2007年04月26日
2007年からメジャーリーグ全球団で開始した新しいサービスが、自宅のプリンターでチケットを印刷するというもの。試合のチケットがこれで完全にオンラインで完結するようになった。
試しにチケットを買ってみた。
流れは至って簡単だった。MLB.comから普通にチケットを買うのと全く同じ。
1)カレンダーから自分の観たい試合を選択
2)券種(A席・B席など)を選ぶ
※MLB.comには一番イイ席を選ぶというオプションがあって、席番号まで表示してくれる。
3)MLB.comに会員登録を行い、IDとパスワードを取得。
4)カード決済に必要な情報を入力
5)チケット送付方法(Delivery Method)でPrint @ Homeを選ぶ。
※それ以外は郵送と取りに行くという3つの中から選ぶ
6)MLB.comから確認のメールが届く、そのメールの中にチケット印刷画像をダウンロードするためのURLがあるので、そこをクリックして画像をダウンロード
7)自宅のプリンター(300dpi以上)で印刷して、それを持ってスタジアムに行くだけ。
なんだか拍子抜けするような簡単さだ。
もっとセキュリティーだとか、めんどくさいことがあるのかと思ったら、何も無かった。
試しにあと2枚印刷してみたら、モチロン出来た。2枚買ったので、画像も2枚あって、違う席番号が印字されている。
これなら、ダフ屋に持っていっていくらでも売れそうだ。
ところがドッコイ。
モチロンそんなことが出来るハズが無い。何といっても世界のMLBだ。色々な人種が住んでいて文化も多様なアメリカで実施しているのだ。ユーザーにとっては驚くほど簡単だけど、MLB側のセキュリティーは万全に出来ている。
チケット上部にはバーコードがついていて、ここをリーダーに通して入場する。もし同じ席のチケットを複数枚印刷していたら、改札の時点でバレてしまう。同じ席のチケットが2枚通過させない仕組みになっているわけだ。
弱点は、何枚もプリントして複数人が同じチケットを持っていた場合には、最初に通過した人の勝ちになるってこと。
悪だくみをするのなら、ダウンロードした画像のバーコード部分だけ取り出して何か出来そうだ。
この点についてMLB.comにメールをしてみたら、
家で印刷するチケットに限らず、全てのチケットをバーコード管理にして、全ての球場にバーコードリーダーとオンラインの仕組みを着けたことで実現できたチケットです。想像できるあらゆるタイプの不正に対応出来るよう考えられていますので、不正を見逃すことは少ない筈です。チケットを複数枚プリント出来ることで、いわゆるダフ屋のビジネスが成立しなくなることも同時に期待しています。
といった内容の回答をメールでもらった。
なるほど、ダフ屋から買うチケットが本物かどうか、チケットを見ただけではわからなくなる訳だ。バーコードリーダーを通してみて、本当に使えるチケットかどうかやっと判断出来ることになる。消費者はあまりにリスクが高くて買えなくなるだろう。
今までのチケットは、複写出来ないように、偽造出来ないように、と必死に色々な取り組みをしてきた。ところがMLBは、いくらでも複製出来るチケットを誕生させ、それでも問題の起きないスキームをITを使って実現した、まるで逆の発想だ。
日本でもネットとスポーツの親和性は高いと声高に言って参入したIT関連オーナー様に、これくらい画期的なことをもっとやってほしいものだ。
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2007年04月18日
4月12日午前8時35分からNHK総合で放送した、レッドソックス-マリナーズの視聴率は、関東平均で10.7%、瞬間最高で13.3%。松坂とイチローの対戦は放送時間前だったため、「おはよう日本」で放送されその視聴率は15.4%だった。
午前8時代の視聴率は5%~7%代がほとんどで、10.7%は特筆すべき視聴率だったと言えるだろう。MLBの中継のほとんどはBSで中継されており、地上波で中継されることは稀だ。その為に比較できるデータが少なく、松坂VSイチローの視聴率をどう評価すべきかは意見の割れるところだろう。
