2011年08月06日

815試合連続売切記録 マイナーリーグ

marketing-257896.jpgアメリカ マイナーリーグで、試合のチケット連続売り切れ記録が更新された。オハイオ州デイトンという街にある、デイトン・ドラゴンズは2000年に新しいスタジアムをダウンタウンにオープンさせた後、815試合連続で公式戦のチケットが売り切れになった。

マイナーリーグと一言で行っても、AAAからルーキーリーグまで最大7階層あり、1つのメジャーチームで5チームから10チーム程度のマイナーリーグを持っている。全米で300近いマイナーチームが存在している。話題のデイトン・ドラゴンズはSingle Aのチーム。シンシナティ・レッズの傘下にある。2010年シーズンは53勝85敗で勝率は.384。ミッドウエストリーグ16チーム中で8位の成績だった。
マイナーリーグにもポストシーズンゲームが存在している。デイトン・ドラゴンズがシーズンに好成績を残してポストシーズンに駒を進めることが出来たのは2008年準決勝で敗退。2007年は準々決勝で敗れさっている。それ以外はミッドウエストリーグで4位以下の成績ばかりだ。なんというか、決して強いチームでは無い、ということだ。チケットを買って試合に行けば「勝つ」試合がみられるわけではない。ファンもそれを期待してスタジアムに足を運ぶわけではないと考えていいだろう。

デイトン・ドラゴンズが本拠地にしているスタジアムはフィフスサード・フィールド。デイトンのダウンタウンに2000年に2200万ドル(約20億円)を掛けて建設され、客席数は7230席だ。マイナーリーグの球場としては標準的な客席数と言っていいだろう。

デイトンという街は人口14万人程度、メトロエリア(都市圏)の人口は84万人で全米で61番目だ。
都市圏の人口数を見ても、815試合連続でチケットが売り切れになる理由がみつからない。ただ、ドラゴンズ以外にスポーツチームは少なく、バスケットとホッケーのマイナーチームがある程度だ。日本では地域にプロスポーツチームが存在するケースは少ないが、アメリカでは逆で、50万人以上の都市圏にはプロスポーツチームが複数存在するものだ。そういう点ではデイトンという街には、競合するプロスポーツは少ないと考えてよさそうだ。

デイトン・ドラゴンズは、マンデリーエンタテインメントという会社が経営している。このマンデリーは6つのマイナーリーグを経営している。アメリカのマイナーリーグは、メジャーリーグとは経営が別々だ。選手はマイナーからメジャーに上がっていゆく道筋があるし、選手のマネジメントは全てメジャーコーチ陣の方針で行われている。ただ興行を行う仕事は、メジャーとは別の会社が行っているし、マイナーチームにもオーナーがいる。そんなわけで、マンデリーは、FRISCO ROUGHRIDERS、ERIE SEAWOLVES、SCRANTON WILKES BARRE YANKEES、STATEN ISLAND YANKEES、OKLAHOMA CITY REDHAWKS のオーナーで、それぞれ順調に経営を行っている。
最近アメリカのマイナーリーグ業界には、こういった複数のチームを経営することで、ノウハウや人材の共有化を行い、成功している例がいくつか存在する。
今回のドラゴンズの記録更新については、まだ洞察が不足しているので、少し間をおいてまた報告します。もうちょっとちゃんと分析しておきます。


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2010年09月26日

i-phoneでホットドックをオーダー

marketing-192331.jpg2010年9月23日 MLBAM(メジャーリーグのIT戦略子会社)が、フィラデルフィア・フィリーズのホームスタジアム、シチズン・ボールパークでi-phoneを使って食べ物や飲み物がオーダー出来る仕組みをスタートさせると発表した。
MLBのスタジアムは5万人以上収容可能なところが多く、ホットドックを買うだけで2イニング位必要になる。勿論、ホットドックの行列専用のTVがあって、試合を見逃す事は無いけど、それでも面倒なことには変わりは無い。

2010年のオールスター時期からスタートさせていた、At the Ballparkというi-phone用のアプリケーションに新しく加わった機能だ。技術的には、スタジアムの中に数百のアクセスポイントを設置するのと、i-phoneに装備されている位置情報システムを連動させる。2〜3mの誤差はあるらしいが、近くまで行って「ホットドックお待たせしました!」と叫べば、間違えることは無いそうだ。

