2008年07月26日
2006年にアメリカカリフォルニア州サンディエゴに本拠地を置く独立リーグのチームが撤退した。独立リーグの1チームが営業を継続できなくなるケースは珍しくないが、サンディエゴの場合にはそこに面白い事実が存在していた。
サンディエゴ・サーフドッグスは、2005年ゴールデン・ベースボールリーグの発足と同時に、リーグが運営する形でチームが誕生。2005年シーズンは、リッキー・ヘンダーソン(メジャーリーグの盗塁記録、得点記録保持者)が所属した事もあってリーグ優勝。2006年シーズンは、ホセ・カンセコと契約するがトレードなどでサーフドッグスの試合に出場することなく移籍。それもあってシーズン最下位に転落。3シーズン目の営業活動を断念した。
運良く、2005年の7月に、GM Jeffrey Grow氏へインタビューをする機会があって、試合中に30分位話しを聞く事が出来た。その時には解散する何て考えてもいなかったので、メジャーリーグとの共存についてインタビューをしてた。解散してしまった後で、このインタビューテープを聞き直してみると、色々な示唆に富んでいる事がわかった。
1,メジャーリーグと独立(マイナー)リーグは競合しない。
2,サンディエゴは人口が多いので、1万人のスタジアムをいっぱいにする力はある
3,サンディエゴには富裕層が多く、低所得者が少ない。つまり市場が豊かである。
という3点がサーフドッグスが成功する可能性を秘めている理由だとGMは話していた。
僕は、スポーツビジネスを研究する者として、このGMあげた3つの成功要因のどこに間違いがあったのかを探すことにした。
左のグラフはメジャーリーグの地域(郡)人口と観客動員数をプロットしたものだ。縦軸が1試合平均の観客動員数。横軸が地域人口。人口の多いロサンジェルス、ニューヨーク、シカゴにはメジャーチームが2つずつある。ちなみにサンディエゴの人口は280万人。全米でも8番目に人口の多い都市だ。確かにGMが言う通り、1万人のスタジアムなをいっぱいにするポテンシャルはありそうだ。
下のグラフは、独立リーグと、マイナーリーグ合わせて209チームのデータだ。縦軸が1試合当たりの平均観客動員数。横軸がスタジアムがある場所の人口(郡)だ。
よく見て欲しい、人口が100万人を超えると、グラフが下向上になっている。特に、観客動員数6000人以上のチームが無くなるのだ。
エリアマーケティングの常識として、商圏人口と売上は正比例する。つまり多く人が住んでいる街では売上も伸びる。という事だった。しかし独立(マイナー)リーグにはその常識は通用しないようだ。
グラフの中では点でしか示されていない、人口が多い歳にあるチームを詳細に見てみると。
◆Orange County Flyers (独立) 人口2,846,289(CAL) 観客動員1,030人
◆Long Beach Armada(独立)人口9,519,338(CAL) 観客動員1,636人
◆Windy City ThunderBolts(独立)人口5,376,741(イリノイ)観客動員1,816人
◆Lancaster JetHawks(A)人口9,519,338(LA) 観客動員1,827人
◆Staten Island Yankees(A) 人口8,008,278(NY) 観客動員4,391人
いずれも2007年シーズン1試合平均観客動員数
2000年アメリカ国勢調査より
例えばマクドナルドやスターバックスなら、都市の人口が多いがマイナスに作用する事は無い。人口に比例して来店者も多くなるのが常識だ。
どうじて独立(マイナー)だけが、このような奇妙な現象が起るのだろう。
考えつく範囲で、その理由を推測するのなら、人口が多くなるとサーフドッグの試合を観戦した人の濃度が希薄になる。5人に1人いると口コミで情報も入ってくるだろう。観戦してみて良かったか、イマイチだったかも聞く事が出来るし、ファンの人も身近に存在するだろう。しかし20人に1人になると、そうもいかなくなる。口コミも拡がらない。こういった「顧客(観戦者)濃度」が薄くなるから、マイナスに作用するんじゃないかと思う。
このグラフは、郡の人口なので、もっと正確にスタジアムから50マイル圏内。といったデータに置き換えて同様の現象が存在するかどうかも確認しなくてはならない。まだ立証するにはデータが不十分ではるが、仮説として「独立(マイナーリーグ)は、郡人口100万人を超えると、人口が多ければ多いほど、観客動員にはマイナスに作用する」と考えて研究をすすめて行く事は意味がありそうだ。
7月12日から札幌で開催された、スポーツ産業学会で、この研究を発表してきた。
この問題はまだまだ奥が深そうなので、もっと追求してみようと思う。
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2006年11月03日
アメリカのマイナーリーグは楽しい。
あくまで僕の個人的主観でですけど。
今まで10前後のマイナー球場を訪れる機会に恵まれました。
例外なく楽しかったッス。
珍しいからとか、アメリカだから、とかそんな要素を割り引いても、楽しかったッス。
なんていうか、競技を観るための場所というよりは、Ball Parkっていうんですか。いろんな年齢層の人が楽しめる工夫がたくさんある。メジャーの球場は、それはすごいエンターテイメントなんだけど、スケールが大きすぎで参考になりにくい。マイナーは、すぐにでも真似できる要素がいっぱいありました。
◆マイナーリーグの特徴 その1
【ピクニックシート】
フィールドを横に見る感じで4~6人掛けの大きめのテーブルを囲んだ、ファミレスみたいな席がある。場所は日本の球場なら内野自由席になっている場所が多い。
