2007年03月29日

ジャイアンツ視聴率10%を死守せよ

この週末からプロ野球セ・リーグが開幕する。そこで気になるのは、ジャイアンツのTV視聴率だ。全国ネットの民放各社は足並みを揃えて、プロ野球中継を昨年よりも減少させる意向を示している。

NHK     昨年6試合  → 今年6試合
日本テレビ 昨年64試合 → 今年42試合
テレビ朝日 昨年18試合 → 今年12試合
TBS未発表
フジテレビ未発表
テレビ東京 昨年6試合 → 今年7試合(全国ネットではない)

ジャイアンツと同じ読売グループの日本テレビは、ゴールデンタイムなどの視聴率で民放の首位奪還を狙っている中、昨年の中継平均視聴率9.6%だと、さらに減少することも考えられる。その判断基準は視聴率10%じゃないかと思う。
理由は簡単。今年4月の番組改編で、それまで放送されていた番組で平均視聴率が10%以下だったものは例外なく打ち切りになっている。視聴率以外の事情で終了した番組もあるが、10%以下の番組で継続になったものは無い。

日本テレビの久保伸太郎社長は、会見の席で
「期待している選手はいるんだ。やはりスターがほしい。特に若い選手のね、ところが球団は球団でこういう選手を売り出したい、という希望がある。うまくマッチさせるのは難しい」と巨人視聴率向上の為の施策がスムーズに行ってないことを伺わせる発言をしている。

2007年ジャイアンツの開幕戦は、横浜スタジアムでベイスターズ戦だ。
放送はTBS。
始球式には、投手・星野仙一、捕手・田淵幸一、打者・山本浩二、審判・大野豊と、北京五輪を目指す「星野ジャパン」が勢ぞろいする予定。大野氏はNHKの解説者、山本氏は日本テレビの解説者だが、この開幕戦だけは各局が理解を示しTBSでの露出を許可したようだ。
ジャイアンツ開幕戦の視聴率次第では、さらに地上波でのプロ野球中継が減少する可能性もある。各局のプロ野球担当プロデューサーにしてみれば、TV局どうしの競争をするよりもプロ野球を盛り上げて、かつての様に視聴率上位を占められるようになって欲しいのだ。

TBSは横浜ベイスターズの大株主なので、株式取得金額と毎年の損金処理という投資以上の回収を行わなくてはいけない。その為に、07年はシンプルな中継にして、余計な演出を行わない。一球一打をていねいに見せる方針だ。

フジテレビは、昨年8月からゴールデンタイムでのプロ野球中継を見合わせた。そのダメージがヤクルト球団経営に及んでしまったのだ。全国でのTV中継が減ることで、「露出が減る」とユニフォームなどに協賛しているスポンサーから苦情があった。チームの営業は、放送試合数は約束しないが、前年の放送実績を前提に商談を進めることが多い。基準になる前年実績から大きくかけ離れてしまうので、クレームに繋がったようだ。
球団はフジテレビに事情を説明し、深夜の時間帯に録画ダイジェストで放送することで、この危機をなんとか乗り越えたと言われている。
球団にとって、TVの全国中継が減ると、放映権収入が減少するだけでなく、スポンサー収入まで減ってしまうことになる。これは死活問題だ。
視聴率10%を維持する「野球」というのは無いと思うが、どんなことをしてもジャイアンツに、10%を上回って貰わないといけないわけだ。

ちなみに2006年開幕戦の視聴率は15.9%
1993年は昨年の倍にあたる31.1%を獲得していた。
ジャイアンツの過去の平均視聴率は
1996年(優勝)21.4%
1997年(4位)20.8%
1998年(3位)19.7%
1999年(2位)20.3%
2000年(優勝)18.5%
2001年(2位)15.1%
2002年(優勝)16.2%
2003年(3位)14.3%
2004年(3位)12.2%
2005年(5位)10.2%
2006年(4位)9.6%
(関東地区、ビデオリサーチ調べ)

