2006年11月29日

西武球団ネーミングライツ断る??

インボイスの中間決算報告の席で、西武ドームのネーミングライツが、この12月で契約が打ち切られる。「契約は2007年3月までだったが、西武球団側から解除通告を受けたので3ヶ月前倒しして契約を打ち切ることとなった」とインボイスが報告。
2軍のネーミングライツは球場より長く、2008年3月までだったが、そちらも西武球団から解除通告が入ったという。その結果インボイスは1億1500万円の宣伝広告費が圧縮出来た。と投資家に向けた説明があり、「西武ドームに関しては効果があったので、また取得できる球場などがあれば取得したい」と述べた。

最近のスポーツビジネスでは、スタジアムのネーミングライツは、大事な収入源の一つになりつつありる。
フルキャスト宮城(仙台)
スカイマークスタジアム(神戸)
京セラ大阪ドーム(大阪)
福岡Yahoo!JAPANドーム(福岡)
など拡がりつつあり、利用者(ファン)の間でも理解者が増えてきたようだ。

日本のネーミングライツは、建造物が完成した後で、運営コストをスポンサーシップで補い、スポーツチームへの負担を減らそうと考えている。それはそれで正しいと思う。
海外に目を向けてみると、ネーミングライツが20年とか50年とか、日本に比べものにならないくらい長期間での契約が行われている。これは建物を建築する時に、ネーミングライツしてくれるスポンサーをつけて、建築費の一部を負担してもらうという発想をしているからだ。

サンフランシスコ・ジャイアンツのホームスタジアムは、2002年に24年間の契約を約60億円で「パシフィックベル社」と締結。2004年に「パシフィックベル社」が「SBC」と社名変更したのに併せて、スタジアム名も変更。2006年には、再びスポンサーの社名変更によってスタジアム名称がAT&Tパークに変更になった。
シアトル・マリナーズの「セーフコ・フィールド」も「セーフコ」という保険会社だし、100年以上前に建造されたシカゴの「リグレー・フィールド」も、リグレーコーポレーションという食品加工会社の名前がついている。

ドイツワールドカップが開催された、ミュンヘンにある「アリアンツ・アレナ」。宇宙船のような外観と、外壁の色が対戦カードによって変化することで有名だが、このスタジアムの名前についている「アリアンツ」はドイツの保険を中心とした金融の一大グループ。このアリアンツが30年に渡ってネーミングライツ契約をしている。金額はわからなかったが、相当な金額であることに間違いはないだろう。

変わったところでは、ニューヨークの47ストリートとブロードウエイが交差する、年末のカウントダウンで有名な「タイムズ・スクエア」も「ヘラルド・スクエア」とネーミングライツをニューヨーク市がつけて財政改善を試みている。

身近なところでは、「渋谷公会堂」が「渋谷C.C.Lemonホール」に2006年10月1日から5年間の契約だそうだ。これも渋谷区がサントリーにネーミングライツを売った例だ。

そんな中、インボイスは「効果もあったし、また取得できる球場などがあれば取得したい」と発言するほど積極的なのに、西武球団は断ってしまっていいのだろうか。なんだか時代と逆行しているみたいで、変だなあ。

posted by marketing |15:26 | プロ野球 | コメント(0) | トラックバック(2)
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2006年11月26日

メジャーでインターン募集

20061126-00.jpgミルウォーキー・ブリュワーズ大家友和が2006シーズンまで所属していた(FA権取得)、シカゴから車で2時間の都市にあるチーム)がインターンシップを募集している。
仕事は、メディア・リレーション。TVや雑誌、新聞などマスコミ対応を行う「広報」的な仕事だ。時期は2007年1月から、スプリングキャンプ修了まで。希望すれば開幕後の5月まで続けることが出来る。

【主な仕事内容】
2007シーズンのメディアガイド(※1)作成
インターンは主に編集作業と、入稿作業に従事
メディアガイド作成過程で、選手の成績や勝敗など調査が必要になった場合にはそれも含む。
それ以外には、ブリュワーズの記事が掲載された媒体のスクラップ、選手に寄せられたファンレターやメールの仕分け、プレスパスの制作補助、
試合開催日にはマスコミ関係者動線で、取材許可証の確認など。これらの業務を行ってチームが優秀だと判断した婆には、上記以外の業務を依頼する可能性がある。

