2011年10月09日

プレーオフの給料

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アメリカメジャーリーグ(MLB)ではポストシーズンゲームの真っ最中だ。MLBは2階層になっている。ナショナルリーグと、アメリカンリーグがあり、その下位階層に地区がある。各階層によって、試合が行われ、ワールドシリーズまで含めて最大41試合が行われる。
この41試合は、全てMLBの主催で行われ、チケットは勿論、TV放映権やグッズの売上まで全てがMLBに入る。全てのスケジュールが終わった時点で、成績によって各チームに分配される仕組みになっている。サスガにアメリカ、と思ったのはポストシーズン開催期間中もこの資金をファンドで運用して、少しでも大くしようとしている事だ。

さてさて、その分配方式だが、
まずMLBが15%トップオフする。

ワールドシリーズ優勝 36%
ワールドシリーズの敗者24%
リーグチャンピオンシップシリーズの敗者 24%
ディビジョンシリーズ敗者 12%
非ワイルドカードで地区2位のチーム 4%

ここで面白いのが、最後の「非ワイルドカードで地区2位のチーム」だ。ポストシーズンに一切関係の無いチームも、わずか4%とはいえ分配金が配られるというわけだ。

もうひとつ面白いのが、ポストシーズンの試合が盛り上がらなくて、観客が入らかったり、TV放映が極端に少なかったり。簡単に言えば「儲け」が少なかった場合でもMLBが選手への報酬に関して最低金額を保証していることだ。
MLBではポストシーズンゲームに関して、チケット収入の60%に該当する金額を選手に配当するという規約が存在する。そこで、リーグが各チームの選手に配当する最低保証額が開示されている。

ワールドシリーズ優勝 $2,416,450
ワールドシリーズ敗者 $1,611,000
リーグチャンピオンシップ敗者 $805,500 
ディビジョンシリーズ敗者 $644,400.00
非ワイルドカードで地区2位のチーム $161,100

この金額を選手間でどう分配するかは、選手の投票によって決められる。均等分配もあれば、成績分配もあり、チームや年度によってその方法は様々だ。選手投票の結果、コーチやトレーナーなどにも、報酬が支払われるケースが多くなってきている。

なんとも合理的な利益配分だ。
上記の事柄はMLB規約に書かれており、MLB規約は誰でも見ることが出来る。MLBの選手会は過去に何度もチームやリーグを相手取り労働交渉を行なってきた。その過程でストライキも辞さない強固な姿勢で望んできたため、全米最強の労働組合と批判されることもある。だが、度重なる労働交渉の結果、これだけシンプルで明確なポストシーズン報酬規約を獲得した功績は大きい。

日本のプロ野球は、リーグ優勝や、シリーズ優勝など節目によって「ボーナス」が設定されているのが「せいぜい」だ。
選手会によるストライクには賛成出来ないが、MLBくらいハッキリした報酬規約はあってもいいんじゃないかと思う。




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2011年07月04日

ドジャーズ経営破たん MLBと論争

marketing-249867.jpgロサンジェルス・ドジャーズが破産宣告をして1週間が経過した。
チームは、スケジュール通り試合を行っているし、ホームゲームの観客が減少したという報道もされていない。選手年俸や、スタッフへの支払いもMLBが何とかすると言っている。
スタジアムの中では、なんとか平静を保っているようだ。

しかし、MLBコミッショナー「バド・セリグ」と、ドジャーズオーナー「マックコート」の間の抗争は収まる気配がない。
セグリは、ドジャーズをMLB管理下に置き今シーズン終わりまで運営を行い、その後新しいオーナーを探す方法を取ろうとしている。チームをリーグが一時的に運営するケースは、過去にモントリオール・エクスポズで行ったことがある。


2000年以降エクスポズが深刻な財政難に陥り、プエルトリコにてホームゲームを行うなどの対策も実施されていた。2002年2月15日には、ついに当時のオーナーが球団を手放し新たな買い手も現れなかったため、オーナー不在状態で球団存続の危機に立たされてしまう。そのため、緊急の措置としてメジャーリーグ機構が1億2000万ドルで権利を購入し、運営を続けた。そして2005年に本拠地をワシントンに移し、新しいオーナーと共に、チーム名をナショナルズにした。

