2007年08月29日
高校野球で甲子園に出場した高校は、入学希望者が増える。
常識的に言われている概念が、甲子園のビジネ化を促進している。
2003年初めて夏の甲子園に出た羽黒(山形)は1997年に定員(290人)の8割を切った入学者が甲子園出場の翌年、定員を17%上回った。監督と学校の広報担当を兼務していた竹内氏は「少子化で私学は生徒集めに必死。甲子園の宣伝効果はもちろん、野球部員を多く集めるだけでも経営にプラス」と日経新聞の取材に答えている。
市立高校の場合。生徒を増やすと公的な助成金も増える。
地方の地味な高校が、甲子園に出場し注目を集めると、その効果は抜群だ。今年の佐賀北高校の広告宣伝効果は数十億円にのぼるだろう。
この事が少子化で経営不安を抱える高校にとっては、大きなビジネスチャンスと見えるのも無理はないだろう。2003年の羽黒(山形)の例などが成功事例として伝えられることで、より拍車が掛かってきた。
その結果、「野球留学生」を積極的に獲得していくことになる。いわゆる「野球特待生」だ。高校が全国の優秀な中学球児を発掘して、獲得合戦を繰り広げていた。そこでポイントになるのが、特待制度がどれだけ充実しているか。
ある高校では。野球特待生をA―Eの5階級に分け、Aは授業料など一切の学費や寮費を免除、生活費支援など“給料”まで付く。B以下、ランクが下がるに従い自己負担が増える。
日本学生野球憲章は「野球部員であることを理由とした金品の授受」を禁じる。だから野球の特待制度を公言する高校はなく、特待生のようにみえる選手も学力や内申書など総合評価によるもの。どこも「学校教育の一環」という理念は保っている。
高野連の「特待生禁止」措置は、外見だけ取り繕っい有名無実化した野球憲章を取り戻す為だったのだろう。
野球部を強くすることで、高校の知名度を高くし生徒を集める。その反面「野球校」と化ししまうことでの弊害も少なくない。
山形県の私学に野球留学し、甲子園に出場した元球児(21)は
「留学生ばかりの学校の対決では観客が入らなかった。甲子園から帰った時、出迎えてくれた町の人は5人だった」という。
外様を頼む学校は地元の受けがいまひとつだ。よりよい環境を求める野球留学生に非はないが、耳慣れない関西弁を“公用語”とするチームよりなじみの公立校、というのが地元の人情らしい。
通算5回の甲子園出場など、指導力に定評があった柳川(福岡)は2005年夏に暴力事件を起こし、
対外試合禁止処分になった。地元生を含め選手約60名が寮で生活していた。その寮内のトラブルなどによるものだった。「部員の数が多すぎて、全員に目を配れなかった」と関係者はこぼしていた。
「多少力が劣っても、留学生だから、と起用している例もある」(岩手県の私学関係者)。
一方で甲子園常連校の智弁和歌山(和歌山)は1学年10人しか入部を認めない。
1・2年合わせて20人以下。県外生の“枠”は1学年2人にとどめ、8人は地元から。1人をじっくり育てるのが監督の方針だ。
だれもがレギュラーの夢を持てる人数なので、やめる選手もいないという。「特待制度も寮もない。年間予算は遠征費などを除き百万円前後」という条件下で知恵を絞った末の策だ。
既に知名度のある名門校だから出来る、戦略ではある。
サッカーに目を転じてみると、高校受験によって競技ブランクが出来たり、サッカーから離れて行ってしまう傾向があることを危惧した日本サッカー協会は、2006年から「サッカーエリート教育プログラム」をスタート。サッカーは福島のJビレッジで行い、教育は福島県の公立中学、高校で実施される。
京都サンガも2006年から、スカラーアスリートプログラムをスタート。
立命館宇治中学校・高等学校との提携で、中学高校大学まで一環教育を行っている。
中学の学費は免除対象外だが、高等学校の学費は立命館が負担、サンガ寮での食費を含む費用はサンガが負担し、プロとして通用するサッカー選手でありながら、一般入試で立命館大学に入学できる学力もつける。さらに寮生活で社会性も教育する。
といったプログラムがスタートしている。
