2006年12月22日

松坂の60億円使い道

12月20日西武球団は松坂の入札金60億円の入金を確認。その使い道について西武太田秀和球団社長(55)は「野球・スポーツを通じて青少年の健全な育成をサポート」「戦力の補強」「ファンサービス・ファンクラブ充実によるファンへの還元や新たなファン獲得のためのプロモーション活動」の3点を掲げた。球団の赤字補てんに回す可能性は「それはないと再三、言っています」と強く否定した。
日刊スポーツ

スポーツマーケティングを学んでいらっしゃる皆さん、
この記事を読んでどう思われますか?
1、せっかくの60億円、チーム強化に使えばいいのに。
2、マーケティングに使って経営基盤の強化をするべき。
3、スタジアムに投資をして、快適でわくわくするボールパークにするべき。
4、赤字補填に使うべき。
5、太田社長の判断を支持する。
その他にも色々ご意見があると思います。

では質問を変えましょう。
想像してみてください。
西武ライオンズが株式公開をしていて、あなたが株主だとします。
利益が出ないと株主配当も無いし、株価も上がらない。しかし、このところ赤字が続いていいる。IR的にも、経営的にもこの60億円を最も効果的に使うのなら、何に使って欲しいですか?

またまた質問を変えましょう。
あなた自身の家計をイメージしてください。
会社が不景気でここ何年かボーナスも出なく、節約しても家計は赤字続きでカード会社に100万円の借金が出来てしまいました。
そんな時に、臨時収入が300万円あったら、なにに使いますか?

今回のニュースに、スポーツ産業の特異性が読み取れた人は、よく勉強されている方です。
もし西武ライオンズが、プロスポーツチームでなく、一般の株式会社だったら、何の躊躇も無く「赤字の補填」に大半を使うでしょう。
何年も赤字が続いていたら、決算書(貸借対照表・損益計算書)も見るも無残なものになってしまっているハズです。借入金を減らし、利息負担を軽減し来年以降に持ち越すマイナスの要因を解消してから、積極的な投資を行うべきです。
売上がどんどん成長していて、成長期の運転資金不足や、設備投資の増大で赤字が続いているような「成長期」なら話は別ですが、ある程度成熟した業界で、有利子負債の解消をしてから、投資を行うのは当たり前だと思います。

しかし、それが西武ライオンズには出来ない。
なぜか。
プロ野球チームは公共性が高く、ファンやマスコミなど、経営責任の無い人たちへの説明と理解を求めながら経営していかなくてはならないからです。
もっと極端な例が、経営は黒字でもチーム成績が悪ければ、社長が辞任に追い込まれることがあります。

これがスポーツチームの経営の難しさです。
一般の企業なら60億円を何に使おうと、マスコミや消費者に非難されることは稀です。しかしスポーツチームは、その使い道がニュースになり、ファンの賛成意見や反対意見を浴びながら経営していかなくてはならない。
選手だけでなく経営陣もファンの支持を得られないと、チームとしてのブランド価値を上げてゆけません。

西武ライオンズ太田社長の判断を僕は支持をします。
ファンやマスコミに常時説明と理解を求めながら、色々な意味で球団の経営立て直しに使って欲しい。松坂だって「西武ライオンズが赤字で解散」ってことになって欲しくないと思うな。

posted by marketing |10:44 | コメント(1) | トラックバック(0)
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