プロ野球ファンの皆さん。
地上波で野球を見続けられるように、
開幕戦はTVで巨人戦を観ましょう。

開幕戦で20%以上稼げれば、今シーズンは大丈夫かも知れない。
いずれにしろ、崖っぷちに来ていることだけは事実だ。

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2007年03月26日

西武鉄道 ライオンズ車両

24日にパ・リーグは開幕を向かえた。セ・リーグより1週間早い開幕は、プレーオフ導入になった2004年からだ。セ・リーグと同じ条件になったにも関わらず、1週間早くスタートする。ドーム球場はセ2,パ3と天候による影響もパ・リーグの方が少ないのに、早く始める理由は、春休み期間に出来るだけ多くの試合を行うこと。
些細な工夫に見えるかも知れないが、なかなかどうして大事なことなのだ。

20070325-00.jpgさて本題は西武線に登場したライオンズラッピング車両。
車両の外側に、メインの選手の写真と、コメント(目標?)が書かれている。車体全体がポスターと化している車両だ。公共交通機関で、外面を宣伝広告スペースとした例は、今では珍しくないが。
東京都営バスが車体全部を、企業の宣伝メディアにして成功している。JR山手線で車体広告として商品化されており、大掛かりな広告キャンペーンでは成功を収めている。


中島 裕之 日本のショートのイメージを、一新する。
中村 剛也 おかわり量産、まちがいないっす。
赤田 将吾 V奪還の先頭を走り続ける。
岸 孝之  ライオンズの新しい顔になる。
栗山 巧  打てるだけでは満足出来ない
小野寺 力 一球に夢を乗せて最高のクローザーへ!!
片岡 易之 記憶にも記録にも残る背番号になる。
星野 智樹 ずっと究極の仕事人でいたい。
和田 一浩 チームとともに、俺も生まれ変わる。
福地 寿樹 自分を信じて。
なんて言葉が書かれている。
2004年にも西武では一度ラッピング車両を作ったが、その時は飲料水の広告と1両おきだった。
社内の広告スペースも全てライオンズの情報になっていて、なかなか壮観だ。

かつてダイエーが店舗に出入りする配送者全てに、ホークスのマークを大きく入れていた。あのトラックはダイエーのものではなく、配送業者や食料品メーカーのものだった。ダイエーはホークスを核としたブランド戦略として、トラックの持ち主にダイエー専用の車両としてもらうことで費用を支払ってまでマークを入れてもらっていた。このトラックの効果は、なかなか高く、ダイエーホークスが優勝する以前から、マークの認知度は非常に高かった。ホークスは、西鉄バスと協力したり、福岡のタクシー会社と協力して、ラッピング車両を随分増やした。

西武ライオンズのラッピング車両は5月上旬まで、池袋線1編成、新宿線1編成、狭山線1編成走っている。その効果がどの程度あるのかは少し疑問が残る。

西武線沿線住民にライオンズファンはどの程度いるのかデータは無いが、その比率を少しでも上げたいのだろう。ラインズにとって地域密着とは、沿線ということなのだ。
通勤や通学で毎日乗っている西武線。そういった環境で消費者にとって、西武というブランドが既に確立されている。そのブランド力を出来るだけ使ってライオンズの観戦へと結びつけるのが、マーケティング手法としては王道だ。

ポイントは外装のラッピングだけでなく、車内の広告スペース全てがライオンズに関するものになっているということ。今回の対象車両が新型のものであることから、快速などにアサインされると予想出来る。朝のラッシュ時間なら、ライオンズの情報しかない車内に30分前後閉じこめられる。電車内の広告は他のメディアに比べて情報量が多く、「読める」モノが多い。新聞や書籍を拡げることの出来ない満員電車では、半ば強制的に広告を「読ませる」ことが可能になる。
TVCMの15秒よりも、沿線住民にライオンズへの認知を高める。という目的には適しているだろう。

また、ラッピング車両が少ないので(たとえ予算の都合だったとしても)、このマーケティングはライオンズに対する認知が高い人にも違った効果が期待できる。
なぜなら、西武沿線に住んでいて、ライオンズの勝敗が気になる程度の人なら、ライオンズラッピング車両に乗ったことを「幸運」と思ってくれる可能性がある。チームの勝敗と関係無いところでファンの気持ちを明るくさせる効果があるというわけだ。それによってチームロイヤリティーが上がり、来場促進につながる、かも知れない。