・2001年 7月11日 NHK総合 MLBオールスター戦 11.2%
・2003年 4月1日 NHK総合 ヤンキース 松井秀喜デビュー戦 11.1%
・2006年 11月3日 19:05~ 日本テレビ 日米野球第1戦 10.4%
・2005年 10月8日 12:15~ NHK総合 エンジェルスVSヤンキース 7.7%
3月30日の横浜VS巨人 プロ野球開幕戦が13.1%とナイターとして過去最低だったと、このページで伝えたが、この13.1%と今回の10.7%を単純に比較してはいけない。
まず、時間帯別平均視聴率があって、8時と、19時とでは、平均視聴率で7%と15%と、約2倍の開きがある。平均視聴率が低いということは、TVのスイッチをONにしていて見ている人が少ないということだ。
早朝や深夜にも関わらず高い視聴率を記録することがスポーツの生中継には時々ある。
2006年2月24日 7時11分 トリノオリンピック荒川静香金メダル表彰式 43.1%(瞬間最大)31.8%
2006年3月21日 2時58分 WBC決勝 日本VSキューバ 56.0%(瞬間最大)43.4%
2006年6月12日 23時36分 ドイツワールドカップ 日本VSオーストラリア 61.2%(瞬間最大)49.0%
2006年6月23日 4時45分 ドイツワールドカップ 日本VSブラジル 34.4%(瞬間最大)22.8%
2004年8月13日 2時40分~5時 アテネオリンピック開会式 12.7%
2005年6月22日 3時34分~5時 コンフェデレーションズ杯の日本―ブラジル戦 11.9%
これはスポーツの世界大会に限って現れる現象で、生中継というテレビの持つ特殊性を最大限に発揮しているケーススタディーだ。
スポーツは生中継で観る価値、というものが存在するいい証拠とも言えるだろう。
スポーツをエンタテイメントと定義づけるなら、
唯一同時に観ることを消費者が望むという特殊性がある。
コンサートや演劇は、その会場で観るという価値はあるものの、TVの中継が同時かどうかで消費者が感じる満足度は変わらない。映画はそもそも映像コンテンツなので、同時性を議論する余地も無い。
だからこそ、北京オリンピックの競技開催時間が、アメリカのTV放送時間に合せて変更になったりするのだ。
TV中継とスポーツイベントは切っても切り離せない関係になった。
しかしTV中継の為のスポーツになっていくのには疑問が残るのは僕だけだろうか。
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2007年04月11日
2006年夏の甲子園大会決勝で注目を集め、一躍人気投手になった早稲田大学の斉藤祐樹。彼がプロに進まずに進学し、東京六大学野球で登板することで、いい意味での影響が各方面に広がっている。
斉藤が大学進学をしたことで起きた主な変化。
■日本テレビ
4月14日(春季リーグ戦開幕日)
「東京六大学野球開幕スペシャル(仮称)」10:30~11:25
■BS日テレ
日曜日の早大戦10試合を生中継
■ぴあ
六大学リーグ戦のチケット販売
斉藤一人の加入により起きた変化にしては大きいと考えていいだろう。
斉藤が進学した早稲田大学には、卓球の福原愛ちゃんも進学しており、今を代表するアスリートが早稲田大学に進学した意味は大きいと言える。国立大学の再編が進み、18歳人口がピーク時の70%にまで落ち込む昨今。早稲田と言えども学校のブランド育成は重要課題だ。
報道によると、早稲田野球部マネージャー希望の女子学生が急増しているらしい。マネージャーだけでなく選手希望者も急増すだろうし、入学希望者が増加する可能性だって否定出来ない。
日本テレビのTV中継により、斉藤以外の選手もマスメディアで露出する機会が増えると考えられる。勿論、プロのスカウトの目も止まりやすくなる。来年以降、ドラフトで六大学出身選手が増えるような事があれば、それも「斉藤効果」かも知れない。
