2007年07月27日

シカゴ・カブス 1190億円以上で競売

20070727-00.jpgMLBの名門チーム、シカゴ・カブスが現在売りに出されている。つい先日競争入札が行われた。推定では10億ドル(約1190億円)を超える値段がつくと思われる。現在のオーナーは、シカゴの不動産事業会社トリビューン社。同社が現在非中核事業を整理しており、その一環としてカブスも売に出されているのだ。

何故シカゴ・カブス10億ドル(約1190億円)以上の大金を支払おうと思うのだろう。いくらなんでも高過ぎるんじゃないかと思う。
現在カブスは1対1のデーィルではなく、ビットによる入札を行っており、複数の候補者が参加している。
その中の一人でダラス・マベリックスのオーナーで、インターネットビジネスの億万長者、マーク・キューバン氏もこの入札に参加する意思を表明しているが、カブスのファンは彼に「カブスは長い間ワールドシリーズで優勝をしていないが、それでも価値があるのか。と言う質問を投げ掛けた。

それでもマーク・キューバン氏を始めとした、複数の候補者は積極的に入札に参加した。この状況から考えると、カブスへの入札価格は10億ドル(約1190億円)を超えることが予想(NY Times)されている。

カブスの価値
カブスが勝てない理由の一つに、ホームスタジアム、リグレーフィールドの排水の悪さがある。建築物としてはボストンのフェンウエイパークの次に古く、メジャーを代表する美しい球場だが、排水に関しては設計が古い分、問題が有る。3塁ベースの後ろ最前列の席に座って見るとそのことがよくわかる。3塁ベースの少し右に、小さな丘がある。この丘のおかげでショート方向へ打たれたボールは複雑なバウンドをし、守備陣を惑わせ続けてきた。チームを売却しようとしている時に、100万ドル(約1億1900万円)の資金を使って、内野の排水工事をしようとは誰も思わない。だからこの丘の問題は先送りされ、今日の試合でもショートを惑わせ続けている。

昨シーズンのオフにカブスは、ソリアーノを含む高価な選手に1億3600万ドル(約162億円)を使ったが今シーズンの成績にその効果が明確に現れているとはいいにくい。
ワールドシリーズで優勝したのは1908年。リーグ優勝ですら1945年まで遡らなくてはいけない。名門チームだが強いチームとは言えない。

カブスは確かに人気チームだ。同じシカゴにある、ホワイトソックスが優勝した2005年シーズンでさえ、スタジアムは常時満員で、試合当日になると立ち見席ですらチケットを手に入れることは難しかった。
伝統も人気もあるが、強くないカブスに本当に10億ドル(約1190億円)以上の価値があるのだろうか。

チーム売買事例
NBAのシアトル・スーパーソニックの例を見ると、スポーツチームを、収支を充分に計算せずに購入することはビジネスとして間違いだということが解る。

スーパーソニックのオーナーは、2006年シーズンまで、スターバックスのCEOハワード・シュルツだった。彼は2001年にスーパーソニックを買収し5年間保持したが、その間のチームの赤字合計額は6000万ドル(約71億円)にものぼった。
そして2006年オクラホマビジネスマン、クレイトン・ベネットにチームを売却。

新オーナーのベネットはシアトル市に対して、巨額の助成金を拠出して新しいアリーナ(競技場)の建設を要請している。もしこの願いが聞き入れなければ、チームをシアトルからオクラホマに移す用意があると、切り札をチラつかせて強気の交渉を進めている。

スポーツチームも一般企業と何ら変わりはない。利益が出なければ存続できない。赤字を垂れ流していてもいいという理由はどこにも見当たらないのだ。

確かにスポーツチームのオーナーになる人物は、私たちの想像を超える億万長者で、5年で6000万ドル(約71億円)は痛くもかゆくも無いのかもしれない。しかしスポーツチームの経営はビジネスであって遊びではないし、慈善事業でもない。ビジネスである限り利益を生み出さない現象は、マイナスでしかない。

