2008年08月26日

北京五輪 メダル獲得視聴率

北京オリンピックが終了した。
大きなトラブルも無く、警備予算がかさんだとは言え、収支も黒字になりそうで、まずまずの大会だったのではないだろうか。
成績はさておき、日本国内の注目を多いに集め、この2週間の話題はほとんど、オリンピック中心だった。

スポーツビジネスを研究対象としている者として、気になるところは数多くあるが、今回はテレビ視聴率に注目してみようと思う。
NHKと民放を合わせて213の番組が放送され、放送総時間は389時間に及んだ。全番組の平均視聴率は10.04%。民放の合格基準をクリアしたことになる。213番組中で最も視聴率が高かったのは、開会式で37.3%。前回のアテネ大会は深夜放送だったために12.7%。2000年のシドニー大会30.9%と比べても、視聴率は大きく伸びている。

今回は、メダル獲得競技に焦点を当ててみた。女子ソフトボール30.6%、レスリング女子63kg級/伊調馨26.0%、柔道男子100kg超級/石井慧25.4%がメダル獲得競技視聴率ベスト3に輝いた。
視聴率20%を超えた種目は9あったが、いずれも18時以降のいわゆるゴールデンタイム。注目が集まった北島康介の決勝は午前中だったためか、19.4%に終わっている。

フェンシングとケイリンは、競技の生中継予定が無かった為か、視聴率データで拾い上げる事が出来なかった。
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2008年08月14日

参加する事に意義がある

marketing-42787.jpg連日、北京オリンピック競技の結果がメディアを賑わせている。
競泳の決勝が午前中に行われているのを不思議に思う方もいると思う。これはアメリカのTV局の要請で、IOCが競技実施時間を変えた結果だ。
2006年10月にIOCは、アメリカ3大ネットワークのNBCの要請に応えて、競泳、陸上などの決勝実施時間変更を発表欧州放送連合は、選手のコンディションに悪影響があるとして従来通り、午前中予選、午後決勝。というスケジュールに戻すように、受け入れられなかった。

競技時間をTV中継の都合に合わせる。という事実はオリンピックだけじゃない。2006年ワールドカップドイツ大会でも、日本戦はドイツの午後に開催され、選手は猛暑の中で試合をすることになった。最近の、2010年大会予選でも同様だ。テレビ中継の為に、選手に負担を掛けるのは賛成できない。
視聴者だって、選手がいい成績を残すのなら、TV中継が深夜になるくらい問題にしないハズだ。

さて、前置きが長くなってスイマセン。
本題は「参加する事に意義がある」という言葉。
オリンピックの思想を代表する言葉のように言われていて、時として「勝てなくても、弱くても参加するだけでオアリンピックは素晴らしい」という意味に取られたり、敗者に対しての励ましに使われることがある。
それは必ずしも正しい理解とは言えないようだ。


1908年第4回のロンドン大会で、イギリスアメリカ間には対立が絶え間なく起こり、スポーツにあるべき、公平性やフェアプレー精神が失われかける場面もあった。
両国とも陸上競技に力を注いでおり、開催国のイギリスは、活躍めざましいアメリカの上を行くことを期待されていた。

綱引きでの「靴」がきっかけだった。当時陸上競技として行われていた綱引き。イギリスはスパイクのついた靴で参加、それに対してアメリカは普通の靴で参加した。
アメリカは同じレギュレーションでないので、不公平だと猛抗議をしたが、イギリス人だけで編成されていた審判団は、この抗議を棄却。イギリスの綱引き選手は全員警官であり、職務で使っているスパイ付のブーツを履き替える必要は無い。というのが審判団の棄却理由だった。結果は予想どおりイギリスが勝利した。

陸上400m決勝ではアメリカ選手のフライングの判定に対し、それを不服としたアメリカが他の決勝進出選手も出場をボイコット、イギリスのウィンダム・ハルスウェル一人で走るという前代未聞のレースとなった。

こういった両国のフィールド以外での対立は、大きな問題だった。
近代オリンピックはまだ誕生したばかりだったし、世界情勢は、第一次世界大戦前でイギリスは大英帝国で、世界中に植民地を持っていた時代だった。

日曜日に行われたミサでペンシルバニア大司教エチュルバート・タルボットは、各国選手団を前に
「オリンピックで重要なことは、勝つことよりも参加したことだろう」
と説教をした。
数日後イギリス政府主催のレセプションに参加した、クーベルダンIOC会長は
「先日の主教の説教は的を得ている。人生で重要なことは勝つことではなく、勝つために努力をすることである」
と演説の中で話している。