またTV中継によって、リーグに入ってくる「放映権料」を上手く活用する事が出来れば、東京六大学をアメリカのNCAAみたいに活性化する試みだって出来るだろう。
(日本大学野球は、商業化を極端に嫌う傾向があるので、NCAAみたいな発展は望んでいないと思うけど、大学野球だって多くの観客を集めることで、選手のモチベーションも上がり試合内容も良くなる可能性が高いのだから、積極的に取り組むいいチャンスなんだけどね。)
「斉藤効果」は、いいことばかりではない。
運悪く、西武の裏金問題があり、早大応武監督は報道陣のヒートアップを歓迎していない。3月20日のオープン戦で登板した斉藤の肉声は報道陣が聞くことは出来なかった。
早稲田大学硬式野球部の投手布陣は、3年生の須田に安定感があり、オープン戦で152キロをマークした福井もいる。本来ならこの2人が先発にまわり、斉藤はリリーフに回る公算が高い。そうなると斉藤が在席中の4年間プラス1年(合計5年)の放映権契約を結んだ日本テレビはダメージを受ける。
先発なら登板予想が立てられるが、リリーフだとどの試合に投げるか解らない。斉藤1人の人気に頼るしかない現状では、とてもリスクの高い中継になってしまう。
斉藤までは行かなくても、全国区で通用する人気選手を、日本テレビ自身がメディア力を使って、誕生させるしか方法は無いと思う。14日に放送される特番で、斉藤と他の選手をどういったバランスで扱うか注目したいものだ。
いずれにしても、高校野球とプロ野球の間に挟まって、苦渋をなめてきた大学野球に巡ってきた千載一遇のチャンであることは間違いない。
このチャンスを上手く使える、マーケッターが六大学野球連盟にいてくれることを祈るしかない。
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2007年04月06日
4月5日(米国)で松坂がMLBデビューをしたのは、ご存知の通りだ。ここで注目したいのは、その舞台となったスタジアムの看板広告について。
松坂の投球内容については、きっと多くの記事やブロガーが書いていると思うので、ここでは遠慮する。スポーツマーケティングをテーマにしてこの試合を見てみると、KAUFFMAN STADIUM(ロイヤルズホーム)の看板広告が気になった。
KAUFFMAN STADIUMのバックネット裏の広告スペースは、回転式でイニング毎に変わるようになっている。
1回裏、松坂がMLBデビューの1球目をキャッチャーミットに向けて投げ込んだ時、バックネット裏の広告は「男のエステ、ダンディーハウス」という日本語が、センターからのカメラにしっかりと撮られられていた。きっとダンディハウスの宣伝担当者は、「やった!」と喜声を上げていたに違いない。
松坂のデビュー戦、しかもその初球は日本中のスポーツニュースで放送されることだろう。
その上歴史的瞬間とも言えるこの映像は、松坂に何かある度に使用される可能性も高い。
その度に「ダンディーハウス」の看板は露出される。
ロイヤルズの看板は、ヤンキースやレッドソックスに比べれば安価だ。こんなに投資対効果のいい宣伝媒体は掘り出し物だと思う。
価格までは調べられなかったが、ダンディハウスは、1回裏だけを購入していたので、そんなに高額だとは思えない。
ちなみに
2回はCASIO
3回 PENTAX
4回 ACE
5回 DODGE
6回 Mid West Air Line
7回 See How They Live.com
と日本語表示は、1回のダンディハウスだけ。
NHK-BSにチェンネルを合せた時に、日本語の広告を見て「げんなり」したが2回以降、カシオやペンタックスも日本企業だが、英文字でのロゴ表示だったので、やっとMLBらしさを取り戻してくれた。
カシオとペンタックはアメリカにも市場があるので、松坂登板の映像が日本で放送されることだけでなく、アメリカのメディアへの露出も計算しての英文字表示だったと考えられる。いずれにしても、カシオとペンタックスの宣伝担当者に感謝したい。MLB中継で日本語の看板は興ざめだ。
さて、ダンディハウスは、初回を選んだばかりに露出機会を失う可能性もある。