【応募資格】
しっかりとしたコミュニケーション力があること、分析力と、組織的に物事を進めるスキルを重視します。
Microsoft Officeを問題なく使用出来、パソコンを自由に使いこなせること。
日常的な英会話が出来ること。(アメリカの大学に在学していれば尚可)

【条件】
1週間に15時間以上就業可能なこと
シーズン開始後は、時間外、週末、深夜などの長時間労働が可能なこと
ミルウォーキー周辺に在住または、ホームステイしていること
インターンシップなので報酬はありません。


この情報はMLB.comのミルウォーキー・ブリュワーズから探すと、すっごく解りにくい所に掲載されています。(ちゃんと見つけられる英語力が無いと無理ってこと)

メジャーでのインターンシップの経験は、きっとあなたのキャリアにプラスになることでしょう。日本プロ野球チームや、プロスポーツリーグで勤務している人で、海外のスポーツチームでインターンシップ経験のある人は少なく有りません。
つまり就職の時に、この経験を評価してもらえるということ。
1月から3月末までの3ヶ月なら、年末に試験がある学生ならイケルし、4年生なら就職先によっては可能。
3年生なら就活の時期だけど、履歴書に大きく書ける項目を増やすっていうのも充分就活の範囲だと考えればアリでしょ。
ちょっと微妙な時期ですけど。是非、挑戦してみください。

ミルウォーキーは、ミシガン湖のほとりにある、シーフードの美味しい、いい街です。
物価も安いし、シカゴまで行けば成田への直行便がバンバン出てるし、全米最大級の急行からは、どこへでも行きやすい。
日本人もまずいないので、語学のレベルアップには申し分ない都市です。気候も四季があって夏は暑くて、冬はしっかり寒い、ちなみに11月下旬の温度は1~4度くらい。雪も降っているけど降雪量は多くない。

スタジアムは屋根が開閉式のミラーパーク。
ビールのミラー工場の敷地内にある。
強豪チームではないけど、楽しい野球をやってる。

(※1=メデイアガイド、2006年までの全選手の詳細な成績、2005シーズンまでの対戦チーム別成績や、ホーム/アウエイによるチーム成績、デーゲーム/ナイターによるチーム成績など、今までのチームと選手に関するデータを全て掲載した、マスコミ向け辞書みたいなもの)


posted by marketing |10:30 | メジャーリーグ | コメント(3) | トラックバック(0)
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2006年11月23日

メジャーのドラフト会議

6月中旬に、メジャー30チームのGMを電話回線で繋いで2日間掛けてMLBのドラフトは行われる。
MLBがドラフト制度を導入したのは、アメリカ4大スポーツでも最も最近の1965年のことだった。その後度重なる選手会との労使交渉によって、ドラフト制度は見直されて現在の形に進化してきた。

指名順位は、前年の順位下位からの完全ウエーバー制だ。くじ引きも、逆指名も無ければ、希望入団枠も無い。ガチンコで行われる。順位下位からの完全ウエーバー制だが、特例がある。
FA権を行使して移籍した場合に、ドラフトの上位指名権を譲らなくてはならないのだ。

2001年ジェイソン・ジアンビは、オークランド・アスレチックスからFA権を使ってNYヤンキースに7年間で1億2000万ドルの契約で移籍をした。
日本プロ野球の場合は、ヤンキースがアスレチックスに、補償金として年俸の1.2倍を支払わなくてはならないが、メジャーでは「ドラフト指名権」を渡すことになっている。
メジャーは各チームの戦力均衡を尊重しているので、お金よりも選手使命権を譲ることで、優秀な新人を確保して戦力ダウンを出来るだけ少なくするように考えられているわけだ。
ジアンビを放出したアスレチックスは、2002年のドラフト1順目でヤンキースの分とアスレチックスの分2名を指名することが出来た。
アスレチックスのGM「ビリー・ビーン」はこの手法がとっても得意だ。
マネーボールを読まれた方はご存知だと思うが。

メジャーのドラフトは50順まで行われる。これも日本と大きく異なるところだろう。
メジャー球団は、その支配下にあるマイナーの選手も、このドラフトで獲得する必要があるのだ。マイナーは階層がAAAからルーキーまで厳密には6階層ある。各マイナーからランクアップしたり引退したり、戦力外通告を行った選手を全て確保するためには50人くらい必要なのだろう。