MLBは今回のドジャーズも同じような方法での解決方法を考えているようだ。

しかし、ドジャーズを破綻に追い込んだマックコートは黙ってない。ドジャーズは破綻したが、その資産はオーナーに所有権があり、TV放映権をはじめとする資産をみすみすMLBに渡すつもりは無いようだ。
MLBは、内規としてチームが破綻した場合にリーグがチームを運営を一時的に行うことを定めている。マックコートの弁護士は、「そんな内規は連邦法では認められない。チームをMLBに渡すつもりは無い」と主張。
一方MLBの弁護士は「マックコートは、MLBのメンバーとして内規を守る契約書にサインしている。その上ドジャーズ運営という名目で1億ドルを借金しその多くを私的に流用した。またMLBが資金の私的流用を監視するために送り込んだ人員を追い出そうとしていた。これらは、公共性の高いMLB運営にあってはならないことであり、球団ファンを失望させることだ。MLBに対する反目であると同時に、全米の野球ファンを失望させた。これ以上彼が野球ファンをがっかりさせるようなことを許してはならない」と声明を出している。

今回のケースは、プロスポーツの経営が、一般企業の経営と全く異なるということが、ハッキリと出た。会社が経営破綻したら、資産売却や営業譲渡をして少しでも借金返済に充てることが許されている。特別大きなJALやダイエーの場合は別だけど。
ドジャーズは、JALやダイエーより規模は小さいし、売り上げだけを見たら、アメリカ大企業の仲間入りは出来ない。

だけど連日新聞紙面に大きく報道されているし、リーグや、ファンなどの意見を尊重した意思決定を迫られる。公共性が高いからこそ、オーナーの社会的信用も高いが、危機に陥った時には色々なものに束縛される。
スポーツファンとしても、今回の事件はがっかりだ。チームを守り、ファンを守り、野球を続けてほしい。オーナーの離婚騒動が球団経営に影響を与えるようであってはいけないし、そんなオーナーは球界から退席してもらうしか無いだろう。


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2011年06月28日

ドジャーズ破産、黒田給与未払い450万ドル

ロサンジェルスドジャーズが、西海岸時間6月27日に破産申告を行った。

2004年よりドジャーズのオーナーになっていた、マックコート氏の離婚裁判で、球団の所有権をめぐる論争があり、マックコート氏による球団の現金を私的に使い込んでいたこと、などが主な原因とされている。

マックコートは、妻ジェイミと離婚裁判中で、ドジャーズ球団がどちらの持ち物なのか、法定で争われていた。球団の所有権争いの最中に「球団が取られるのなら、その前に現金つかっちゃえ」的な行動に、マックコートもジェイミも出た。球団の金庫からオーナーが巨額の現金を自分の銀行口座に移し替えていた。それを知ったメジャーリーグコミッショナーは、監査役を2011年の4月に送り込んだ。
しかしマックコートは、監査役の言う事など聞かずに好き勝手に球団経営を続けた。

その上、ドジャーズとケーブルTVとの放送権契約によって得られる2億5000万ドルから3億ドルに関しても、マックコートの離婚調停金になる可能性が高かった。球団のTV放送権料金は、チームを運営する上で重要な資金。選手の補強やスタジアム改修に必要不可欠なものだ。これをオーナーの離婚の為に使われたのでは、ドジャーズファンは許すハズが無い。
そこでコミッショナーは、ケーブルTVとの契約を凍結する命令を先週出したのだ。

MLBは、破産申告後も180日間は現在のケーブルTV放送権の商談を継続することを、裁判に許可を得た。
そして、MLBコミッショナーのバド・セグリは、マックコートの破産と同時に、ドジャーズが終わってしまないように、オーナーを交代させることで裁判所の許可を得た。