2010年シーズンは残り試合も少ないので、オーダー出来るメニューは少ない。
フィラデルフィア・チーズステーキ、ローストポーク・サンドイッチ、イタリアン・ハッジ、ホット・ドックそして飲み物だ。お店に買いに行くよりは、少し割高になるらしいけど、席まで運んでくれるのはありがたい。MLBではコットンキャンディーとピーナッツ、飲み物はソフトドリンクは売り子がいて、席から立たずに買えるけど、アルコールは買えなかった。でもこの仕組みでは買える事になるらしい。

使い方は簡単で、席に座ってメニューを選ぶだけ、支払いのためにクレジットカード情報を入力すれば、それでおしまい。だそうだ。
関係者は、記者会見で「野球観戦が変わります」なんて事まで発言している。
「この技術を使えば、ファンも席を立たずに野球を今以上に楽しめるようになるでしょう。スタジアム名物の長い行列は無くなるでしょう。トイレ以外はね」と会見を締めくくった。

技術的には、凄いんだけど。
お客さんが席番号を入力してくれれば、それで実現可能なことで、僕が以前経営していた会社で企画をしていた。福岡ドームでドコモと実験計画まで立てたことがある。
大事なのはデリバリー要員や、オーダーミスなど、現実的なオペレーションなんだよね。
行列するのはイヤだけど、お弁当を見に行って美味しそうなものを探すのも「野球観戦」の楽しみの一部なんだよね。この企画、失敗はしないと思うけど、スタジアムの行列はなくならないと思うな。ホットドックもトイレもね。


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2010年03月21日

レッドソックス、オープン戦も完売

marketing-148501.jpg松坂大輔や岡島秀樹が所属していることで、日本でもよく報道されるようになったボストン・レッドソックス。ホームスタジアムの観戦チケットは2009年6月に500試合連続で売り切れを記録し、現在もその記録を更新中だ。つまり全米で最もチケット入手が困難なメジャーリーグの公式戦チケットが、レッドソックスというわけ。ヤンキースのライバルであり人気もあるチームなのだが、ホームスタジアムが3万8800人しか席が無い。ということもあって本当に全然チケットがとれない。
なんとオープン戦でも同じ事が起きており、30試合強のチケットは全て完売。あとは当日販売される立見席しか購入出来ない。

レッドソックスがスプリングトレーニングで試合を行うシテイ・パームズパークのオープン戦チケット価格は以下の通り。
ホームプレートボックス:$ 46
ベンチボックス(1列目):$ 40
ベンチボックス(2列目):$ 36
ボックス席:$ 26
フィールドデッキ(右側):$ 26
リザーブド席:$ 23
外野席:$ 15
外野芝生席:$ 12
立見席:$ 10
収容人数は8000人とスプリングトレーニングでは一般的な大きさ。

スプリングトレーニング
読者の皆さんは、既にご存知だと思うが、念のためMLBのスプリングトレーニングについて確認しておこう。
2月の中旬から始まるスプリングトレーニングは3月に入ると、オープン戦が活発に行われる。ほとんど毎日試合が組まれ1日に2試合行われる事も珍しくない。スプリングトレーニングには傘下のマイナーリーグ登録の選手も参加し、その1年を闘うチーム編成を、選手の練習を見ながら首脳陣が行って行くのだ。そのためオープン戦には色々な選手が登場するし、マイナー登録選手を中心にした紅白戦まで含めると、ほんとに多くの試合が開催されている。

キャンプ地は、フロリダとアリゾナの2地区に限定されており、多くのチームがバスで30分以内の位置で練習を行っている。練習試合やオープン戦をスグ開催出来るようにしているのだが、ビジネス的な意図もある。
フロリダもアリゾナも全米を代表する観光地。3月の両地域はもう真夏のような陽気の日もある。MLBのスプリングトレーニングを見に全米から観光客が押し寄せてくる。その経済効果は500億円とも1000億円とも言われている。