もうひとつ面白いのは、各チームは2分以内に指名選手名を言うこと。とされている。3分かかってもペナルティーは無いが、1500人という大勢の指名をスムーズに終わらせるのには、とっととやらないと2日では足りないというわけだ。目的の選手が、直前のチームに指名されてしまったので、監督やスカウトが話し合っている姿が日本では見受けられるが、そんな悠長な事は許されないのだ。

一番僕が驚いたのは、スカウトスタッフは30チーム共同で持っているということだ。つまりアスレチックス専門のスカウトというのは、いたとしても1人か2人。でドラフト指名する選手の情報は、共同チームから提供されるものを基本に考えるケースが多い。
リーグとして優秀な人材を発掘して、戦力均衡を保ったまま発展してゆこう。という考えがそのまま現れていると思う。1974年に30チームが資金を出しあってスカウト部門は発足したが、1985年「ピーター・ユベロス」がコミッショナーの時に、MLB機構の一部門としたことでより公平性が高まった。ここには50人近くの常勤スタッフがいて、ドラフトの対象になる全米、カナダ、プエルトリコに在住している選手を対象に調査・発掘が行われる。FAやトレード、ポスティングなどでの補強を行う場合には、チーム専属のスカウトが選手を評価している。だからMLB行きを狙っている日本人選手の評価には、チーム別のスカウトが訪れているわけだ。

お金があるチームが有利な、名前ばかりのドラフトとは根本的に違ったシステムがメジャーにはある。
スタジアムをいっぱいにするために、勿論チームマネジメントや、顧客に対するマーケティングも大事だが、メジャーの様な、牽引力のあるリーグマネージメントもとても重要になってくる。ドラフトは、そのほんの一例に過ぎない。

posted by marketing |07:53 | メジャーリーグ | コメント(1) | トラックバック(1)
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2006年11月21日

Qちゃんのマネージメント

東京国際女子マラソンで3位に終わったシドニー五輪金メダリストの高橋尚子は、優勝することを条件にしていたイベントがおよそ100件もあった。結果が3位だったのでその全てを辞退し、スポンサー関係の撮影だけは「身体が絞れている時に」ということで実施されることになった。

小出監督から独立した事が災いしたのかどうかは、わからない。
しかし優勝することを条件に、100件ものイベントが組まれていたこと事態が驚きだ。

スポーツビジネスの特異性として、試合の結果をギャランティー出来ない。
ということがある。
これは興行ビジネスにとって、スポーツ意外に見られない現象だ。
コンサートや演劇なら、シナリオに沿って進められてゆくし、照明や音響など、シナリオの効果を最大限にする演出が、何度も行われるリハーサルによって計算され尽くされている。

しかしスポーツはそうは行かない。
ホームのチームが惨敗で、ひどい試合内容だったとしても、チケット代が安くなるわけではないし、注目の選手がアクシデントで交代したことが原因で、TV視聴率がガタ落ちだったとしても、放映権料金は変わらない。
プロスポーツ産業の、顧客である、ファン、スポンサー、TV局に対してコンテンツの品質を保証できないのだ。

そこで課題になるのが、試合の勝敗や内容に関わらず、顧客満足度を上げる方法だ。
ここで言う顧客は、チケットを買ってくれるファンだけではない、
スポンサーしてくれる企業や、放映権を買ってくれているTV局も含まれる。

高橋尚子のケースでは、レースに出て優勝賞金で生計を立てているのでは無い。
所属のファイテンや、その他のスポンサーからの支援を受けて、活動しているわけだ。
優勝することを前提に、多数のイベントを組むのは、マネージメントが問題だと思う。
勝敗に関わらず、順位に関わらず、高橋尚子というブランドを活用して、
整った競技環境を維持するだけのキャッシュを確保しなくては、マネージャーとして失格だと思う。

観客動員の少ないプロスポーツチームの職員が、
「勝てばお客さんが入る」とボヤいているが、
ここの整合性はあまり無いと考えられている。
阪神は何年もBクラスを続けていた時期があったけど、満員だった。
西武の黄金時代は、観客動員が年々減少していった。
マーケティングをしっかりすれば、勝敗に左右されないビジネスを確立出来る。

