2007年05月26日
アシックス、ミズノ、デサントの2007年3月期決算が出揃った。
特徴的だったのは、国内での業績は横ばだったが、海外での高額スニーカーや衣料品が好調だったからだ。
国内でのスポーツ用品市場は、伸び悩んでいる。スポーツ用品を大量に購入する「競技者」は減少傾向にある。これは20歳人口の減少など、少子化による影響も否定できない。一方で40代、50代のスポーツ参加率も高くなってきているので、バランスをなんとか保っているのということ。
国内の需要を維持するために、スポーツメーカーは知恵を絞っている。
個人的に面白いと思うのは、機能性繊維の高齢者商品だ。
どういうことかというと。
スポーツ競技の現場で研究開発された、疲労軽減効果のあるストッキングを、高齢者向けの色にして販売をする。膝や腰に軽度の問題を抱えている人に使ってもらう。
しかし高齢者の方に、機能性繊維や、スポーツ競技で鍛えられた性能を理解して買ってくれることは少ない。いっそのことTVショッピングをやってみたらいいんじゃないかと思うくらいだ。
まあ、そんなわけで国内での業績は伸び悩んでいる。
アシックスの売上を見るとその海外依存度がよくわかる。
国内売上 アメリカ売上 欧州売上
前年比1.6%増 前年比34.2%増 前年比19.4%増
という構成比を受けて、広告宣伝費も海外への割合が伸びている。
・ニューヨークシテイマラソン
・ゴールドコーストマラソン
・ハンブルグマラソン
・東京マラソン2007
などを積極的にスポンサードしている。
アシックス全体売上の59%が海外だ。
デサントは暖冬の影響でスキーウエアなどが伸び悩んだが、ゴルフウエアなどがそれを支えた格好になった。あまり知られていないが、デサントは傘下に色々なブランドがある。
・フレディ(イタリアのダンス・フィットネスブランド)
・ロワゾ(旅をテーマにしたオリジナルブランド)
・シセイスト(女性用インナーウェア)
・ルルレモンアスレティカ (カナダのルルレモンアスレティカ社と共同出資によりヨガブランド)
・ヌニ(ファッション性と機能性を融合させたフランスのゴルフブランド)
・ルコックスポルティフ(韓国展開)
・マンシングウェア(韓国展開)
多くのブランドを展開しポートフォリオを組むと同時に、ブランド間での相乗効果を狙っているのだろう。
デサントブランド一覧
ミズノは初めて海外比率が30%を超え、今後さらなる海外展開が予想される。
ゴルフクラブやランニングシューズが、アメリカを中心に伸びた。
ミズノは分野別に興味深い分析がされていて、紹介すると長くなるのでまた次の機会にしよう。
シューズのアシックス、ウエアのデサント、用品全般のミズノという特徴がはっきりと見えてくる。
その中で最も売上が大きかったのはアシックス。靴はやっぱり必需品なんだね。
スポーツメーカーの業績は好調だが、スポーツ競技人口の減少が続いているは、やっぱり気になる。
posted by marketing |19:28 |
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2007年05月20日
シアトル・マリナーズの公式サイトにはGroupManagerというサービスがある。試合の観戦チケットを団体割引でより買いやすくするためのツールだ。
簡単に言うと、WEBを使って、団体チケットを参加者みんなに配布するシステムってことになる。流れは簡単。
1、代表者がWEBで団体チケット(Group Tickets)を購入する。
2、代表者がWEB上でGroupManagerを使えるようにサインインする。
3、グループメンバーのメールアドレスを登録しGroupManagerでのチケット確保方法を伝える。
4、グループメンバーはメールに書かれたURLにアクセスしGroupManagerにログイン。
5、代表者が購入したチケットの中から自分の好きな席を選択。
6、自宅のプリンターでチケットを印刷。
7、印刷したチケットを持って球場に行くだけ。
というサービスだ。
団体チケットを購入した場合に、参加者へチケットを配るのは、確かに幹事として負担になる。それをWEBで全部やってくれるという仕組みだ。
幹事がアクセス出来るページでは、チケットをダウンドーロしていない人リストがあって、「もうすぐ試合だから、早く手続きしてね」なんていうメールも簡単に送ることが出来るようになっている。
チケットはWEBからダウンロードっていうことは、同じ会社で違う県の営業所が一緒に野球を見に行く時や、PTAなどそんなに頻繁に会わない人々が、合同でチケットを購入する時などには、威力を発揮すると思う。
このサービスは、ヤンキースやレッドソックスでは行っていない。そこにはチケットセールスの戦略があると考えられる。マリナーズはここ数年観客動員数が減少傾向で、チケットセールスに苦戦している。そこでGroup Ticketsにより力を入れていこうということだろう。
シーズンシートやGroup Ticketsは割引をしても重点を置いていることは、ひとつの契約で販売出来るチケット枚数が多いからだ。チケットセールスは、一般消費者を相手にするB to Cのビジネスが基本だ。販売数を伸ばすには、宣伝広告が一般的で、高額商品でないとセールスマンが個人宅を訪問して営業をして歩くのに適していない。営業マンの人件費を上回る利益が期待出来ないからだ。