松坂はデビュー戦で10奪三振を記録したが、初回だけ三振を奪っていないのだ。中継でも松坂の三振シーンがハイライトで流れていたが、そこでダンディハウスの看板は写らなかった。
その上、初回の松坂の投球は、決していいとは言えなかった。逆玉も多くフォアボールも出している。これからこのシーンが流されるかどうか、微妙なところだ。
僕がTV局のディレクターなら、今日のスポーツニュースでは10奪三振を中心に構成し、日本語の看板は出来るだけ写らないように編集するだろう。なぜなら、ヤンキースタジアムの「読売新聞」の看板が不評なのはMLB関係記者なら有名な話だからだ。
この例のように、スポーツの1試合だけに看板などでスポンサードすると、その内容如何によってその効果は、大きく変わってくる。
手に汗握る接戦だったり、大きな記録が生まれた試合なら、多くの放送局のスポーツニュースで紹介され、投資対効果は高くなる。しかしその逆のケースもしばしば存在する。
これがスポーツの特徴的な所だ。
スポーツをエンタテイメントと定義づけるなら、
唯一コンテンツが担保出来ない。という特徴がある。
コンサートや、演劇、映画なら台本があり演出があり、照明や音響などの効果を事前に計画し入念に仕上げられたコンテンツが存在する。これに対してスポンサーは出資をするわけだ。
しかしスポーツは、どんな試合になるかさっぱり解らない。
今日の「松坂デビュー戦」は、そんなスポーツの特徴を鮮明にする、いいケーススタディーになるだろう。
posted by marketing |22:21 |
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2007年04月03日
巨人開幕戦の視聴率が13.1%と過去最低だったのに比較して、北海道や名古屋、大阪、福岡での視聴率が好調だった。日本ハムの開幕戦こそ、巨人の視聴率を下回っているが、前年値を上回っている。そうなると2007年の開幕戦で最も苦戦を強いられたのは横浜-巨人戦だったと言える。
3月24日 日本ハム-ロッテ 北海道地区 11.1%
3月30日 中日-ヤクルト戦 名古屋地区20.3%
3月30日 阪神-広島戦 関西地区15.6%
3月24日 ソフトバンク-オリックス戦 20.6%
上記の4試合はローカル局による地上波TV中継だ。確かに全国中継に比べれば、視聴者数も少なく、チームに支払われる放映権料も少ない。しかしチームもTV局も「成功」しているのだ。
関西地区で15%とれれば、番組スポンサーもスポットCMも営業できる。その上地元の球団なら心理的にも納得が行く。球団は放映権こそ小額だが、地上波露出による認知度向上は計り知れない。また地元TV局との関係も良好に保てるので、様々なしかけが可能になってくる。
横浜-巨人戦の視聴率<過去最低>
のヘッドラインだけで「野球人気の凋落」と単純に結びつけて欲しくない。
一極集中から、地方分散が進み、北海道には巨人ファンよりも日ハムファンあ増えただけなのだ。本来あるべき姿、健全なかたちにもどりつつあると言える。
前回のエントリーでも書いたが、
巨人が全国区では無くなったのだ。
各地の球団が「地域密着」という旗印のもと、様々な施策を行いファンを育んできた。その成果が2007年の開幕戦での視聴率に繋がったのだと思う。
しかし皮肉なことに、巨人戦での全国中継と、ローカルTV中継との放映権料は5:1から10:1と圧倒的に少ない。
地域に根ざした活動が、結果的に球団の収入を減少させる事になってしまったわけだ。
今までの巨人全国制覇の、地図を塗り替えるには多くの血を流さなくてはいけないのかも知れない。
【横浜-巨人3連戦視聴率】
3月30日 横浜-巨人戦 関東地区 13.1%
3月31日 横浜-巨人戦 関東地区 7.1%(デーゲーム)
4月1日 横浜-巨人戦 関東地区 8.2%(デーゲーム)
posted by marketing |08:34 |
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