なんて偉そうなこと書いてるけど、
そんなに簡単じゃないけどね。
要は「勝敗に左右されにくいビジネスの確立」なんです。

高橋尚子は、北京を目指すと言っている。
チームQで、競技面でも、それを支える活動費の確保も、しっかりやって「Qちゃんスマイル」をまた見せて欲しいものだ。

posted by marketing |12:46 | その他のスポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2006年11月19日

井川のエージェント

井川のエージェント、アーン・テレムは、年俸の高い100人にMLBで4人(TOP4)
NBAで7人(TOP2)のクライアントを持っている、エージェントだ。ご存知の通り、松井秀喜や松井稼頭央が、テレムのクライアントでもある。

1979年にミシガン大学法学校から1976年のハヴァーフォードカレッジからの彼の文学士程に進学。1980年代初期からプロ野球とバスケットボール選手の代理人をはじめた。そして、1989年にロサンゼルスに拠点を置くテレム&アソシエーションを設立。1999年に世界的にライブエンターテイメントを行うSFX エンターテイメントに、新規スポーツ部門として売却し、そこの社長におさまった。
2004-2005シーズンテレム氏とそのチームは7億5000万ドル(約870億円)の年俸を稼ぎ出すクライアントと契約関係にあり、Sports Business Journalsの「最もスポーツビジネスに貢献した50人」に選出されている。
2006年まではSFX Sportsという会社の野球部門で社長をしていたが、クライアントを連れて退任し、現在はWasserman Media Groupでナンバー4の位置に当たるPresident, WMG Managementをしている。
同時にアカデミックな活動も行っており、南カリフォルニア大学法学部の助教授として勤めており、全国から講演の依頼が寄せられている。
妻は、CBSパラマウントテレビジョンエンターテイメントの社長を務めている。

つまりバリバリのビジネスマンだ。松坂のエージェント、ボラス氏が野球選手出身だったのに好対照といえるだろう。

【主なクライアント】
ガルシアパーラー
ジェイ・ソンジアンビ
トレイシー・マグレディ
マイク・ムシーナ
ジャーメイン・オニール
レジー・ミラー
松井秀喜
松井稼頭央

あまり知られていないことだが、エージェントにも色々あって、井川選手には日本人のエージェントもついている。
彼らが阪神球団との交渉や、テレム氏との契約のサポートをしているわけだ。井川は野球選手だから、交渉術やメジャー球団への売り込み方も詳しくない。そこで彼らの存在が必要になってくる。

日本人選手が番記者にメジャーに挑戦したいんだ。と漏らせば海外のエージェントから、
「やあケイ!MLBにチェレンジするんだって、僕が手伝うよ」
なんて電話は掛かってこない。もし掛かってきたとしても、選手が彼らと会って、自分の場合誰に頼むのが一番いいのか判断できないだろう。
選手にしてもMLBでの選手生活に不安もあるだろうし、アメリカサイドのエージェントの手腕がいまいちだと入札が無いということだってありうる。メジャーに自分を評価してもらうために、ネットワークも交渉力もある日本側エージェントが必要になるわけだ。

球団との交渉も同じだ。球団にとってポスティングで手放せば、交渉権獲得の為の移籍金が球団に入るが、FAになったら全く入ってこない。お金のあるチームはポスティングをするよりも、選手に活躍してもらうことを望むケースは少なくない。そこを説得するのも彼らの役目だ。

晴れてMLBとの契約が締結されたら、現地での住まい、車の手配、社会保険や税金の問題など、海外で暮らしてゆくことに対応するための雑務が数知れずある、この雑務をこなして、選手がプレーに集中出来るようにするのも彼らの重要な役目のひとつだ。

松坂がボストン入りした映像が毎日TVで流されているが、あれだって日本サイドのエージェントが、飛行機の手配をしてホテルの手配をして、行程がスムーズに行くように全部段取りをしている。よく注意してみると、松坂の少し後ろにスーツ姿のエージェントの姿を発見することが出来るだろう。

井川や松坂のようにMLBに挑戦する選手の場合、アーン・テレム氏のようなエージェントも大事だが、日本サイドのエージェントの選定がもっと重要だ。彼らはあまり表に出ないし、報道されることを好まない傾向にある。だが注意して映像や情報を見ていると、段々見えるようになってくる。
ここに注目してみると、また別のものが見えて、きっと好奇心をかき立てられるハズだ。

posted by marketing |10:02 | メジャーリーグ | コメント(5) | トラックバック(1)
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