2008年05月21日

北京オリンピック放映権、日本は198億円

 ロイターの報道によると、IOCが手にする北京オリンピック関連の放映権料は、25億ドル(およそ2600億円)になる。前回のアテネ大会におけるIOCの収入総額は40億ドル、そのうち53%の21.2億ドルが放映権料収入だったと報告されている。ざっと15%の値上がりだ。

 2012年に予定されているロンドン大会の放映権料は、30億ドルを超すと見込まれており、その高騰ぶりは驚くばかりだ。
 1984年のロサンジェルス大会が、オリンピックビジネスの幕開けと言われており、この大会からIOCにも、開催地域にオリンピックにより収益が期待出来るようになった。スポンサーを1業者1社に絞り、清涼飲料水メーカーで、オリンピックマークを使えるのは世界で1社のみとしたことで、コカコーラとペプシコーラが競い合ってスポンサー料金が高騰。他にも様々な施策を行って、1セントも税金を使わずにオリンピックを成功させた。

このロス五輪から、アテネ五輪までで、放映権料はおよそ5倍。
ワールドカップドイツ大会では16億ドルの放映権がFIFAに入った。参加選手数も多く、毎日たくさんの競技が行われているだけにオリンピックの放映権が高いのもうなずけるが、ここまで高騰するとTV局にとっての負担も相当なものだ。

 ところで日本は、オリンピックを放送するのにいくら位の金額を支払っているのだろう。
日本では198億円と伝えられている。放映権は、ジャパンコンソーシアムが、IOCから放映権を一括購入して、加入放送局と協議をして放送協議の振り分けなどを行っている。ジャパンコンソーシアムは、オリンピックだけでなくワールドカップの放映権購入も行っている。

この198億円。IOCの代理人を行っている電通に、ジャパンコンソーシアムが支払っている。電通がオリンピック放映権販売手数料をいくらとっているかは不明だ。
 ここで上手いのが、電通はこの高い放映権料金を回収するための、CMスポンサー探しも行っている。TV局にしてはありがたい話だが、電通はオリンピックの放映権だけで、CMスポンサー→TV局、TV局→IOCと2度手数料を得ることも出来る。サスガ電通やることにスキが無い。

ソウル大会以降の放映権料
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日本がアメリカ、ヨーロッパに比べて、高額な放映権料金を支払っているのがわかる。 ちなみに、他のスポーツ放映権料と比較してみよう。 大相撲 国内全大会全日程で 年間30億円 MLB 2004年に6年間2億7500万ドル(28億6000万円)で電通がMLBから購入し、NHKやスカパーに販売している。 パ・リーグ 日ハムを除く5球団は08-09年主催試合のCS放送の独占放映権を、ソフトバンクの子会社GTエンターテイメントに1球団3〜4億円で販売。同時にインターネット販売権も同社に売却している。 巨人戦 2005年当時 セパ交流戦をTV東京が1試合1億円で購入していた。(2008年現在最大50%まで値崩れしていると予想される) Jリーグ 2007年から5年契約で、総額150億円。スカパーが日本国内でのCS独占放送権、IPインターネット独占放送権、モバイル独占放送権を取得。 オリンピックの放映権がいかに高額かわかる。2週間で198億円は、他と比べても飛び抜けている。それだけ視聴率が取れるのだろうか。 巨人戦の放映権料が1億円だった当時、TV関係者は視聴率20%とれないとペイ出来ないとコメントしている。2時間番組20%で1億円。この条件を満たせるとは思えない。このまま高騰して行ったら、どうなってしまうのだろう。オリンピックをお金を払って見る時代が来てもおかしくない。 スポーツのビジネス化は、必然だと思うけど、行き過ぎはやっぱり良くないよね。おかしくなる前に、自浄作用が働くといいんだけど。


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2008年05月13日

スタジアムをファンに売る

20080514-00.jpgスタジアム好きの僕としては、とても興味深い記事がスポーツビジネス専門情報サイト「スポーツビジネスオンライン」に掲載されていた。
このサイトはネットでは数少ないスポーツビジネス情報専門サイトだ。国内だけでなく、アメリカの情報も数多く紹介されており、情報源として重宝している。

アメリカのプロスポーツリーグNFLやMLBで、最近スタジアムの立て替えが相次いでいる。わかりやすい所では、2009年シーズンに向けて、ニューヨーク・ヤンキースと、ニューヨーク・メッツがスタジアムを新しく建設中だ。08シーズンMLBでは、ワシントン・ナショナルズが新しいスタジアムで公式戦を開始させている。毎年1チームから2チームのスタジアムが新設されている状況が1990年代後半から続いている。この状況をスポーツビジネス専門情報サイト「スポーツビジネスオンライン」は、こう分析している。