将来性のある選手を育てる為には色々な仕組みが必要だ。
野球特待生はダメだ。と言ってしまうのは簡単だ。
様々な要素があり、必要な部分も、行き過ぎてしまった部分もある。
出来るだけ多角的に物事を捉えて議論をしないと、かえって自分自身の稚拙さを露呈することになりかねない。
本当に考えさせられる問題だ。
京都サンガ
http://kyotosanga.jp/index.php?PAGE=7&ID=5523&WID=1
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2007年08月17日
ベッカムがMLS(メジャーリーグ・サッカー)のチームに加わったことで、2007年シーズンはリーグ加盟の12チームは、スポンサー収入とチケット売上だけで1チームあたり100万ドル(約1億1200万円)の増収になるだろう。
まるでロックスターみたいだ。LAギャラクシーのGMは、ベッカムの名前が入ったレプリカジャージの箱を前にしておどけて見せた。ベッカムの入団から7月末までで1枚80ドルのレプリカジャージ25万枚以上を売り切った。
LAギャラクシー以外のチームでも、チケットの売れ行きは好調で、ワシントンDC・ユナイテッドがLAギャラクシーを招いて行うゲームチケットは数分で売り切れ関係者を驚かせた。トロントFCは、LAギャラクシー戦のチケットを確実に入手するためには、複数試合チケットパックの購入が一番だ。という広告キャンペーンを始めた。
2008年にMLSはチーム数を増やす計画だが、この加盟金もベッカムの渡米によって高騰したと報じられている。2006年トロントに新チームを作るときには1000万ドルだった加盟金が来年新設予定の「サンホセ」には2000万ドルをリーグが要求してきた。ベッカムの参加によりMLSがビジネス的に成功するとリーグが確信し、加盟料を2倍にしたとしか考えられない。
ちなみに、NFL(アメリカン・フットボール)リーグのチーム拡張は1999年にテキサス州ヒューストンで出来たチームで加盟金は当時7億ドルだった。MLSは2倍に高騰しても他のリーグに比べると低価格と言えるかも知れない。
MLSコミッショナーのアボット氏は、2008年よりチーム拡張を予定しているサンホセに「サッカー専用スタジアムが必要なので、地域の投資家の方にご協力を頂いて2000万から3000万ドルの資金が必要です」と各方面への協力要請をしている。
サンホセはカリフォルニア州の南部に位置し、メキシコに近いこともあって、ヒスパニック系が多い地域だ。同時にMLS自体の観客も、サッカー先進国南米の血を引くヒスパニック系など、マイノリティーが中心だ。この観客層に英国代表のベッカムがどの程度の期間人気を維持する頃が出来るかは疑問が残る。
加盟金の2000万ドル、スタジアム建設費の2000~3000万ドル。
試算ではMLSのチームを運営するためには年間最低800万ドルから1000万ドルが必要だ。
ベッカムの参加によって、知名度も上がり、アメリカの中でもサッカーが浸透してゆく土壌は整ったかに見える。しかし数千万ドルを投資して回収出来るかどうかは不明だ。
「サッカーには相当の可能性があります。しかし3000万ドルの投資が見合う市場にはまだ育っていない」とニューヨーク投資銀行のロッド・ティルス首席投資顧問。「MLSの市場は拡大してゆくでしょう。しかし、3000万ドルの投資が妥当な金額であるかどうかを測る物差しは実存しません。その上、事業計画には例外なく『このまま成長を続けた場合』という魔法の注意書きがあり、その数字はどれもユニコーンの様に想像上の物でしか無いのです」と続けた。
MLSリーグはチーム運営の収益性を明らかにしてない。リーグ関係者の話によると2006年シーズン400万ドルの損失を計上したチームもあった。
MLSはベッカム入団する前からビジネスとして成功を収めるために、積極的な営業活動を行ってきた。アンホイザー‐ブッシュ、バドワイザー、JPモルガン、ペプシコーラなどとスポンサー契約を締結。ESPNをはじめとするTV局との8年間で2億ドルの放映権契約をまとめている。
