットホテルのツインルームに3泊。
・3日間自由に使える4ドアのレンタカー
・レッドソックス選手を交えて行われるバーベキューへの参加。このバーベキューはチケット制になっていて、・選手にサインを求める・選手に質問をする・選手に野球指導を受けるというアトラクションを3回まで利用できる。サインを3つもらってもいいし、3つのアトラクションに1つづつ参加してもいい。
・2010年モデルのレッドソックスグッズパック
帽子、ポロシャツ、Tシャツ、MLB試合球などが入ったグッズパック
ひとり当たり863ドル(約78,000円)
このパックを購入すると、全米各地からフロリダへ向かうJetBlueの航空チケットが10%割引になる。
オプション-打撃練習参加
週末に50人限定で打撃練習を受ける事が出来る。レッドソックスの選手と全く同じメニューで、選手たちの練習前の早朝に開催されている。ビュッフェスタイルのフルブレックファーストと、MLBの試合で使用されたボール。そして参加者が球場のゲージで打撃練習をしている光景を写真にとり額縁に入れてプレゼントしてくれる。そこまでパッケージになってひとり199ドル(約18000円)で提供している。これは観戦パック購入者で無くても申し込めるので現地に行ってからでも参加OK。だが限定50人はスグに一杯になってしまうそうで、2週間位前から予約しないとダメだと広報の人が教えてくれた。結果的にほとんどが、ツアー参加者になっている。
VIPスタジアムツアー
週末に75人限定で行われているVIPスタジアムツアー。スタジアムで、スタジアムのロッカールームや諸施設を見学、ビュッフェスタイルのフルブレックファーストを食べた後、スタジアムのファールラインの外で練習を見る事が出来る。記念にその光景を写真にとり額縁に入れてプレゼントしてくれる。ひとりあたり99ドル(約9000円)で参加出来る。ファミリーでの参加が多く、選手の練習を間近に見られるし、ベンチなどで記念撮影をしてみんな楽しんでいた。
99ドルが高いかどうかは意見が分かれる所だが、全米から飛行機に乗ってフロリダまで来た観光者にとって、プラス99ドルで特別な体験が出来るのなら、投資対効果は悪くないようだ。アメリカ人の陽気な気質もあって、本当にみんな楽しんでいた。
日本ではオープン戦のビジネス化はあまり進んでいない。
MLBを崇拝するつもりは無いが、よく考えられていた。野球をエンタテイメントとしてどう扱えば、ファンが楽しむのか、高齢者社会に貢献できるのか。そういう割り切りがあった。
参考に出来る事は、どんどん取り入れていけばいいのにと、フロリダの真夏の日差しを浴びながら痛感した。
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2010年03月07日
2009年の3月に僕のゼミから卒業する学生が、卒論のテーマとして選んだのが
「海外サッカーの移籍金に影響を与える要因の関連性に関する考察」
なんだか小難しいタイトルだけど、要は欧州サッカー選手の移籍金を予想しよう。というものだ。
まず、移籍金はどうやって算出されているのかを探ることにした。学生なりに色々調べていたが、あまり開示されていない。その辺はJリーグや日本プロ野球の年俸と同じで、厳格な基準は存在しないようだ。
そこで移籍金を決定づける要因の仮説を立てた。
1-個人タイトル (過去に受賞経験があるか)
2-大舞台の経験 (過去に大きな国際試合に出場した経験があるか)
3-国籍
4-チーム規模 (チームの観客動員数及び経済状況)
5-所属していたチームの成績
6-将来性 (主に年齢)
7-代表キャップ (国の代表になった経験があるか)
8-華がある選手か
9-その選手には商品価値があるか
10-希少性があるか
11-物語性があるか
という11項目で、過去に移籍した選手を評価した。
仮説11項目を数値化して統計処理をするのだ。それで移籍金に影響を及ぼしているかどうかを計算で判別する。
この統計処理でサンプルに使った選手は、過去10年以内に移籍をしていて、移籍金が正確に報道されている例に限定し、ポジションや国籍、所属リーグに偏りが無いようにして18選手を選び出した。
この18選手のに対して、仮説の11項目の得点をつけていくんだけど、「華がある」とか「物語性がある」なんて項目については、とっても主観的で評価に個人差が出てしまう。そこサッカーに詳しい学生150人にアンケートをとって、公平性の保たれた得点を作り出す事ができた。
上記の表をもとに、相関関係を計算して相関係数が統計的に意味が無いとされるものをハジいた。
そんでもって残ったのが下記の6項目だった。
項 目 相関係数
・商品価値があるか 0.58
・華がある選手か 0.55
・前チームの規模 0.54
・物語性があるか 0.51
・個人タイル 0.51
・大舞台での活躍 0.32
サンプルが18と少ない上に、項目の数値化に関しても完璧なロジックでは無いので、専門家からは「つっこみ所満載」だと思う。大学生の卒論ですからあまり目くじら立てずに、ゆるーく見てあげてください。
◆移籍金予想
移籍金を決める要因が6つに絞られて、相関係数が出たので、これから移籍する可能性のある選手を統計的に予想する事が出来るようになったわけ。
★検算
じゃあ、ここで導き出された計算方法は信頼性があるのか、検算してみることにしよう。
サンプルは、イブラヒモビッチ。
2009年インテルからFCバルセロナへ6900万ユーロ(約93億円)で、5年契約で移籍している。
移籍金決定要因6項目のうち、商品価値、華があるか、物語性に関してはアンケートをした結果を、回帰式に入れると。
94億円 という結果が出た。
実際にはおよそ93億円だったので、ほとんど正解。
為替相場変動誤差の範囲におさまった。
◆ウェイン・マーク・ルーニー(Wayne Mark Rooney)
マンチェスター・ユナイテッド
2009-2010シーズン終了後に移籍するとしたら、
137億円
(世界の経済状況による変動は計算していません)
◆フランク・ビラル・リベリー(Franck Bilal Ribéry)
バイエルン・ミュンヘン
2009-2010シーズン終了後に移籍するとしたら、
108億円
(世界の経済状況による変動は計算していません)
という計算予想になった。
「そんなんで卒論にしていいのか」
というお叱りを受けるかも知れない。
テーマは「遊び」の要素が多分に含まれているが、学生自身が興味を持った事柄を、アカデミックな手法を使って説明してゆく。個人的な想像や推測を挟まず、客観的なデーターや文献などで、自分の考えている事を証明してゆく。
そういったプロセスは十二分に経験させることが出来た。
「カン」で移籍金を予想したのではなく、統計処理をした結果の数字を生み出したことに学生自身は、自身と誇りを持っことができた。
結果は、ルーニーやリベリーの移籍金が発表された時に解るだろう。少しだけ今シーズンが終わるのが楽しみになった。
posted by marketing |09:11 |
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