ボストンではまだ雪が残っている時期に、南の暖かい所に野球を見に行く。しかもMLBの試合に比較して、スタジアムもコンパクトで選手を身近に見られる。巨大化したMLBに比較して、古き良きBaseballが満喫出来る。観光地としての完成度が高い場所に、その時期にしか楽しめないカジュアルなメジャーリーグがプラスアルファされることで、観光資源としての価値がグンと跳ね上がるわけだ。
それだけではない。地域で生活する高齢者がスプリングトレーニングでやってくるMLBチームをボランティアとして支えている。この高齢者が本当に楽しそうなのだ。駐車場の案内や、球場のチケットもぎり、僕たち報道陣の受付など本当にあちこちにカンカン帽をかぶった高齢者に出くわす。うっかり「今年のレッドソックスはどうですか?」なんて話しかけると5分は解放してもらえない。だからニッコリ笑って「今年もいいですね」と挨拶することにしている。

レッドソックス観戦ホテルパック
marketing-148502.jpgさてさてレッドソックスに話しを戻そう。
ボストンのホームスタジアムでのチケットは完売。スプリングトレーニングまで完売。となるとファンも許してくれない。そこでレッドソックスは、スプリングトレーニング観戦ホテルパックを販売している。このパックを購入すれば、オープン戦のチケットもついてくるというわけ。

・レッドソックスのオープン戦観戦チケット2試合分
・球場から4マイルの位置にあるマリオットホテルのツインルームに3泊。
・3日間自由に使える4ドアのレンタカー
・レッドソックス選手を交えて行われるバーベキューへの参加。このバーベキューはチケット制になっていて、・選手にサインを求める・選手に質問をする・選手に野球指導を受けるというアトラクションを3回まで利用できる。サインを3つもらってもいいし、3つのアトラクションに1つづつ参加してもいい。
・2010年モデルのレッドソックスグッズパック
帽子、ポロシャツ、Tシャツ、MLB試合球などが入ったグッズパック
ひとり当たり863ドル(約78,000円)

このパックを購入すると、全米各地からフロリダへ向かうJetBlueの航空チケットが10%割引になる。

オプション-打撃練習参加
週末に50人限定で打撃練習を受ける事が出来る。レッドソックスの選手と全く同じメニューで、選手たちの練習前の早朝に開催されている。ビュッフェスタイルのフルブレックファーストと、MLBの試合で使用されたボール。そして参加者が球場のゲージで打撃練習をしている光景を写真にとり額縁に入れてプレゼントしてくれる。そこまでパッケージになってひとり199ドル(約18000円)で提供している。これは観戦パック購入者で無くても申し込めるので現地に行ってからでも参加OK。だが限定50人はスグに一杯になってしまうそうで、2週間位前から予約しないとダメだと広報の人が教えてくれた。結果的にほとんどが、ツアー参加者になっている。

VIPスタジアムツアー
週末に75人限定で行われているVIPスタジアムツアー。スタジアムで、スタジアムのロッカールームや諸施設を見学、ビュッフェスタイルのフルブレックファーストを食べた後、スタジアムのファールラインの外で練習を見る事が出来る。記念にその光景を写真にとり額縁に入れてプレゼントしてくれる。ひとりあたり99ドル(約9000円)で参加出来る。ファミリーでの参加が多く、選手の練習を間近に見られるし、ベンチなどで記念撮影をしてみんな楽しんでいた。
99ドルが高いかどうかは意見が分かれる所だが、全米から飛行機に乗ってフロリダまで来た観光者にとって、プラス99ドルで特別な体験が出来るのなら、投資対効果は悪くないようだ。アメリカ人の陽気な気質もあって、本当にみんな楽しんでいた。

日本ではオープン戦のビジネス化はあまり進んでいない。
MLBを崇拝するつもりは無いが、よく考えられていた。野球をエンタテイメントとしてどう扱えば、ファンが楽しむのか、高齢者社会に貢献できるのか。そういう割り切りがあった。
参考に出来る事は、どんどん取り入れていけばいいのにと、フロリダの真夏の日差しを浴びながら痛感した。