1932年第10回ロサンジェルス大会の選手村に、この言葉が掲げられた。それをきっかけに広く一般に知られるようになっていった。

「参加することに意義がある」という言葉には、自国の代表になるまで努力をしてきたことの素晴らしさと、その力を充分に発揮することが最も重要であり、その結果メダルを獲得できるものである。という想いが込められている。
平たく言うと、
「勝つことよりも参加することに意義がある」は、
「メダルよりも、頑張ることに意義がある」となるんじゃないかな。
僕たち国民が、選手のメダルの数に一喜一憂素のは仕方がない。
だけど、メダルが取れなかった選手は「敗者」じゃないんだ。


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2008年08月07日

聖火と政治とオリンピック

marketing-41688.jpg北京オリンピックが開幕する。
オリンピックを嫌いな人はあまりいないと思う。じゃあどこが好きか。と尋ねられるとあんまり具体的に答えられないものだ。
僕は開会式がとっても好きだ。夏季オリンピックだと開会式は4時間近くに及ぶ。その半分以上が選手の入場行進だ。ただただ世界中の選手がメインスタジアムを歩くだけだ。自分でも何が面白いんだろう。と疑問に思う事もある。それでも楽しいのだ。IOCの偉い人のスピーチや、選手宣誓のあと、開会式のメインイベント聖火点灯向けてどんどん盛り上がって行く。

 聖火リレーは1936年のベルリンオリンピックで初めて行われた。ナチスがその国力を世界に示すために利用されたオリンピックだ。この大会でアテネで聖火の点灯式が行われ、その炎をランナーが手に持って開催地まで運ぶと言う企画が発案された。現代風に言うと、プレイベントであり、オリンピックが行われる事を、メディアに露出するためのパブリシティー狙いのイベントだった。
聖火ランナーが到着した国ではニュースになる、しかも大きなニュースだ。このニュースを見た大衆は、いつどこでオリンピックがあるのかという情報を自然とインプットするのだ。ナチスが世界中の注目を集め、過去最大のオリンピックを開催し、自国を宣伝するための手段のひとつに過ぎなかった。
こういった政治的な背景の上で誕生した聖火ランナーは、その後も様々な政治的なメッセージを世界中に届ける役割を担わされるハメになる。
開会式で聖火の点火は、もっともオリンピックを象徴し最も注目があつまる瞬間だ。世界中の目が見守る中、メインスタジアムに聖火を掲げて入場してくるランナーたち。そこには天文学的数字のメデイア価値が存在するのだ。

【1964年10月10日東京オリンピック】
東京オリンピックの開会式は、国立競技場で行われた。
選手の入場行進に続いて、昭和天皇の開会宣言。そして聖火ランナーが登場した。
1945年8月6日に広島市近郊で生まれた青年が、聖火トーチを持っていた。広島に原爆が落ちた日に、広島市近郊で生まれた青年だ。
世界でたった1国、原子爆弾の被害を受けた国日本。東京オリンピックの聖火ランナーに込められた思いは、戦争の無意味さと、大戦敗戦から復興した日本の姿を世界に示す事、そして二度と原爆を使って欲しくない。というメッセージを、1962年秋にキューバ危機が起こり、アメリカとソ連は核戦争一歩手前にまでエスカレートするほど激しく対立した、東西冷戦まっただ中の諸国へ向けたものだった。

【1988年ソウル大会】
では、ソン・キジュンさんが最終ランナーだった。
ソンさんは1936年ベルリンオリンピックに、マラソン選手として出場し、金メダルを取っている。しかし韓国選手としての出場ではなかった。
当時韓国は日本の占領下にあったため、日本人としてオリンピックに参加していたのだ。日の丸を胸につけての金メダルだった。
ソウル大会では、誰よりも最初にメインスタジアムに走って入ってくる、最終聖火ランナーになった。祖国の国旗を胸につけて、1番最初にスタジアムをかけ抜けた。そして満場の喝采を浴びたのだ。52年前の屈辱を晴らした瞬間だったに違いない。

【1992年バルセロナ大会】
1992年バルセロナ大会の最終ランナーは、ロサンジェルス大会バスケット銀のエピ。そして、右足が不自由なパラリンピックのアーチェリー選手アントニオ・レボリョが火のついた矢を放ち、70m離れた聖火台に点火した。オリンピックは健常者だけのものではないことを、このセレモニーで世界に伝えた。