ちなみに、車体広告の料金は
都営バスの場合は路線によっても異なるが、最高で42万円最低で31500円(いずれも1台の月額、制作料別途)だ。
JR山手線の場合、11両の外面1/10以下を広告面として使用して4週間2編成(11両を2セット)1500万円。
JRで最も安いのは南武線で8両2週間1編成で360万円。総額では南武線が安いが、期間や車両数、露出から考えると山手線の方が、投資対効果はありそうだ。
西武線の場合、ラッピング広告は商品化されていないようだった。ただ1車両全部を1社の広告で独占する「広告貸し切り列車」は、西武新宿線10両1編成、池袋線10両1編成2週間で500万円だ。

せっかくの施策なんだから、電車好きの人たちを楽しませる意外に、多くの人の話題になり、ライオンズの動員促進になること期待しよう。




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2007年03月20日

ディズニーワールドでMLBキャンプ

20070318-01.jpgアトランタ・ブレーブスが毎年、フロリダ州オーランドのディズニー・ワイド・ワールド・スポーツコンプレックスでキャンプを行っている。この球場は2007年のWBCでドミニカ共和国、ベネズエラなどが参加した予選が行われたのでご存知の方もいるだろう。このキャンプ地セレクト。チーム側にもディズニー・ワールドにもファンにとっても、メリットがあると言われている。その情報を整理してみよう。
20070318-02.jpgオーランドのディズニーワールドは、いくつかの点在した施設全体を指して言う。


・マジックキングダム・パーク ゴールドラッシュ時代のアメリカの町並みを再現
・アニマル・キングダム 恐竜やサファリルックのミッキーと冒険のテーマパーク
・MGMスタジオ 映画作りの舞台裏を楽しく遊べる施設
・エプコット 最先端のテクノロジーを体験できるフューチャー・ワールドと、さまざまな国々の文化に触れ合えるワールド・ショーケース
・ブリザード・ビーチ 人口プールとエンタテイメントの施設
・タイフーン・ラグーン 1mを超える大波のビーチや、激流下り、サメと一緒に泳げるラグーン
・ダウンタウン・ディズニー トップレベルのショーを観る。グルメやショッピングを楽しむ。3つの個性的なエリアに、都会派のエンターテイメントがたっぷり
・ディズニー・ボードウォーク 古き良きアメリカのリゾート地ボードウォークをイメージしたエリア
という8つのテーマパークに加えて、
・シルクド・ソレイユのショウ
・スポーツコンプレックス
・ゴルフコース
などの施設が同じディズニーのブランド名で、統一されたサービスレベルと雰囲気で運営されている、それぞれの施設間はバスやモノレールで接続されていて往き来が簡単に出来るようになっている。