このブームの引き金となっているひとつの要因として、MLB・NFL両リーグの労使協定に含まれているRevenue Sharing(利益分配)制度が挙げられる。MLBでは全国ネットでの放映権料、リーグスポンサーシップ、グッズ販売、インターネットによる収益はリーグが全て管轄し、各球団に平等に分配する。NFLではインターネットこそ球団裁量であるものの、普通席とクラブシートの入場料収入は34%がプールされてから各球団に分配される。つまり経営努力で他球団と差異を生むことが出来るのは、主にローカル放送局への放映権料、ローカルスポンサーシップ、ネーミングライツそしてスイートボックスの収入ということになる。特にNFLにおいては、新スタジアムを利用した全米最大のスポーツイベントであるスーパーボウル招致によるスポンサーシップやネーミングライツの価値向上という狙いもあるが、MLB・NFL両リーグにおいてRevenue Sharingの対象外となるスイートボックスの増設は、球団がダイレクトに受け取れる収入を増やすことにつながる。この事実が新スタジアム建設ブームのひとつの大きな要因になっていることは間違いない。 

 また1960~70年代に建設されたクッキースタジアム(円形で特徴のない多目的スタジアム)を含む多くのスタジアムが老朽化により建て替えの時期に差し掛かってきたこと、そして各スポーツに適した専用スタジアムやイノベーションが必要になってきたことも要因として挙げられる。 

そんな理由でスタジアムが次々に新設されているだが、現役を引退したスタジアムを解体するのではなく、その部品をファンに販売してしまうビジネスがアメリカで流行っている。

2008-2009シーズンよりペイトン・マニング(Payton Manning)を擁するNFLインディアナポリス・コルツがルーカスオイル・スタジアムを使用することとなり、昨シーズンまでコルツが本拠地として使用していたRCAドームは取り壊されることとなった。2005年の新スタジアム着工以来、コルツではオンラインで建設状況の写真を毎日アップデートするという面白い取り組みをしている。

日本では阪神甲子園球場が3シーズンのオフに渡り改修工事を行っており、リニューアルスペシャルサイトが情報をアップデートしているが、コルツでは注目される新スタジアムだけではなく、古いRCAドームにもスポットライトを当てた取り組みを行っている。Indiana Sports CorporationとThe Colts Foundationは、3月10日よりRCAドームを部分ごとに「記念品」としてオンライン販売を開始した。その主な販売物件は以下の通りである。 

・フィールドターフ       $125~$1,000
・フィールドターフ(額入り)  $60
・シート(指定あり)      $45
・シート(指定なし)            $395
・サイン                        $195
・屋根(額入り)                $60
・ロッカー(選手のネーム入り)  オークション 

 価格はオークション形式のもの、固定価格のものと分かれている。シートはクラブシートを所持していたファンには該当シートが優先的に販売されるが、長年クラブシートを購入し続けたにもかかわらず$450という高めの価格設定に、不満の声をあげるファンもいるようだ。また選手が実際に使用していたネーム入りのロッカーは、希少価値も高くコアなファンにとっては喉から手が出るほど欲しいアイテムであることは間違いない。 
 

トレンドとなったスタジアム販売

The Colts Foundationは、ドーム販売における総売り上げはおよそ70万ドル(約7000万円)に上るだろうと見込んでいる。RCAドームのような取り組みは、実は新スタジアム建設と同時にトレンドとなりつつある。今日のひとネタ!(2007年8月17日)でも紹介したMLBセントルイス・カージナルスの旧ブッシュスタジアムのオークションでは、合計100万ドル(約1億円)ほどが売り上げられた。シートの価格はRCAドームと同じ$450で2万席以上が売れているほか、人気選手アルバート・プホルス(Albert Pujols)のロッカーは、オークションで2万1000ドル(約210万円)もの値段が付いている。またNFLピッツバーグ・スティーラーズとMLBピッツバーグ・パイレーツが兼用していたスリーリバーズ・スタジアムも100万ドル(約1億円)以上を売り上げている。野球場の場合は、ベースやマウンドプレート、またダグアウトやブルペンの備品も商品となり得るから、ラインアップも充実するのではないだろうか。 


スタジアムのパーツをファンに販売することで、チームとしては売り上げも上がるし、廃棄物も減少する。ファンサービスにもなると、いいことだらけだと説明している。
欧州ではマンチェスターシティのスタジアム跡地が、高級マンションになって販売されている。あの名試合が行われたピッチを中庭として、観客席のあった場所を中心にして住宅が建てられた。メインゲートを含むいくつかの施設はそのまま残され、当時の熱戦を彷彿とさせる仕掛けがなかなかニクい。
ヤンキーススタジアムはそこに刻まれた数々の歴史を残す為に完全撤去はせずに可能な限り保存され、ヘリテージ・フィールドに生まれ変わる予定だ。

MLBもNFLもここ数年観客動員数も伸び、ビジネス的には成功を収めている。だからスタジアムの新設が出来るのか、新しいスタジアムが観客を呼び込んでいるのか、その因果関係は明らかにはなっていない。しかし好循環に入っていることは間違いなさそうだ。

今回の記事は「スポーツビジネスオンライン」の、転載、引用許可を頂いています。


posted by marketing |10:22 | メジャーリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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