【1996年アトランタ大会】
1996年アトランタ大会で、聖火点火を担当したのはモハメッド・アリだった。1960年ローマ大会でボクシングライトヘビー級で金メダルを獲得。プロボクシングでも、世界ヘビー級チャンピオンだった。
ローマ大会で、黒人であることを理由にレストランへの入店を拒否され、それに抗議して川へメダルを捨ててしまったり。アメリカのベトナム戦争への徴兵が黒人中心であると非難。アリ自身に送られてきた徴兵礼状を拒否し、ヘビー級チャンピオンをはく奪されたり、人種差別問題に対して少々過激な活動を行ってきた。
そのモハメッド・アリが、世界が見守るオリンピックの桧舞台に帰ってきた。それはアメリカ政府とアリとの関係回復を意味した。しかし病に侵された手は震えていた。経緯を知る者には、言葉では表現しきれない様々なメッセージを投げ掛けたシーンだった。

【2000年シドニー大会】
2000年シドニー大会の聖火最終ランナーはキャシー・フリーマン。オーストラリア先住民の血を引くアボリジニの女性だった。民族や人種による長年の冷遇から開放されたことを伝え、オリンピックの理念である、全ての人類が集う平和の祭典であることを強調した。キャシー・フリーマンは女子400mに出場し優勝し、その雄姿を世界中に強く印象づけた。


北京では、誰が聖火の最終ランナーを担当し、どんなメッセージがそこに込められるのだろう。
どんな競技よりも僕がわくわくしてオリンピックを観る瞬間だ。


posted by marketing |23:10 | オリンピック | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年08月02日

Jリーグ経営健全性1位草津

marketing-40958.jpg現在書店にならんでいる、週刊ダイヤモンドは、「スポーツ&マネーなんでもランキング」だ。スポーツビジネスを学ぶ者にとっては、こういった経済誌による特集は、非常にありがたい。
いわゆる教科書的な書籍と異なり、情報が新鮮であること。雑誌のレイアウトなので取りつきやすい、複数のライターや編集部が客観的に書いている。といったメリットがある。

この記事の中で、Jリーグ経営力ランキングがある
編集部が、公開されている経営情報をもとに、
世界的な会計会社の考え方や、計算方法を参考に割り出したものだ。

基礎体力 1、浦和 2、新潟 3、横浜FC
健全性  1、草津 2、浦和 3、大分
成長力  1、横浜FC 2、神戸 3、柏
透明性  1、浦和 2、大分 3、札幌

となっている。
議論のわかれるところだとは思うが、結果としてはなかなか興味深い。


今回の週刊ダイヤモンドには、僕も参加できる機会をいただいた。今までは読むばかりだったが、編集に参加してみると、驚く事ばかりだった。取材力や、執筆スピードは大学のそれとは全く異なり、ビジネスとして文章を書くことの過酷さがよくわかった。

全体は三部構成になっている。

1,肥大化するスポーツイベント、商業化がもたらして「功」と「罪」
魅力あるスポーツイベントには巨額のカネが群がる。ビジネスチャンスと見て、スポンサー企業や用品メーカーがつぎ込むのだ。そこにもたらされた「功」と「罪」に光を当てる。

2,見かけは派手でも儲からない日本プロスポーツの経営分析
華やかなプロスポーツの世界も、チームの経営規模を見れば大半が中小企業並み。ギリギリで経営しているところも少なくない。ここではリーグやチームの経営に焦点をあてて、解説してゆこう。

3,選手になるか、関連業界で働くか 憧れの仕事に潜む夢と現実
こどもの頃の夢はプロスポーツ選手、おとなになったら関連業種で働きたい。そんな人が増えている。憧れだけでは勤まらない、こうした仕事の夢と現実を解剖してみよう。

全体で44ページの大型特集だ。
取材先は、20〜30箇所にのぼり、3週間前後で取材から執筆、レイアウト入稿までをこなしていた。
毎日どこかに取材に行って、その日のうちに原稿を書き上げる。まるで新聞記者のようなスピードで特集記事が書かれて行く。
僕が担当したのは、パート2「見かけは派手でも儲からない日本プロスポーツの経営分析」のコーナー
・西武ライオンズ
・清水エスパルス
・浦和レッズ
・アルビレックス新潟
・大阪エヴェッサ
・日本ハムファイターズ

早稲田大学教授の武藤泰明氏
多摩大学教授の広瀬一郎氏
尚美大学教授の早川武彦氏
早稲田大学教授の原田宗彦氏
などへの取材も行い。

現在スポーツビジネスの第一線に関わる多くの人からの情報で構成されている。
特に、大学生や、これからスポーツビジネスへの転身を目指している人にとっては、広範囲の最新情報を入手するのには最適な特集だ。

私が寄稿させていただいた記事は、
・世界で最も成功したのはどこか?共存型NFL、自由競争プレミア
・米マイナーリーグが教える地域密着経営の神髄
・運営の成否を分ける経営手腕 メジャー競技より厳しい舵取り
そして特集全体の取材協力だ。
書店で是非手に取って見て欲しい。


posted by marketing |09:43 | サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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