20070318-03.jpg
キャンプが行われる施設そのものは、来場者の幅広いニーズに応えられるように、ディズニーワールドの一部として作られた。2000~2003年までAAサザン・リーグのオーランド・レイズがホームとしていたが、現在チームが移転し、マイナーのホームグランドにはなっていない。 マイナーがホームにしていた頃は、スポーツコンプレックスの中央にある、スタジアムのネーミングライツをクラッカー・ジャックに販売しており、【Cracker Jack Stadium】という名前だったが、現在はもとに戻っている。 施設にとっては、メジャーのキャンプが行われる事は、一時的ではあるものの施設に、MLBという魅力的で知名度のあるコンテンツを増やす事に他ならない。ブレーブスのキャンプを観に来たファンは、ディズニーワールドの顧客にもなるわけだし、オーランドで宿泊、飲食、そしてお土産を買うのなら、どうしてもディズニー関連になる可能性が高くなる。ブレーブスのファンにディズニー&キャンプツアーが実施出来る。ディズニー・ワールド側としてもチームのキャンプを大歓迎している。 ブレーブスにとっては、元来チームのファンではない人がオープン戦に足を運んでくれる可能性が高い。アメリカのバケーションは長く、2~3週間は当たり前。となるといくらディズニー・ワールドでも飽きてしまう顧客が出てくる。また、大人の男性はディズニーテイストに食傷気味になることもあるだろう。そんな人々にメジャーのキャンプは魅力的だ。 また、ディズニーの凄い所は、自分のコンテンツだけで全ての顧客を満足させれらるとは思っていないところだ。それはMLBキャンプに限らず、施設のあちこちで見受けられる。 ファンにとっては、ブレーブスとディズニーの両方が楽しめる。今日はディズニー、明日はMLBと目的別にスケジュールすることで、子供も母も父も楽しめる休暇を過ごす事が出来る。昼はMLBのオープン戦でエキサイトして、夜はダウンタウン・ディズニーでファンタージーなショウとディナーを楽しむことだって出来る。読者の中にも海外旅行の女性の「買い物」につき合わされて辟易した経験がある方もいるだろう。そんな事が起りにくいというわけだ。 春のキャンプ地を訪れるのは、野球のひとつの楽しみ方だ。しかしキャンプの練習やオープン戦は、丸一日かかるものではない。夕方4時頃から時間をもてあましてまうことになるものだが、ブレーブスファンには「時間をもてあます」なんで言葉は無縁なのだろう。 リゾートとキャンプ、そしてテーマパーク。一度は楽しんでみたい休暇の過ごし方だ。


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2007年03月16日

イチローキャンプツアー

20070316-02.jpgマリナーズのSpring Training(キャンプ)は、アリゾナ州のペオリア・スポーツ・コンプレックスで行われている。
※Googel航空写真
同じ施設の中で、サンディエゴ・パドレスもキュンプを張っている施設で、練習用の天然芝グランドが12面、1万1000人収容のスタジアムが1面3700平米のクラブハウスがあって、施設の規模では全米でも1、2を争う所だ。
※前回話題にした、リタイヤメント・コミュニティーの「サンシティー」から5kmの近さにある。

練習グランドがこんなに必要なのは、マイナー選手も一緒にキャンプを行うからだ。メジャーには7階層のマイナー組織があって、全ての選手合わせると200人を超える。それだけの人数が充分に練習を行うためには、グランド6つは必要になるわけだ。
階層間の選手移動を決めるのはメジャーのコーチだ。200人の選手をきちんと把握して振り分けなければならない。だから一ヶ所で行う必要がある。もう一つ重要な要素は、マイナーの選手にメジャーの選手を身近で見る機会を与えるということだ。
メジャーの選手のプレーは勿論、そのスター性やオーラ、リッチな環境などを見せる。そして同じチームに所属していて、自分のいる場所から、メジャーのTOP選手まで1本の道で繋がっているのだ、ということを実感させる目的もある。シーズンに入るとメジャーとマイナーは別世界になるが、キャンプで同じ環境に置くことで、効果を上げているという。

さてさて、
イチローをキャンプで見る時のツアー情報が今回の主題だ。
読者の皆さんを、アリゾナまでご案内しましょう。

飛行機で、アリゾナ州フェニックスへ
スカイハーバー国際空港へロサンジェルス経由で行く。
成田からロスまでは10時間
ロスからフェニックまでは2時間半
ロスでの乗り継ぎが2時間でうまく繋がったとすると、約14時間半で空港まで到着する。
JALの悟空チケットで往復92000円から。

フェニックスの空港でレンタカーを借りて、
球場まで50km以内。時間にすると1時間ちょっと。
キャンプを見に行くのだったらレンタカーは必需品だ。

フェニックスのHOTEL
ダブルツリー ゲストスイートWEB SITE
602-225-0500
空港の近くで球場までは50キロ
ヒルトンホテル グループでプールもあり、全室スイートタイプ(ベッドルームとリビングルームの2部屋)になっていて1泊1部屋$215から

エクステンデッド ステイアメリカWEB SITE
(623) 487-0020
球場からは1.5キロくらのところにあって観戦には便利だがダウンタウンまでは遠い。
リーズナブルなホテルだが、設備的に不十分に感じる事は無い。清潔感もあって充分くつろげる。
1泊1部屋$99から