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2009年09月02日

マイナーリーグの素敵な球場

アメリカのマイナーリーグベースボールチームは200近く存在する。そのどのチームも3000人以上を収容する観客席を持ち、地域住民に「ベースボール」という娯楽を提供している。マイナーリーグが提供する娯楽は、野球と言う競技を見せる「競技場」ではなく、複合的に楽しむ事が出来る「ボールパーク」だ。
僕はこのマイナーリーグの球場が大好きだ。メジャーリーグのソフィストケイトされた、大規模な球場もいいが、マイナーのこじんまりしていて、アットホームな雰囲気がなんとも言えずに楽しい。その光景は日本で言えば、神社の縁日の様な雰囲気がある。地域の高校生がそこに集まり、ホットドックを片手にボールパークを楽しんでいる。
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数あるマイナーの球場には素敵なボールパークがいくつもある。その中で建築的に評価されている球場がコーパス・クリスティー・フックス(AA)の球場だ。 テキサス州コーパス・クリスティーという町にあるワッターバーグ・フィールド
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テキサス州水族館公園の中に2005年にオープンした比較的新しい球場で、設計を担当したHKS設計事務所は以下の3点を重視して設計した。 1,与えられた周辺環境を最大限に活用すること 2,都市の歴史や建築物に敬意を払うこと 3,ナイターが多く開催されるため周囲の光を効果的に活用することだ。 ワッターバーグ・フィールドはダウンタンに近く交通の便がとてもいい。多くのマイナーリーグの球場は、都市部から離れた土地があまっているような場所に建てられているケースが多いが、ここはダウンタウンの観光エリアになっている公園の中に建築されたので利便性がとても高い。 球場からは大きなハーブブリッジを見る事が出来る。3塁からセンターへ向かって伸びる大きな橋は、夜間ライトアップされ球場の観客をも楽しませている。 コーパス・クリスティーという町は、コットンの生産者が多く、町のあちこちに綿の倉庫が建ち並んでいる。ワッターバーグ・フィールドの外観は、この綿倉庫と趣を同じにしてあり、メインエントランスは高い屋根と両側にある四角い建物が綿倉庫の建築を最大限に取り入れつつ、新しさと楽しさを表現していると、地元でも評判だ。球場内にあるシーズンチケット購入者用のラウンジは「コットンクラブ」と名付けられ、綿産業の町らしさを大事にしている。古い倉庫と同様にレンガによる装飾も球場のあちこちにあり、その徹底ぶりはなかなかのものだ。 観客席にも工夫がある。 まず外野フェンス。一般的には濃いグリーンなどで出来ているが、ワッターバーグ・フィールドの外野フェンスは網で出来ている。そして網のスグ外には観客席があり、バーベキューをしながら選手と同じ目線で野球を楽しむ事ができるのだ。
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スコアボードの裏側には、子どもたちが遊ぶ事の出来る遊具が置かれている。多くの球場は簡素な遊具があるケースがほとんどだが、ここでは本格的で魅力的な遊具がいくつも置かれており、野球に飽きた子どもたちが毎試合走り回っている。プールや、クライミングが楽しめる装置もあり、野球を観なくても十二分に楽しめる施設になっている。 マイナーリーグの多くは黒字経営を行っている。魅力的なスタジアムを作り、地域に娯楽を提供し、10ドル以下の入場料金で観客を楽しませる。それが彼らの商売だ。 フックスは年間70試合を開催し、50万人以上を動員。1試合平均7000人を超えるファンをスタジアムに集める力を持っている。 MLBテキサス・レンジャーズの傘下であるため、地元球団としての人気もある。だがスタジアムをいっぱいにするためのマーケティングや、球場施設にも多くの投資をしているのだ。2005年当時の建築は27.7百万ドル20百万ドル以下が7割を占めるマイナーリーグスタジアムの建築費としては高額な部類に入る。それでも観客が増え、家族連れでいっぱいになるのなら、建築費に掛かる投資はスグに回収できてしまうのだ。 日本では野球もサッカーもトップチームだけが、興行としてのビジネスを展開している。2軍やサテライトチームの試合だって、見て楽しめる内容であるハズだ。日本各地にある公営球場だってトップチーム以外の興行で観客が呼べるようになれば、地方財政に掛ける負担も少なくなるだろう。マイナーをそのまま真似してもうまく行かないだろう。日本なりのマイナーを考えてみてもいい時期かもしれない。 ◆関連記事◆ リプケンスタジアム サクラメント リバーキャッツ ランカスタージェットホークス 独立リーグ サンディエゴ サーフドッグス マイナーのチケット戦略 マイナーリーグの魅力


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2008年07月26日

人口が多いと観客が減る??

