2007年09月14日
プレミアリーグ外国人オーナー達の思惑
プレミアリーグはその設立以来、最成功を収めている時期にさしかかっている。華々しいスター選手を揃え、有名監督を招聘し、攻撃的なサッカーをすることでスタジアムの観客を熱狂させ。同時に各国から集めた代表クラスの選手達は、その母国へのTV放映権を獲得する最大の材料と、レプリカユニフォームに代表されるマーチャンダイジングのグローバル展開をも実現させてくれる。 この成功要因のひとつに、外国人オーナーの登場がある。 チェルシーを買収したローマン・アブラモビッチ(40歳・ロシア人)がその莫大な資産を投入してスターを揃え、環境をより改善し世界中のサッカーファンの注目を集めた。そのサクセスストーリーが知れ渡ると、2匹目のどじょうを狙った大富豪が次々に参入。現在では20チーム中8チームが外国人オーナーになり、現在も商談は進行中だと伝えられている。 外国人大富豪がオーナーになることで、プレミアリーグは輝きを増した。他のヨーロッパリーグからスター選手が次々にドーバー海峡を渡り、ユニオンジャックに頭を垂れるようになると、他のリーグからは徐々に輝きが失われていってしまった。 現在、トップレベルの選手を獲得する移籍金やその選手たちに支払う給与には何十億円ものコストがかかるため、今のプレミアリーグは超のつく大富豪でしか運営できない状況になった。一方で大金を投資しても回収が見込めるまで大きな市場に育ったんだ。 プレミアリーグには降格があるけど、アメリカの4大スポーツには降格が無い。 マンチェスター・ユナイテッド、アストンヴィラ、リヴァプールのアメリカ人オーナー達の事業計画書に「降格」というリスクを折り込んで無いんじゃないかと思う。 アメリカの4大スポーツは「戦力の均衡こそがスポーツの魅力を高める」ってずっと言ってきたわけで、その為に「サラリーキャップ」だとか「ラグジュアリー・タックス」だとか色々仕組みを作ってきた。チーム間の経済的格差を出来るだけ小さくして、みんなで成功しようよ。っていう体勢を必死になって作ってきたわけ。 だから降格も無いし、TV放映権料も全球団で分配したり、ドラフトの仕組みも複雑に出来てる。 プレミアリーグには、「戦力均衡」なんていう考え方は無い。 強いチームが勝てばいいじゃん。だってスポーツなんだもん。 チームの資金力や制度をガチガチに作って、みんなで仲良くスポーツするのは不自然なわけ、イギリス人には。 アメリカ人オーナーのチームが降格する可能性は低いと思う。 でも副次的に、この降格の仕組みがチーム経営にとって見逃せない理由がある。 降格したチームは出来るだけ早くプレミアリーグに昇格したいと思う。 もしそのチームに資金力があったら、なりふり構わず才能豊かな選手を集め、実力ある監督を招聘する。 一方で昇格したチームは、なんとしてもプレミアリーグに残ろうとする。 2006-07シーズンにはプレミアリーグへ設立以来135年目にして初の昇格・残留を果たした、レディングFCのオーナーマデスキー氏は2006年7月のインタビューで 「球団を買収したい人がいれば私に会ってほしい」とし、「球団の運営権を譲り渡す準備はできている」と明らかにした。 マデスキー氏は「アジアサッカーファンの関心を集めた薛_鉉の獲得には大きな意味がある」とし、「アジアには資産家が多い。 私の考えではアジアに球団の未来がかかっている」と強調した。 と答えている。 降格し残留し続けるためには、より豊富な資金を投入しないとダメだ。と感じているんじゃないかな。 9月5日のAPの記事によると。 イングランドのサッカーチームが今夏、選手獲得に過去最高の総額5億ポンド(約1165億円)以上を費やしたことが4日、分かった。 会計事務所グループのデロイト・アンド・トウシュの調査によると、イングランドのクラブ(4部まで)が今夏投じた移籍金は、過去最高だった昨夏の3億ポンドを大きく上回る5億ポンド。トップリーグのプレミアリーグではマンチェスター・ユナイテッドが5100万ポンド、リバプールが5000万ポンド、トットナムが4000万ポンド、サンダーランドが3500万ポンドの巨費を投じ、アンデルソン、フェルナンドトレス、ダレン・ベント、クレイグ・ゴードンらを獲得した。また、クラブ買収でオーナーが代わったニューカッスルとマンチェスター・シティーも豊富な資金力で補強費を増やした。 と伝えている。 つまり、降格ラインで多額の資金をつぎ込むチームがある。その結果リーグ全体の戦力もあがるけど、選手への年報も高くなる。それがリーグ全体で毎年続いてゆく。2006年夏には3億ポンドだった選手獲得金額が、2007年には5億ポンドに増てる。前年比166%でしょ。それって無いよね。 一般の会社の会計に当てはめると。 選手年俸を「人件費」(固定費)になるわけでしょ。 それが166%も上昇したら、そりゃ大変だよ。 この現象を、アメリカ人オーナーが折り込んでいるとは思えない。 このまま外国人オーナーが増えていくと、プレミアリーグもビジネス優先で降格制度の見直しが始まるかも知れない。
posted by marketing |10:56 |
サッカー |
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プレミアリーグはその設立以来、最成功を収めている時期にさしかかっている。華々しいスター選手を揃え、有名監督を招聘し、攻撃的なサッカーをすることでスタジアムの観客を熱狂させ。同時に各国から集めた代表クラスの選手達は、その母国へのTV放映権を獲得する最大の材料と、レプリカユニフォームに代表されるマーチャンダイジングのグローバル展開をも実現させてくれる。
この成功要因のひとつに、外国人オーナーの登場がある。