フェアフィールド イン ダウンタウン ホテル スコッツデールWEB SITE
480-945-4392
空港から10キロ 球場から55キロ
ダウンタウンにあるので、買い物や食事などBaseball意外の施設には近い。
ひょうたん型のプールがあり、ジャクジーや、フィットネスジムも完備されている。
中級のリゾート感覚溢れるホテル。
1泊1部屋$189から

テンプ ミッション パームホテルWEB SITE
480-894-1400
空港から3キロ 球場から50キロ
ダウンタウンに近く、空港も近い。
その名前の通りヤシの木に囲まれたリゾート感覚あふれるホテルで、
プールやジャクジーは勿論、ホテル内のレストランも充実している
1泊1部屋$219から

レストラン
ビリー・ジョーンズ ビッグアップル
空港のすぐソバ
ステーキレストランで、$12から大きなアメリカンサイズのステーキが嫌というほど食べられる。
日本人の私たちでも、美味しくいただける繊細な味付け。

20070316-03.jpgマクダフィーズ
ハンバーがサラダが中心のスポーツバー。
毎日変わるスペシャルメニューは$8以下で、フライドチキンバーガーやフライドフィッシュバーガーに、お皿からこぼれそうなフレンチフライとサラダがついてくる。
ランチスペシャルは$5.95
スポーツバーなので、大型スクリーンと、30を越すTV画面で常時なんかしらスポーツをやっている。生中継の時には、このお店の常連さんたちで組織している私設応援団みたいな人たちが、いっぱい沸いてきて大騒ぎになる。この時期はマリナーズの試合もやってる。
ミス・マクダフィーズコンテストもやっていて、スタッフは美人ぞろい。TV画面のスポーツにヤジを飛ばしながら、美人のスタッフを眺めてビールをあおる。そんな事が出来そうなバーだ。

ドン&チャーリーズ チャンピオンシップ・ダイニング
シーフードがメインのダイニング。
オナーのドンさんが野球好きらしく、店内のあちこちに野球関連グッズが飾られているけど、ちゃんとしたレストランで、ネクタイをしたウエイターがフルサービスの食事を提供してくれる。
自慢のシーフードは$23.95とまずまずのお値段。
パスタなら$12.95からだし、サンドイッチ(ハンバーガー含む)は10.95だ。

フライディズ・フロントロウ スポーツグリル
ダイヤモンドバックスのホームスタジアム バンク・ワン ボールパークの中にあるレストランで、しっかりとしたステーキやチキン、シーフードのグリル料理が食べられる。
値段は観戦チケットとセットだけど、もし行く機会があったら立ち寄ってみたいお店だ。

アリゾナのこの時期の気温は最高気温38度、最低気温18度と、真夏の暖かさだ。そんな気候の中で、メジャーのプレーを間近に見て、ホテルに帰ってプールでひと泳ぎ。夜はダウンタウンのスポーツバーで、盛り上がる。そんな優雅なキャンプ観戦ツアーが可能です。

仕事でこんな快適な場所に所に行けるのですから、本当に恵まれてますよね。
感謝。感謝!


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2007年03月12日

MLBキャンプ地のねらい

メジャーキャンプ地のアリゾナ州でその経済効果は2億ドル(240億円)を上回ると言われている。前回紹介したチケット戦略を見てもらってもわかる通りだが、オープン戦にも関わらずその商業価値がしっかりと確立されているのだ。

キャンプが行われる地域の経済効果は、チームや関係者の宿泊などでの収入や、キャンプを目的に全米から集まるファンの宿泊などの収入が大きいのは説明するまでも無いだろう。

20070312-00.gifしかしアリゾナには、特殊な事情が存在した。
それは、アメリカ最大のリタイヤメントコミュニティーがあり、その住人やエリアが増え続けているということだ。