20080726-00.jpg2006年にアメリカカリフォルニア州サンディエゴに本拠地を置く独立リーグのチームが撤退した。独立リーグの1チームが営業を継続できなくなるケースは珍しくないが、サンディエゴの場合にはそこに面白い事実が存在していた。

サンディエゴ・サーフドッグスは、2005年ゴールデン・ベースボールリーグの発足と同時に、リーグが運営する形でチームが誕生。2005年シーズンは、リッキー・ヘンダーソン(メジャーリーグの盗塁記録、得点記録保持者)が所属した事もあってリーグ優勝。2006年シーズンは、ホセ・カンセコと契約するがトレードなどでサーフドッグスの試合に出場することなく移籍。それもあってシーズン最下位に転落。3シーズン目の営業活動を断念した。

運良く、2005年の7月に、GM Jeffrey Grow氏へインタビューをする機会があって、試合中に30分位話しを聞く事が出来た。その時には解散する何て考えてもいなかったので、メジャーリーグとの共存についてインタビューをしてた。解散してしまった後で、このインタビューテープを聞き直してみると、色々な示唆に富んでいる事がわかった。

1,メジャーリーグと独立(マイナー)リーグは競合しない。
2,サンディエゴは人口が多いので、1万人のスタジアムをいっぱいにする力はある
3,サンディエゴには富裕層が多く、低所得者が少ない。つまり市場が豊かである。
という3点がサーフドッグスが成功する可能性を秘めている理由だとGMは話していた。

僕は、スポーツビジネスを研究する者として、このGMあげた3つの成功要因のどこに間違いがあったのかを探すことにした。

20080726-01.gif左のグラフはメジャーリーグ地域(郡)人口と観客動員数をプロットしたものだ。縦軸が1試合平均の観客動員数。横軸が地域人口。人口の多いロサンジェルス、ニューヨーク、シカゴにはメジャーチームが2つずつある。ちなみにサンディエゴの人口は280万人。全米でも8番目に人口の多い都市だ。確かにGMが言う通り、1万人のスタジアムなをいっぱいにするポテンシャルはありそうだ。

20080726-02.gif下のグラフは、独立リーグと、マイナーリーグ合わせて209チームのデータだ。縦軸が1試合当たりの平均観客動員数。横軸がスタジアムがある場所の人口(郡)だ。
よく見て欲しい、人口が100万人を超えると、グラフが下向上になっている。特に、観客動員数6000人以上のチームが無くなるのだ。
エリアマーケティングの常識として、商圏人口と売上は正比例する。つまり多く人が住んでいる街では売上も伸びる。という事だった。しかし独立(マイナー)リーグにはその常識は通用しないようだ。

グラフの中では点でしか示されていない、人口が多い歳にあるチームを詳細に見てみると。


◆Orange County Flyers (独立) 人口2,846,289(CAL) 観客動員1,030人
◆Long Beach Armada(独立)人口9,519,338(CAL) 観客動員1,636人
◆Windy City ThunderBolts(独立)人口5,376,741(イリノイ)観客動員1,816人

◆Lancaster JetHawks(A)人口9,519,338(LA) 観客動員1,827人
◆Staten Island Yankees(A) 人口8,008,278(NY) 観客動員4,391人

いずれも2007年シーズン1試合平均観客動員数
2000年アメリカ国勢調査より


例えばマクドナルドやスターバックスなら、都市の人口が多いがマイナスに作用する事は無い。人口に比例して来店者も多くなるのが常識だ。

どうじて独立(マイナー)だけが、このような奇妙な現象が起るのだろう。
考えつく範囲で、その理由を推測するのなら、人口が多くなるとサーフドッグの試合を観戦した人の濃度が希薄になる。5人に1人いると口コミで情報も入ってくるだろう。観戦してみて良かったか、イマイチだったかも聞く事が出来るし、ファンの人も身近に存在するだろう。しかし20人に1人になると、そうもいかなくなる。口コミも拡がらない。こういった「顧客(観戦者)濃度」が薄くなるから、マイナスに作用するんじゃないかと思う。

このグラフは、郡の人口なので、もっと正確にスタジアムから50マイル圏内。といったデータに置き換えて同様の現象が存在するかどうかも確認しなくてはならない。まだ立証するにはデータが不十分ではるが、仮説として「独立(マイナーリーグ)は、郡人口100万人を超えると、人口が多ければ多いほど、観客動員にはマイナスに作用する」と考えて研究をすすめて行く事は意味がありそうだ。

7月12日から札幌で開催された、スポーツ産業学会で、この研究を発表してきた。
この問題はまだまだ奥が深そうなので、もっと追求してみようと思う。


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