破産申告をした月曜日に、球団側は、「通常通りシーズン終まで運営させるのに必要な費用、1億5000万ドルは確保したと発表した。
今シーズンドジャーズのチケット価格も変わらず、選手報酬も、スタッフの給与も予定通り支払われることが確認された。
ドジャーズの破産申告を受けて、MLBは他の29チームの財務状況を公開。MLBファンに、余計な心配を掛けないための配慮が行われた。

マックコートは2004年にドジャーズのオーナーとなった。
しかしオーナーになった瞬間から、4億ドルの借金を球団名義でしていた。彼はメジャーリーグ球団をマネーゲームの一環と考えていた可能性が否定出来ない。
安く買って高く売れば利益が出る。その上MLBオーナーという名誉も手に入る。そんな企みで球団オーナーになったのでは無いだろうか。
2004年以降、マニー・ラミレスやノーマー・ガルシアパーラ、ラファエル・ファーカルなど高額選手を獲得し、監督には元NYYのジョー・トーリを高額で契約。
選手補強に巨額の投資を行うが、ワールドシリーズに出場するには至らなかった。

月曜日に裁判所に提出された書類によると、
2011年の4月に引退したラミレスには2100万ドルの報酬が支払われていない。現在ヤンキースにいるアンドルー・ジョーンズには1100万ドル。日本人投手の黒田にも450万ドル支払われていない。

なんとも悲しい話しだ。
ドジャーズといえば、MLBの中でも名門チームだし、観客動員も決して少なくない。経営が危なくなる可能性は極めて低いチームだったはずだ。
日本みたいに、親会社からの支援を受けて経営していないMLBは、リーグによる分配金や、「ぜいたく税」制度で破綻しにくくなっている。
今回の様にオーナーの経営状態に、影響されて、球団が破綻に追い込まれるのは、なんとも悲しい。
それも離婚裁判の影響だなんて。

試合も存続されるし、選手年俸も支払われる予定なので、大きなトラブルにはならないだろう。
オーナーはリーグによって厳正な審査を行ったり、1年度との更新審査があってもいいんじゃないのかな。

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2011年06月25日

MLBチーム価値6%上昇

アメリカの経済誌「Forbs」が毎年発表しているMLBチームの市場価値ランキングによると、アメリカ経済が低迷している中、MLBチームの価値は2010年に比較して平均で6%も上昇した。30チームのうち、前年比でチーム価値が特に上がったのは、ニューヨーク・メッツ、サンディエゴ・パドレス、ミネソタ・ツインズミネソタ・ツインズで前年比21%も増加。また新しいスタジアムに移転した、フロリダ・マーリンズもチーム価値を上昇させている。
サンディゴ・パドレスはシーズンでの優勝は出来なかったが、最後まで優勝争いを続け2ゲーム差の2位だった。見逃せない試合がシーズン後半に続いたこともあって20万人もの観客を増加させ、3700万ドルの最終利益をあげた。

このForbs試算は1998年から始まっているが、その中で14年間連続で最もチーム価値が高いチームとして、ニューヨーク・ヤンキースが選出された。

ヤンキースは収益の柱が3つある。
チケットと年間席の売上が、年間325万ドル
スタジアムの看板を含めたスポンサー収入が、85万ドル
ヤンキース球団はニューヨークのローカルケーブルTV局「YESネットワーク」の株式を34%保有している。
ヤンキーススタジアムの管理運営を行なっている「レジェンド・ホスピタリティー社」の株式も球団が持っている。この2社の売上合計は2500万ドルもあり、その数%を株主配当金として受け取っている。

アメリカ経済が低迷している中、MLBチームの価値が上がったのはなぜだろう。
昨年の観客動員は2009年に比較して0.4%減少した。アメリカ野球界はもっと深刻な動員数現象を予想していたが、わずか0.4%の落ち込みで済んだ。
この事実が全体に好影響を広げていったのだ。
野球以外の産業が、リーマンショックでダメージを受けている中、MLBだけは元気だった。
その事実にスポンサーが吸い寄せられて来ることもあった。不景気になりモノの物価が下がったので、グッズやスタジアムでの飲食物の仕入れ値も下がった。販売価格は変わらないが、利益率が高くなり、結果的に球団の収益が増加するという現象が報告されている。