そこで、シーズンシートやGroup Ticketsにして1契約当たりの値段を高くする。値段が高くなれば営業マンの人件費を回収出来るから、積極的な販売が出来るようになってくるんだ。
販売方法以外にもアドバンテージがあるけど、長くなるので。。
日本のプロ野球球団もGroup Ticketsの取り組み方を見るだけで、チケットセールスの方針を推測することができちゃう。
例えば、北海道日本ハムファイターズは10名以上で団体割引を適用、前売り3500円のA指定は3000円に割引になるものと、青春プラン(修学旅行・少年野球・学校行事・こども会等)だと前売り2200円のアッパー指定席が900円になる。
ヤクルト・スワローズは、大人15人以上、中学生以下10人以上を対象とし、巨人・阪神戦と、それ以外と割引率を変えている。
前売券/巨人・阪神戦 団体/巨人・阪神戦
3600円 3100円
前売券/それ以外 団体/それ以外
3600円 2900円
チームにとってGroup Ticketsを販売するメリットは明確なのに、力を入れている球団が少ない。もっと手軽にみんなで誘い合ってスタジアムに行ける仕組みがあるといいのに、マリナーズのGroupManagerは、参考にすべき点の多いツールだ。
posted by marketing |10:36 |
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2007年05月08日
日本のプロスポーツでは聞かないが、ヤンキースには7-Game Discount Flex Packというのがある。自分の好きな日程の試合を7試合選んで購入すると1試合当たり最大$10安くなるというものだ。
・プレミアムゲーム
レッドソックス戦、エンジェルス戦、メッツ戦、デトロイト戦(全曜日)
ピッツバーグ戦(金曜ナイター)
7Game pack割引なし
・通常ゲーム週末(金~日)
7Game pack割引$5/1席
・通常ゲーム平日(月~木)
7Game pack割引$10/1席
<内野指定A席に該当するMain Reservedはいずれも1席$50>
券種も自分の好きに選ぶことが可能だ。ある試合は内野A指定、別の試合は外野指定と予算やニーズに合せて、自由に組み合わすことが出来る。年間に7試合行くのなら、まとめて買っておいたほうが割安というチケットだ。
対戦カードや曜日によって7Game Packの割引率が異なる。ヤンキースの場合は、通常チケットの値段に格差が無い。それでも7Game packに入っているのは、7試合というハードルを越えやすくするためだ。
この7Game packに限らず、ヤンキース以外のチームでは対戦カードや曜日によって、チケットの値段が異なることが多い。人気カードは割高で不人気カードは割引になっていたりする。日本のようにどの試合も同じ金額だと話すとアメリカでは驚かれる。
マイナーのGMと話をした時に、その話題で手厳しいことを言われたことがある。
私「日本ではチケットの値段はどの試合でも同じです。週末も平日も変わりありません」
GM「日本で野球はそんなに人気でチケットがとれないのか?」
(ヤンキースのように、人気球団は常時高い値段で設定しており、他球団に比べると平日の料金は高い。つまりこのGMは、日本はどのチームもヤンキースみたいな状態なのか?と訊ねた)
私「幾つかの限られたチームを除いて、チケットが毎試合売り切れることはありません」
GM「日本の野球チームは全然マーケティングをしていないのか?」
私「そうじゃなくて、全部のチームがそうしているからだと思います」
GM「日本ではホテルや航空券も、シーズンや曜日で値段が変わらないのか?」
私「いいえ」
GM「なら、やっぱりマーケティングをしていないんじゃないか」
私「・・・・・」
ちなみに複数試合パックは、チームによって形態が異なる
ドジャース・・・・27試合/最大$10割引
マリナーズ・・・・4試合/最大$3割引
ホワイトソックス・13試合/最大$1割引
ブルージェイズ・・10試合または6試合(券種は選べない)
複数試合パックを用意していないチームも存在する。
日本の野球やサッカーにも、こういうパックがあってもいいんじゃないかと思う。シーズンシートは高額だし、全試合行ける個人はなかなかいない。そうすると法人相手のビジネスになるしかない。(野球の場合は特に)接待費でプロ野球のチケットを買うこと自体がトレンドではなくなりつつある今、苦戦するのは時代の流れだろう。それならば、個人ファン向けに7試合とか10試合とか。確実に行ける試合を選んでパックに出来る、複数試合パックを導入することで、新しい市場を開拓出来る可能性が高い。
スーパーなどで好きなお肉のパックを3コ選んで1000円となっていると、「3パックもいらないけど冷凍しておけばいいや」的に、本当は必要ないのに買ってしまう消費者心理が働く。
複数チケットパックも同じように、「7試合もいらないけど、友達と分け合えばいいや」的に需要を喚起出来るんじゃないかと思う。
プロスポーツチームにとって重要な売上に直結するチケットに関しては
もっと消費者心理をついてて、買いやすい魅力的なチケット構成を考えて欲しいものだ。
posted by marketing |13:17 |
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