LAギャラクシーのセールスマネージャー、トム・ペイン氏は今シーズンのチケット価格値上げと、新しいスポンサー契約で、ベッカムの年俸550万ドルの2倍以上1330万ドルを稼ぎ出したと胸を張った。
MLSのチームはアメリカを代表するメジャースポーツと同額程度まで高騰する条件が揃った。と評価する投資銀行もある。サッカーというスポーツの欧州や南米での成功から考えても、投資リスクは極めて低いとロサンジェルスのマーケティング会社は評価している。
投資対象としてのMLSは既に黎明期を過ぎ、投資対象への段階に入ったと評価していいだろう。2005年シーズンまでMLSチームのオーナーは、何度か損失を計上した経験があるかも知れない。しかし今後のチーム自体のキャピタルゲイン(チーム価格上昇額)で補填してあまりある利益を傍受出来るだろう。
とBloombergが伝えた。
チームを売買して、その差益で儲けようという発想がアメリカでは日常的なのだと改めて思い知らされた。投資銀行にスポーツ投資の専門家がいるコトにも驚いたけど、普通の経済ニュースに混じって、MLSのチームへの出資で利益が出るかどうかがテーマになるコラムがあるもの、驚きだ。
スポーツチームが投資の対象になるのは、いいものなのかなあ。
でも、投資家の巨額なお金と、ビジネスで成功した手腕によって、経営が改善したリーグの例はいくつもある。
スポーツが、ビジネス化されてゆくのは、いいのか、わるいのか。
意見の分かれるところだなあ。
posted by marketing |15:34 |
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2007年08月06日
米国Forbs誌が2007年4月現在メジャーリーグ30チームの資産価値を評価計算して発表していた。前回シカゴ・カブスが10億ドル(1190億円)を超える値段で入札が行われたと推測されていることを伝えた。そこでForbsの試算と見比べてみよう。
シカゴ・カブスの回にも書いたが、
現在球団は投資対象として充分魅力的なことがこのデータから読み取れる。カブスは26年間で50倍になりそうだし、ヤンキースは34年間で120倍に高騰している。しかも両チームとも、単年で営業利益を確保しつつだ。
1990年代後半から、急激に球団の価格が値上がりをしているようだ。
その背景には、ビジネスとして投資目的の資金が流れ込んでいると考えられる。
チームを買って強くして球団価値を高くして売抜ける。ねんてことをしている人たちもいそうだ。
2002年ワールドシリーズを制したアナハイム・エンジェルズが2003年に売りに出された。
前のオーナーから1996年に1億4000万ドルで買って、2003年に1億8400万ドルでアリゾナの実業家に売り飛ばしている。
その差益は4000万ドル、およそ50億円。
7年間チームを持って、強くして一番高いところで売り飛ばす。
サスガというか、とってもマネーゲームだよね。
メジャーの場合は、オナーが変わっても、チーム名やフランチャイズは変えられない。
そう規約で決まっている。
だからファンはあんまりオーナーが誰か気にならないのかも知れない。
1997年のワールドシリーズを制した、フロリダ・マーリンズは1999年に日用品販売を手がける会社に1億5000万ドルで売られている。
これをWSBO(ワールドシリーズ・バイアオウト)なんて表現していたアメリカの新聞もあったくらいだ。
この状況を僕たち日本人がどう思うかは議論の別れるところだ。
しかし『球団経営は赤字』という印象の強い日本プロ野球にも、市場からの資金を注入して価値を高くして売り飛ばす。という手法を導入してみたらどうなるのだろう。もしかしたらアメリカみたいに元気になるかも知れない。
posted by marketing |17:50 |
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