野球はアメリカの国技だ。
観客動員が減少しなかった理由については、まだ明確な節が出てきていないが、不景気になっても野球観戦はやめない。そういう価値観を持った人々がMLBを支えているということだ。
日本のスポーツはどうだろう。
不景気になったら、真っ先にスポーツ観戦をやめてしまうんじゃないだろうか。
アメリカのスポーツ文化度の高さをあたらめて示す、説得力のある数字だった。

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2011年04月03日

MLB春キャンプ-観客動員

MLBが開幕した。開幕戦ということで観客総員数も好調で、アメリカ経済は2009年のリーマンショックから立ち直りつつあると評する専門家も出てきた。
日本プロ野球はこの震災で4月12日に延期になっている。震災の為、日本が世界経済に打撃を与える恐れを懸念して、G7が開催されることが急遽決まったそうだ。回復基調に乗ったアメリカ経済と、先行き不透明で低低基調の日本。スポーツはこんな時に、色々な意味で「力」になることが出来るものだ。

さてさて、MLBのオープン戦では、過去最高の観客動員数を記録した。30チームが、フロリダとアリゾナで集めた観客は351万3720人。2010年までの最高記録は350万6373人だったのを上回った。

marketing-229504.gifミネソタ・ツインズはオープン戦の観客動員記録を更新し12万9453人を動員した。
コロラド・ロッキーズアリゾナ・ダイヤモンドバックスは、同一施設内でスプリング・トレーニングを行い、MLBの記録を上回る35万9308人の観衆を集めるのに成功した。
過去の記録は、マリナーズパドレスが2008年に記録した20万3146人で、10万人以上も多く観客を集めるのに成功したことになる。
Dバックスは1試合あたりの最高観客数も30チーム中で最高だった。人気チームのニューヨーク・ヤンキースは1試合最高で1万0854人だったが、Dバックスは1万1161人だった。わずかだが、Dバックスがヤンキーズを超えたところがスゴイ。

Dバックスは、ホームタウンがアリゾナで、同じ州の中でキャンプを行い、オープン戦も行っているので、他のチームより近距離にファンがいるにも関わらず、昨年まではオープン戦に観客を集めるのに成功してこなかった。
ワールドシリーズに勝利した直後の2002年でも、オープン戦全試合で13万6940人だったが、2011年は18万9737人と大幅に記録を更新した。
その主な理由は、オープン戦を行うスタジアムだと、社長のDerrick Hall氏はメディアのインタビューに答えている。まず、野球ファンがオープン戦観戦にもとめる「価値」を徹底的に調査して、ファンにとって理想的な環境を整えたスタジアムにした。
このスタジアムを建築した自治体と、2つのチームは共同で、地域の活性化に取り組んできた。スタジアムの周辺には練習用のグランドが12面拡がり、ブルペンは4つ、守備練習用の内野だけのグランドが4面。バッティングフィールドが4面。室内練習今日も充実している。
2つのチームが同時にキャンプを行えるだけのクラブハウスは、メインスタジアムのレフトスタンド下と、ライトスタンド下に建設された。そのスケールの大きさは私たち日本人の常識をはるかに超えるものだ。
MLBは1つのメジャーチームが6〜7のマイナーチームを持ち、全てのチームの選手が一同にキャンプを行うので、このような広大な施設が必要とさせる。

練習施設だけでなく、大型駐車場や飲食施設も用意され、チームのホームタウンからの来場者は勿論、地域住民が気軽に立ち寄れるスタジアムを完成させた。
新しく快適な施設が、観客動員の原動力だったと報道されている。日本ではなかなか真似が出来る事例じゃない。僕個人としてもハードに依存した観客動員増加にはあまり賛成出来ない。このスタジアムが来年以降も多くの観客を集められるかどうか、しばらく注目してみることにしよう。


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