2007年09月21日

松坂を年間3400万円で観る価値

20070921-00.jpg松坂がRED SOXに移籍した2007年シリーズスタートと同時に、RED SOXの本拠地であるフェンウエイ・パークのスイート利用料金が2006年シーズンと比較して平均で6万5000ドル値上がりして、28万3000ドル(約3400万円)になった。

勿論、松坂の入団を理由による値上げではない。1982年にスイートが出来て以来はじめて、モダンな豪華コンドミニアム風に改装された。タイルの床を桜材に張替え、バーカウンターは御影石、プレートウォーマーにはそれまで固形燃料だったものが、最新の電磁式に変わり、大型のフラットVTが3台と最新式の音響施設、高速インターネットに接続したパソコンまで完備した。この大幅な改装が値上げの主な理由だ。25年ぶりに洗練された内装なら価格変更を契約企業に請求することも正当化できる。

ファンウエイ・パークは観客席数が少ないこともあり、一般チケットは常時売り切れ満員の状態。スイートの価格変更によって、一般チケットの価格改定に着手することなく、GAMEDAYの売上を伸ばすことが目的だ。さらに言えば、一般チケットの価格改定を行った場合、全試合売り切れだったチケットに売れ残りが出る危険性がある。収益的な問題もあるが、フェンウエイ・パークのチケットに売れ残りが出た。というニュースが全米に駆け巡るリスクも計算しなくてはならない。

一方で、スイートを取り壊しているスタジアムもある。1991年に本拠地をUSセルラー・フィールドに移したWHITE SOXは、102室ある豪華なスイートの約半分が契約者にいないままシーズンを迎えている。現在は1試合3500ドルからスイート観戦が楽しめるバラ売りを始めた。このバラ売りは庶民にはありがたい制度だが、ずっと年間でスイートを購入している企業にはマイナスだ。スイートは年間でしか買えない特別なもの。多額のお金を野球観戦に使える富裕層だけに与えられた特権的なものだ。スイートはマーケティングで言われる「心理的価値」が占める割合が高い商品だったが、バラ売りによって「心理的価値」が減少してしまうからだ。

WHITE SOXのスイートが売れ残るのは、チームの人気には関係ないと考えられる。シカゴにはWHITE SOX以外に、CUBS(MLB)があり、NFLのチームが1つ、NBAが1チーム、NHLが1チーム本拠地を置き、合わせて400を超えるスイートが売りに出され、過剰供給の状態だからだ。USセルラー・フィールドのスイートは2007年シーズンは90まで減った。プレミアムシート改装されたが、それでもまだ多い。「適正な数は60から70の間だろう」と、WHITE SOXの副社長兼CMOのブルックス・ボイヤー氏はインタビューに答えている。RED SOXのスイートのウエイティングリストに15社の名前が連なっていることに「もしシカゴ全体でRED SOXと同じ40しかスイートが無かったら、もっと多くの会社の名前がWHIE SOXのリストにも名前を連ねただろう」と同氏はコメントしている。

RED SOXのスイートにプレミアがあるのは、一般チケットが手に入りにくいという事情もある。企業にとってフェンウエイ・パークのスイートで接待をするのは大きな効果がある。そのためにおよそ3400万円のスイートを購入しても、充分にモトが取れるのだろう。

日本でも東京ドームの、バックネット裏のシーズンシートには長いウエイティングリストがあった。このことろの巨人離れで、このリストが短くなっていないことを望みたい。



posted by marketing |11:20 | メジャーリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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