2007年08月17日

ベッカムがチーム売買価格を高騰させる

ベッカムがMLS(メジャーリーグ・サッカー)のチームに加わったことで、2007年シーズンはリーグ加盟の12チームは、スポンサー収入とチケット売上だけで1チームあたり100万ドル(約1億1200万円)の増収になるだろう。
まるでロックスターみたいだ。LAギャラクシーのGMは、ベッカムの名前が入ったレプリカジャージの箱を前にしておどけて見せた。ベッカムの入団から7月末までで1枚80ドルのレプリカジャージ25万枚以上を売り切った。
LAギャラクシー以外のチームでも、チケットの売れ行きは好調で、ワシントンDC・ユナイテッドLAギャラクシーを招いて行うゲームチケットは数分で売り切れ関係者を驚かせた。トロントFCは、LAギャラクシー戦のチケットを確実に入手するためには、複数試合チケットパックの購入が一番だ。という広告キャンペーンを始めた。

2008年にMLSはチーム数を増やす計画だが、この加盟金もベッカムの渡米によって高騰したと報じられている。2006年トロントに新チームを作るときには1000万ドルだった加盟金が来年新設予定の「サンホセ」には2000万ドルをリーグが要求してきた。ベッカムの参加によりMLSがビジネス的に成功するとリーグが確信し、加盟料を2倍にしたとしか考えられない。

ちなみに、NFL(アメリカン・フットボール)リーグのチーム拡張は1999年にテキサス州ヒューストンで出来たチームで加盟金は当時7億ドルだった。MLSは2倍に高騰しても他のリーグに比べると低価格と言えるかも知れない。

MLSコミッショナーのアボット氏は、2008年よりチーム拡張を予定しているサンホセに「サッカー専用スタジアムが必要なので、地域の投資家の方にご協力を頂いて2000万から3000万ドルの資金が必要です」と各方面への協力要請をしている。

サンホセはカリフォルニア州の南部に位置し、メキシコに近いこともあって、ヒスパニック系が多い地域だ。同時にMLS自体の観客も、サッカー先進国南米の血を引くヒスパニック系など、マイノリティーが中心だ。この観客層に英国代表のベッカムがどの程度の期間人気を維持する頃が出来るかは疑問が残る。

加盟金の2000万ドル、スタジアム建設費の2000~3000万ドル。
試算ではMLSのチームを運営するためには年間最低800万ドルから1000万ドルが必要だ。

ベッカムの参加によって、知名度も上がり、アメリカの中でもサッカーが浸透してゆく土壌は整ったかに見える。しかし数千万ドルを投資して回収出来るかどうかは不明だ。
「サッカーには相当の可能性があります。しかし3000万ドルの投資が見合う市場にはまだ育っていない」とニューヨーク投資銀行のロッド・ティルス首席投資顧問。「MLSの市場は拡大してゆくでしょう。しかし、3000万ドルの投資が妥当な金額であるかどうかを測る物差しは実存しません。その上、事業計画には例外なく『このまま成長を続けた場合』という魔法の注意書きがあり、その数字はどれもユニコーンの様に想像上の物でしか無いのです」と続けた。

MLSリーグはチーム運営の収益性を明らかにしてない。リーグ関係者の話によると2006年シーズン400万ドルの損失を計上したチームもあった。
MLSはベッカム入団する前からビジネスとして成功を収めるために、積極的な営業活動を行ってきた。アンホイザー‐ブッシュ、バドワイザー、JPモルガン、ペプシコーラなどとスポンサー契約を締結。ESPNをはじめとするTV局との8年間で2億ドルの放映権契約をまとめている。

LAギャラクシーのセールスマネージャー、トム・ペイン氏は今シーズンのチケット価格値上げと、新しいスポンサー契約で、ベッカムの年俸550万ドル2倍以上1330万ドルを稼ぎ出したと胸を張った。

MLSのチームはアメリカを代表するメジャースポーツと同額程度まで高騰する条件が揃った。と評価する投資銀行もある。サッカーというスポーツの欧州や南米での成功から考えても、投資リスクは極めて低いとロサンジェルスのマーケティング会社は評価している。

投資対象としてのMLSは既に黎明期を過ぎ、投資対象への段階に入ったと評価していいだろう。2005年シーズンまでMLSチームのオーナーは、何度か損失を計上した経験があるかも知れない。しかし今後のチーム自体のキャピタルゲイン(チーム価格上昇額)で補填してあまりある利益を傍受出来るだろう。

とBloombergが伝えた。

チームを売買して、その差益で儲けようという発想がアメリカでは日常的なのだと改めて思い知らされた。投資銀行にスポーツ投資の専門家がいるコトにも驚いたけど、普通の経済ニュースに混じって、MLSのチームへの出資で利益が出るかどうかがテーマになるコラムがあるもの、驚きだ。
スポーツチームが投資の対象になるのは、いいものなのかなあ。
でも、投資家の巨額なお金と、ビジネスで成功した手腕によって、経営が改善したリーグの例はいくつもある。
スポーツが、ビジネス化されてゆくのは、いいのか、わるいのか。
意見の分かれるところだなあ。

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posted by marketing |15:34 | サッカー | コメント(0) | トラックバック(0)
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