そこでバーベキューやハンバーガーを食べながら野球を観るんです。
その上、安い。もうそれだけで楽しくなっちゃう値段なんです。
ウイルミントン・ブルーロックスは
1人24ドル払えば、ハンバーガー、ホットドック、プルポークサンドイッチ、グリーンサラダ、ベイクドビーンズ、ポテトチップス、アイスクリーム、ソフトドリンクが
食べ放題、飲み放題。
ビールは別料金ですけど3~5ドルと決して高くはない。
ただし25人以上の団体でしかチケットを買えない、
グループチケットパックになってる。だからこんなにリーズナブルに出来るわけです。
誕生日パーティーや、自治会のミーティング、ママさん集会なんかも行われていて、本当にいい感じです。
ハリスバーグ・セネターズは
大人1人20ドル
12歳以下の子供は1人10ドル
駐車場は100%無料だし、家族4人で子供が小さかったら、
4人で60ドルで足りちゃうわけ。
ちなみにアメリカ本土のDenny'sの値段は、ディナーなら10~15ドル。
これにサラダ、ソーダ(アメリカ人は何故か食事中にソーダを飲むのよね)アイスクリーム、コーヒーがついたら、1人20ドルは超えちゃいますよ。
それならマイナーのスタジアムで、空の下夜風に吹かれながら、野球を肴に家族でバーベキューというチョイスは正解だよね。
絶対楽しそうだもん。
味はどうかというと、
これがなかなか美味しい。僕は日本人的味覚なので正確性を欠くと思って、アメリカ人家族に聞いてみました。
「ここのバーベキューって美味しいですか」
「そりゃあウマイよ、大体バーベキューでまずく作るほうが難しいからね」
確かにその通りだ。おいしくないバーベキューには出会ったことが無い
「24ドルって値段はどう思いますか」
「そりゃあ兄ちゃん、サイコーだね。毎日だって来たいよ。
今日はね、サムの誕生パーティーなんだよ、だけど俺はサムと今まで2回しか会った事ないんだ。コミュニティーの掲示板にサムの誕生パーティーの事が貼り出されていたから、もぐり込んだンだよ。他にも結構いるぜ」
「大丈夫なんですか」
「Why not?(ダメな事なんてあるもんか)サムは大勢の人に祝ってもらえればいい訳だし、俺達はこの席で楽しめればいい。ちゃんとHappy Birthdayの歌は歌うし、サムにおめでとうって言いに行くぜ、お互いサイコーってことだよ」
マイナーだからこそ出来るスタジアムの楽しみ方だよな。ホント
posted by marketing |18:55 |
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2006年09月25日
アメリカのマイナーリーグは、AAAからルーキーリーグまで含めると200を超えるチームがある。それ以外にも独立リーグが40チーム弱存在するので、そのチーム数はなかなかのものだ。
しかもそのほとんどのチームが独立採算制の会社形態をとっており、メジャーチームとは選手育成契約だけで、資本関係の無いチームが圧倒的だ。
つまり、マイナーのチームには、オーナーがいて、GMがいて、セールスマネージャーがいて、というように、しっかりとした組織ができ上がっている。それだけ就職の機会も多いということだ。
マイナーリーグは毎年12月に合同で会社説明会みたいなものを行う。どんなチームか資料が並べられていて、その場で人事担当者との面接を申し込むことが可能だ。だから、スポーツ界で仕事をしたいと考えている人が全米から集まってくる。決して採用枠は多くないが、日本の多くの球団がそうであるように、どこからアプローチしていいのか皆目検討がつかないのとはわけが違う。
さらに注目すべきが、プロ野球雇用機会データベースが存在することだ。
ここにはマイナーを中心とした、プロ野球チームが人材を必要とした時に、データベースにアクセスしてピックアップする仕組みだ。(稀にメジャーチームの募集もある)グランドキーパーや用具係から、アナウンサー、GMまで様々な職種の募集がある。つまり野球関係の仕事に就きたいと強く願っている人が、登録料を支払ってこのデータベースに自分の情報を掲載しておくのだ。球団のニーズにうまく会えば、ある日チームから自宅に電話が掛かってくる。という仕組みだ。
数年前に、横浜ベイスターズの人事部長から頼まれたことがあった。
「今度チームでWEBの知識がある広報スタッフを探しているんだが、公募をすると応募者が殺到して処理しきれなくなる。履歴書が300枚も送られてきてみろ。それをちゃんと見るだけで1週間はかかるだろ。
かと言って紹介で探すと、政治力のある人が役に立たない人材を連れてくる例が後を絶たない。スポンサーの社長の甥とかが来ちゃう。こういうのに限ってバカが多いんだな。でも断れないわけだよ。スポンサーだからね。そこで君に頼むんだ。優秀で、チームの都合で断ることの出来る人材を紹介してくれないか」
この人事部長の悩みは切実だった。
そういう意味では、マイナーの人材データベースはなかなか優秀だと思う。インターン希望者も登録できるそうだ。来年の夏はアメリカのマイナー球団で、インターンをしてみるのも悪くなさそうだ。仕事は相当キツイと思うけど、彼らの経営を直に見ることが出来るし、毎日野球漬けの日々を送ることが出来る。ショートシーズンなら3ヶ月だけでOKだから、留学というよりは研修に近い感覚で行くことも可能だ。もしかしたら、ブロンズ美女とのロマンスもあるかも知れない。
これは真剣に考えてみる価値がありそうだ。
年齢制限に引っかからなければの話だが。
posted by marketing |01:05 |
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