オーナーのメリット
しかしこの常識的な理論は、キャピタルゲインというマジックによっていとも簡単に覆されてしまう。
スターバックスのCEOハワード・シュルツは5年間で6000万ドル(約71億円)の赤字を計上したが、2001年に2億ドル(約238億円)で買ったチームを2006年に3億5000万ドル(約416億5000万円)で売りさばいた。
売却益で1億5000万ドル(約178億5000万円)のプラスになり、赤字分を引いたトータルでも9000万ドル(約107億円)も儲けた計算になる。同時にシュルツはNBAのオーナーであるという名誉も5年間手に入れたのだ。
スターバックスの様な新鋭の企業は、地域のビジネス有力者や、全米の社交界から見るとただの「成金坊や」でしかない。しかし3大スポーツのオーナーになると、そういった階層の人々の態度が変わると言われている。同時に本業であるコーヒーショップの出店などで、多くの人から協力を得やすくなるのも事実だ。
そういった背景もあって、新鋭の億万長者がプロスポーツチームのオーナーになりたがるというわけだ。

26年で50倍
現在のカブスのオーナー、トリビューン社は1981年に2000万ドル(約24億円)でチームを購入、今回10億ドル(約1190億円)で売れば、購入価格の50倍という驚くべき運用をしたことになる。名誉が欲しいニューリッチがプロスポーツチームの価格を押上げ、赤字でも十分に補填をし、スポーツ文化のパトロンになってくれていると考えれば、決してマイナスではないだろう。しかし、このままチームの価格が上がり続けるとは思えない。いつかはバブルが弾けてしまうんじゃないかと思う。

文化を億万長者が支えていくのは、ずっと昔からそうだった。だから反対はしない。でもバブルの様相を呈しているこの状況は、なんだかとっても気持ちが悪い。

今はとにかく、来シーズンもリグレーフィールドで、シカゴカブスの元気な野球が見られることだけを祈るしかない。オーナーが変わってカブスが強くなるのを願うばかりだ。

※$1=¥119で計算しています。


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posted by marketing |11:01 | メジャーリーグ | コメント(3) | トラックバック(0)
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フィールドオブドリームス

コメント投稿者ID :

祭りをビジネスにするのは古今東西そうであるように香具師のような一部の人間だけであって、共同体全般にとっては公認された蕩尽の場である。

そしていうまでもなく、米国におけるボールパークは祝祭の空間である。
すべてを収支換算してみるホモエコノミクス的感覚では無益な投機的行為も、世俗から得た富を衆目のなかで蕩尽をして優越的満足感と地位を得るというホモルーデンス的感覚を理解するなら、この米国的お大尽も理解できるだろう。

交換価値というビジネス的観点からはたしかにいつかはバブルがはじけるかもしれないが、古いチームであればそれだけで骨董的価値が出て、野球をビジネスにしない人間が持つ富の余剰で、つねにその時代最高の名望家を米国の名門チームは引き寄せつづけることだろう。

要するに、カブスの件も野球にそれだけの経済的価値があるということでなく、野球にそれだけのカネを出せるタニマチ(新興成金)が米国に生まれている、ということをあらわしているに過ぎない。
無論、このことは「オーナーの魅力」以下でここのブロガーも指摘していることではある。

posted by 阪神大本営 阪神大本営 | 2007-07-27 15:08

Re:シカゴ・カブス 1190億円以上で競売

コメント投稿者ID :

カブスはシカゴエリアの人気チーム。
試合はいつも超満員。
それなりの価値があるのは当然。

posted by 神保町界隈 | 2007-07-27 18:43

Re:シカゴ・カブス 1190億円以上で競売

コメント投稿者ID :

しかし勝てない・・・。あれだけ金をかけたのに勝てない。ヤギの呪いから解き放たれそうだったあの時もファンのキャッチで・・・。最近はディビジョンにも進めないのがキツイですね。

観客動員については計算をしていないので断言はできませんが、仮に毎日満員だったとしても、この競売価格は少々異常な感じがします。今季はヤンキースレベルで金を使ったにもかかわらず、成績はいまいち。これで本当にやっていけるのかどうかは庶民の私には正直分かりかねます。もちろんGMはクビでしょうが。

設備は・・・。何せナイター設備もリグレー家が野球は夜にやるものではない・・・とか言って中々実現しなかった筋金入りの球場ですからね。これからも世間の声が高まらない限りは金をかけそうにない気がします。しかもファンにもメジャーリーガーにも大人気のリグレーフィールド。移転は不可でしょうし・・・。

posted by 星干 | 2007-07-28 10:30

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