リタイヤメントコミュニティーと言われても、解りにくいと思う。
アメリカでは会社を定年退職した後、温暖な土地でゆっくりと余生を送る人たちが少なくない。そういった富裕層が暮らしやすい住宅地を、民間企業がアリゾナに作ったのだ。
サンシティーという名前のコミュニテーは、1960年から開発が始まり1978年に完成した時には、4万6000人が暮らすまでの大きさになった。
※Google航空写真
(同心円にレイアウトされた家、少し外側になるグリーンの部分はゴルフコースで、出来るだけ多くの家の庭先にゴルフコースがくるように設計されている)
日本で言えば、町村が市になる時の条件のひとつが人口5万人。18年間で荒野だった土地に130万ドルをかけて市を作り上げてしまったのだ。
無論ここには、教会や病院は勿論、ゴルフ場、レクレーション施設、図書館、美術館、シュッピングモールなどが整備されていて、生活する上で不自由を感じさせない。
そしてここのコンセプトが、余生をゆっくり静かに暮らすことが目的では無く、スポーツや趣味、社会貢献(ボランティア)に参加しながら活動的に暮らす事というもが特徴的だ。
このサンシティーは、治安も良く、環境も快適なのでその人気は30年を経過した今でも健在だ。

アリゾナ州が積極的に取り組んだ施設では無いが、これだけ大きくなると無視出来なくなる。このリタイヤ族の満足度を上げる手段として、メジャーキャンプを誘致した。という説が有力だ。
メジャーのキャンプがやって来る事で、娯楽が増える。同時に平日の昼間に行われる試合を満席にするのには、リタイヤ族の存在が欠かせない。この点で球団は集客がしやすいというメリットがあり、リタイヤ族には楽しみが増えるといたメリットが発生する。
ボランティア活動も同様だ。
メジャーのキャンプでボランティアをしているのは、圧倒的にこのリタイヤ族。かんかん帽を被ってチームのロゴの入ったポロシャツを着た老人たちが笑顔で迎えてくれるのが、キャンプの名物にもなっている。リタイヤ族も球団も双方にメリットが存在する。

メジャーがキャンプをしていることで、このリタイヤ族アリゾナに増え続けているのだ。
例えば、井口が所属するシカゴ・ホワイトソックス。この季節シカゴはまだ0度近い気温なのに対して、アリゾナは20度近いポカポカ陽気だ。オープン戦が始まる前に、シカゴの天気と気温が場内にアナウンスされると、大きな歓声があがる。それだけ多くの人がシカゴからこの地に来ているということだろう。

ホワイトソックスに限らず、フォランチャイズの都市からやってくるファンは、短くて2週間。長ければ1ヶ月以上をキャンプ地で過ごす。
キャンプ目的で訪れた人たちが、そこで活き活きと暮らしているリタイヤ族の姿を見て触れてみて
、アリゾナの良さに触れて、移住してくるようになったのだ。

こういったリタイヤ族は、前にも書いたが富裕層だということを忘れてはならない。21世紀の現代でも、アメリカンドリームの代表的な形として、「北部の大都市で仕事に成功してお金をため、早めにリタイヤして暖かい所で優雅に暮らす」というものがある。つまり他の州で稼いだお金をアリゾナで使ってくれるわけだ。

フロリダ州はそこに目をつけて、相続税などの特別措置を行ってリタイヤ族を歓迎してきた結果、住民の17%以上が65歳以上という、超高齢になってしまった。この高齢化との関連性は示唆されていないが、最近犯罪率が高くなって来ている。

アリゾナは、フロリダ州の様にリタイヤ族に対して積極的に受け入れていこうとは考えていない。住民の高齢化は必ずしも健全ではないと考えているからだ。しかし既に住んでいるリタイヤ族に対してはしっかりとケアをしている。

メジャーのキャンプで、リタイヤ族との距離を保ちながら、彼らに楽しみと目的を与えることに成功している。多くの州で財政赤字に悩んでいるが、アリゾナは健全だ。
このサンシティーを作り上げた「デル・ウエップ氏」は、もとニューヨーク・ヤンキースのオーナーでアメリカで有名な実業家だ。彼の作った街が、メジャーのキャンプと地域自治体の共存に一役かうことになるとは、開発時には夢にも思わなかっただろう。

高齢化社会とスポーツの、ひとつのあり方を示してくれる、興味深い事例だ。


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