2006年11月17日

松坂の値段

MLBには、各チームの戦力が選手年俸によって、大きく開きが出ないように、Luxury Tax(ぜいたく税)制度がある。
この制度は、課税対象額を超えた額に税金をかけて、MLB機構が徴収し、他のチームにレベニューシェアリングとして分配される。
税率は課税対象に連続2年3年となると、確信犯だという判断されて税率が跳ね上がる仕組みになっている。このLuxury Taxの負担額までを考えないと、ボストン・レッドソックスの本当の負担額が見えてこない。

2006年の課税対象額は136百万ドル以上だった。毎年少しづつ値上がりしているので、2007年は145百万ドルと予想し。税率は1年目17.5% 2年目30% 3年目以上40%となっている。

ボストン・レッドソックスの場合は、2006年チーム総年俸が120百万ドルとLuxury Taxの対象になっていない。つまり2007年は1年目の税率17.5%が掛けられることになる。
松坂の年俸が16百万ドル(約14億円)だったとしても、ギリギリで対象にならないが、ポスティング費用も、チーム総年俸に加算されるので、Luxury Tax対象になる可能性が高くなる。

単純に松阪の費用がプラスされたと仮定すると、レッドソックスのチーム総年俸は、187百万ドルで42百万ドルが課税対象になる。
この17.5%にあたる7.35百万ドルをMLB機構に支払わなくてはならなくなる。
そうなると、松坂を獲得するのに必要な金額は1年目だけで80億円を超えることになり、天文学的数字の買い物をすることになる。2008年以降はポスティング費用がなくなるので、Luxury Tax対象外になると思われる。

代理人のスコット・ボラス氏は年俸15百万ドル(約17億5000万円)の3年契約を希望し、3年後にFA権を取得し、契約金と年俸の高騰を狙っているが、レッドソックスは12百万ドル(約14億円)の5年間契約を希望と報道されている。

レッドソックスの思惑通りに事が運んだとしても、5年間の総額は、120百万ドル(約140億円)は、あまりに高過ぎる。2006年のチーム総年俸に近い金額を1人の選手に費やすわけだ。

いやはや何とも、そんな高額な価値が本当にあるのだろうか。
松坂の技量がどうこうではなく、1人の優秀なスポーツ選手の値段として適切なのだろうか。
日本人選手がMLBへ進出してゆくことには反対しない。プロ野球選手のキャリアプランとして、MLBという選択肢が増えたことは、球界全体にとってプラスになると思う。しかし年俸の高額さには閉口せざるを得ない。こんな高額年俸、日本プロ野球チームでは負担することが出来ない。MLBだって30チーム中、数チームしか負担出来ない金額だ。MLBの年俸に日本引っ張られるのは、球界全体にとってはマイナスだと思う。

【Luxury Tax】
1994年、球団オーナーとMLB機構がサラリーキャップ(チーム総年俸上限)を導入しようとしたが、選手会が猛反対をして8月からストライキに突入。ストライキは翌年4月1日まで続き、94年はプレーオフもワールドシリーズも行われなかった。当時の大統領クリントン氏も調停に入ったが失敗。第二次大戦中も90年間行われ続けてきたワールド・シリーズが初めて開催されなかった。このストライキ交渉の中で生まれたのがLuxury Tax制度。

posted by marketing |18:42 | メジャーリーグ | コメント(5) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加